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DAZN観戦 2024年J2リーグ第23節 ヴァンフォーレ甲府vs徳島ヴォルティス

2024-07-08 16:19:14 | サッカー視聴記(J2)

※前回の甲府の記事はこちら(20節・いわき戦、1-1)
※前回の徳島の記事はこちら(19節・横浜FC戦、0-1)

<甲府スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 監督を交代。前節(大分戦、0-0)終了の3日後(7/2)に篠田善之監督を解任(双方合意の下契約解除)し、大塚真司コーチが昇格という形で監督就任。
  • 前節出場停止の飯田はベンチ入りに留まる。
  • 負傷離脱していた小林・三平が前節に復帰し途中出場。三平は今節スタメンに。

<徳島スタメン>

  • GK三井(J1・名古屋から育成型レンタル)のレンタル期間が今シーズン末まで延長される。
  • スペイン5部・ジローナFC Bへレンタル移籍となっていた鈴木輪太朗イブラヒームの復帰が決定。(選手登録は7/14以降)
  • 岩尾がJ1・浦和から完全移籍で加入(再加入)決定。(選手登録以下略)
  • ターレスがJ1・名古屋から完全移籍で加入決定。
  • 内田が20節(千葉戦、0-1)に故障離脱から復帰し、前節(長崎戦、2-2)スタメン出場を果たす。
  • 前節負傷交代した渡はベンチ外。

どちらにも忘れる事が出来ない対戦となった開幕節。
甲府は大勝(5-1)で徳島の出鼻を挫き、文字通り泥沼へ突き落すような勝利となり。
落とされた徳島の方は戦術的にも精神的にも迷走を続け、吉田達磨監督の解任に至ったのは周知の通り。
それに伴うゴタゴタ(島川引退・西谷退団)も、一般層にまでその迷走ぶりを知れ渡らせるのに一役買ってしまいました。

しかし今やこの2チームの順位は逆転するに至り。(徳島13位・甲府14位)
地道に守備を建て直しじわじわと浮上してきた徳島の一方で、8試合未勝利でボトムハーフに落ちてきた甲府は、前節終了後に監督交代を決断。
これにより、開幕節とはお互い異なる監督でぶつかる事となりました。
そんな共通点とは無縁でしょうが、徳島のマスコット・ヴォルタくんとティスちゃんと大林ひょと子氏も甲府の地に訪れ、カメラインで目立っていた試合前。

甲府の最大の長所である、ハイプレスが雲散霧消気味な今季。
何とか立て直すべく、ボール保持の色を強めたり3バックにしたりと調整を図ったものの、結果が全く出ない状態を変えられず。
そして篠田体制は終わりを告げましたが、大塚新監督も基本的な布陣はそれを引き継いでの3-4-2-1。
目を惹く宮崎の右ウイングバックも前節に取り入れたもので、ベーシックな部分を強調しての戦いとなりました。

その甲府の姿勢の通り、前半2分に橋本、4分にチアゴと徳島選手が痛んで倒れ込むシーンが目立った立ち上がり。(いずれも無事に継続)
対する徳島も、6分に柿谷がロングスローを投げ入れるという、テクニシャン風な柿谷も泥臭さを前面に出すというスタイルで対抗を見せます。

しかし反面、どちらもハイプレスは控えめで、次第にボールポゼッションの色が強まる展開に。
特に監督交代の初戦とあり、相手の徳島が出方を窺う姿勢に落ち着いた事でそこに着地した感がありました。

そうなると、超ベテラン・山本のフィードが活きる状態となり。
最後方から送られるミドルパスを中心に、敵陣に切り込んで隙を伺い、戻して作り直しという立ち回りでペースを掴む甲府。
16分、右へ流れた山本はサイドチェンジ気味に荒木にミドルパスを届けると、そこに喰い付いてきたカイケの背後を突くスルーパスがアダイウトンに。
そしてドリブルに入るアダイウトンに対し、カイケが必死に戻りスライディングを仕掛けるも、得られた報酬はアダイウトンを倒した事による反則・警告となってしまいます。

そんな甲府ペースを剥がしたい徳島も、20分過ぎから徐々に体制作り。
それは一重に、エウシーニョのボールキープを使いながらポゼッションを高めるというものであり。
山本と同じくベテランで、前半には彼を酷使して尻すぼみとなった試合(2節・鹿児島戦、1-2)もあるだけに、使い方が難しい彼の力。
しかしこの日のエウシーニョは下がり目の位置でキープし、甲府のプレッシャーを呼び込んでパスを散らし、自ら上がるのは控えめという姿勢。
消耗を抑えながら、ポゼッションスタイルの基本である「相手を動かして隙を作る」事に徹している節がありました。
それに釣られるように、ボランチの永木や児玉も、パウサで巧く甲府選手を引き付ける絵図が目立ち。

しかしそれが形にならないうちに甲府の攻撃に晒され。
24分、自陣で反則を受けた甲府は素早いリスタートを選択し、鳥海が直接裏へ届けるロングボール。
これを収めたアダイウトンがエリア内を突いてシュート、追走していたカイケのブロックに阻まれるも、こぼれ球に走り込んだ三平が追撃のシュート。
これも森がブロックと何とか防ぎましたが、時間を掛けて攻める間に、逆を突かれる危険性が高まる徳島。
28分には最終ラインから左へ運ぶも、青木→橋本へのパスが少しズレた事で甲府のプレッシャーを受けながらの繋ぎを余儀なくされ。
そして林田に奪われて甲府の攻撃(前進もその後戻して作り直し)と、ポゼッションによる崩しを図るなかで微妙なミスを突かれるという多難な状況に。

そのため結局は甲府優勢という流れに落ち着く試合絵図。
オリジナルフォーメーションから、関口が高い位置を取る4バック気味となったり、山本がボランチの位置に上がるなど様々に可変してのビルドアップが冴え渡り。
29分にその高い位置を取った関口が右ポケットでスルーパスを受け取り、ボールキープののちワイドの宮崎へパス。
宮崎は(クロスの跳ね返りを拾ったのち)カットインからのパスでまたもポケットを突き、受けた鳥海が奥からGKのニアを狙うシュートを放つもスアレスが足でセーブ。
これにより得た右CKからも、キッカー中山のクロスを合わせた山本のヘディングシュートをGKスアレスがセーブと、度々徳島ゴールを襲うフィニッシュ。

それでも徳島は、エウシーニョを利用したポゼッションの姿勢を崩さず。
38分にそれが形となり、森→GKスアレスへのバックパスで甲府ディフェンスを引き込んでからの前進で、右サイドで柿谷とのパス交換を挟みつつキープするエウシーニョ。
その最中に突然エリア内へミドルパスを送って急所を突くと、走り込んだ児玉が浮かせながらのキープから戻し。
受けたチアゴの再度のスルーパスはブロックされるも、こぼれ球を児玉がミドルシュート(ブロック)と、ようやくフィニッシュにまで繋がります。

しかし光明が見えた直後、というありがちなパターンに嵌る事に。
39分甲府も最終ラインから地上で繋ぎ、こちらは左サイドからの素早い前進を選択し、アダイウトンがパス&ゴーで中山のスルーパスを受け直し。
そして左奥から低いクロスがニアに入ると、三平の強烈なボレーシュートがゴールを襲い。
GKスアレスがセーブするも威力の方が勝り、こぼれ球がゴール内へ吸い込まれて先制点が齎されます。
新監督の初陣で、どうしても欲しかったリードを奪った甲府。

この先制点により、さらに甲府へと傾く流れ。
41分には徳島のパスミスから拾ったアダイウトンが持ち運んでスルーパス、走り込んだ荒木のクロスが跳ね返されたのちもさらに仕掛け。
右から宮崎のクロスもクリアされますが、拾った荒木がドリブルを仕掛け、エウシーニョを剥がしてエリア内を突いた末にシュート。(カイケがブロック)
44分には縦パスを受けたアダイウトンがカットインを仕掛けた所、対峙するカイケがスリップしてかわされる(その後ロングシュートも枠外)という具合に、目に見えてミスが増えてきた徳島。
このままでは開幕節の再現の恐れが……という所でしたが、幸いにも前半終了までやり過ごします。
甲府も最後に得たフリーキックから、放り込みでは無く横パスを選択した結果、その直後に前半終了の笛が鳴るという立ち回りを失敗といった絵図で終わってしまい。

ハーフタイムで動く徳島。
2試合連続ゴールを挙げている坪井を早くも投入します。(チアゴと交代、FWに入りブラウンノアがシャドーに回る)

最初の好機は甲府で、右サイドでのパスワークの最中に林田が児玉のアフターチャージを受けて反則・FKに。
ここではシュートに繋がらずも、その後後半6分に山本が反則気味のボール奪取からの好機と、球際の部分で運も絡み優位に立つ甲府。
アダイウトンのボールキープがデイフェンスに阻まれたこぼれ球を、ダイレクトでミドルシュートを放った山本。(ゴール左へ外れる)
未勝利が続く状況で最も悔しい思いをしているのはレジェンドのこの男、というようなフィニッシュを撃ちましたが、追加点とはいきません。

立ち上がりの守勢を凌いだ徳島は、前半同様にボールポゼッションの体勢に入り。
しかし今度はエウシーニョを使わずのプレス回避が目立ち、その分最初から高目に上がるシーンを膨らませるエウシーニョ。
追い掛ける立場らしく、後半勝負の色を滲ませます。

甲府は11分にGK山内が低いフィードを左へ送ると、エウシーニョが足を延ばすもカットできずにアダイウトンに渡り。
徳島の上記の姿勢の裏を突くような好機となりましたが、アダイウトンのエリア内へのスルーパスはカットされて実らず。
すると12分、甲府が後方で持った所に徳島がプレッシャーと逆の立場になると、(山本の持ち運びからの)バックパスの連続で引き付けようとする甲府。
しかしワンタッチでの繋ぎが仇となって今津がパスミスを犯してしまい、拾ったブラウンノアの横パスから坪井がダイレクトでシュート。
ゴール左へと突き刺さり、3試合連続となった坪井のゴールで同点に追い付いた徳島。
今津にボールキープでのいなしを選択する判断と技術があれば……という、両チームの地上での繋ぎの姿勢が明暗を分ける格好となりました。

何とかもう一度突き放したい甲府に、追い打ちを掛けたのがアクシデント。
14分にこぼれ球を拾って前進する三平、柿谷のチャージで倒れた所に、さらに永木に後ろから削られるという二重苦を浴びてしまい。(恐らくは柿谷の反則)
ここでは何とか起き上がり続行したものの、62分に徳島が最終ラインでの繋ぎに入った所で、悪化させてしまったのか三平は片足立ちを余儀なくされて守備体勢を取れず。
それでも柿谷縦パス→坪井ポストプレイと容赦無く継続される徳島の攻撃、最後は右ワイドからの永木のクロスがゴール上へ逸れた所で、倒れ込む三平。
離脱から復帰したてでしたが、またも負傷交代となってしまいました。(ウタカと交代、同時に荒木→小林へと交代)
それに併せて徳島も、柿谷→杉本へと交代。

しかし徳島サイドも20分、ディフェンスに入らんとスプリントを掛けたカイケが足を痛めてしまう事態が発生。
これにより内田投入の準備をするも、幸い無事だったようで継続の運びとなります。

そして22分、左サイドでの奪い合いから確保した徳島、甲府のゲーゲンプレスをかわすパスワークで前進。
そして裏を取った橋本のグラウンダーのクロスが入ると、ニアに走り込むブラウンノアと、今津・GK山内の三者が縺れる状況に。
山内が足を延ばして先んじて触れるも、跳ね返せずその奥でブラウンノアが合わせる格好となり、ボールはゴールへと吸い込まれます。
逆転弾で、これで今季初めて甲府からリードを奪った徳島。
負傷を耐え凌いで得点に繋げた(?)カイケも、ここでお役御免となりキックオフ前に内田と交代。

逆に追いかける立場を強いられた甲府。
こうなると、守備意識を高める徳島の前にボール保持からの崩しが必須項目となり。
26分今津が左サイドを持ち運び好機を作ると、アダイウトンの中への縦パスを手前で林田がスルー。
受けた中山のミドルシュートが放たれるも、杉本のブロックに阻まれます。
前半と比べアダイウトンは下がってパスを受ける場面が多く、そこからミドルパスを散らすという立ち回りへと変わり。
それにより目線を変える効果は見られたものの、本来の縦突破が無くなった事でパワーダウンの感がありました。
そのアダイウトンが退いたのが28分。(武富と交代、同時に鳥海→木村へと交代)

徳島は尚も勢いを持って攻めるも、それにより甲府もカウンターのチャンスが健在となり。
33分には関口の低いロングパスが直接ウタカに収まる好機となり、エリア内からGKスアレスの上を抜かんとループシュートが放たれましたが、ゴール上へ外れて同点ならず。

甲府の最後の交代は35分で、山本→佐藤。
佐藤がボランチに入る事により、林田が最終ラインに降りるという微調整で最終布陣となり。

何度かカウンターを浴びた徳島がリトリートの意識を強めると、敵陣でパスを繋ぎ続けるも外循環の域を出なくなる甲府。
フィニッシュに繋げたいのは当然ですが、それが果たされる事は無く。
一方逃げきりの色を高める徳島、最後の交代は42分でエウシーニョ・永木→高田颯・杉森。(杉本がボランチに回る)
投入された高田颯は間も無い44分、小林に対して反則を犯したのち、ボールを蹴り出してしまい警告を受けるという具合に空回りするも大きな破綻は無く。

45分、杉森のハンドにより右ワイドからのFKを得た甲府。
蹴る前にATへ突入と、勝ち点3を得るのは厳しい状況となるなか、上がったキッカー中山のクロス。
今津が合わせにいく手前でGKスアレスがパンチングでクリアすると、勢い余ってスアレスに激しくぶつかってしまう格好となった今津。
反則・警告という当然の処置が下されますが、勝利への執着か焦りか、興奮収まらずという絵図を晒してしまう今津。
しかし倒れ込むスアレスの方が深刻で、脳震盪の危機が高まるものの、3分程掛けて何とか起き上がり。
そしてプレー続行の運びとなり、安堵が齎される徳島。

これにより、正確に何分間か不透明となるAT。
諦めずに敵陣でパスを繋ぐ甲府ですが、致命的なミスを犯してしまいます。
左ワイド→中央への今津のパスに関口が反応できず、杉森が拾った事で徳島のカウンターとなり。
そしてパスを受けてドリブルに入る坪井、林田をかわしてGKと一対一に持ち込むと、右ポケットへ切り込んで山内の左を抜くシュートでゴールネットを揺らします。
勝利を確定させる2得点目と、確変状態は尚も続く坪井。

尚も攻め込む徳島、CKでも逃げきりを選択しないのは、甲府戦ならびに長崎戦の惨敗による得失点差(試合前の段階でマイナス10)を挽回する意図も含めての事か。
高田颯の右ポケットからのシュート(ゴール前で林田がブロック)、CKから森のヘディングシュート(GK山内キャッチ)とひとしきりゴールを脅かし。
そして1-3のまま、試合終了の時を迎えました。

立場の逆転を証明する結果となったこの試合。
膿を出しきった徳島のように、甲府はこの状況を打破する事は出来るでしょうか。

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