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DAZN観戦 2023年J1リーグ第28節 アルビレックス新潟vs横浜FC

2023-09-25 16:03:07 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

J1に上がってからも、ターンオーバーしながらの戦いを続けている新潟。
この日も先週の試合からスタメンを7人変更と、その方針にブレを見せず臨みました。

一方、降格ラインの瀬戸際での戦いが続く横浜FC。
残留に向けた戦いという以外に際立った方針は感じる事が出来ず。
辛うじて守備重視のスタイルは伺えるものの、選手編成に問題がありかつシーズン途中での変更と、幾つもの難点が降りかかる状況となっています。
序盤に比べると何とか勝ち点を重ねてはいますが、果たして仮に残留したとしてそこに未来はあるのかどうか、と考えさせられるものであり。
前回の降格も昇格2年目に大崩れしてのもの(2021年)だったし

それでもこのカード、前回対戦で勝利したのは横浜FC。
新潟にとっては雪辱戦で、リベンジし甲斐のある相手でもあります。

早々の前半1分に好機を迎えたのは横浜FCの方で、裏へのミドルパスに走り込んだ山下、舞行龍のクリアをブロックで防いでそのまま拾ってエリア内を突き。
勢いのままにGKの眼前まで迫ったものの、必死に戻った舞行龍に引っ掛けられて倒されシュートは撃てず、反則の笛も鳴らずに終わります。

しかし続く2分、ユーリのドリブルが島田に倒されると今度は反則となり、左サイドからのフリーキック。
かなり遠目の位置からキッカー・カプリーニのクロスがファーに高く上がると、吉野が合わせにいった所をGK小島が抑えにいってこぼれるボール。
そこに岩武が詰めにいきましたが、素早く抑えた小島の手をチャージする形となってしまい反則で終わり。
入りは主審の笛が鳴るかどうか、という流れとなりました。

そんな不安定な状態からいち早く立て直したのは新潟で、不変のスタイルが根付いているチームはそこに立ち返るのは早くあり。
6分にボールを確保して最後方からのビルドアップの体勢に入ると、GK小島が持つ状況で、例によって一方のボランチとトップ下を並べて「1アンカー・2シャドー」の布陣へと可変。
アンカーに位置した秋山が縦パスを前に出た島田に打ち込むという、その関係性から前に運ぶ事に成功し、左へ展開して堀米→島田と経由したのちの中央へのパスを受けたのは三戸。
ワントラップで左ポケットに切り込みそのままシュートを放つと、GK永井の正面に飛ぶも、弾ききれずにボールがゴールへと吸い込まれます。
フィニッシュはスッキリしない形ながらも、得意の手で先制点に辿り着きました。

追う展開となった横浜FC、前回(24節・セレッソ戦、0-1)のようにただ守っていてはどうしようもない状況に早くも追い込まれ。
前節(柏戦、1-2)も前半は消極的な戦いに終始したとあり、厳しいといえたものの、ここから目の色を変えて反撃に掛かります。

10分にポストプレイに入った鈴木に対しンドカが激しくチャージして反則、これにより鈴木が1分以上倒れ込み、ピッチ外→復帰となり。
褒められたプレーでは無かったものの、これで新潟が縦に打ち込む所をすかさず奪う姿勢が出来たでしょうか。
12分にユーリのボール奪取から、こぼれ球を井上がダイレクトで縦に送り、受けた伊藤も裏へと浮き球を送って好機。
抜け出した山下がエリア内でGKと一対一を迎えたものの、シュートはGK小島が足でセーブと攻守に阻まれます。

リズムを掴んだ横浜FC、ここから自身がボールを握っての攻撃も巧くいくようになり。
新潟がそれを何とか凌いでカウンター、という逆転現象が起こりました。
左右のセンターバックの片割れが上がり、それにより両ウイングバックも高い位置を取る体勢からのビルドアップ。
サイドに人数を掛けてパスを繋いだのちに、逆サイドへ展開という理想形が出来上がるも、今一つに見えたのが右の山根の姿勢であり。
折角右サイドをドリブルする体勢に入っても、アーリークロスに傾倒するその選択は、攻撃権を支配している状況とは合っていないように感じました。

それでも珍しく好条件を揃えた横浜FC、結果に繋がるのも早く。
24~25分に長いボールポゼッションを経て、右から岩武のクロスがクリアされるも、セカンドボールを確保して尚も繋ぎ。
今度は左サイドからの前進で、林幸が山根とは対照的に溜めを作った状態でクロスを入れると、ニアに入り込んでいたユーリがフリック気味のヘディングシュート。
綺麗にゴール左へと突き刺し、クロスを入れる際はエリア内に人数を掛けるのが第一、というような同点弾となりました。

尚も攻め上がる横浜FC。
ゴールを挙げたユーリは気持ち良く攻守に活躍するようになり、相手のロングボールの跳ね返し役・自身のロングボールのターゲット役もこなす縦横無尽ぶり。

リズムを掴み直したい新潟は、横浜FCのタイトな守備姿勢により中々繋げなかった縦パス攻勢に活路を見出し。
34分に秋山縦パス→堀米ポストプレイ→渡邊左へ縦パス→三戸受けてドリブルという流れでポケットを取り。
そして低いクロスをニアに入れるも、走り込む高木の前でGK永井が防ぎ。
36分に再びポストプレイの際に鈴木がンドカにチャージされると、今度は反則の笛が鳴りンドカに警告も付き出され。
これで状況有利となったでしょうか、39分の新潟のGK小島からのビルドアップにプレッシャーを掛けた横浜FCですが、後ろが前に出ず間延びしてしまい。
新潟の縦パス攻勢の格好の餌食となり、秋山のスルーパスをエリア手前で受けた松田、さらにポケットにスルーパスを送るも鈴木には惜しくも繋がらず。

攻勢に入る新潟、アディショナルタイムにフィニッシュの嵐を浴びせ。(一度横浜FCがスルーパスに走り込んだカプリーニがループシュート、ゴールに突き刺したもののオフサイドで無効に)
良く通るようになったスルーパスを軸に好機を作り、藤原のミドルシュート(GK永井キャッチ)・高木のペナルティアークからのシュート(枠外)・スルーパスに走り込んだ松田のシュート(ゴール左へ外れる)と攻め続けるもゴールは割れず。
結局前半は1-1で終える事となりました。

ともに交代は無く迎えた後半。
前半の勢いそのままに攻め上がらんとした新潟ですが、いざ敵陣で進入した際の勝負のパスが繋がらず。
最初の好機は後半1分でしたが、敵陣でのボール奪取から素早く運ばんとしたものの、三戸の裏へのミドルパスに松田が反応できず終わり。

そうこうしている内に横浜FCは3分、左サイドから林幸スルーパス→山下受けてエリア内へスルーパスと縦に速い運びを経て、カプリーニが走り込んでシュート。
ブロックされて左CKとなると、キッカー・カプリーニのクロスをファーサイドで吉野が合わせヘディングシュート(GK小島セーブ)とゴールに近づきます。

これで後半立ち上がりは横浜FCペースとなる事が確定し。
新潟は何とか攻撃機会を得た9分、右サイドで秋山のスルーパスに松田が走り込んだものの、ここでもダイレクトで上げたクロスが精度を欠くという形で流れを作れない松田。

一方有利な状況となった横浜FCも、相変わらず山根が早い段階でクロスを送る姿勢は変わらず、好機をフイにする場面が目立ち。
特に15分に折角カプリーニのスルーパスに抜け出しながら、奥に切り込まずクロスを入れた状況では、中に居たのが伊藤1人というだけあって放送席から苦言も生まれる始末となり。(解説=清水範久氏)

そして直後の16分に反撃の狼煙を上げる新潟。
秋山の裏へのミドルパスで最初に深さを取りにかかり、セカンドボールを拾って敵陣でパスワークを展開という変化を付け。
そしてエリア内を突いた三戸から今度はマイナス方向へ細かく繋いだ末に、島田のポストプレイを経て秋山がミドルシュートを狙います。
起点の選手がフィニッシュという理想の攻撃で、ゴール右へ外れたもののブロックを掠めたために右CKに。
そしてここからキッカー高木のクロス、ニアに上がったその手前で鈴木・秋山が潰れるのを尻目に渡邊がほぼ直立のまま合わせヘディングシュート。
ゴール左へと突き刺さり、流れを逆転させた直後に結果を生み出しました。

勝ち越された横浜FC、キックオフの前に2枚替え。
当然と言うべきか山根を退かせ、近藤を投入する手立てをとった四方田修平監督。(同時に山下→坂本へと交代)
一方の新潟も20分、チームに乗れずにいた感のあった松田を退かせ。(太田と交代、同時に鈴木→長倉へと交代)

最前線に入った長倉が、盛んに位置を変える事により行われるポジションチェンジで横浜FCを揺さぶらんとする以降の新潟。
次第にプレッシングも衰えが見られてきた横浜FC、流石に2度のビハインドを跳ね返すのは厳しく。

打開には何か切欠が求められる状況で、26分に新潟のビルドアップに対し、島田のドリブルをユーリが奪った事でカウンターに持ち込みます。
送られたミドルパスを左ハーフレーンで受けた伊藤、さらにスルーパスを受けた坂本がポケットに切り込み。
入れられたマイナスのクロスは合わずも、キレの良い攻撃を見せた事で糸口を掴み。
以降投入された近藤も跳梁し、右サイドで盛んに奥に切り込んでチャンスメイクを果たします。

新潟は流れを変えんと、29分に再度二枚替え(秋山・高木→高・長谷川、三戸がトップ下に・太田が左サイドハーフにシフト)を敢行するも横浜FCの猛攻は続き。
30分に再び近藤から右サイドの攻め、カプリーニがポケット奥を取り、切り返しからシュートを狙うも渡邊のブロックに阻まれ。
この際鳩尾でボールを受けた渡邊が暫く倒れ込む事態となり、これで流れが途切れてしまったでしょうか。

新潟のターンとなると、長いポゼッションに突入し縦パス→ポストプレイでの戻しを挟みつつじっくり繋ぐ攻撃。
そして自陣まで戻して横浜FCのプレッシングを引き込み、舞行龍のミドルパスでその逆を突いて好機を呼ぶという具合に、この時間帯でも理想の攻撃の形を貫きます。
アタッキングサード中央で溜めを作った長倉から、託された高がエリア内へ縦パスを打ち込み、長谷川のポストプレイに走り込む長倉。
しかしその前にGK永井に抑えられて撃つ事は出来ません。

33分に横浜FCは井上→三田に交代。
直後の攻撃でカプリーニのドリブルが藤原に倒されて反則となったタイミングで、島田が足を痛めてしまう新潟。
(FKの)守備陣形に加わった島田でしたが、すかさず手を打ったのがベンチで蹴られる前に新井へ交代と、先にカードを使いきります。
その後も41分に渡邊が足を攣らせるなど、終盤を迎えた事で被害も広がり。

何とかそれを突いて同点にしたい横浜FC。(38分に林幸→小川に交代)
しかし新潟サイドも守備ブロックを固めるようになり、ポゼッションを高めて隙を窺うもその難易度は高く。
唯一43分にユーリのボール奪取でトランジションを突く攻撃で、小川が左ハーフレーンをドリブルした末にポケットへとスルーパス。
しかし走り込んだ坂本に対し舞行龍が素早いカバーでクリアし、モノに出来ません。

そして45分、新潟は最終ラインで持ったのち縦パス→ポストプレイの連続で前進する体勢へ入ると、その縦パスが微妙に緩かったのもあり横浜FCサイドにとっては「奪いに行きたくてもいけない心憎いボール」に映ったでしょうか。
前進に成功させると、右ハーフレーンから新井→長谷川と経由して中央バイタルエリアの高に渡り、切り返してユーリを剥がしたのちのミドルシュートが炸裂します。
右外から弧を描いてゴール右へと突き刺さる、芸術点もほぼ満点といったゴールが文字通りとどめとなりました。

これでほぼ絶望的となってしまった横浜FC。
AT突入後も、パワープレイに頼ったりはせずパスワークに活路を見出すも、既に運気は残っておらず。

何とかFKを得たものの、(キッカー三田の)クロスが跳ね返されたのち、新潟の個人技を見せ付けられる形で危機に。
クリアボールを高がワントラップで確保して右サイドでキープし、マークを集めてパスを送ると、その先でも新井が絶妙なトラップで吉野を股抜きで剥がし。
そしてサイドチェンジを受けた三戸がフリーとなっており、ドリブルで突き進んだ末に左ポケットからシュート。
惜しくもゴール右へ外れて4点目はなりませんでしたが、緊迫の展開を乗り越えた末の解放感に溢れたような攻撃。

さらに目安の時間(5分)が過ぎたのちも、最後の攻撃を敢行する新潟。
自陣からのスローインで、長倉が三戸とのパス交換で抜け出すという具合に、既に横浜FCサイドは前掛かりになっても阻む力は無く。
そしてラストパスを受けた長谷川がシュートするも、枠を捉えられずとなった所で試合終了の笛が鳴り響きました。

かくして今季8勝目を挙げ、藻掻く横浜FCを尻目に降格圏からはほぼ安全という位置を確保した感のある新潟。
後はこのスタイルを維持したうえで、オフでどう補強するかという算段を立てる時期でしょうか。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第27節 ガンバ大阪vsアルビレックス新潟

2023-09-21 16:01:35 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

ここまで後半戦は3勝3分3敗と、全くの五分(?)の数字を残している新潟。
J2で培ったポゼッションスタイルも、強度の高いJ1クラブの格好の餌食とされてきながら、何とか踏ん張りを見せているといった所でしょうか。

この日もハイプレスを掛けて来るガンバが相手。
最終ラインにはベテラン・千葉がスタメンに復帰し、ボールを握る下地はある程度整った感があり。
そこからボールを持ってサイドに開いた秋山の縦パスを中心に組み立てて前進の姿勢を作る立ち上がり。
前半6分にはその秋山が右へと流れたのち、託された新井のスルーパスで一気に前進。
受けた長谷川が右ポケットを突いて中央へ横パスを通すも、受けた長倉は佐藤のディフェンスに遭い撃てず。

一方それに対抗するガンバ。
4分に敵陣左サイドで山本がボール奪取し、溜めを作ったのちエリア内への縦パスで好機を生み出し。
新潟サイドも素早く守りを固めるなか、受けたアラーノは左へ展開→(黒川の)クロスを選択し、収めたジェバリのポストプレイからダワンを経由してシュートチャンスが巡って来たアラーノ。
しかし放たれたシュートは千葉にブロックされて実らず。

ハイプレスを敢行して深めで奪っても、新潟は自陣に人数を掛けて確実に繋ぐタイプのビルドアップなので、ショートカウンターのケアもまあまあなされているといった感じであり。
そのため最終ラインへのチェイスもそこそこに、ボランチを切る姿勢へと移す(守備時の)2トップ。
主にアンカーの役を務める高をジェバリが、その周囲で動き回る秋山をアラーノがチェックする形で対応します。

他にガンバが目立ったのが縦パスのケア。
特にスペースへの浮遊を持ち味とする長倉への対応に非常に気を使っているという印象で、彼がポジションを取るであろう場所に先んじて山本・ダワンが立ち塞がるように位置取り。
こうなると後は降りて来る鈴木孝頼みといった新潟のパスコースであり、次第に攻撃リズムを掴めず停滞していきます。

そんな対策を受け、13~26分までの間新潟は攻撃機会を得れず。
それでもこの試合のような、無理に縦パス→フリックを通そうとして自滅する事は無く、スコアレスを保ちます。
しかしその間にも、先制したいであろうガンバの強烈な攻撃を受ける事に。
15分、GK東口の縦パスを受けにいった山本に秋山が喰い付いたのを突き、戻しからの東口のフィードで前進。
中央を進むアラーノのパスがこぼれた所を、ジェバリが反転しながらミドルシュート。(ブロック)
22分にはコーナーキックから、クロスは跳ね返されるも尚も繋ぎ、左から食野がカットインしてミドルシュート(ブロック)と個の力を発揮して遠目からでもゴールを脅かし。

やっと新潟が好機を得たのが26分で、新井→長倉への縦パスがカットされるというガンバの対策に嵌るも、すかさず長倉が奪い返してアタッキングサードに運び。
長谷川グラウンダーのクロス→鈴木孝ポストプレイで長倉が受ける好機となるも、山本の反則気味のディフェンスで撃てずに終わると、ガンバのカウンターが炸裂してしまいます。
黒川ミドルパス→アラーノ胸で落としでゲーゲンプレスもいなされ、ダワン→食野→ジェバリと経由してエリア内へ運び、ボールキープを経てアラーノにラストパスを送るジェバリ。
そして再度アラーノのシュートが放たれるも、新井がブロックして何とか防ぎます。

これを機にガンバがボールを握る展開へと完全に移り。
佐藤を起点としたショートパス重視の前進と、相手のお株を奪うスタイルで何度も好機を作ります。
しかしこれで、「ポゼッションスタイルのチームが、相手の一矢に脅かされる」傾向まで移ってしまったでしょうか。
34分に新潟はその一矢(といっても最終ラインからのショートパスでの前進からでしたが)を放ち、細かく繋いだ末に小見がミドルシュート。
これが左ポストを叩いて枠外となる際どいフィニッシュとなります。

長倉狙いの縦パスが対策されていると解った(であろう)新潟。
形を変えて、アンカー高の両サイドやや前方に秋山・長倉を配置する定型へと移行して出口を作りに掛かり。
39分にはその長倉に福岡が喰い付いた事で、そのスペースへデンが一気にロングパスを通し。
受けた小見がエリア内を突くも、佐藤の対応で撃てず。
40分に今度は長倉がデンの裏へのロングパスに走り込み、セカンドボールを繋いで好機を作り。
左サイドを繋いだ末に小見からクロスが入り、前線に居た長倉がボレーシュートを狙いましたがジャストミート出来ずに終わります。

終盤には、アラーノのチェックを避けるように秋山が最終ラインへ降りる等、相手の対策への対策を混ぜてあくまで繋ぐスタイルを貫く新潟。
ボールポゼッションを取り戻し、その間にも受けるガンバの攻撃も凌いだ末に、スコアレスでの折り返しとなりました。

ともに交代は無く、迎えた後半。
早速の後半1分に新潟の攻撃で、右サイドからの前進で秋山が奥を突いた事でCKを獲得と、変化の兆しが見られ。
3分には高が右サイド奥でボールを持つ(福岡のディフェンスで奪われる)など、ボランチが果敢に攻撃に絡む姿勢で均衡を破らんとしたでしょうか。
そうして敵陣で人数を掛けての繋ぎから、小見がボックス内でボールキープするシーンを頻発させるもののシュートには持ち込めず。

しかしそんな組織力も、得てして圧倒的な個の力に破られる危機の方が強く。
7分にダワンのボール奪取からガンバの攻撃、アラーノが右サイド裏へミドルパスを送り、奥で受けた食野がカットインからシュート。
ブロックに当たって右サイドネット外となり、尚もCKから佐藤がヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と立て続けにフィニッシュを浴びてしまい。
一気に攻勢に持ち込むガンバを前に、10分にはボールを持つダワンに対して複数でチェックにいくも、秋山が反則を犯し。
ダワンが倒れた所にさらに奪わんとした高が追い撃ちのようにチャージした事で、ダワンの激昂を招く事態となってしまいます。
その側にいたアラーノもヒートアップする状況で、たまらず他選手が入り乱れて止めに入り。
この迫力に新潟は色を失ったか、以降攻撃は殆ど繋がらなくなり、ロングパスによる打開も実らずと退潮著しくなります。

今度こそその隙を突きたいガンバ。
16分に佐藤縦パス→ジェバリポストプレイで左へ展開し、倉田が前進ののちクロス。
跳ね返されるも拾ったアラーノがミドルシュートを放ち、ドライブ回転が掛かったボールをGK小島がセーブと何とか凌ぐ新潟。
しかしその後もCK攻勢に晒されて一向に光明が見えて来ず。
そして18分、右サイドで上がった高尾にロングパスが渡ると、ここから長らくアタッキングサードで展開するガンバ。
クロスが流れたのち今度は左サイドで細かく繋ぎ、黒川が奥へ(食野との)ワンツーで切り込みクロスを入れ。
これもクリアされるも、拾った食野がカットインで中央からミドルシュートを放つと、地を這うようにゴール左へと突き刺さります。
相手を押し込んだ末に、その外からのフィニッシュで仕留めるという理想形で先制点に辿り着いたガンバ。

たまらずキックオフの前にベンチが動く新潟。
3枚替えで長谷川・小見・長倉→松田・三戸・高木と、一気に2列目の選手を総替えする策を採りました。

その効果からか暫くは攻撃権を得た新潟ですが、直ぐにその効果も途切れ。
前回観た際とは違い、高木と長倉の共存による相乗効果が期待出来ない状況であるのも災いしたでしょうか。

直ぐにペースを取り戻すガンバ、2点目を目指し。
23分に自陣でこぼれ球を拾ったアラーノがそのまま浮かせながら前進という技を見せてドリブルに持ち込み、託されたジェバリがエリア内を突いてアラーノへ横パス。
そうして決定機を迎えたものの、放たれたアラーノのシュートはゴール上へと外れ逃してしまいます。
それでも25分、倉田→ネタ・ラヴィ(代表帰りなためベンチスタート)へ交代と、尚もクオリティを保つガンバの交代策。(アラーノが左ウイングへ・山本がインサイドハーフへシフト)
以降も28分に食野がエリア内からシュート(枠外)、31分にはジェバリがミドルシュート(ゴール右へと外れる)と、個の力を活かしながら新潟ゴールを襲い。

ガンバの時間が続いたものの、31分にダワンが足を攣らせてしまった事で交代を余儀なくされ。
併せて3枚替えを敢行(ダワン・食野・高尾→石毛・宇佐美・中野、アラーノが右サイドへ回る)と大きく動いた事で、流れも止まってしまったでしょうか。

再び縦パスが通るようになり、ペースを取り戻す新潟。
そこから右サイドで松田の推進力を活かさんとするも、その松田のクロス精度が今一つで決定機を作れません。

すると迎えた38分、素直に中央からの攻めを選択した最終ライン。
千葉の縦パスを、三戸がスルーしたのち高木がポストプレイとひと手間加えると、受けた三戸がエリア内を突いてシュート。
流れるような前進の末にゴールネットを揺らし、同点に追い付いた新潟。

追い付かれてしまったガンバですが、直後の攻撃でロングパスを収めたジェバリのポストプレイから決定機。
受けた山本のエリア内でのリターンを、脚から跳び込んで直接フィニッシュに持っていったジェバリ。
しかしこの決定的なシュートも、GK小島が足でセーブして防ぎ2点目を奪えません。

逆に新潟にとって引き分け止まりでは前節(浦和戦、1-1)と同じ流れであり、是が非でも勝利したい立場となったこの試合。
その後も右の松田にボールを託す攻撃を中心とし、その松田も今度はカットインからシュートを狙う姿勢に移るなど積極性を前面に押し出します。

攻撃が途切れてもすかさずゲーゲンプレスを掛ける新潟。
しかし42分にラヴィがボールキープからの縦パスでそれをいなすという具合に、個人技は依然としてガンバに一日の長があり。
44分にともに最後の交代を行い、ガンバはアラーノ→福田。
新潟は高→島田へと交代します。(新潟は交代枠を1枚残して終える)

そして突入したアディショナルタイム、その差が露骨に現れた感があり。
新潟は先んじて攻め込み、秋山縦パス→高木スルーパスで右サイド奥を取り、例によってボールを持つ松田。
そこからショートパスでサイドを変えた末に三戸が左ポケットを突くも、高木への横パスがカットされると、ここでもラヴィのキープでゲーゲンプレスをいなしたガンバが矢印を反転させます。
ここからの攻撃はフィニッシュに繋がらずも、その後もラヴィのパスカットなどで新潟にペースを与えず。

そして左CKへ持ち込むと、クロスの跳ね返りを拾った石毛がミドルシュート。
鈴木孝のブロックで右CKとなり、またもクロスの跳ね返りを拾って石毛がミドルシュート、今度は左ポストを叩いて枠外と際どいフィニッシュとなります。
これだけシュートを放ちながら1点のみに終わったガンバ。
しかし新潟サイドもATの攻防に象徴されるように、「これだけ敵陣でパスを繋いでチャンスエリアに持ち込んだのに……」という思いに駆られる展開といった感があり。
かくしてそんな残尿感の通り、1-1での引き分けで幕を閉じる事となりました。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第27節 アビスパ福岡vs名古屋グランパス

2023-09-19 16:01:18 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

福岡が2021年にJ1復帰して以降、このカードは名古屋が5戦全勝と圧倒的優勢との事であり。
思えばちょうど1年前の対戦では、プレゼントボールを掻っ攫ってのゴールなど事件性溢れる内容となってしまったのが強く印象に残り。

このシーズンを辛うじて残留した福岡ですが、今季の成績は周知の通り、その揺り戻しが来たかのように鰻登りに。
カップ戦(天皇杯・ルヴァン杯)でも勝ち残って、クラブ規模の増長の切欠となり得る(かもしれない)に至る今シーズン。
その成果を、名古屋に初勝利(といっても2000年に勝利していますが)を挙げる事で見せつけたい一日となりました。

1年前の試合では、後半頭からミラーマッチに変更して奏功した事からか、この日は開始からミラーマッチで挑んだ福岡。
立ち上がりのロングボールの蹴り合いを経てペースを掴むと、いち早く最終ラインからショートパスを繋ぐスタイルへと移行して攻撃権を握ります。

こうしたミラーマッチでは、マンツーマンが常態化する中でどう前線へボールを運ぶのかがカギとなり。
そしてその体勢を先んじて作り上げた方が有利になるのは明白。
決して洗練されているとは言い難いながらも、名古屋FWの間を通してボランチにパスを出す等、チャレンジ精神は確かであった福岡のビルドアップ。
それに対し名古屋は遮断出来ずに結局ハイプレスを諦める姿勢に入ると、福岡の優勢はほぼ約束されたものとなったでしょうか。

それでも前半9分、和泉が中盤で奪った事でショートカウンターに持ち込む名古屋。
永井から森島へのパスが遮断されるも、即時奪回にいった永井が小田のチャージを受けた事で倒れ反則となり、良い位置での直接フリーキックを得ます。
横軸は右ハーフレーンの中央寄りで、名手・森島が直接狙い壁の左を抜けたものの、あろう事かコース上に居た中谷に当たってしまい跳ね返り。

失点危機を凌いだ福岡、以降も主体的な攻撃を繰り広げてゴールに迫り。
そんな福岡の姿を見て、名古屋サイドも最終ラインから繋ぐ事を試みるものの、それに対するプレッシングの動きも良い福岡。
8分に井手口のボール奪取から、拾った紺野がミドルシュートを放つ(GKランゲラックキャッチ)など、ショートカウンターでの得点の機運も高まります。

結局は最終ラインで福岡のプレスを誤魔化しつつ、ロングボールを送るしかやれる事が無くなる名古屋の攻撃。
それでも22分、GK村上のロングフィードを河面が跳ね返したボールが直接ユンカーに渡る好機が生まれ、そのまま遠目からシュートを放つユンカー。
ブロックされて左コーナーキックに持ち込むと、ショートコーナーを挟んでの森島のクロスをファーサイド奥で藤井が足で折り返して混戦に持ち込み。
そしてクリアされたボールを稲垣がミドルシュート、奈良がブロックで防ぐも再度右CKと波状攻撃の体勢を作ります。
ここからもキッカー森島ニアにクロス→永井フリックでエリア外に流れた所を、稲垣がダイレクトでシュート。(枠外)

しかし偶発性で得た好機故に、得点出来ずに終わると再び福岡のペース。
ここから右サイドで攻勢を強め、カットインか奥へ切り込むかの二択が良く効き。
29分には前嶋がその体勢に入ると、奥へと走り込む紺野に出すと見せかけてカットインと、名古屋ディフェンスを揺さぶりに掛かります。(その後は逆サイドへパスを繋ぐ過程でカットされて終了)

このままではいけないとばかりに、再びハイプレスを試みる名古屋。
33分にはそれが実って小田にロングボールを蹴らせて回収するなど成果はそれなりに見られましたが、結局は福岡からペースを剥がすには至りませんでした。

40分過ぎから攻撃権を独占する福岡。
そのうち1度がカウンターによるもので、あと(5度)は最終ラインからの前進というポゼッションスタイルによるものであり。
この試合(13節・鳥栖戦、0-0)での「主体的な攻撃に入った際の無策ぶり」から完全にかけ離れた姿は、感銘を受けずにはいられない?ものでありました。

結局名古屋サイドは、アディショナルタイムにボールを握って攻め上がったものの、崩せずにキープしたまま前半終了の笛を聴く羽目となり。
内容的には相手が上回る、と言わざるを得ず。
この名古屋はじめ、神戸・マリノスが勝ち点を伸ばせていない事で優勝争いも混沌としてきた上位陣。

名古屋で言えば、夏の移籍市場でマテウスが去ってしまった(サウジアラビア・アル タアーウンFCへ完全移籍)のが大きすぎる痛手となり。
更に噂されたユンカーの移籍話こそ無くなったものの、以降は殆どの試合で1点勝負を強いられるほど得点力不足は深刻に。
この辺りは長谷川健太監督がFC東京時代、久保建英(現スペイン・レアル ソシエダ)の移籍で失速・優勝を逃してしまった2019年と被って映ってしまうようですが、打開はなるかどうか。

後半に突入し、巻き返したい名古屋。
ヒントとなったのは前半最後にボールを握った局面で、右サイドでユンカーが稲垣の縦パスをポストプレイで繋いだシーンだったでしょうか。

後半2分、中谷からの縦パスを永井がダイレクトでさらに前へ送り、ユンカーがそれをポストプレイで繋いで敵陣で攻撃開始。
そこからは永井とユンカーの2人のみでの、素早く力強い運びで中央突破を果たし、最後はエリア内で永井がGKと一対一となってのシュート。
しかしGK村上のビッグセーブに阻まれ先制とはいきません。

その後もストライカーのユンカーは最前線に張ったままでは無く、度々降りてポストプレイでボールに絡み前進を円滑化させにいきます。
ようやく名古屋にボールを運ぶ体勢が出来上がった事で、福岡サイドも引いて守らざるを得ない局面が膨れ上がり。

10分に河面のロングパスをユンカーが落とし、拾った森島がミドルシュート。(枠外)
続く12分にも敵陣での稲垣のボール奪取から、永井が中央からミドルシュート(エリア内で奈良ブロック)と、そんな相手を崩さんと遠目からのフィニッシュで脅かす名古屋。

名古屋のサッカーがアグレッシブになって来た事で、福岡サイドは球際の強度を高めて対応に掛かります。
勢いを得ていた名古屋はそれに乗って来ない訳が無く、デュエル勝負を制し、そこから好機を作る事で再びペースを得ようとする立ち回り。
14分に小田が反則気味に奪ったのち、拾った金森が内田宅に倒されるも井手口が繋いだ事でアドバンテージと、ここでのデュエルは福岡に味方。
そしてアタッキングサードへと運んだのち、後方からグローリのミドルシュート(ブロック)と、こちらも遠目から撃って打開を図り。
17分にも自陣での前のボール奪取から前へ運び、一度はカットされるも右サイドで山岸が奪い返して継続。
奥を突いたのちポケットへスルーパスを送り、前のスライディングでのクロスで(ブロックにより)右CKをゲット。
そこでのキッカー紺野のクロス、GKランゲラックが飛び出して弾いた所を井手口がダイレクトでシュートしましたがブロックに防がれます。

選手の実績では上回る名古屋ですが、その分スタミナ面の不安も大きく、こうしたデュエル勝負を強いられ消耗も早くなっていったでしょうか。
先に動かざるを得ない長谷川監督、19分に永井・森島→前田・森下へと2枚替えし、和泉が左シャドーへとシフト。
また前田がFWに入る事で、稲垣をアンカーとしての3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジします。
左ウイングバックに入った森下、ユンカーの助力を得ながら前進するも、肝心のクロス精度に欠ける部分があり好循環を齎せず。

一方の福岡が動いたのは24分で、早くもジョーカーとなり得るウェリントンを投入します。(紺野と交代、山岸がシャドーにシフト)

ターゲットになり得る一方、ポストワークに衰えが見られるウェリントンをどう組み込むかがキーとなる福岡の攻撃。
27分、後方での繋ぎから宮がミドルシュート、ブロックされるも拾った小田が左サイドを前進して奥からクロス。
いかにもウェリントンにお誂え向きのボールがファーに上がったものの、ここはGKランゲラックに抑えられ。

名古屋は交代以降勢いを失い、さらに31分にユンカーを諦め。(中島と交代)
前線のスタメンは往々にして消耗激しく、最後まで引っ張れないのはある意味当然なのですが、代わりに入る選手がどうにもサブらしい活躍が出来ないのは困りものであり。
中島は得点感覚に優れた存在ながらも、この日ユンカーが務めていたタスク(主に前線の守備・ポストワーク)で甘い部分があるのは札幌時代でもおなじみで、やはり流れを変える事は出来ません。

そんな中で32分、福岡陣内でボールの奪い合いが発生するも、制したのは福岡。
陣形が乱れているうちに一気に前進を果たし、金森のアーリークロスは逆サイドへ流れるもののここからクロス攻勢に入り。
3本目の井手口の右からのクロス、これも流れましたがエリア内左で金森が拾い、即座に放たれたシュートは左ポストを直撃。
着実に名古屋にダメージを与えていた所に、34分にはCKからウェリントンがヘディングシュートを放つ(ゴール右へ外れる)など、主砲の威力も唸り始めます。
たまらず名古屋は最後の交代を36分に敢行し、野上・和泉→久保・吉田へと2枚替え。
(福岡は34分に小田→湯澤へと交代、前嶋が左サイドに回る)

そんな名古屋の必死の策も空しく、攻撃権を握る福岡。
そして39分、敵陣でボールポゼッションを高めつつ、左サイドからの攻めを選択。
ポジションが移った前嶋からクロスが上がると、巧みなポジショニングで中谷を出し抜いてヘディングシュートを放ったのはやはりウェリントンでした。
ゴール右へと突き刺し、ジョーカーの役割を綺麗に務め上げて欲しかった先制点を齎しました。

その一方で、勝利ならびに優勝に黄信号が灯った感が強まる名古屋。
ショックからか、キックオフからのビルドアップは金森に奪われた事であっさり攻撃が途切れ。(同時に藤井が金森に対し反則となり福岡サイドもショートカウンターできず)
以降も福岡の攻撃が続き、あっという間にATも目前となります。

既に細かな繋ぎに拘る余裕は無く、44分にGKランゲラックの裏へのロングフィードに久保が走り込み。
何とか左スローインに持ち込むと、それを妨害した奈良に警告が付き出され。
これにより、残り時間はパワープレイに舵を振る事が決定した(と思われる)名古屋サイド。
中島をターゲットとして、次々とロングボールを放り込むも当然ながら苦肉の策の域を出ず。
ATに突入した所で福岡も最後の交代を使い、キング・城後を投入。(山岸と交代、同時に金森→鶴野へと交代)

そして時間も最終盤となり、宮が足を攣らせて倒れ込んだ際、担架が入った事で目安時間(当初5分)から長引き。(宮は自力でピッチ外へ→復帰)
右サイド手前から藤井のクロスが上がり、ファーサイドで中島が合わせて上空に上がると、こぼれ球を森下がシュート。
ブロックされてCKで最終局面を迎えた名古屋、GKランゲラックも最前線に上がり同点を目指します。
その2本目の右CKでのクロスに、ランゲラックが合わせにいくもクリアされた所で、試合終了を告げる笛が。

ウノゼロで勝利した福岡。
これで勝ち点41の8位と、カップ戦はおろかリーグ戦でも賞金ゲットできるかも……という位置にまで着け。
サッカーの内容も着実にレベルアップしている印象で、J1定着への風格が漂って来たでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第26節 柏レイソルvs横浜F・マリノス

2023-09-05 16:01:23 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

  • 柏のホームだが、↓とは逆のサイドで前半スタート。

正念場のリーグ終盤戦。
2年連続優勝を目指すマリノスは、川崎との「神奈川ダービー」(21節、0-1)に惜敗してからというもの、中断を挟んで再開後もその内容を引きずるかのように低調な試合が続き。
接戦続きのなか勝利はしていたものの、前節は再びのダービーマッチ「横浜ダービー」で手酷い敗戦(1-4)を喫してしてしまう有様で、踏み止まりたい一戦となりました。
しかし故障者続出で満足にメンバーを組めなくなってきたという物理的要因は、そんな意気込みだけではカバーしきれるものでは無く。

この日はアウェイで柏が相手と、2戦連続で残留争いを強いられるチームとの戦いとなり。
その柏はキックオフで、いきなりセンターサークルから前進という奇襲に近い戦法を採ります。
これは止められるも、尚もボールを確保したのち右で高い位置を取った片山へロングパスと奇策は続き、今度はセカンドボールが山田雄に繋がってクロスまで持っていき。

前半3分に縦パス攻勢からジエゴが左からカットインシュートを放つ(GK飯倉キャッチ)など、そんな姿勢が奏功してペースを握りかける柏。
それでもマリノスは落ち着いてその流れを切り、6分に喜田がミドルシュート(ブロック)、コーナーキックを挟んでさらにナムテヒがミドルシュート(GK松本セーブ)と遠目からのフィニッシュで脅かし。
主体的な攻撃へと移る雰囲気を作り上げます。

しかしボールポゼッションの体勢に入っても、柏の守備布陣の前に満足な攻撃を繰り出す事は出来ず。
4-4-2ブロックを極限まで圧縮したような、超コンパクトといっても過言では無い程の布陣を目の当たりにして、効果的な縦パスを通せずに時間を浪費していくマリノス。
それでも縦パスを送るものの、その受け手はすかさず前後から挟まれてデュエルに持ち込まれる厳しい勝負を強いられます。

そして無理目の縦パスをサヴィオにカットされて危機を招く(15分・22分)など、相手を揺さぶった末に仕留めるというマリノスらしい攻撃は全く繰り広げる事が出来ず。
19分に右からの前進で、こぼれ球を拾ったナムテヒのカットインを経て、中央でエウベルが放ったミドルシュートがゴールバー直撃というのが最も惜しかったフィニッシュとなり。

26分に飲水タイムが挟まれても、大まかな流れは変わらず。
最後方から繋がんとするマリノス、柏2トップが常時ボランチへのパスコースを消す姿勢を受け、その脇にナムテヒ・ロペスを降ろす事で対応しようとします。
しかし柏ディフェンスもそれに愚直に喰い付かず、コンパクトさを保ち狭い局面での勝負をマリノスに強いる体勢を貫き。

キーポイントは30分で、活路を見出せないマリノスは中央をダイレクトパスで繋がんとするも、椎橋に奪われて反転柏のショートカウンターに。
山田雄のスルーパスがエリア内へ通り、走り込んだ細谷のシュートはGK飯倉がセーブするも、跳ね返りを椎橋が詰めてゴールネットを揺らします。
これは細谷の抜け出しが(VARチェックを経て)オフサイドを取られて得点とはならなかったものの、無理にダイレクトパスでの前進を図ろうとして奪われるという、マリノスらしくないビルドアップの姿勢の果ての危機。

続いては35分、右サイドに降りたロペスがポストプレイで繋ぐも、ここもダイレクトプレイ主体となった結果ズレてしまいサヴィオに奪われ。
そして細谷とのワンツーからドリブルに入り一気に左ポケットを突くサヴィオ、放たれたシュートは再びGK飯倉がセーブと、機能不全に限りなく近いものとなるビルドアップ。

何とか誤魔化しながら、多少強引に得点を狙いにいくマリノス。
その中で38分、ロペスの右→左へのサイドチェンジがカットされて柏のカウンターに。
片山のドリブルを止めたマリノスがカウンターのカウンター、という慌ただしい絵図が描かれる(エウベルの持ち運びが止められて遅らされる)など、偶発的な要素を抱えながらも好機を作っていきます。
41分には中盤でダイレクトパスの連続でボールを確保したのち、永戸の遠目からのクロスにロペスが走り込んでヘディングシュート。
GK松本がセーブと際どいフィニッシュとなったものの、オフサイドディレイを取られて無効となり。

松原とジエゴの頭部同士での激突(20分)や、審判団の無線機の異常(44分)もあり長くなったアディショナルタイム。
しかしマリノスの攻撃の機能不全ぶりの衝撃の方が大きく、終盤とありそこに付け込んでハイプレスへと移行する柏。
GK飯倉にまで果敢にプレッシャーを掛け、敵陣でボール奪取する事2度と冷や汗を掻かせましたが、シュートには繋がらず。

厳しい展開を強いられたマリノス、それをカバーせんとサポーターの応援の声量が大きくなるも、効果は目に見えて上がりません。
結局スコアレスのまま前半を終え。
ハーフタイムで柏の方が動き、故障明けという要素を抱えるジエゴ(それとも頭部へのダメージの影響か?)に代えて三丸を投入しました。

マリノスのキックオフで始まった後半ですが、最終ラインへ戻したのち、柏のプレッシングで詰まりサヴィオに奪われるといういきなりの失態で幕を開け。(エリア内へ細谷がスルーパスもクリアしてCKに)
これではムードも上がる筈は無く、柏がその隙に乗じて敵陣でサッカーを展開する時間となります。
CK2本やロングスローも交えながら、マリノスがやりたい(と思われる)急所への縦パスでディフェンスを揺さぶり。

そして後半7分、サヴィオが降りて最終ラインからの縦パスを受け、戻したのち裏に走り込んで椎橋のミドルパスを受け。
オフザボールでの動きでボールを引き出すサヴィオ、左からのカットインでポケットを突いて中央へ戻しと尚も掻き回し。
高嶺がミドルシュートと見せかけて右ポケットへパスし、受けた山田雄がエドゥアルドの股を通すシュート。
マリノスのお株を奪うような崩しで、先制点に辿り着きました。

時間の問題といった展開でしたが、とうとうリードされてしまったマリノス。
こうなるとボランチ経由で中央を使うという余裕は全く無くなり、柏のコンパクトな守備陣を避けるかのように、左サイドからの攻めを強いられる事に。
エドゥアルドからの長いパスで左サイド深めを取るも、そこからの崩しも決して易しくなく。
単純なクロス攻撃への誘惑と戦いながら、ワイドで受ける永戸・エウベルを軸に中央を窺うパスを繋がんとするも、厳しい戦いは続きます。

11分、GK松本のフィードを喜田が跳ね返し、こぼれ球に走り込んだ宮市が古賀と交錯。
しかしナムテヒが拾った事でアドバンテージとなり、動けない宮市を尻目に敵陣でパスを繋ぎ続けるマリノス。
しかし戻しを経て送られたエドゥアルドの縦パスが遮断され、実らず終わってしまい。
プレーが途切れた後も倒れ続けていた宮市、その容態が不安視されるも、何とか起き上がりピッチ外→復帰。

ブレイクの影響か再び柏ペースとなり、(サヴィオが)左ポケット奥に切り込んでマイナスのクロス(細谷の手前でクリア)と、マリノスの前掛かりな姿勢もあり崩しに拍車が掛かり。
そこから得たCK攻勢でも、サヴィオのショートコーナーから高嶺が直接ミドルシュートを放ってゴールポスト直撃(跳ね返りを三丸が詰めるも枠外)と、アイディアも炸裂させてゴールを脅かします。

2点目を奪われないうちに流れを変えたいマリノス、22分に3枚替えを敢行。
喜田・ナムテヒ・宮市→山根・西村・水沼へと代え(全て同ポジションでの交代)、人を入れ替える事でそれを果たさんとします。

しかしままならないまま飲水タイムが挟まれ。(24分)
再開後再び柏が牙を剥き、26分自陣の左スローインで、細谷がフリックしたボールをサヴィオが松原を追い越して拾う好機に。
たまらずサヴィオを引っ張って倒してしまう松原、反則・警告となったものの、(その後ボールを蹴ったのもあって)DOGSOによる一発レッドを猛アピールする柏イレブン。
結局判定は覆らず左サイドからのフリーキックとなるも、そこでもクリアボールの繋ぎをミスしてしまいエリア内右の山田雄に拾われる(そこからクロスも繋がらず)など、集中力を欠くようなプレーも目立ち始め。

29分に柏ベンチも3枚替えを敢行、高嶺・山田雄・山田康→仙頭・戸嶋・小屋松へと交代します。
これによりサヴィオがFWへシフト(小屋松が左サイドハーフ)したものの、その後の交代(椎橋→武藤、戸嶋がボランチへシフト)により再び左SHへと戻ったサヴィオ。

一向に流れが上向かないマリノス、34分にはエウベルがカウンターに持ち込まんとする所を戸嶋に反則で阻止される(戸嶋に警告)と、エウベルが思わずヒートアップして手を出してしまうなど苛立ちは頂点といった格好に。
直後に永戸→吉尾へと交代します。
町田では主力だった吉尾(2021年)ですが、マリノスに帰還してからは控えの控えというような存在で、これが今季8試合目。(前年も9試合)

案の定流れは変えられず、以降も35分にパスミスをサヴィオが拾って柏のショートカウンターとなり、そのままエリア手前まで持ち運んでミドルシュート。(上島がブロック)
尚も右奥からのスローインに持ち込み、片山のロングスローを細谷が収めると、浮かせたボールが吉尾の左腕に当たってしまいこぼれ球に。
間髪入れずにハンドならびにPKを告げる主審の笛が鳴り、あろう事か追加点の危機を招いてしまった吉尾。
キッカーはサヴィオが務め、迷い無く左へと強いシュートを放ってネットを揺らします。
貴重な2点目を手にした柏。

結局この日のマリノスの攻撃は流動性が足りないという要因に落ち着き、それが柏ディフェンスの対策を受けてなのか、気候・コンディションの問題なのかは傍らからでは不透明であり。(両方だと思いますが)
その後惜しかったのは42分、再びエドゥアルドの長い縦パスがワイドの吉尾に通ると、カットインの姿勢からエリア内へショートパスを送る吉尾。
これをエウベルがフリックで中央へ浮かせた所にロペスが走り込む(GK松本抑える)というシーンだったでしょうか。
こうした後一歩の好機も、絶好調時のマリノスであったら決まっていた気がしてならず。(ATにエウベル→井上へと交代)

柏はマイボール時はボールキープに徹し、パスを繋ぎ続けてサイド奥を窺い、相手に当てて出すという時間稼ぎの体勢に。
前回対戦時(17節、4-3)ATに2失点で逆転負けというシーンを思い出させる事無く、やり過ごしていきます。

一方それを果たした側のマリノスですが、あの日とは異なりその機運は全く無く。
相手を崩せず苦し紛れにロングパスを送るという絵図に、マリノスぐらいに攻撃力に定評あるチームであっても、こういった状態に陥るのかと考えさせられ。

結局最後までスコアは動かず、2-0で柏が勝利に辿り着きました。
上位も下位も混沌とするなか、残り約4分の1の戦いの結末はどうなるか。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第24節 横浜FCvsセレッソ大阪

2023-08-24 16:01:01 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

J2クラブからの「個人昇格」選手での編成も極まった感のあるセレッソ。
今夏も渡邉・柴山の獲得でその色を強めたものの、逆に加藤が(広島へ)移籍となったため、その効果も相殺といった感じでしょうか。

海外移籍により多額の移籍金を獲得出来れば良いが、そうでなければこうしたやり繰りで予算を調整しなければならない。
債務超過という負の要素を抱えているセレッソは特にその傾向が強く、選手個人はともかく、クラブ自体の発展性は果たしてどうか。南野以降海外に行ける人材が払底している事ですし

そんな事を考えさせられる移籍事情となりましたが、この日の相手は横浜FC。
小川航基を海外(オランダ・NECナイメヘン)へ送り出したものの、レンタルなため移籍金を稼ぐという目論見は不透明であり。
J1定着のためにクラブ価値を高めたい所ですが、目の前の残留争いを凌ぐ事で手一杯といった状況にも映ります。

その残留を果たすため、シーズン途中からカウンター一辺倒に限りなく近いスタイルを採っている横浜FC。
そのため見るべきものは……といった感じで、セレッソサイドも様子見の入りをとったため、暫くは好機が生まれない時間が続いた立ち上がり。
横浜FCの自発的な攻撃はロングボールを送り、そのセカンドボールを敵陣で拾えれば……というもので、前半5分にその通りに井上が拾って右サイドの山根へ。
しかし前にスペースはあったにも拘らずアーリークロスを選択した山根を見て、偶発的な好機しか求められないのではという危惧が伺えました。(その後跳ね返りをユーリがミドルシュート、枠外)

様子見を終えたセレッソ、7分頃からボールポゼッションによる攻撃スタイルを採り始め。
それに対し横浜FCは大したプレッシャーを掛ける事無く、セレッソが陣内へとパスを送った時に初めて前に出るという、所謂ロープレスのスタイル。
当然ながら露骨なカウンター狙いなのは一目瞭然で、逆に言えば「リードを許すと終わりに近い」というものであり。
一方セレッソは主導権を握る事は容易なものの、専守の相手を崩しきる事が出来るかを常時強いられる試合となりました。

香川・喜田のドイスボランチの動きを中心に組み立て、サイドチェンジを多用しつつ、ラインブレイクを狙うセレッソの攻撃。
それでも自陣で5-4-1で守る横浜FCを崩す難易度は高く。
しかし14分そこから逸脱した攻撃で、喜田の中央への縦パスをカピシャーバが受けられずも、偶然フリックのような形になって裏に転がり。
横浜FCディフェンスが一瞬足が止まった所に上門が走り込むシーンとなり(結局ディフェンスの反応が間に合い繋がらず)、組織的な守備を貫くつもりでも、こうした偶発性には脆さがありそうに窺えました。

その後もセレッソが一方的に攻撃を仕掛ける展開は続き。
目立ったのが香川の働きで、ボランチの位置からボールを落ち着けつつ攻撃を組み立て。
サイドチェンジを含めたミドルパス・ロングパスはほぼ100%通していたと言って良く、流石は歴戦の名選手と言うべきでしょうか。

専守の覚悟はあっても、必然的に膨らむ守備陣のダメージに耐えられるかどうかという横浜FC。
22分に吉野があろう事かバックパスをミスしてしまい、セアラが拾った右サイド深めから始まるセレッソの攻め。
そしてカットインからマイナスのクロスを送り、中央で受けた香川がカピシャーバと被りながらもボールを確保し、最後はカピシャーバがシュート。
GK永井が足でセーブし、跳ね返りに対してもクルークスがヘディングシュートを放つ(前に居た上門に当たる)などゴール目前まで押し込まれ。
一瞬でも集中力が切れれば、こうした危機を招いてしまう状況であり。

飲水タイム(24分)ののちも、猛攻を仕掛けるセレッソ。
28分には喜田が香川のお株を奪うようなミドルパスでの組み立てを見せたのち、セアラが中央からミドルシュート。(ンドカがブロック)
29分には敵陣でこぼれ球を拾って右から素早く前進し、スルーパスに走り込んだ毎熊のクロス。
これはブロックされるもこぼれ球を喜田がシュート、ユーリにブロックされた所をクルークスがシュート(枠外)と連撃。

セレッソにとってはこのままペースを維持したい所でしたが、腹部でブロックしたユーリが暫く倒れ込むブレイクが生まれ。
これがそんな展開にもブレイクを齎しました。
33分に業を煮やしたか、GKからのロングフィードを選択したセレッソ、これを回収されて横浜FCのポゼッションとなり。(パスを繋ぐも結局戻して作り直し)

これで一息ついた横浜FC。
36分にセレッソはカピシャーバがドリブルからミドルシュート、ブロックを掠めてゴール左へ外れた事で左コーナーキックに。
しかしショートコーナーからのクロスが乱れるとカウンターを招き、山下諒がドリブルで一気に敵陣へ運び。
これは鳥海に反則気味に止められ(笛は鳴らず)フィニッシュには繋がらずも、カウンターの恐怖を植え付ける事には成功します。

それでも攻め急ぐ事はしないセレッソ、香川を中心とした組み立ては相変わらず健在であり。
42分には喜田の左→右へのサイドチェンジから、右奥を突いたのちの戻しを受けた香川、エリア手前という位置でミドルシュートの姿勢を取ったのちそれをキャンセル。
そして右へと叩き、毎熊クロス→ファーでカピシャーバヘディングシュート(ジャストミートせず)と、局面で相手を揺さぶるべくの技術の高さを見せ付けます。

勝ち筋を得たい横浜FC、43分にパスを繋いだ末に、山下諒のボールキープが喜田の反則を呼んで中央遠目からのフリーキック。
キッカー井上がエリア内やや左へロビングを入れると、合わせにいったンドカがディフェンスと縺れその足元にボールが落ち。
即ち混戦が生まれかかる願っても無いシチュエーションが発生するも、拾った吉野もシュートは撃てず終わり。
その後も敵陣深めのスローインから押し込む、「窮鼠猫を噛む」という表現が相応しいかのように先制点を狙いにいく横浜FC。
しかし最後にコーナーキックに持ち込んだと思ったら、既にアディショナルタイムの目安時間(2分)を回っていたためやらせて貰えず、前半終了が告げられました。

後半のキックオフは横浜FCで、その最初の攻めは後方から吉野右サイドへロングパス→山根スペースへ落としという、サイドの選手がターゲットマンではない事を逆手にとったパターンで好機到来。
しかし走り込んで拾った伊藤がクロスを上げるのみに留まり、依然重厚な攻撃が出来ない流れは変わりません。

すると前半同様の攻勢に入るセレッソ。
後半2分右スローインから組み立て、香川が右ハーフレーンからミドルシュート、ンドカがエリア内でブロックしたのちも尚も繋ぎ。
そして同サイドからクルークスのクロスが上がり、ボックスに入っていた喜田がヘディングシュート(ゴール左へ外れ)と、遠目・近目双方でフィニッシュ。

決壊はすぐそこというような攻撃を見せると、そこから間もない4分でした。
ここでも香川が中盤の底からサイドチェンジを2度敢行して揺さぶったのち、その2度目を左サイドで受けたカピシャーバがドリブルでポケット奥を抉り。
そして上げられたクロスを、ニア寄りで跳んだ毎熊の奥でセアラがヘディングシュートを放ち仕留めます。
流れ的には当然ながらやや遅い感もある、先制点をついに奪いました。

時間はまだまだあり、当然ながら横浜FCにとっては諦めるタイミングでは無く。
しかしカウンタースタイルのチーム宜しく、ここから前へとエネルギーを向ける作業自体が一苦労する事となり。
そしてその間にも、9分にセレッソが縦に素早い攻撃から、セアラスルーパス→毎熊右からクロス→セアラヘディングシュート(枠外)とゴールを脅かされ。

10分に右スローインから中央へと繋ぎ、山下諒がミドルシュートを放つもGKヤンハンビンがキャッチ。
フィニッシュには持ち込むも遠目からのみ、という流れは過去に見た神戸戦(12節・0-3)と同様の流れ。
何とか敗戦への道を断ち切りたいものの、11分にはあろう事か山根のスルーパスが舩木に読まれてカットされ、カウンターに持ち込まれた末にンドカが(セアラに対し)反則で止めてしまい警告。
これで得た左からのFK、クロスの跳ね返りを繋いで二次攻撃、上門のミドルシュートがゴールを襲うもGK永井がセーブ。
尚も繋がるセレッソの攻撃を断ち切るも、吉野のパスが毎熊にカットされてさらに継続、拾ったクルークスのシュートをまたもGK永井がセーブ。
フィニッシュを浴びまくる流れへと突入し、尚も15分にクルークスの右からのカットインシュート、16分に中央からカピシャーバのラストパスを受けたセアラがシュート(いずれも敵陣でのボールカットからの攻め)をセーブするGK永井。
GKが大忙しという面でも、神戸戦でのスベンド・ブローダーセンの姿を彷彿とさせる内容を描きます。(この日ブローダーセンはベンチ)

流れを変えるのは必須という状況で、横浜FCベンチは17分に動いて林・小川→近藤・カプリーニへと2枚替え。(山根が左サイドに回る)
それとともに、最終ラインからの組み立てという主体的な攻撃へと本格的に踏み込み、落ち着きと反撃体制を齎さんとします。

それでも不器用さは拭えず、19分には右サイドから持ち込み近藤がエリア内へ斜めの縦パスを送り、それを伊藤がポストプレイとセレッソ最終ラインを揺さぶる攻撃パターン。
しかし受けにいった山下諒とカプリーニが被ってしまい、こぼれ球を喜田に拾われてセレッソのカウンター(右奥へ進入も戻して作り直し)と、やる事が裏目に出る負の連鎖は続き。
気を取り直して以降も押し込みますが、決定的な好機には辿り着けないまま後半の飲水タイムへ。(23分)

守勢に入ったセレッソも、明ける際にベンチが動き上門・クルークス→鈴木・柴山へと2枚替え。
これで鈴木をアンカーにした4-1-4-1へとシフトしますが、守備時には4-5-1のスタイルと、ボランチ3人という色の強い布陣を採ります。

ンドカを最後方での舵取りとしたビルドアップから、何とか糸口を掴みたい横浜FC。
30分そのンドカが右サイド奥へとロングパスを通すも、受けた近藤の戻しを山下諒がトラップミスしてしまい、再度セレッソのカウンターを招き。
拾ったカピシャーバがドリブルで一気に左ポケットまで突撃してシュート、GK永井がセーブすると今度は横浜FCがカウンター。
岩武の縦パスを中央で受けたカプリーニが持ち運ぶも、こちらはミドルシュート(枠外)とあくまで遠目からのシュートに留まってしまう格差は振り払えずとなりました。
上記のシーンから、そんなカウンターの橋頭堡となっていた山下諒の疲労感は拭えず、32分に交代と相成り。
マルセロ・ヒアンと交代、同時にユーリ→三田へと交代し、以降井上をアンカーとした3-3-2-2(3-1-4-2)で戦います。

しかしそれを見たセレッソも、35分にすかさずセアラと喜田に代え、渡邉とマテイ・ヨニッチを投入。
ヨニッチをリベロに置いて3-4-2-1へシフトと、守備的な布陣をとります。
立て続けに36分、前述の突破のシーンで足を痛めた風であったカピシャーバに代えて新井を投入。

そんなセレッソに対し、最終ラインでのパスワークで何とか穴を探さんとする横浜FC。
しかしそれは傍らから見ても厳しいものであり、以前J3で観た2年前の讃岐の姿(宮崎戦、0-2)を彷彿とさせ。
最後の駒として高井を投入(伊藤と交代)するも、当然ながら流れを変えるには至りません。
舩木がハイボールの競り合いの際、近藤との交錯で着地に失敗し長らく倒れ込む(ピッチ外→復帰)というシーンもあり、ブツ切りな流れも強いられます。

そして突入したAT、セレッソが香川が足を攣らせるなど退潮が目立つなか、遅まきながら攻勢に入る横浜FC。
それでも5-4-1ブロックの崩しを強いられる前半とは真逆の試合絵図で、しかもビハインド付きという一層厳しい状況を押し付けられ。
3バックが大きく幅を取り、長い距離のパスでセレッソディフェンスを揺さぶったうえでサイド突破と、やりたい事は伺えたものの時間が決定的に足りず。

クロスには持ち込むも、一度CKから高井がヘディングで合わせたのみ(枠外)という、ビハインド特有のパターンが延々と続くAT。
しかし最終盤左サイド奥で組み立ててそのままクロスか、という場面で(スローインからの攻めでボールがピッチに2つ入ったため)試合が止まり、ドロップボールで再開後(山根が)即クロスという中々レアな絵図に。
これをニアでマルセロが収め、エリア内でキープして何とか隙を窺う横浜FCでしたが、結局戻しを経ての井上の手前からのクロスはファーへ流れてしまい実らず。

結局0-1のまま試合終了となりセレッソが勝利し、ロースコアながらも厳しい試合を強いられた横浜FC。
ホーム(ニッパツ三ツ沢球技場)のスタンドからもそれが伺え、J1にしては少ない集客(8,195人)なうえメインスタンドまでセレッソサポーターが集結するという、所謂「ホームジャック」気味の様相も目立つ事に。
このままではJ1⇔J2の無限ループ状態は避けられないですが、果たして抜本的な改革は今後あるのか、あるいはJ2でも苦戦している元J1クラブよりはずっと良いと納得するしかないか。

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