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DAZN観戦 2023年J2リーグ第23節 モンテディオ山形vsベガルタ仙台

2023-07-05 16:08:48 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の山形の記事はこちら(21節・徳島戦、1-1)
※前回の仙台の記事はこちら(21節・山口戦、0-2)
※前回対戦時の記事はこちら(15節・仙台 2-1 山形)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(ヴェルディ戦、0-2)出場停止の川井がスタメンに復帰。

<仙台スタメン>

  • 中島がベンチ外となり、別メニュー調整との事。(放送席の談)

みちのくダービー・第2ラウンド。
前回対戦時は、展開こそ仙台が終了間際に勝ち越して勝利というものでしたが、内容にはかなり力の差を痛感するものであり。
J1経験豊富な仙台が、山形の前進を阻みかつプレッシングをいなす場面が多く、横綱相撲に近いものがありました。

リベンジを誓った(であろう)山形サイド、敗戦直後から怒涛の5連勝を達成し、文字通りチーム力を高めてこの日に挑まんとする流れとなり。
しかし前節・ヴェルディ戦で敗戦、その内容はビルドアップがままならなかったというもの(放送席の談)で、やや不安を抱えてのこの日となりました。

試合が始まると、早速山形のビルドアップvs仙台のプレッシングという図式になる試合絵図。
右の川井が後ろに残り、左の小野が前に出るという3枚の最終ラインを形成する山形。
それに対し、仙台2トップはハイプレスにはいかずにボランチの位置で構え、前に出た所を潰すスタイルを採ります。
これが奏功し、前半3分には鎌田のボール奪取から前に運び、右手前からの低いクロスをホヨンジュンが収めて好機。
左ポケットで氣田が溜めを作ったのち中央へパスを送り、ダイレクトで鎌田のシュートが放たれましたが惜しくもゴール左へ外れ。
続く4分にも敵陣でパスカットに成功するなど、前回と同じ展開に持ち込む事に成功したかに見えた仙台。

しかし余所行きのサッカーがそれを台無しにしたでしょうか。
5分に仙台のビルドアップが始まると、最終ラインがボールを持つ中でセンターバックの若狭が一列前に上がり。
これまでの基本である右肩上がりの布陣とは一新したスタイルを見せると、その刹那でした。
バックパスを受けたGK小畑が前へパスを送ろうとした所、猛然と詰めた藤本がそれをブロックすると、跳ね返りがそのままゴールを揺らす事態に。
新たな布陣を試させないまま、山形が先制点に辿り着きました。

出鼻を挫かれるという表現がピッタリとなってしまった仙台、以降もその新スタイルは変わらず。
若狭がボランチの位置を取り、その代わり鎌田が右サイドで小出・郷家の間に張るという可変システムを採ります。
郷家に高い位置を取らせつつ、右サイドに3人並べる事で優位性を保つ狙い、といった所でしょうか。

しかし逆の左サイドでの攻めが殆ど見られず、SBにキムテヒョンを据えているが故の苦肉の策とも取れ。
彼がサイドを務めた際は同サイドから前進できないというのは、前年の最終節の際でも明らかだったように、自覚しての事だったのでしょう。
14分のビルドアップ、中央で若狭縦パス→ホヨンジュンポストプレイ→鎌田右ハーフレーンからサイドチェンジという流れで、左の氣田へと渡る攻撃。(ここから溜めたのちのパスワークでエリア内を突くもフィニッシュは撃てず)
なるべくキムテヒョンを経由せずに、アタッカーの氣田に良い形で渡すという、ある意味縛りプレイのような様相にも見えました。

16分再び山形のビルドアップとなるも、溜めを作って仙台のハイプレスを誘い、前に出るやすかさず川井が縦パスを通して前進に成功。(その後藤本ポストプレイ→藤田裏へロングパス→イサカもクリアされる)
貫いていた前線の守備の姿勢が乱れる、綻びを感じさせるシーンとなり。
そんな中18分に決定機が訪れ、例によって右サイドからの前進で、鎌田のスルーパスが一気にホヨンジュンに渡り右ポケットへ進入。
前に出たGK後藤雅を右にかわしにいき、後藤雅のブロックで倒れてしまうも、「PKを貰うようなプレイ」に映り反則の笛は鳴らず終わってしまいます。

冷や汗を掻いた山形ですが、ここから普段着のスタイルの力を発揮。
相変わらずビルドアップに苦しむ仙台に対し、22分に敵陣中央でボール奪取に成功、國分がドリブルで前進する所を若狭に倒されて反則・警告。
この直接フリーキックを、田中がその通りに直接シュートを放ちましたが、ここはGK小畑が正面でキャッチ。
25分にもイサカが中央に絞ってボール奪取し、拾った藤本がミドルシュート(枠外)と、ショートカウンターの牙を向け始めます。

仙台はたまらず、30分頃からビルドアップの形を変え、普段通りの小出が前に出る右肩上がりのスタイルに。
しかし余所行きの策に手を染めた罰を、その後もたっぷり味わう事となります。
その普段通りのビルドアップも、前回観た通り左SBが攻め上がらないのは共通しているので、硬直性を解くには至らず。
攻めの姿勢を崩さない山形は長短のパスを交えた多彩な前進から、イサカの突破からのシュート(31分・ブロック)、右奥のマイナスのクロスからの國分のシュート。(33分・ブロック)
38分にはカウンターから、イサカのスルーパスに走り込んだ藤本がループシュートを放つも、GK小畑が腕を伸ばして何とかセーブ。
多種多様なフィニッシュと、それを辛うじて防ぐ絵図に、決壊は間近という事を窺わせます。

そして迎えた40分、山形はビルドアップの流れで、山形のパスカットを2度受けるもセカンドボールをも繋いで好機に。
イサカのワイドからのパスで右ポケットを取り、藤田の戻しを南がダイレクトで中央へ送り、藤本がワントラップを経て反転シュート。
難しい体勢ながらゴール左隅をキッチリ突き、前半のうちに追加点に辿り着きました。

スコア的にも内容も厳しい状況の仙台。
何とか打開せんと、直後の42分に左サイドからの運びを試み、キムテヒョンも関わってのパスワークで山形のプレッシングをかわし。
そしてキムテヒョンのミドルパスを受けた郷家が野田に反則を受け、右サイドかなり手前からのFKとなると、キッカー鎌田がファーサイドにクロスを送り、キムテヒョンがボレーで折り返すもシュートは生まれず。(尚オフサイドの判定を巡って一悶着あり、映像ではキムテヒョンの位置は明らかにオフサイドにも拘らず、その後合わせにいった若狭がオフサイドを取られた模様)
しかしその姿勢も実らず、44分にはまたも右から攻めようとした末に詰まって奪われて山形のショートカウンターを浴びてしまい。(奪った田中がすかさずスルーパスも國分には合わず)
ここでは中央のエヴェルトンが一瞬空いたため、そこを使えば……という所で右に送ったのが分かれ目となり、どうにも視野が総じて狭いと感じてしまう仙台のビルドアップ。

結局2-0で前半を終え。
ハーフタイムで小出→蜂須賀へと交代し、巻き返しを図った仙台。

そしてオープンな入りとなった後半。
ともに相手の陣形が整っていない所を攻め込み、結果に繋げたのは仙台の方でした。
こぼれ球をエヴェルトンがダイレクトで縦パス、受けた氣田がスルーパスと前へ素早く運び、山田寛のミドルシュートがGK後藤雅にセーブされるもCKに。
この右CKから、鎌田の中央へのクロスをホヨンジュンがフリーで合わせヘディングシュート、ゴールネットを揺らします。
流れが悪い時はセットプレー、というお手本のように1点を返す仙台。

後半からプレッシングも、2トップは最終ラインまで詰めにいくスタイルを採った仙台。
1点差に詰め寄った事もあり、相乗効果で前掛かりな姿勢を強めて同点ないしは逆転を狙いにいきます。
4分にはエヴェルトンのボール奪取から、ディフェンスに遭いながらも強引に前に運んだ末に、キムテヒョンがシュートに辿り着き。(枠外)

しかしその強引な姿勢が首を絞める事となり、前進の際にパスミスを頻発してしまうなど細かい繋ぎの部分が乱れ、攻勢に入るには至りません。
そうなると、縦に速い運びでは山形の方に分があるため試合が傾くのは自明の理、といった所でしょうか。
9分ミドルパスをカットした藤田が縦パスを送ると、受けた田中もスルーパスで前へ送り、受けた國分が左ポケットに進入。
そして奥からのマイナスのクロスを綺麗に藤本がフリーで合わせ、ハットトリック達成となる3点目を挙げます。
早い運びからの好機のなか、直ぐにクロスを入れたくなる場面でワンテンポ置くという國分の動きが絶妙で、その成果は見事に表れました。

これでも終わらず13分、左サイドでの前進から今度はアーリークロスを選択する國分。
これがスルーパスの如くセンターバックの裏を突き、藤本が後は決めるだけといったヘディングシュートを叩き込みます。
4分間で2点と、あっという間に試合をほぼ手中に収めた山形。

巻き返しを図らんと、18分に山田寛・郷家→遠藤・フォギーニョへと2枚替えをした仙台。
出来れば1点差のうちに投入したい所でしたがそれを言っても仕方なく。

3点差となっても、守備を固める姿勢は毛頭無いといった感じで、プレッシャーを強める山形。
ビハインドの状況もあり仙台はそれを正面から受けてしまい、激しいデュエルに苛立つシーンも目立ちます。
イサカの反則気味のチャージで奪われたエヴェルトンは、23分にその報復のようにイサカのボールキープに対し激しくアタックにいってしまい反則、警告を受ける事に。

仙台も諦める事無くプレッシングを掛け続けますが、山形は1つ飛ばしのパスを多用する事で巧くいなし。
特に最終ラインから一つ前に運び、戻しを選択する所で一気にGKまで戻す事で、「相手の戻しを見てプレッシャーにいく」スタイルが距離が遠すぎて通用しないといったシーンを多く作ります。
ベンチは24分に最初のカードに手を付け、イサカ・國分→横山・河合へと2枚替え。

何とか反撃したい仙台、降りて来る遠藤のポストプレイを利用しながら、縦パス攻勢で前進を図り。
27分には若狭のロングパスで一気にエリア内を突き、遠藤の落としを経てアタッキングサードで展開し、氣田のシュートに持ち込み。(ブロック)
これでCKに持ち込むも、待ち受けていたのは山形のカウンターで、拾った河合のスルーパスを横山が受けて一気にドリブル。
そしてエリア内で切り返して追走したディフェンスを剥がし、放たれたシュートがGK小畑の左を破り。
しかしその後ろで菅田がブロックし、5点目は寸での所で阻止する格好になりました。

仙台はその後も、31分にエヴェルトン→中山(フォギーニョがボランチに、遠藤が右サイドハーフに回る)、36分にホヨンジュン→梁(フォギーニョが右SHに、遠藤がトップ下に回る)とカードを切っていき。
それでも反撃の機運は高まる事無く、時間も押し迫っていきます。
梁が入った事で、彼が最終ラインに降りての組み立ても何度か見られ、ボール保持はやや安定を見せましたが展開を変えるには至らず。

一方の山形、31分に藤本・田中→加藤大・後藤優、39分に藤田・岡﨑とカードを切っていき。
次第にボールを握られるも、それに伴いカウンターを狙う意識を高めて対抗と、リードを如何なく発揮する体勢に。

そしてアディショナルタイムに突入するも、左ワイドで受けた遠藤が、アーリークロスと見せかけて遠目からシュートを狙いにいき。
GK後藤雅がセーブしCKへ逃れるという具合に、この難しい距離で放ったシュートが唯一ゴールを脅かすものというのは寂しい限りな仙台。
結局4-1のまま試合は終わり、山形は実に2010年以来となるダービーでの勝利を挙げました。

スコアの通り山形の圧勝といった内容で、前回対戦時からは見事にひっくり返ったという両クラブ。
特に仙台は、中島の欠場というイレギュラーもありましたが、普段やっていないスタイルに傾倒してしまったのが間違いというような結果に終わり。
かくして純度が今一つな状況で迎えてしまった連戦、ここからどのように凌ぐでしょうか。

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