ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第25節 FC岐阜vsY.S.C.C.横浜

2024-08-30 18:14:46 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 岐阜は、甲斐が累積警告により出場停止。

大混戦の昇格争いですが、そこから振り落とされる寸前といった立ち位置の岐阜。
そうならないためにも、今夏は補強に精を出し、岡崎・水野・寺坂・GK中山を戦力そしてスタメンに加えて挑んだこの試合。
しかし直前に、目下チーム得点王だった田口が同リーグの金沢に引き抜かれる事態が発生。
補強に精を出すクラブというイメージが付いている岐阜ですが、現状の立場はあくまで下方でしかない事を象徴する移籍劇となってしまったでしょうか。
ともかく強化した陣容の下、勝ち点を積み重ねていかなければ話にならず。

この日の相手はYS横浜で、岐阜より下位という位置のクラブ。
それを指し示すように、前回(16節・長野戦、0-4)観た印象では迷走感が半端無いといったピッチ内のサッカーでしたが、時を経てどう立て直したか。
特に悪印象だったFWのオニエは、この日もスタメンに名を連ね。

前半2分、最終ラインでボール保持し落ち着きを図った岐阜でしたが、石田の右→左へのサイドチェンジが大きくズレて自陣方向へ。
しかし戻って確保した寺坂に対しYS横浜は全くプレスを掛けずと、動きの悪さが目に付くシーンとなり。
再度建て直し、岡崎のロングパスが右サイド奥に届いて岐阜の好機となり、新垣のクロスは流れるも逆サイドで拾い直して今度は左手前から水野のクロス。
これをファーサイドで粟飯原が合わせヘディングシュート(ゴール上へ外れる)と、エンジンのかからない相手を突いてのファーストシュート。

この日も早々から「ダメか……」というイメージが付いて回る事となったYS横浜ですが、6分に左スローインの連続で漸進し、左奥で持ったオニエがコーナーキックに持ち込み。
キッカー菊谷の最初のクロスはクリアされるも、そのボールが直接菊谷の下に転がって再びクロス。
ニアで小島のフリックにより混戦が生まれ、拾った松村がシュート(GK中山キャッチ)と、セットプレーながらフィニッシュに繋げ。

その後はボール保持を軸として攻め上がる岐阜に対し、隙を突いてボール奪取からカウンターに持ち込むYS横浜、という試合絵図に入り。
普段は自身がボールを保持したいというクラブのYS横浜、それだけにその思惑はアテが外れたものだったでしょうが、全く良い所が無かった前回の前半とは雲泥の差であり。
10分に、縦パスを西谷が収めきれなかった所を前に出て柳が奪い、そのまま直線的に素早く前進。
菊谷のスルーパスに走り込んだ柳、更に1タッチでエリア内へスルーパスと、電光石火の攻撃でフィニッシュを狙い。
エリア内に走り込んだ脇坂でしたが、スリップしてしまったか体勢を崩しながらのシュートとなりジャストミート出来ず、先制点は奪えません。

時折本来の姿である最終ラインからのパスワークに入るYS横浜でしたが、岐阜のプレッシングを受け、狭い局面での繋ぎを余儀なくされた末にパスミスを繰り返すという具合に機能せず。
13分には敵陣でのルーズボールを水野が直接縦パスを送っての好機、ディフェンスに遭うも確保に成功した末に石田のスルーパスが右ポケットへ。
そして走り込んだ西谷が奥からシュートするも、GK岡本がセーブ。
その後もCKあり、敵陣でのボールゲインありと、岐阜が優位性を保つ展開に。

18分にYS横浜は最後方からショートパスで繋ぐ体勢で、例に漏れずプレッシングを浴びたものの、柳が2トップの間を通して縦パスを奥村に届け前進に成功。
その後松村を走らせるミドルパスはカットされるも、すかさず岐阜のパスミスを奪い返し、奥村がミドルシュート(ブロック)と本来の攻めからフィニッシュに繋げ。
機会は少ないながらも、こうした立ち回りでの好機により、YS横浜が反撃の兆しを持った(そう見えた)まま飲水タイムが挟まれました。

しかしブレイク明け、この理想の追求が裏目に出る事に。
26分の岐阜の攻撃、左サイドで荒木のスルーパスに走り込んだ寺坂が奥からマイナスのクロス。
これをニアで遮断したYS横浜でしたが、拾った柳から狭い局面でのボール確保という状況に。
後ろからプレスバックを掛ける西谷を振り切らんと、自陣エリア内から持ち運びを選択した柳の判断が仇となり、前方で詰めに来た荒木に奪われ。
そしてこぼれ球を拾った粟飯原のシュートがゴールに突き刺さり、第2クォーター最初の好機をモノにして先制したのは岐阜となりました。

クリアでは無く保持を選んだのが間違い、といったここでのYS横浜の立ち回り。
再開直後の27分、裏へのミドルパスを受けたオニエが右からカットインでエリア内を突く好機、そして中央への横パスに走り込んだ松村がシュート。
枠を捉えられずに終わるも、この日オニエの動きは(前回から)見違えるようであり、未だやり様はあるといったYS横浜。

しかし直後の28分、岐阜は右スローインから執拗にポケットを突く攻めの末に、スルーパスに走り込んだ新垣のクロスが低く鋭く入り。
跳び出したGK岡本も触れられず、その奥で庄司が脚で跳び込むも僅かに合わず。
何とか助かった形となるも、すぐさま最終ラインから再度攻撃に入る岐阜、ラインを上げたいYS横浜の逆を突くように水野のスルーパスで完全に裏を取った粟飯原。
そしてまたも右ポケットに進入し、中央への横パスでGKをかわした末に、庄司のシュートでゴールネットを揺らします。
早期にリードを広げた岐阜。

これで岐阜の優勢ぶりは揺るがずと思われましたが、攻めの流れは構築出来つつあるYS横浜が反撃。
31分に細かなパスワークで右サイドを前進、岐阜の寄せで何度かカットされるも、脇坂が倒されながらのポストプレイもあり際どく繋ぎ。
そして敵陣で1タッチパスの連続を経て、奥に走り込んだ脇坂のヒールパスを受けた小島がポケット奥へ進入と崩しきり、マイナスのクロス。
これをニアで仕留めたのはオニエで、ゴールネットを揺らして1点を返します。
前回の印象を完全に覆すオニエのゴールで、ファイティングポーズを取り直すYS横浜。

この得点で一気に前向きな姿勢となったYS横浜、以降前半終了間際まで攻撃権を独占し。
中央に張るオニエにパスが通るのみならず、彼と同じく前回何も出来ない印象だった橋本の突破力が発揮され始めるなど、至る所で好循環が齎され攻め続けます。

40分再び右サイドから細かく繋ぐと、奥村が水野に倒されるも菊谷が拾ってアドバンテージ、すかさず逆サイドへ対角線のスルーパス。
受けた橋本がそのまま左ポケット奥まで進み、入れられたマイナスのクロスを菊谷が合わせシュート。
しかし前方に居た脇坂に当たる結末となり、自滅の形でこの良い流れはモノに出来ずとなります。

一方の岐阜は失点シーンが示すように、上下動のパスに喰い付いた末に剥がされるという、J2・清水の弱点を思い起こさせるようなディフェンスの脆弱さが目立ち。
それを隠すようにハイプレスに出ていたものの、それも機能しなくなり守勢を強いられるといったこの時間帯。

しかしアディショナルタイムに突入すると、岐阜はGK中山が粟飯原を目掛けたロングフィードで、藤原の反則を誘発して右サイドからのフリーキックに。
一息つくといった感じの局面でしたが、ここからキッカー新垣のクロスがファーサイドに入ると、寺坂が合わせヘディングシュート。
ゴール左に突き刺さる、まさにワンチャンスをモノにする格好で追加点を挙げました。
決まると同時に前半終了と、結果的に痛すぎる失点となってしまったYS横浜。

前回はあまりの巧くいかなさに、ハーフタイムで4枚替えを敢行したYS横浜ですが、今回はかなり攻め込めていたため動かず。
第2クォーターの攻勢を保ち、その中で1点返したいという後半が幕を開け。

その姿勢を強めるため、後半は持ち味のビルドアップ、つまり左右のセンターバックの片割れがボランチと化する立ち回りで色を塗り。
可変するのは左の藤原で、これにより前半は下がり目でアンカー小島の脇で受ける事が多かった奥村を、前目に保させたいという思惑だったでしょうか。

しかしその効果が発揮される前に、ペースを掴んだのは岐阜。
立ち上がりの一進一退の状況を変えるスイッチとなったのが後半5分、敵陣浅めで庄司が反則を受けると、水野がFKを素早くリスタートさせ左奥を突き。
奥でキープする西谷から戻し、荒木がカットインで中央まで流れミドルシュート、柳がブロックするも左CKで継続。
キッカー水野のクロスを粟飯原がニアでフリックし、ディフェンスに当たりこぼれた所をすかさず粟飯原がシュート、しかしこれも小島がブロックで防ぎ。
ゴールはならずも、CKの際はゴール前に密集を作るという立ち回りもあり、押し込まれている感が拭えなくなってきたYS横浜。

必死に守るYS横浜ディフェンスという印象が強まった所で、岐阜は川上や西谷がそのチャージを受けて倒れ込み、ブツ切りを余儀なくされる試合展開。
戦術としては、岐阜は前半に比べミドルプレスの位置で構え、自陣で相手の攻めを防ぐ意識を強め。
そして、藤原の可変により手薄となった所を素早く突く姿勢が目立ちました。

2点リードもあり、これによりペースを掴んでいた岐阜。
しかし16分にYS横浜が久々に攻撃機会を得た(スルーパスに走り込んだ橋本が左奥からクロス、ブロックされる)事で破られると一転。
ボール保持で落ち着きを図りに掛かるも、それに対しYS横浜がボールゲインを連発して好機。
17分に左サイドで橋本がパスカットし、戻しを経て中央→右へと展開ののち松村がドリブル突破。
そして奥へ切り込んでのカットインで、ポケットから中央へ横パスを送るも、ニアで受けた脇坂のシュートは枠を捉えられず。
続く18分にも、岐阜のズレた縦パスを奥村が逆に縦パスを送り返して好機、受けたオニエが右ハーフレーンからアーリークロスでGKとDFのを突き。
これに菊谷が脚から跳び込むも僅かに合わずと、攻勢の流れを取り戻したものの肝心のゴールには辿り着けません。

21分にはスルーパスを受けた脇坂がエリア内に進入した所を石田が倒してしまうも反則の笛は鳴らずと、間一髪の凌ぎを余儀なくされる岐阜。
15分以降YS横浜が攻撃権を握りっぱなしという展開を、遮るように飲水タイムが挟まれ(23分)何とか命拾いの格好に。
明ける際に両ベンチが動き、YS横浜は3枚替えを敢行、柳・菊谷・脇坂に代えて花房・萱沼にルクマン・ハキムを投入。
一方の岐阜は川上・粟飯原→遠藤・藤岡へと2枚替えを敢行し、第4クォーターの戦いへ突入します。

その最初の好機はYS横浜で26分、岐阜のプレッシングを受けてGKへと戻すと、そのGK岡本が間を通すパスでプレス回避。
そして奥村ミドルパス→萱沼フリックで、裏へ抜け出したオニエが受けてそのままエリア内へ進入という絶好機が生まれます。
しかし放たれたシュートは、追走した遠藤がスライディングでブロックと必死のディフェンスに阻まれ。
その後も28分に、投入されたハキムが左からカットインシュート(枠外)など、フィニッシュを重ねるブレイク前と同様の攻勢に。

しかし交代により前線にマンパワーが集まってしまったか、裏を突かれ易いリスクも高まり。
30分、YS横浜の右スローインを直接遠藤がカットすると、庄司レイオフ→水野ミドルパスと1タッチの連続で裏を突き。
左ハーフレーン・エリア手前でこれを受けた藤岡、そのままカットインから果敢にミドルシュートを選択すると、これが巻く軌道を経てゴール右へと突き刺さります。
苦しんだ末の追加点で、勝利をほぼ手中に収め。

なお、このシュートに詰めにいった西谷が足を痛めてしまい、そのまま担架で運ばれた事で交代を余儀なくされる岐阜。(西谷→河波に交代、新垣が西谷のポジションに回る)
一方YS横浜も松村→大竹に交代し、攻勢を保たんとします。

その通りに34分、奥村のスルーパスで今度はハキムが抜け出し、そのままエリア内でGKと一対一に持ち込む決定機。
GK中山を右にかわしてシュートを放つも、やや体勢が崩れたのもありボールはサイドネット外に終わり決められません。
尚も敵陣でボールゲイン、岐阜のパスミスなどから攻め上がるYS横浜、助っ人2人にもチャンスが巡って来ますがどうしても状況を変えるゴールには辿り着けない流れに。
39分に最後の交代を敢行、オニエ→中里へと交代し、ハキムを1トップとする3-4-2-1(小島・中里のドイスボランチ?)気味へとシフト。
一方の岐阜も40分、水野・荒木→北・西堂へ2枚替えして交代枠を使いきり。

ボランチが北に代わった事で、前目の位置を取りたがる彼に従うように、その後一転して好機を増やす岐阜。
45分に左奥でその北を中心としたパスワーク、戻しを経て逆サイドに渡した末に河波がクロスを上げると、ファーで藤岡が合わせヘディングシュート。(枠外)
これを境に、ATはYS横浜の攻め疲れもあり岐阜の独壇場という展開へと変わります。

何とか死力を振り絞るYS横浜、細かい繋ぎでエリア内へ持ち込み、ハキムのポストプレイを経て奥村がシュートを放つもブロックに阻まれ。
すると岐阜がカウンターと、攻撃を継続させる余力は既に無く、新垣を小島が倒してしまうも拾われてアドバンテージという具合に反則紛いでも止められなく。(フィニッシュには持ち込めず)

そして時間も押し迫った所で、攻撃が途切れたのちのゲーゲンプレスで右サイド深めへと追い込んだ岐阜。
何とかプレス回避を図ったYS横浜ですが、庄司にカットされるとそのままワンタッチでの繋ぎで左ポケットを突きに掛かり、ラフなスルーパスに走り込んだ藤岡。
跳び出して抑えにかかったGK岡本ですが、藤岡のボールを確保する脚が一瞬早く、倒してしまった事で反則並びにPKを告げる笛が鳴り響きます。
既に大勢が決まっているものの、岐阜はホーム故にこれを決めるか否かで試合後のムードも変わるものであり。
キッカー藤岡はゴール左に蹴り込み、しっかりとGKの逆を突いてゴールゲット。
5点目を挙げたとともに、試合終了の時を迎えました。

YS横浜は奮戦したものの、結局は5-1という結果で前回視聴時同様の大敗。
「何が何でも昇格を目指すクラブ」とはかけ離れた特殊な立ち位置ながら、降格制度も出来たが故に、今後J3の位置を保つには現状維持で良いのかが問われる所でしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第28節 ジェフユナイテッド千葉vsベガルタ仙台

2024-08-29 16:02:28 | サッカー視聴記(J2)

※前回の千葉の記事はこちら(24節・熊本戦、0-2)
※前回の仙台の記事はこちら(25節・清水戦、2-1)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(いわき戦、0-3)出場停止だった佐々木がスタメン復帰。
  • メンデスが累積警告により出場停止。
  • 水曜に天皇杯ラウンド16(札幌戦、1-0)が挟まる。そこからGK鈴木椋・松田(ポジションはRSB→CB)・佐々木・品田・エドゥアルド・風間・小森と7人もの選手を継続スタメン。
  • 杉山が山形からレンタル先変更(レンタル元=J1・ガンバ)という形で加入し、25節(横浜FC戦、1-2)から登録されて途中出場。
  • 天皇杯3回戦(FC東京戦、延長2-1)で負傷した佐久間の詳細が発表され、7/22に手術実施して全治約6~8ヶ月との事。

<仙台スタメン>

  • 前節出場停止だった松井・真瀬が復帰、松井はスタメンに。
  • 前節負傷交代したGK松澤は無事に今節もベンチ入り。また前節負傷のためベンチ外となった正GK林彰が復帰。
  • 奥山がJ1・町田からレンタルで加入し、今節登録されて即スタメン出場。
  • 知念がJ3・大宮へレンタル移籍となり、前節(鹿児島戦、1-0)をもって登録抹消。
  • 長澤が海外移籍準備のためチーム離脱が決定。今節が最後の出場となる。(のちに移籍先はオーストラリア・ウェリントン フェニックスFCと発表される)
  • GK小畑の負傷が発表され、7/30に発生して全治約6週間との事。

千葉は前回観た際には、熊本に組織力の差を見せ付けられての敗戦。
そこから未勝利という、典型的な「ダメージの残る敗戦」となってしまった感があり。それを言うならば25節のATでの逆転負けの方が……

そんなタイミングで挟まれた天皇杯・ラウンド16は、J1・札幌相手に下克上達成。
意気軒昂ぶりを取り戻さんと、4日後のこの試合では、天皇杯でスタメン出場した選手をメインに構成を変えて挑みました。
これを迎え撃つのは、逆に中断明け3連勝と順風に勝ち点を重ねている仙台。

千葉はメンバーのみならず戦術も微妙に変えたのか、キックオフ後まもなくGK鈴木椋から地上で繋ぐビルドアップの体勢に入り。
最後方で仙台のプレス回避に努めたのち、持ち味の縦への速さを発揮するという攻撃方法となりました。

前半1分に早くも、GK鈴木椋が2トップの間を通しての縦パスを品田に通し、その品田はエドゥアルドとのパス交換からダイレクトで縦パスを運んで好機を作ります。(シュートには繋がらず)
最初はプレス強度が売りの仙台相手にはどうかと思ったものの、いきなりこうしたビルドアップ成功を見せられたとあれば掌を返さざるを得なく。
その後も自慢のプレスが機能しない仙台、4分には縦パス先の田中に対する(奥山の)反則でフリーキックを与える(キッカー日高がクロスも撃てず)など、ゲームプランを逸らされる格好に。

その狂いが波及したのか、7分にGK鈴木椋のロングフィードをクリアにいった高田が、着地の際に足を痛めるアクシデントが起こってしまい。
担架で運ばれてそのまま交代となり、早くもカードを切る事を余儀なくされた仙台。(真瀬を同ポジションで投入、10分)

ハイプレスに出てもいなされる仙台、その後は2トップの片割れがボランチをチェックするという方針へ変更。
しかしこれにより千葉は+2の数的優位が生まれるという具合に、何処かを切れば他方が空いてしまう状況となり。
15分に右サイドでの密集から、最終ラインで中央→左へとパスを展開した事で、エドゥアルドスルーパス→椿でビルドアップ成功となった千葉。
椿はカットインからのパス&ゴーで、品田のスルーパスをエリア内で受ける絶好機に持ち込むも、放たれたシュートはGK林彰がキャッチ。
仙台は結局ミドルプレスへの切り替えに足を踏み入れる事に。

そして「プレスが嵌らないのなら……」と言わんばかりに、仙台も最終ラインから繋ぎ始め。
この日を最後にチームを離れる長澤が中盤の底から組み立てるポゼッションを中心に、主体的な攻撃で流れを変えに掛かります。
奥山の加入と高田の負傷が絡んでか、かつての右肩上がりの布陣から、長澤が下がり目で両サイドバックが高目に位置取る形へ千葉同様に変節していた感があり。

試合が動いたのがまたもアクシデント絡みで20分、今度は椿が真瀬との競り合いで倒れ込むと、腰を強打したらしく動けずとなり。
一度は起き上がるも結局担架で運ばれてしまい、千葉は直ぐに交代できずに(風間を左サイドハーフとして)10人で戦う事を余儀なくされます。
準備の間ボール保持で凌がんとした千葉ですが、ここで仙台のプレッシングを受けた事で、下げ続けた末に高橋がロングボールを蹴らされ仙台ボールに。
そして有田が中央突破から強烈なミドルシュートを放ちGK鈴木椋がセーブ、ここからスローイン→コーナーキックと一転して攻め込まれる流れに。
尚スローインの前に岡庭を投入(田中が左SHに回る)し、数的不利は解消。

そして28分、仙台がGKからの前進体制に入ると、長澤が高い位置の奥山にロングパスを届けた事で好機に。
左ハーフレーンで奥山から引き取った中島がポケットへスルーパス、走り込んだ郷家が奥からクロスという綺麗な流れを、エロンがゴール前で合わせ仕上げます。
シュートは上半身で合わせる形となるやや不格好なものながら、ゴールに突き刺して先制点を齎したエロン。
仙台のリードとともに、遅れていた飲水タイムが採られます。

この得点により今度は千葉がペースを乱された格好となり、序盤のような好機は生む事が出来ず。
高橋のアーリークロスや田中のロングスローなど、アタッキングサードを付く事無く放り込むという攻めが膨らんでしまい。
逆に仙台はミドルプレスで構える守備を貫きながら、攻撃時はボール保持に勤しむ事で相手の焦りを増幅させんとする立ち回り。

その流れが変わったのが41分でしょうか、クリアボールを拾った風間が、奥山に寄せられながらもボールキープを果たして繋いだ千葉。
そしてエドゥアルドの裏へのミドルパスに対し、真瀬がクリアミスして左ポケットの小森に渡って好機、そのままマイナスのカットインを経て中央からミドルシュートを放った小森。
GK林彰のセーブに遭うも、綻びが見られた事で、前半の残り時間一気呵成とばかりに攻め上がります。
2名の負傷交代もありアディショナルタイムは目安5分で、さらに郷家が倒れ込んだ事で長くなり。(郷家は無事に復帰)
何とか防がんとする仙台、前述の風間←奥山のように松井が執拗にアタックを掛けるも、それにより小森を腕で止めにいった事で反則・警告を受け。

そして+5分を回るも継続する試合、千葉は日高のパスカットからポゼッションに入ると、サイドチェンジを多用しての前進を経て田中が左奥へ切り込み。
クロスがブロックされて左CKに持ち込むと、キッカー品田のクロスを大外で岡庭が折り返し、右ポケット付近の位置で収めたエドゥアルドがシュート。
難しい角度ながらもゴール上部に突き刺し、そして前半終了と、文字通り最後の好機で同点に追い付く事に成功します。

悔やまれる終わり際となってしまった仙台。
ハーフタイムで交代を敢行し、有田→相良へと代え、中島が右SHへシフトと微調整。

後半の立ち上がりも千葉の攻勢に。
しかし今度は、アタッキングサードでの精度に欠いた結果ペースを作れず仕舞いとなり。

そして後半4分さらにアクシデントが発生し、自陣左サイドでパスカットした奥山が、勢い余って岡庭と激突して笛が鳴り。
岡庭の反則となり警告が出たものの、その岡庭が倒れ込み、一方奥山は頭部を抑える脳震盪の疑いが発生と両者に被害が。
幸いここでは共に無事にプレー継続となります。

度重なるアクシデントで、乱れが生まれない方が可笑しく。
それが生まれたのは千葉の方で、7分仙台は右サイドで中島が溜めを作ってからドリブルに入ると、日高に腕で止められて反則。
ここからのFK、かなり距離があったもののキッカー長澤のクロスを實藤が合わせヘディングシュート、ゴール左隅を襲うもGK鈴木椋が何とかセーブ。
しかし左CKで尚も仙台の攻撃、キッカーは引き続き長澤でファーサイドへクロス、これを菅田がエドゥアルドとの競り合いを制しヘディングシュート。
GK鈴木椋がまたもセーブしますが、跳ね返りを中島がすかさずボレーで反応してネットを揺らします。
セットプレー攻勢を決めきり、再度リードした仙台。

しかしここで奥山が再度頭を押さえ、脳震盪(かどうかは不明、その後の交代策からして普通の交代だった可能性も)によりキックオフ前に交代の運びとなってしまい。
先程真瀬を投入したので既に控えにSBが居ない状況で、工藤蒼を同ポジションで投入する事となりました。
同時に千葉も、エドゥアルド・風間→田口・横山暁へと2枚替え。

キックオフから反撃体制に入る千葉ですが、相変わらずアタッキングサードでの精度に欠き。
しかし仙台もアクシデント塗れとなった影響か、簡単にボールを捨ててしまう攻撃へと意図せずして移ってしまいます。
千葉がハイプレスを掛けた事であっさりと蹴り出す、奪っても直ぐに裏に出して繋がらないという事を繰り返し。

これにより実にならずも、攻撃機会を増やす事に成功した千葉。
仙台は何とか落ち着けんと17分、こぼれ球を拾って保持に入ったものの、GK林彰へ戻した所に強烈にプレッシャーを掛ける日高。
そしてそのフィードをブロックし、右奥で拾い直しての好機に持ち込み。
ここはクロスに合わせた田口がミート出来ずに終わるも、仙台のやる事なす事を挫いた事が結果に繋がります。

19分、左から田中がロングスローと見せかけ、短く繋いだのち敵陣でパスワークを続け。
一度は遮断した仙台ですが、クリアボールを眼前で岡庭がカットして継続させる千葉、そのまま右奥から溜めてのクロスがピンポイントでニアサイドに。
入り込んだ佐々木がこれを合わせ、ヘディングシュートがゴール右へと突き刺さり同点に追い付きました。

またも追い付かれた仙台、長澤を気分良く送り出すためにも……という思いを集結させつつ攻め込み。
22分にエロンのバイシクルでの浮き球パスを収めた中島、中央突破を掛けた所を佐々木に倒されて反則・警告。
これによるFK、直接か放り込みかという2択が過るなか、キッカー中島が選んだのはどちらでも無くグラウンダーでの縦パス。
エロンのポストプレイでペナルティアークで格好のシュートチャンスという位置も、千葉の寄せも早く受けた實藤は撃てず、左ポケットへパス→菅田クロスに切り替えましたが結局シュートは生まれず終わり。

結局一進一退の域を出ないまま、後半の飲水タイムに。(25分)
明けたのち、仙台は既にポゼッションを貫く余裕も無く、エロン狙いのロングボール主体での攻撃へと切り替わり。

それを凌いだ千葉は、ブレイク明け最初の好機の31分。
左スローインから敵陣でパスワークの末にサイドを移し、右奥を突いた岡庭のクロス。
大外まで届くボールになると、田口は足下でのポストプレイを選択しエリア外へ、そして今度は逆から日高がクロス。
今度は中央をピンポイントで付き、走り込んだ小森により放たれたヘディングシュートがゴールネットを揺らします。
とうとう逆転し、ホーム(フクダ電子アリーナ)のサポーターに歓喜と勇気を与えた千葉。

追う立場になった仙台も諦めず、再度後方からのボール保持による前進体制に。
そこから何とかサイド奥からクロスに持ち込み、ファーで折り返しというパターンを作るもののフィニッシュには繋がらず。
最後の交代として、35分に長澤・中島→松下・菅原へと2枚替え。
長澤が退いた事で工藤蒼がボランチ、松下が左SBという布陣になりました。

これにより、従来の布陣だった左SBを残しての右肩上がりとなる攻撃時の仙台。
本来ボランチの松下が残る役を務めたためその色は濃く、放送席が「3バックへシフトした」と勘違いしてしまったほどに中へ絞る松下。

そして真瀬が極度に高い位置を取るようになり、千葉がその裏を突く攻めを徹底する事で、逆に劣勢に陥る仙台。
37分、ラフなロングパスを収めた小森のスルーパスで左奥を取ると、細かな繋ぎを経て最後は日高がデイフェンスを剥がしながらの強烈なカットインでポケット奥へ。
そしてクロスでは無くシュートを選択しますが、角度が足りなく左ポストを直撃して決められず。

苦難が続く仙台、39分に中盤でボールカットの連続の末に、田口が拾って攻撃権を得た千葉が押し上がり。
左奥へ切り込んだ田中の低いクロスでニアを突き、走り込んだ岡庭はディフェンスに遭うも、こぼれ球に反応してシュート。
菅田がブロックして何とか凌ぐも左CKで継続し、キッカー品田がゴールへ向かうクロスを入れ、GK林彰がパンチングで弾くも田口がエリア内へ落として継続させる千葉。
そして岡庭が右ポケット奥へ切り込んで入れたマイナスのクロスを(ボールを要求していた横山の前に入り込んだ)佐々木が合わせ、ミート出来ずも横パスとなったのが逆に幸いし、ファーで小森がねじ込み。
試合を決定付ける4点目とともに、小森はこれが今季初のマルチゴールとなります。

その後も千葉は、品田の直接FKでゴールを脅かす(GK林彰セーブ)など果敢にゴールを狙い。
この辺りは2点差故に、従来の一本調子ぶりが我慢しきれない格好に映ったものの大勢に影響は無く。

諦めは許されない仙台、ATに入るかという所での好機、中央から松井縦パス→エロンフリックでエリア内を突いて菅原の下へ。
反転しながらダイレクトシュートを放った菅原でしたが、左ゴールポストを直撃してしまいゴールならず。
絵的にも華麗なフィニッシュで、決められていたらその後の流れは激変していた可能性が高かったですが……。

千葉が最後の交代(田中・小森→ドゥドゥ・呉屋)を敢行。
逃げきり要員にドゥドゥを使うという贅沢なベンチワークですが、ドゥドゥはその期待に応え敵陣でボールキープからの散らしを駆使して時計を進め。
そして最後は左奥へと持ち込んでキープという、ほぼ完璧な立ち回りを繰り広げました。

結局4-2で試合終了となり。
ようやく後半戦の初勝利を挙げた千葉、前年と同じく大外からプレーオフ圏を目指す戦いに固定化されたものの、それをモチベーションとした末に再現できるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第28節 東京ヴェルディvs鹿島アントラーズ

2024-08-28 16:09:10 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • ヴェルディは、染野・林・松村の3名が鹿島からのレンタル選手なため出場不可。(染野は累積警告での出場停止が重なり、巧く消化した感があり)

16年ぶりのJ1での戦いで、どのクラブと相対しても「懐かしの……」という気分にさせてくれるヴェルディ。
この日は降格経験無しの鹿島という、羨望せざるを得ない相手をホームに迎えての一戦となりました。

前年末の昇格決定後の、城福浩監督の「決してエレベータークラブになってはいけない」というサポーターに向けてのコメントを実現するためには、こうしたクラブと互角以上に渡り合わなければならない。
その相手から主力選手(染野・林に加え、今夏に松村も)を借り受けているという立場からしても、現状はお世辞にも対等とはいえないものであり。
彼らが不在の戦いで、チーム力を見せ付けて勝ち点を取る事が出来るかどうか。

試合開始からお互いロングボール主体という恒例の入り。
この立ち回りでは、染野不在でターゲットが木村のみとなっている状態のヴェルディはやや見劣りがするものに。
それ故、彼に代わって起用された山見が地上で違いを見せ付ける事となり。
前半5分、宮原のパスカットでこぼれたボールを中盤で確保すると、森田のパスをワントラップで濃野を剥がしつつドリブルに入る山見。
そしてそのまま左サイドを進み、カットインを匂わせながら奥まで切り込んでクロス(ファーの山田楓には合わず)と、早速その推進力を発揮します。

一方の鹿島は、最後方でボール保持に勤しみながら、(降りて来る鈴木を囮としつつ)ヴェルディのコンパクトな布陣の裏を突くロングボールを供給するのが主となり。
選手のクオリティで劣るヴェルディは、どうしても後ろに人数を残しておきたい(それ故のシーズン途中での3バックへの変更だろう)ため果敢なハイプレスは掛けられず、それをある程度許さざるを得ない守備姿勢。
ユニットで守るという方策も、前半戦はハイプレス主体だったためその術は見劣りする要素であり、必然的に5バックを保たんとする最終ライン。

7分に関川ロングパス→師岡収めを経て、濃野が放ったミドルシュートがゴール左へ外れと、一定の有効打を齎すその鹿島の立ち回り。
しかし全体的には、4日前に天皇杯ラウンド16(甲府戦、2-1)を挟んだためかスローペースの域を出ず。
ポゼッションで巧くペース配分しているうちは良かったものの、次第にヴェルディが主体的な攻撃を繰り広げるようになり乱れが生じる事となります。

23分、森田の縦パスから山田楓を経由して左ワイドで受けた山見、そのまま裏へスルーパスとペースを落とさずに攻撃。
ここは走り込んで受けた木村が関川のカバーを受けて遮断されるも、続く24分には綱島が持ち運んで仲間を剥がしたのち、遅攻を選択し翁長がゆっくりと持ち上がり。
そして左手前からクロス→流れたのち右からクロスと、ボックス内にボールを送り続けるもフィニッシュには繋がらず。

このタイミングで飲水タイムが挟まれ。
徐々にペースを握るヴェルディですが、その攻勢は脆弱な守備強度をカバーする側面もあったでしょうか、第2クォーターでは鹿島のパスワークに振られた末の反則チャージが目立つようになり。
度重なるチャージに、30分に縦パスを受けた鈴木が綱島に反則を受けた所で、激しい怒りを見せるという具合に苛立ちを隠せずとなる鹿島。

乱戦の雰囲気が膨らむなか、それを突くようにヴェルディは31分、最後方の千田のロングパスを木村が収めて好機。
左ワイドの山見に託したのち左ポケットへ入り込むと、その山見のカットインからのパスを、トラップで前へと置いてシュート。
しかしGK早川のセーブに阻まれ、1トップに訪れた決定機は活かせません。

鹿島は34分に、再び縦パスを受ける体勢の濃野が翁長に倒される形での反則、右サイドからのフリーキックに。
クロスの跳ね返りから二次攻撃に繋げる所、またも柴崎の縦パスを三竿が入れ替わらんとした所で翁長に反則を受け。
連続でのFKになると、今度は左ハーフレーン・エリアからも近めと接近した位置で、キッカー名古のクロスをニアに入り込んだ師岡がヘッドで合わせ。
フリック気味に放たれたこのヘディングシュートを、GKマテウスがセーブと際どく凌いだヴェルディ。
反則も辞さずで相手の攻撃を止めにいくなか、その副産物(FK)から点を取られる訳にはいかず。

セットプレー守備の時間が長くなったヴェルディ、攻撃機会すら得れない状況となり終盤へ。
43分に鹿島の攻勢の裏を突くように、ロングパスを受けた翁長が左からカットインシュート、ミドルレンジからコントロール重視で狙ったもののGK早川がキャッチ。
直後の鹿島の攻撃は右サイドでポゼッションに入り、戻しでプレスを引き込んだ所に植田縦パス→濃野フリックでその裏を突き。
受けた名古がパス&ゴーで、濃野のスルーパスに走り込まんとした所谷口に倒されてまたも反則、そして谷口に警告が付き出され。
とうとう被害が出てしまったヴェルディですが、この右ワイドからのFKで鹿島はサインプレーを選択し、キッカー名古はグラウンダーで中央へ横パス。
そして鈴木がダイレクトシュートを放つも、反応良く寄せた齋藤がブロックと対処しきります。

既にアディショナルタイムへ突入していた前半、山見のパスカットから最後の攻撃とばかりに矢印を反転させるヴェルディ。
右ワイドでボールキープする山田楓に対し、安西が倒してしまうも齋藤が拾ってアドバンテージと、今度は鹿島サイドが反則で止めに掛かるも果たせずという流れに。
そして齋藤から上げられたクロスをファーサイドで胸トラップした山見、そのままシュートを放ち。
ゴール上部を襲うも、バーを直撃と再度決定機を逃す形になってしまいます。
そして直後のゴールキックで再開、と同時に前半終了の笛が鳴り。

タイトな寄せが目立った前半の攻防ですが、後半も入りからそれは変わらず。
後半1分に山田楓が関川との競り合いで痛むというシーンで幕を開けたとあっては、どうしても反則塗れの流れを払拭する事は出来ません。
3分に名古が縦パスを受けにいく所を谷口に倒されて反則と、2度目の警告を貰いやしないかと冷や汗を掻く場面もあり。
これで得た鹿島のFK(位置は右サイド)、キッカー名古のクロスの跳ね返りを柴崎がボレーシュート(GKマテウスキャッチ)と、しっかりとフィニッシュに繋げ。

優位性を保たんとする鹿島ですが、6分に中盤でのサイドチェンジが繋がらず、ズレた所を翁長がダイレクトでスルーパスを送って逆にヴェルディの好機に。
受けたのは山見で、そのままハーフレーンから左ポケットへ突撃ののち、カットインからシュート(GK早川セーブ)と相変わらずその推進力は脅威であり。
ここからCK→左スローインと挟み、左ポケットを取った木村がカットインでゴールに迫らんとする所植田のチャージで倒され。
しかし反則の笛は鳴らず、三竿がこぼれ球を拾って鹿島のカウンターが齎され、右サイドをドリブルで運んだ師岡がエリア内中央へラストパス。
そして放たれた名古のシュートは、GKマテウスが足でセーブと、鹿島も前半から決定機をモノに出来ない流れに陥っていたでしょうか。

9分には今度は鹿島が敵陣深めでの右スローインからポケットを突くという攻め。
師岡のヒールパスを受けた濃野がカットインと、変化を付けての崩しを図ったものの、こちらも谷口のアタックで倒されて攻撃終了。
そして反則の笛は鳴らずに、逆にヴェルディのカウンターという同様の流れを作ってしまいます。
たまらず木村のドリブルを反則で止めた植田が警告を受け。

決定機逸・反則増という苛立ちを貯めかねない展開なうえ、お互い情熱系の監督がピッチ脇に立つ事により異議も盛んに飛ぶ状況に。
J2時代に累積警告によりベンチ入り停止という経験を持つランコ・ポポヴィッチ監督、その審判団へのクレームの付け方は相変わらずで、懐かしさを覚えるものであり。
しかし舞台はJ1で、歓声の大きさによりその異議も当時よりは目立たず。

その流れに従うかのように、13分に鹿島は裏へ一気にロングパスを送ると、抜け出して受けにいった師岡がクリアにいった谷口に押し潰されるような格好に。
しかし師岡のオフサイド判定が先に採られた事で無効となる、やや不条理な絵図を受けた鹿島サイド。
不穏な空気を打破すべく、直後の14分にベンチが動き仲間→藤井へと交代します。

この采配に伴い、藤井の突破力を活かすべく比重を傾ける鹿島の攻撃。
最終ラインからのビルドアップも、安西がボランチへと位置取りを変える状況が何度も見られます。
「偽SB」的なシステムにより、ワイドの藤井を働き易くする思惑は明らかであり。
16分には柴崎のパスを受けてドリブルに入った藤井、左ポケット奥まで切り込んでのマイナスのクロスと持ち味を発揮。
クリアされるも後方で拾った植田がそのまま遠目からシュート(千田がブロック)と、彼を守備網を切り崩す槍としつつ、他選手が仕留めるという流れにも期待が持て。

一方ヴェルディも、17分に山田楓→見木へと交代。
同じシャドーに入るも、見木が左・山見が右と多少配置換えが絡み。

直後の18分、(GK以外)全員敵陣に進入してポゼッションの体勢に入ったヴェルディ。
藤井の切り込みへと意識を変えた鹿島と反比例し、ボール保持の姿勢を見せに掛かると、綱島が最後方から持ち運びを選択。
慌てて前に出てきた鹿島ディフェンスを2人剥がしてエリア内へラストパスを送ると、位置を変えた山見が右ポケットでそれを受けた末にシュート。
これがGK早川のニアサイドを破るとともに、均衡も打ち破るゴールとなり得ました。
今季初めて鹿島からリードを奪ったヴェルディ。

喜びも束の間、目の色を変えて攻める鹿島と相対しなければならない状況と化し。
20分に三竿のスルーパスに抜け出した藤井を宮原が倒してしまい、反則・警告とともに、左サイド深めからのFKを与えてしまいます。
蹴る前に師岡→田川へと交代し、鈴木・田川の2トップへと布陣を変えた鹿島ベンチ。
このエリアラインからすぐ脇のFKでしたが、キッカー名古のキックはシュートかクロスか中途半端なボールになってしまう勿体無いものとなり。

スコアが動いたとはいえ、大きく変わる事は無い試合の構図。
25分にCKから二次攻撃を仕掛けたヴェルディですが、齋藤がドリブルで名古をかわしたものの、エリア手前で追走する名古に倒されてしまうも反則の笛は鳴らず。
そして鹿島がカウンターと、反則ギリギリの守備→カウンターという流れを繰り返すに至り、藤井がドリブルで右ポケットへ切り込んでシュートにまで繋げ。
ヴェルディは森田のブロックで防ぐも右CKになると、2本続いた末に2本目からの二次攻撃で決定機が齎され。
クリアボールを確保して再度キッカー柴崎の下に渡ると、今度は手前から角度を付けたクロスがファーサイドに上がり。
これを濃野が合わせヘディングシュート、GKマテウスにセーブされるもこぼれ球にすかさず反応し再度シュート。
しかしこれもマテウスにゴールライン際で脚でのセーブで防がれ同点ならず。
どうしても決められない鹿島と、こちらの面も繰り返すに至りました。

そしてヴェルディは、得点を果たしてもなお脅威となる山見が試合を動かしに掛かり。
28分に鹿島のCK(↑の決定機逸直後の)からカウンターに持ち込み、翁長のラフなロビングに追い付いた山見、そのまま持ち運んでカットインで中央へ。
そしてペナルティアークからシュートを放つも、必死に食らい付いた安西がブロックと、鹿島も死に物狂いで守り。

しかし飲水タイムが挟まれると、ヴェルディの自陣でのFKから再開。
GKマテウスは木村を目掛けたロングフィードを送ると、クリアするも小さくなり、出足良く拾った齋藤が左ポケットを突いてのシュート。
ファーサイドを突いたこのシュートをGK早川は何とかセーブしますが、山見の下へ跳ね返ってしまい万事休す。
追撃のシュートがゴールネットを揺らし、追加点を挙げたヴェルディ。
鹿島にとっては流れが悪ければ運にも恵まれずと言わんばかりに、持っている男の下に転がってしまってのゴールとなりました。

これで苦しくなった鹿島。
尚も反則により膨らむFKという不変の流れから、31分に藤井がミドルシュート。(ブロック)
34分にはヴェルディが、谷口がヘディングシュート(GK早川キャッチ)と齎されるフィニッシュ。

お互い好機が交錯するこの流れが続けば鹿島にとって不利ですが、35分にヴェルディは山見に足を攣らせる事態が発生。
仕方ないと言えばそれまでですが、この持っている男が退く事でヴェルディは失速を余儀なくされてしまい。
山見・木村→松橋・山田剛綺へ2枚替えを果たすも、以降攻勢に出る余裕は無くなります。

ひたすら敵陣でボールを繋ぐ状態に持ち込む鹿島により、ヴェルディは専守を強いられ。
スペースも無くなった事で藤井の突破力には頼れずとなるも、逆に右サイドから細かなパスワークで崩しを図る攻撃を貫き。
その末の41分、降りて持った鈴木の縦パスを受けた名古が右からアーリークロスを選択と、守備網が整わないうちにゴール前に上がるボール。
合わせにいった田川の前でGKマテウスがパンチングするも、小さくなった所を拾った藤井が無人のゴールへシュート。
これを綱島がダイブしてブロックするも、これが腕に当たったとしてVARチェックが入る緊張の一幕に。
映像的には綱島の肩辺りに当たっているものの、腕を開いての結果なため非常に判断の分かれる絵図。
OFRで入念に確認した主審・笠原寛貴氏の判定は、PKを告げるものとなり。
しかしそれによる決定機阻止(即ち一発レッド)の断は下されずと、間を取るものとなったでしょうか。

ともかくこれで得たPKを、鈴木がゴール左へと蹴り込み、GKマテウスに触れられるも無事にゴールゲット。
ようやく1点を返すとともに、それにより目安が11分と長くなったATに突入します。
そして鹿島は準備していた交代カードを切り、新戦力のターレス・ブレーネルを投入。(名古と交代)
同時に植田・柴崎→ミロサヴリェヴィッチ・樋口に交代と計3枚替えで、鈴木をCFとして田川が右ウイング・藤井が左WGの3トップとなり、三竿がセンターバックに降りるというまさに総動員体制に。
その後ヴェルディも最後の交代、翁長・齋藤に代えて深澤とチアゴ・アウベスを投入し、チアゴの1トップへとシフト。

コーナー付近に持ち込んで時間稼ぎを図るヴェルディに対し、鹿島は放り込みでも何でも良いから好機に持ち込みたいという展開に。
自陣からのFKでGK早川の放り込みから、ミロサヴリェヴィッチの落としをエリア内で拾った濃野のシュートが放たれますが、今度は綱島がハンドにならないブロックで防ぎ。

その後持ち込んだCKからも、ニアにクロス→三竿フリックでファーに流れたボールを藤井がボレーシュート、これも松橋のブロックで何とか防ぐヴェルディ。
この際ハンドの確認によるVARが挟まれましたが、今度は反則は取られず肝を冷やします。
何度もロングボールで脅かした鹿島ですが、これ以降決定的なシーンは作れず。
VARにより11分よりさらに長くなったATですが、無事に凌ぎきったヴェルディ。
実に19年ぶりの鹿島戦での勝利で、名実とともにJ2から階段を上がったといえる立場となったでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第28節 ブラウブリッツ秋田vs愛媛FC

2024-08-27 16:00:37 | サッカー視聴記(J2)

※前回の秋田の記事はこちら(21節・清水戦、3-1)
※前回の愛媛の記事はこちら(26節・いわき戦、1-2)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節まで出場停止(2試合)だった才藤がスタメンに復帰。
  • 河村慶がJ1・ヴェルディからレンタルで加入し、24節(山口戦、1-0)から登録されて途中出場、25節(いわき戦、0-2)からスタメンに定着。
  • 河村匠がJ1・ヴェルディからレンタルで加入し、25節から登録されて26節(鹿児島戦、2-0)で途中出場。
  • 丹羽がJ3・讃岐へレンタル移籍となり、24節をもって登録抹消。
  • GK圍がJ1・京都へ完全移籍となり、25節をもって登録抹消。
  • 小柳が群馬へレンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 星キョーワァンの負傷が発表され、発生日不明(TMで発生)で全治約9か月との事。
  • 24節で負傷交代した大石の詳細が発表され、全治約8週間との事。

<愛媛スタメン>

  • 水曜に天皇杯ラウンド16(広島戦、0-2)が挟まる。そこからの継続スタメンは石浦・藤原の2名。
  • 前節まで出場停止(2試合)だった石浦がスタメンに復帰。
  • 茂木が累積警告により出場停止。
  • レンタル移籍(ポルトガル・FCファマリカンへ)していた行友がシーズン終了に伴い復帰となり、前節(大分戦、3-2)から登録される。
  • 今野がJ1・ガンバから育成型レンタルで加入し(以下同文)

ボール保持率が20位(秋田)と19位(愛媛)という、下位2クラブ同士の対戦。
とはいっても愛媛はそれなりに地上で繋ぐ意思はあり、秋田との差が5%近く開いている点でも明らかであり。
アクチュアリープレイングタイムでは15位、いわき・山口などの上をいっているので、あくまで秋田のようなパワーサッカースタイルとは一線を成したクラブ。

秋田がJ2昇格し、その1年後に愛媛がJ3降格となるニアミスが起こったため、このカードは3年ぶりで通算4試合目という少なさ。
前半戦は開幕節で組まれ、その際も愛媛は秋田の激しいプレッシャーをかわすためにロングボールでの逃げを余儀なくされたという内容で何とか勝利。(1-0)
本来はこうしたスタイルでは無いものの、この試合で幕を開けたが故に、以降も中々ボール保持に精を出す事を貫けないシーズンと化した。

そんな印象である、今シーズンの愛媛。(昇格したが故の強度の問題もありますが)
2戦連続で0-4で敗戦した際(22・23節)は、このままズルズルいってしまうのではないかと思われましたが、その後も中位を確保。
前節は0-2からの逆転勝利と奮起、決して強者では無い立場ながら踏ん張りを見せています。
そうした状況で迎えた、開幕節以来の秋田との一戦。

秋田のキックオフで始まると、ボールを持った最終ラインは直ぐには放り込まず、喜岡が右ワイドを少し持ち上がって低いボールを中央へ。
その跳ね返りを才藤がダイレクトシュート(枠外)と、普段から変化を付けたような立ち回りを見せ。
あくまで保持率上は似た者同士というクラブが相手故の、慎重かつ大胆な入りに思えました。

愛媛は前回対戦時と同様、肉弾戦を避けるようなロングボール主体の立ち上がり。
ボールを確保すると地上でも空中でもアバウトかつ素早く前進、という攻撃方法で、前半4分には地上からの攻めで縦パスをフリックした石浦が才藤のアフターチャージを受けて反則。
これで得た右ハーフレーンからのフリーキックでの放り込み、クリアが小さくなった所を藤原がボレーシュート(枠外)と、こちらもファーストシュートは相手のクリアを直接撃つものとなり。

お互いアバウトな立ち回りのぶつかり合いで、秋田は辿り着いたクロスも、6分に村松が極端に高いボールを上げる(GK辻がパンチング→河野がダイレクトシュート・枠外)などアバウト気味に。
そして得意のロングスロー攻勢に入った末に、この日初のコーナーキックを得たのが13分。
この左CKで諸岡と佐藤大の2人がキッカーに立ち、佐藤大がストレート系のクロスをファーサイドへ、と変化を付け。
これを小松がボレーシュートで合わせると、ボールはゴールバーを直撃してしまい跳ね返り。(そのボールが吉田伊吹に当たりオフサイドで終了)
決めていれば、綺麗に相手の裏を掻いたという事で精神的にも相当楽になったでしょうが……

冷や汗を掻いた愛媛は17分、本来の意思である最終ラインからショートパスで繋ぐビルドアップ。
右への展開からパスを受けた石渡が諸岡のプレッシャーでこぼされるも、拾い直してドリブルに入って前進に成功。
その後の窪田へのパスも遮断されますが、エリア内へこぼれた所を窪田が拾って好機到来と、秋田サイドにとっては奪いきれずに招いた危機。(その後左ポケット奥から窪田がクロスも撃てず)
前進とボールゲインは紙一重、といいたくなる攻防の場面。

ともかくこれにより徐々に愛媛が攻撃権を掴み、その中で18分にもボックス内を突いた好機。
ここも最終ラインでの保持から、今度は小川が左奥へのロングパスを選択すると、走り込んだ窪田が秋田サイドを彷彿とさせるようなラフに高いクロス。
落下点はエリア手前になるも、パクゴヌが足下で前へ送ると、石浦が抜け出して走り込む決定機に。
しかし河野のスライディングで倒されると、これが「反則を貰いにいった(放送席の談)」との判断で反則無しに終わります。
初見では際どい判定に見えましたが、リプレイを見ると確かに自ら掛かりにいっている「シミュレーションで無くて良かった」といった倒れ方に映り。

25分に飲水タイムとなり、ブレイク明け最初の好機は(才藤の)ロングスローの絵図に持ち込んだ秋田。
しかしクリアボールを回収した所に、プレッシャーを受けた河村慶が奪われた事で愛媛のカウンターに移り、窪田が中央を強烈に突破。
3対2という状況で、窪田の前方にパクゴヌと藤原が走り込むという格好の状況になりましたが、溜めた末に右の藤原へとスルーパスを送るもその抜け出しとは僅かにタイミングが合わず。
オフサイドを取られて終了になってしまいました。

秋田はこの危機で尻込みしてしまったか、30分にクリアボールを拾った諸岡、中盤の底でスペースもあるという絵図のなか慎重なボールキープ。
しかしこれが裏目に出て石浦のプレスバックに気付けず奪われてしまい、今度はショートカウンターに入った愛媛。
石渡のパスを受けたパクゴヌが右ポケットを突いてシュート(才藤がブロック)と、普段の秋田らしからぬ中途半端な立ち回り。

愛媛はその後もセットプレーから、31分のCKでクリアボールを石浦がダイレクトシュート。(ゴール左へ外れる)
35分にはFKから、またもクリアボールを窪田がダイレクトシュート、ブロックされるも石浦が拾ってさらにミドルシュート(GK山田キャッチ)とフィニッシュを重ね。
一方の秋田は得意の空中戦から好機を作るには作りますが、いつものようなキレは見られず。
才藤はロングスローのみならず、こぼれ球をすかさず最前線に送るなどで厚みを齎しますが、同時に彼の居る左サイド偏重となってしまった感があり。
逆サイドの村松・河村慶も左へと圧縮し、ワンサイドアタックのような陣形を取るので、サイドチェンジもままならずといった前半に。

終盤はお互いフィニッシュが生まれない展開となった末に、スコアレスのまま前半が終了。
ハーフタイムでの交代も無く、神経戦の要素が一層強まるであろう後半戦が幕を開けました。

最初の好機は愛媛で後半1分、空中戦からボールを確保したのちの右サイドアタックを経て、クロス攻勢に入るも跳ね返され続け。
すると3度目でパクゴヌが奥からカットインと切り替え、ポケット奥からの戻しを経て谷岡がシュート。
しかし河野のブロックに阻まれ、跳ね返りを自ら落とした谷岡ですが、藤原に渡った所オフサイドで途切れ。
特徴である、右センターバックがサイドバック化しての攻撃が活きた場面となりましたが決めきれず。

愛媛の良さが発揮された立ち上がりとなり、やり返したい秋田は6分例によって左サイドから押し上がると、クロスの跳ね返りを再度左で拾ったのちサイドを変えに掛かり。
そして中央最後方から喜岡がライナーで縦パスを送ると、小松のフリックでエリア内へ送られたボールに村松が抜け出す決定機となります。
しかし足を振った村松はミート出来ず、何とかボールを確保するも戻しを選択せざるを得ず、逃してしまう事に。
それでも課題と向き合う秋田、左からロングスローと見せかけて戻しを経て右へとサイドを変える(8分、その後クロスの跳ね返りから河野がミドルシュート・ブロックを掠めて枠外)といった立ち回りで、その姿によりこの日は保持率も50%とそれなりに高くなりました。

ややもするとボール保持同士のぶつかり合い、と化したような展開ですが、そうなると愛媛の方が能力的に上回り。
10分の愛媛、クリアボールを拾った菊地がゲーゲンプレスを受けながらもキープを果たすと、そこから保持に入り攻撃。
石渡がパスを散らしながら組み立て、左からの前進に入るとユイェチャンが中央へ縦パスを差し込み。
これを藤原フリック→パクゴヌスルーと2段階を経て、フリーの石浦に決定的なボールが送られたものの、ダイレクトで放たれたシュートはゴール左へ外れて惜しくも先制ならず。

そんな好試合から一転したのが、やはり身体のぶつかり合いという要素。
直後の秋田のゴールキック、GK山田が小松をターゲットにしたロングボールを送ると、競り合った石渡がチャージを受けて倒れ込み。
しかし反則は無くその後も秋田の攻撃が続き(右からのクロスを才藤がボレーで合わせるもミートせず)、途切れても尚長らく倒れ込む石渡。
2分近く掛けて起き上がり、ピッチ外→復帰の運びとなった石渡ですが、その後にも事案が発生します。
14分に浮き球を石渡が落とした所、拾いにいった石浦がスライディングで確保しようとするも、才藤の足を削ってしまい反則に。
これには秋田サイドもいきり立ち石浦に対しヒートアップ、退場をアピールせんとする吉田謙監督の異議も飛ぶ事態となり。
何とか警告止まりに落ち着かせた審判団ですが、FKで再開せんとした所、今度はその審判団の無線機トラブルにより中断に入り。(秋田ベンチもこの際に吉田伊→青木へと交代)

この水入りにより愛媛もボール保持は萎み、19分に最終ラインにプレスを掛けられた末にタッチラインを割ってしまい回避失敗。
一方圧力を増す秋田により、従来通りのパワーサッカーのスタイルへと戻りが果たされたでしょうか。
23分にはゲーゲンプレスでボール奪取を見せるなど、自分達の土俵に引き摺り込みに掛かり。

しかし24分、愛媛はゴールキックを短く繋いでの攻めによりそれに逆らい。
そして石渡が、諸岡の腕でのチャージを振り切って持ち運び、最後は倒されながらも前方へパスを繋ぎ。
当然アドバンテージで、受けた窪田もドリブルで中央を運びに掛かると、栗本が後ろから倒してしまいようやく反則で途切れ。
これにより栗本のみならず、流された諸岡のプレーにも警告と、一度に2人も警告を受ける破目となりました。
それだけに止まらず、この際に栗本が足を攣らせてしまい、交代の運びとなった所で秋田ベンチは3枚替えを選択。
更に愛媛も交代の準備と、再び長らく試合が止まる事となります。(その影響か、後半は飲水タイムは無しに)

秋田が栗本・河村慶・佐藤大→小野原・畑・水谷へ、愛媛が石渡・藤原→谷本・曽田へとそれぞれ交代。
そして愛媛の直接FKで試合再開となったのが29分。
中央ながら遠目からという位置でしたが、キッカー・ユイェチャンは直接シュートを選択。
これが無回転でゴール上部を襲い、GK山田が辛うじてセーブとヒヤリとさせるものになります。

その後秋田が平常運転を取り戻し、左からのみならず右からも村松がロングスローと、お馴染みの光景で押し込み。
この空気を換えたい愛媛、36分に再度地上からの繋ぎで前進し、パクゴヌのスルーパスで右奥を取ったのちも中央からの攻めを選択。
戻しを経て、右からの縦パスを石浦が中央で受けるという、先程(10分のシーン)とは逆バージョンの絵図となりましたが今度は秋田ディフェンスも堅く撃てず。
ここでフィニッシュに持ち込めなかった事で、終盤の体力低下とも相成って秋田ペースへと固定化されてしまい。
(39分に窪田→曽根田へと交代)

その秋田の攻勢は、やはりロングボール中心にサイドを突いてのクロスというもの。
38分にクリアボールを青木がフリックして右奥の畑に渡り、入れられた低いクロスに水谷が走り込むも僅かに合わず。
41分に最後の交代、小松→中村で、中村は従来の右サイドハーフでは無くそのままFWに入ったこの日。
クロス攻勢には持ち込めているため、彼の力は(サイドには)必要無いといった思惑でしょうか。

フィニッシュには持ち込めなかった時間が続きましたが、44分に得た右CKからの二次攻撃、再度の水谷のクロスをファーサイドで青木がヘディングシュート。
ゴール左を襲うもGK辻が横っ飛びでセーブ、しかし尚も拾った中村が左ポケットでのキープの末にシュート。
これもGK辻がセーブし、さらに拾った青木のクロスをブロックと、何とか凌いだ愛媛。

しかし怒涛の大攻勢の幕開けとなった秋田、それを援けるアディショナルタイムは度重なる中断により+8分と長丁場。
才藤のロングスローから、跳ね返し→エリア内へヘッドの応酬の末に、水谷のヘッドから青木がヘディングシュートに持ち込み。
これもGK辻がセーブと、ひたすら守勢を強いられながらも良く防ぐ愛媛。
その後再びロングスロー攻勢へと持ち込んだ秋田は、村松のフェイントで短くスタートののち、諸岡の右ポケットへの進入からのクロス。
クリアされるも河野の折り返しを経て、中村が中央でヘディングシュートを放つもゴール左へと外れ。

一息ついた愛媛、その後の秋田の攻撃を切ると、クリアボールを右サイドで拾ったパクゴヌ。
上がりを待ったのちに中央へロングパス、曽根田のポストプレイにより紛れを生み、掻き出されたボールを菊地がミドルシュート。
ブロックされるもCKに持ち込み、ここから3本続くCK攻勢。
その2本目で一矢を放ち、小川のヘディングシュートがゴールを襲いましたがGK山田がセーブと、こちらも好守備に阻まれます。

そして最終盤、秋田は自陣からのFK(この際の反則で谷本に警告)で最後のチャンスと思われましたが、クリアボールを繋いで右奥へと持ち込んだ畑。
そして三原(ユイェチャンと交代で出場、このFKの直前に)に反則を受けた事で、ほぼ右CKという位置でのFKが本当に最後となり。
そして水谷のクロスから中央で中村がヘディングシュート、秋田サイドの希望を乗せたこのフィニッシュはゴール上へと僅かに外れ。
「惜しい」だらけのATはこうして幕を閉じ、結局スコアレスドローに終わりました。

泥臭さ勝負となれば秋田の独壇場ですが、保持率下位同士の対決らしくこの日はボールを持たされる状況も多くあり。
そんな対策も進むなか、このスタイルで何処まで行けるか、一戦必勝が求められるリーグ終盤で試される事となるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第28節 藤枝MYFCvsモンテディオ山形

2024-08-26 16:03:27 | サッカー視聴記(J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(22節・群馬戦、2-1)
※前回の山形の記事はこちら(24節・いわき戦、1-2)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • DAZNでのフォーメーションは、矢村・千葉寛の2トップかつ梶川をトップ下とした3-4-1-2。
  • 千葉寛が清水から育成型レンタルで加入し、23節(水戸戦、3-1)から登録されて途中出場、中断明けの25節(鹿児島戦、3-2)からスタメンに定着。
  • 世瀬がJ3・鳥取から完全移籍で加入し、25節から登録されて途中出場、前節(山口戦、3-0)からスタメンに定着。
  • モヨマルコム強志が長崎から育成型レンタルで加入し、前節から登録されて途中出場。
  • 中島がレンタル先変更という形で水戸に移籍(レンタル元はJ1・札幌)となり、25節をもって登録抹消。
  • 小笠原がJ3・相模原へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 水野がJ3・岐阜へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 西矢がJ1・鳥栖へ完全移籍となり(以下同文)
  • 天皇杯3回戦(鹿島戦、1-2)で負傷交代したアンデルソンの詳細が発表され、全治約6週間との事。
  • 河本(AIE国際高)の来季加入が内定し、後日特別指定選手となり25節から登録され、26節(甲府戦、0-3)途中交代で初出場。
  • 中村(札幌大)の来季加入が内定し、後日特別指定選手となり前節から登録される。

<山形スタメン>

  • 土居がJ1・鹿島から完全移籍で加入し、25節(岡山戦、1-1)から登録されて即スタメン出場。
  • 城和が群馬から完全移籍で加入し、前節(長崎戦、4-2)から登録されて途中出場。
  • 阿部がJFL・ブリオベッカ浦安へ育成型レンタル移籍となり、25節をもって登録抹消。
  • 杉山がレンタル先変更という形で千葉に移籍(レンタル元はJ1・ガンバ)となり(以下同文)
  • レンタル移籍(ブラジル・CRアトレティコ・カタラーノへ)していた荒川が、JFL・ヴィアティン三重へ再度レンタル移籍。
  • 吉田の負傷が発表され、8/10に発生して全治約8週間との事。

2点以上取れれば勝ち、そうでなければ負け、という流れがハッキリして来た最近の藤枝。
3得点で勝利→無得点で敗戦のサイクルを5試合も保てばそう思わされるのは当然で、この分だとこの日は無得点となる予想が立ってしまい。
それを覆したいのは当然ですが、同時に残留争いという観点では、この1勝1敗ペース(2試合で勝ち点3)を保つだけで安全圏が確保されるため外野からは「このままで良いか」とつい思ってしまうものであり。
現在の藤枝もそれに伴い、降格圏とはかなり差が生まれました。(18位・栃木との差は11)

そんな藤枝と勝ち点が並んでいる山形は、開幕前に優勝が目標とぶち上げただけあり、全く満足できないのが現状でしょう。
そして浮上すべき秘策として、鹿島から土居の獲得と一念発起ぶりが炸裂した夏の移籍期間。
地元出身とはいえ、鹿島でワンクラブマンの道を歩んでいた選手の加入というビッグニュースに歓喜の声が上がらない訳が無く。
徳島の岩尾加入の件然り、物語性の担保は後方から追いかける立場のクラブにとって非常に重要な武器となり得るものであり。
J2である以上補強策も限度があり、選手を増やしてもその効果はいささか不透明なため、理論値とは一線を成す要素であるものの最後はそれが有難がられるのは必然。
加入した土居はデビュー戦で早速ゴールを挙げるなど、上昇機運を齎す存在になったとあればそんなオカルトじみた要素も信憑性が生まれるものです。
強化部も物語を完結するため、群馬のキャプテンだった城和を獲得と強引な引き抜きも敢行するなど、前を向く体制を緩める事は無く。

かくして中断明け以降無敗を保っている山形ですが、昇格争いのためには勝ち続けない状況なのは変わらず。
早速の前半1分に、右サイドでスルーパスに走り込んだイサカのクロスを、ニアでフリック気味に合わせヘディングシュートを放った土居。(枠外)
システム的には、イサカとは逆の左ウイングである國分が肝で、純正サイドアタッカーでは無い彼が中央寄りになるという流動性を絡めた攻めのシステムと化しており。

一方の藤枝も、通常の3-4-2-1とは一線を成すシステム。
守備時は矢村・千葉寛の2人が最前線となって前線から果敢な守備体制を採る状況が多く。
しかし攻撃時には、梶川が降りてボールを受ける事で2トップ化するという具合に、同じ3-5-2でも「2トップ化」か「3ボランチ化」かの違いと言うべきでしょうか。
そんな可変システムを採るも、根幹をなす部分は変わらず。
つまりは前に出てボールに触れるGK北村をスタートとする、最終ラインが幅広く距離感を取ってのビルドアップ。
これにより、主に右ワイドに開く久富により大曽根がハーフレーンに絞る立ち位置がメインとなりました。

入りの山形ペースも直ぐに途切れ、こうしたシステムによるボール保持の体勢に入る藤枝。
しかし10分、新井のエリア内へのスルーパスが通らず攻撃終了となると、山形はGK後藤雅のスローから素早く攻めに入りカウンターに。
左へ展開ののち山田がスルーパス、走り込んだディサロのクロスで鋭く裏を突く攻撃、イサカがこれを足で合わせて完遂させるもののシュートはゴール右へと外れて先制ならず。

この山形の鋭い槍に苦闘の色を隠せず、13分には國分とディサロのワンツーに対しアフターチャージでディサロを倒してしまった新井が警告を受け。
これによる左サイドのフリーキックから、放り込みと見せかけてパス交換から左ポケットへスルーパスを送ったキッカー國分。
走り込んだディサロがクロス気味にシュートを狙ったもののこれも(中央に西村が走り込むも合わずに)ゴール右へと外れ。

一方の藤枝も、20分に矢村が縦パスを受けた所西村に倒されて反則、左サイド遠目からのFKを得。
キッカー梶川はここから放り込みと見せかけて同サイドへスルーパスと山形と類似する立ち回り、走り込んだシマブクのクロスと変化を付けます。(その後逆サイドに流れ、久富のクロスの跳ね返りを梶川がミドルシュート・枠外)

山形の攻撃に苦労しながらも、立ち回りで互角に渡り合う姿勢を保つ。
そんな藤枝の様相でしたが、それを揺るがす事件が27分に発生します。
自陣で反則を受けた山形、素早いリスタートを選択して高江が一気にダイレクトで最終ライン裏へロングパス。
そこには判断良く抜け出していた山田が居り、そのままワントラップでエリア内を窺うという所で、追いすがった大曽根が後ろから倒してしまい。
反則を告げる笛が甲高く鳴り響くと、すかさず大曽根に対し突き付けられたカードは退場を告げる赤色のもの。
辛うじてエリア手前という位置でPK献上は避けられたものの、決定機阻止による一発退場で大曽根がピッチを後にする事を余儀なくされてしまいました。
試合が止まった瞬間という、気を抜き易いものの抜いてはいけない場面を突かれる格好となり。
思い出すのが前年の開始12秒で山原が退場となった試合(28節・仙台戦、1-1)ですが、そのリスクが常時付いて回るのは避けられないのか。

ともかく、PKでは無いもののエリアからすぐ手前という位置での直接FKとなった山形。
横軸は左ハーフレーンなため、右足即ち國分が蹴るという選択をすると、放たれたシュートは壁を越えてゴール左を襲い。
しかしポストを叩いて跳ね返り、尚もイサカがエリア内で拾うも撃てずに終わります。

これによりスコアレスのままで10vs11での戦いに突入し、藤枝は久富・シマブクをサイドバックにした4バックへシフト。
前線は相変わらず矢村・千葉が「1.5トップ」といった流動性を取るも、基本的には4-4-1で凌ぐ体勢となり。

34分(GK以外)全員敵陣に入り込んで攻める山形、左サイドで奥へ切り込むと見せかけ、土居のレイオフを受けた山田の手前からのクロス。
角度を付けて上げられたこのボールを、ファーでディサロが綺麗に合わせて右サイドネットを揺らしたものの、角度が付いた故のオフサイド判定に引っ掛かってノーゴール。
防戦を強いられる藤枝は、こうした危機一髪のシーンを凌ぎながらも、チームスタイル的に何処かで押し返したいのは明らか。
39分にそのチャンスが訪れ、梶川が最終ラインに降りての組み立てと見せかけ、GK北村は前に位置を変えた世瀬をターゲットとしたフィード。
彼の落としから素早く前進に入り、縦パスを受けた矢村が前を向くものの、小西のプレスバックで倒されて奪われ。
反則無しどころか山形のカウンターを招いた(右ハーフレーンから土居がクロス気味にシュート・枠外)事で、先程の退場と相成って主審に猛反発を見せる藤枝サイド。
起こった一悶着の末に須藤大輔監督が警告を受ける、憚らずもピッチ内で異議を飛ばさんとしていた梶川への被害を請け負う形となりました。

その後自陣での繋ぎでのミスを拾われての危機(42分、國分の左ポケットからのクロスがゴールに向かうもGK北村キャッチ)など、判定への苛立ちが悪影響を呼び込んでしまう藤枝。
この流れのうちに決めたい山形はアディショナルタイム、最終ラインから距離感の長いパスでサイドを変えながら地上での前進。
そして川井のスルーパスに走り込んだイサカが右からクロス、グラウンダーでGKとDFの間を突いたこのボールに、ニアで土居が跳び込むも合わずに流れたボールをGK北村が脚でクリアの形で跳ね返し。
最後方の奮闘でゴールは割らせずに、何とかスコアレスのまま前半を終わらせた藤枝。

ハーフタイムでの交代は行わず、出来るだけ主力を引っ張る選択をした藤枝・須藤監督。
始まった後半戦、1人1人がより頑張らなければこの不利を打開できないのは当然であり。
後半3分、例によって前に出たGK北村から攻撃を始める藤枝、山原・中川創の両CBもGKを中央にして大きく開いてパスを受ける体勢を採り。
ここからパスワークでの前進の末、新井の右ポケットへのミドルパスに走り込んだ久富がマイナスのクロスに辿り着き。
最後方に伴いSBも押し上げられるその体制はまさにリスキーですが、こうでもしなければゴールに辿り着けないのも確か。

直後の4分、山形のGKからのビルドアップに対し2トップが追い掛け続けると、GK後藤雅のパスミスを生んでショートカウンターの絶好機が訪れ。
左サイド深めで拾った梶川から、パスを受けたシマブクがカットインを経て中央からシュートを放つも、右へ大きく逸れてしまい(タッチを割る)モノに出来ません。

その藤枝の体制に度肝を抜かれる格好となった山形。
しかし冷静さを取り戻し、藤枝2トップの間に位置取るボランチ(主に小西)からの組み立てを冴え渡らせ、ペースを取り返します。
6分にはその位置でパスを受けた小西が左に大きく展開するロングパスでビルドアップ成功、その後クロス→跳ね返しを経て右からイサカのクロス。
これをファーで土居が胸で収め、すかさずボレーシュートを放ったもののふかしてしまい決められず。
続く8分には逆手に取った、左サイドに開いた高江からの前進と、藤枝に的を絞らせずに攻撃権を支配します。

ラインアウトが精一杯となる藤枝ディフェンスの前に、量産されるセットプレーからもゴールを狙う山形。
11分にコーナーキックからの二次攻撃、左サイド奥でディサロのスルーパスに走り込んだ國分がクロス、低いボールでニアを突いた所を川井が合わせ。
山原が眼前でブロックするも、脇にこぼれたボールを拾い直し再度シュートした川井、しかしこれもふかしてしまい決定機を逃し。
13分にも左CKから、キッカー國分のクロスを直接安部がヘディングシュートに持っていき、GK北村が横っ飛びでセーブするも尚も繋ぐ山形。
そして右手前からのクロスを再度合わせた安部ですが、このヘディングシュートもゴール上へ僅かに外れ。

膨らむ決定機に、何とか凌ぐ藤枝も決壊は避けられない運命となってしまったか。
15分、右サイドで西村・川井・イサカのローテーションでのパス回しから、裏へのミドルパスに高江が走り込むという崩し。
これは遮断した藤枝ですが、こぼれたボールを拾わんとした新井と高江が交錯すると、笛は鳴らずに継続となった結果拾ったディサロがゴールに迫り。
そして土居とのワンツーを経て右ポケットからシュートが放たれると、左ポスト内側を叩いてゴールへ吸い込まれ。
押し込み続けた末に、待望のレレマスク先制点に辿り着いた山形。

一方藤枝サイドはここでも反則を巡って異議を飛ばすも、覆るどころか梶川への警告という余分な被害を受けるのみに終わり。
意気消沈しかねない流れで、19分には自陣でのプレス回避がままならずディサロに奪われる危機となり。(前に出ていたGK北村がクリアして凌ぐ)

これを変えたのが交代選手で、22分に久富・梶川→モヨマルコム・浅倉へと2枚替え。
新戦力のモヨマルコムが、その身体能力を活かしたプレーでチームに再度前向きのベクトルを齎します。
右サイドを強引なドリブルで突破し、前に出てのターゲットにもなれ、ロングスローも会得しているという八面六臂の活躍。

その圧力にさしもの山形サイドも委縮せざるを得ず。
23分にはディサロのポストプレイがズレた所を千葉が拾ってショートカウンター、矢村のミドルシュートがゴールを襲うもGK後藤雅がセーブ。
一気に塗り替えられた試合絵図に、ベンチも25分に土居・國分→藤本・氣田へ2枚替えを敢行(ディサロ・藤本が2トップの4-4-2へシフト)したものの流れを取り戻せません。
その後もモヨマルコムのドリブルやロングボールのフリックに苦しめられ、26分にはそのモヨマルコムのクロスをブロックした山田が足を攣らせてしまい。
直後の藤枝のCKの攻めが途切れた(クロスのこぼれを浅倉がシュート・枠外)所で倒れ込んだ山田、担架で運ばれて交代となり。
城和が投入され、安部が左SBに移る事で穴埋めを図ります。

31分にようやく、藤枝がモヨマルコムのロングスローという局面から、クリアボールを高江が拾い持ち運んだ事でカウンターの好機が訪れた山形。
スルーパスを受けたイサカが右ポケットから低いクロスを送るも、中央に走り込む藤本の手前で、戻ったモヨマルコムがクリアと何とか凌いだ藤枝。
数的不利により忘れられていた「『超攻撃的』の裏を突かれる事での危機」が蘇るも、形振り構っている余裕は何処にも無く。
33分にさらに動き、新井→カルリーニョスへと交代します。
(山形も直後にイサカ・ディサロ→横山・南へと2枚替え、再度1トップに)

35分にパスワークで攻め込む藤枝、エリア手前でパスを受けた千葉が安部にチャージされながらもボールキープし、そのまま強引に右奥へと切り込み。
それでも引っ張り続けた安部により倒されると反則・警告となり、このエリアラインすぐ脇からのFKで、キッカー・シマブクはグラウンダーでマイナスのクロスと変化を付け。
矢村のスルーを経て千葉がシュート、と意表を突きに掛かるも山形ディフェンスは釣られずに対応した結果不発に終わります。

その後山形も、マイボールの際は保持を重視(38分のカウンターチャンスでは戻して作り直しを選択)し落ち着きを図り。
その結果、藤枝の溜め込んでいた不満も原因か反則塗れという流れにもなり、42分に城和が・45分にモヨマルコムが警告と双方被害も膨らみます。
前半からカードが出やすい展開に突入していた側面もあり、ある程度は仕方無く。
齎されるFKから、42分に安部がヘディングシュートを放つ(ゴール右へ外れる)という具合に尚もスコアを動かす余地は見られ。

ATに突入し、山形は小西が左ウイングバックを務める、5バックシステム(3-4-2-1)へと布陣変更。
しかしその後敵陣でボール保持する局面になると、左から氣田がカットインでポケットを急襲、そのままシュート。
GK北村がセーブした跳ね返りを、さらに横山が詰めてシュートしますがこれも右ポストに当たり、跳ね返りが中川創に当たるも左ゴールへと逸れる決定機逸に。
結局追加点は得る事が出来なかった山形、1点差を逃げきる体制へと移り。

数的不利はどうしようも無い藤枝。
交代の駒による優位性も薄れていき、結局最終盤はFKによる放り込みしか出来る事が無くなるに至りました。
目安6分のATを凌ぎきった山形が、0-1のまま勝利に辿り着き。

完勝とは言い難い数的優位での戦いでしたが、シーズン序盤から渡邉晋監督が連呼して来た「どんな形でも勝利する事がまず大事」という精神が、ようやく本当の意味で重要となる局面。
そしてその通りに勝ち点3を積み重ねた事で、逆転への体制は整えられたか……を考えるより、貪欲に目の前の勝ちを拾いにいく事でしょう。

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