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DAZN観戦 2023年J3リーグ第17節 愛媛FCvsカターレ富山

2023-07-12 16:46:44 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

1位vs2位の首位攻防戦と、非常に重要な一戦となった愛媛のホーム・ニンジニアスタジアム。
ふとその昇格先のJ2を見ると、同じ日にこちらも町田vsヴェルディの首位攻防戦が組まれ。
そしてその上のJ1でも名古屋vsマリノス(こちらは前日の土曜に開催)と、偶然の一致という言葉では片づけられないような今週の各リーグ。(それでも偶然だと思いますが)

愛媛は前回触れた通り、1点差勝利の際どい試合をモノにし続ける傾向は以降も変わらず。
そして前回観たYS横浜戦(2-3)は、福田という強烈な得点源にその勝利パターンを崩された格好となっての敗戦であり。
昇格に向けて同じ轍を踏まないのは当然ながら、自軍にあっても誰かそういった個の力で覆せる人材が欲しい所。

直前まで雨模様だったピッチ上で試合が始まり、いきなり愛媛のパスワークの際に水しぶきが上がるなど、その影響が懸念されるシーンが生まれ。
そして前半7分の愛媛の攻撃で、左ハーフレーンをドリブルで切り込んだ山口がエリア内へ斜めの縦パスを送ったものの、水により失速するボール。
慌てて佐々木匠が戻って拾い再度エリア内へ送り、曽根田がダイレクトでシュートするも枠を捉えられず。
ここではフィニッシュに繋げられたものの、その後9分には右サイド奥を取った愛媛ですが、バックパスが水で止まってしまいカットされる事態が発生。
純粋なパスサッカーを行うには分が悪い環境となりました。

一方の富山はロングパス・ミドルパスを中心に組み立て、クロスは早めに入れる等そんな条件を考慮したようなサッカー。
いかにも首位チームらしく、勝負に徹するといった姿勢であり。

それに相対する愛媛は、GKからショートパスで繋いでビルドアップvsプレッシングの勝負に持ち込みあくまで徹底抗戦するスタイル。
それでも15分にはゴールキックから短く繋ぎ、プレスをかわしきるとロングパスを送るという具合に、富山陣内でボールが止まる現象が多発した事を考えての立ち回りを取り。
結局ここでの攻撃は、そのロングパスを受けた茂木が左からグラウンダーでクロスを送り、深堀が合わせにいきましたがオフサイドに。
しかし直後の16分にはプレスを嵌められ、ボールキープする小川が左サイドに追いやられてタッチを割るなど攻防の優劣はつけ難く。

富山のプレッシングは一重にシルバの前への意識の旺盛さを利用するといった感じで、2トップ+シルバ+サイドハーフ1人といった前線を組んで再度に追い込んで阻みにいき。
前述の通りそれなりに効果を出し、一方の攻撃でもシルバが前に出てゴールを狙う場面が多々。
19分には左サイド手前からの安光のクロスを、ニアサイドで屈んでのフリックで合わせるヘディングシュートを放ったシルバ、これがゴール右へ外れる惜しいフィニッシュとなります。

雨中の試合といえば思い出させるのが2年前のこの試合(J2・愛媛vs磐田、0-0)でしたが、あの時ほど露骨な水たまりは可視されていないピッチコンディションであり、そのため適応も早かったでしょうか。
水分に苦しむシーンは以降見られなかった両チーム。
こうなると後は愛媛のビルドアップvs富山のプレッシングで、どちらが上回るかといった見所。

そして上回ったのは富山。
27分敵陣で椎名がボール奪取し、ショートカウンター気味に運んだ吉平がエリア内へスルーパス。
左ポケットで受けた安光が中央へ横パスを送り、受けた佐々木陽のシュートこそブロックされるも、尚もワイドで拾った安光。
最初のクロスがブロックされると、拾い直して再度クロス、これをファーサイドのターゲットである柳下が折り返し。
これがゴールへ向かうボールとなり、GK辻を越えて落ちる所を大野がヘディングで押し込み。
文字通り身体ごとゴールに投げうって、という先制点を挙げました。

尚も富山の好循環は止まらず、29分に再びボールカットからの好機。
右サイドでパスカットした柳下がサイドチェンジ、これで密集を打開したうえでその後吉平ドリブル→安光スルーパス→吉平で左ポケットを素早く突き。
そしてダイレクトで入れられた低いクロスを、これまた大野が身体を投げうってダイビングヘッドで合わせます。
山口のディフェンスと交錯しつつのシュート(それどころか頭部を蹴られる格好となっていた)で、ジャストミートこそしなかったものの、執念が勝りボールはゴール内へ転がり。
電光石火のように2点リードを奪った富山。

3分間で2得点と、その得点力を発揮した大野は言わずもなが、右サイドバックの柳下も前年観た通りの良い働きといった印象。
1点目のアシスト、2点目に繋がる良いボールカットと、要所で顔を出すその姿はやはり今季も上位進出の原動力でしょうか。

一方厳しい立場となった愛媛。
34分に曽根田のドリブルが(シルバに)反則で止められ、右サイドからフリーキックの好機。
キッカー茂木のクロスを森下が合わせ、叩き付けるヘディングシュートがゴールを襲ったものの、バウンドしたボールはゴールバーを掠める僅かに枠外となり。

仕留め損なった愛媛、その後富山のプレッシングをかわすべく、最終ラインは富山2トップの間を通すパスを使い始め。
そしてサイドでは詰まらないために、スルーパス中心に縦に運ぶ攻撃へとシフトした感がありましたが、効果的とはいかず。
その後も、縦パスをカットされた末にスルーパスを大野に繋げられて富山の好機となり(41分)、エリア内で佐々木陽とシルバが立て続けにシュート。(前者はブロック、後者はGK辻キャッチ)
45分には再び柳下にパスカットされると、彼のドリブルを反則で止めた佐々木匠が警告と、良い流れを得れないまま前半終了を迎えました。

流れを変えるべくハーフタームで交代は必至といった愛媛。
あまり目立てていなかった三原を代え、疋田を同ポジションで投入します。
それとは別に、SH同士を左右入れ替えて茂木が右・曽根田が左という立ち位置に。

そしてピッチ上でも流れを変えるべく、キックオフの位置に立った森脇はバックパスと見せかけて逆向きのままヒールパス。
これでセンターサークルからの前進を選択したものの、あっさり奪われて逆に富山の攻撃となり、シルバのドリブルを矢田が倒してしまい反則。
中盤近くでのFKながら放り込みの姿勢を取った富山ですが、意表を突いて右への縦パスを選択し、奥を突いた椎名がシルバのポストプレイを挟んでクロス。
これがゴールへ向かう軌道となりGK辻が辛うじてセーブと、トリックプレイでも富山に劣るという難儀な入りを強いられます。

しかし富山の攻撃を切ると、投入された疋田が自陣からのスローインというプレーで流れを呼び込み。
深堀をターゲットにした長い飛距離を連続で投げ入れ、その2本目(後半4分)が好機に繋がり、右ポケットからの茂木の低いクロスをニアで曽根田が合わせシュート。(GK田川セーブ)

この影響もあり5分に中盤からの右スローインになると、富山サイドが警戒して引いた所を疋田は前では無く横へと投げ入れ、受けた矢田が逆サイドへ展開して好機に。
山口がドリブルで椎名を剥がすと、クロスでは無く横パスを選択し、その流れのまま曽根田→矢田と経由して中央へ。
そして後方から走り込んだ疋田が果敢にミドルシュートを放つと、ボールは地を這ってゴール左へと突き刺さり。
自身が変えた流れを、自身でモノにしたという疋田のゴールとなりました。

これで1点差となった愛媛。
続く好機は8分で、左→右へのサイドチェンジを経て右からクロス、跳ね返りを拾って左から攻めとサイドが激しく移り変わり。
一度は山口のドリブルがシルバに奪われるも、そのシルバの持ち運びを曽根田が阻んで継続、拾った山口が低いクロス。
そして深堀がニアサイドで合わせ、ゴール左へと突き刺します。
富山と同じくの立て続けの連続ゴールで、あっという間に同点となった試合。

同点に追い付き一安心といった愛媛、再び最終ラインからのビルドアップを重視する姿勢に落ち着き。
それを富山は阻みにいき、前半のようにサイドに追い込むも、動揺からかそこから奪う事が出来ず。
10分には右サイド(富山から見て左サイド)に追い込むも、バックパスに対しプレスが曖昧となった(最終ラインへの戻しに対し2トップのどちらが行くべきか迷った感じ)隙を突かれて森下のミドルパスで剥がされ、さらに中央経由からの森脇のロングパスで左奥を突かれ。
そこから先程のように山口のクロスをニアサイドで深堀が合わせにいく(大畑が辛うじてクリア)という具合に、土台がグラつき始めている感じでした。

何とか引き締めんと、11分にベンチが動き佐々木陽→末木へと交代。
ボランチに入る末木により、シルバがトップ下へと上がり4-2-3-1or4-4-1-1という布陣となります。
前掛かりな傾向のシルバ、2失点目のシーンを受けてその守備面の綻びを防ぎにいったという策でしょうか。

これで愛媛の流れを堰き止め、改めて3点目を狙いにいく富山ですがその攻撃に中々パワーは見られず。
14分に安光のドリブルから攻撃開始するも、結局は右サイド手前からのクロスに留まり、大野が跳び込んで合わせるも放たれたヘディングシュートはGK辻がキャッチ。
同じ大野の頭でのフィニッシュでも、前半とはえらく違うという印象を残すのみに終わり。

そんな事を敏感に感じ取ったのか、17分に今度は3枚替えと大きく動いてきた小田切道治監督。
椎名・シルバ・大野の3名に代え、松岡にトップスコアラーの高橋駿太、そして助っ人マテウス・レイリアを投入してきました。
これにより高橋駿・レイリアの2トップとなった事で、再び4-4-2へシフト。

しかしそのベンチの思いも空しく、一向に好循環は巡って来ない富山。
時間が経過し20分台となり、愛媛サイドはこのタイミングで個の力が発揮されます。
それはトップ下の佐々木匠で、かつて讃岐でドリブラーとして名を馳せた(?)男がその能力を解禁したように躍動し。
23分に自ら中盤でボール奪取し、拾った森脇の縦パスを受けてそのままドリブル、エリア内の深堀へとラストパスを送るもこれは繋がらず。
しかしその直後にも敵陣で自らボール奪取し、曽根田の戻しを受け取り再度ドリブル突破で左ポケットへ。
大畑に倒され、反則無しに終わったものの、守備陣を散々に切り裂いた効果は直ぐに出る事に。

続く24分、右からのスローインをエリア右脇で受けに入る佐々木匠、ポストプレイで深堀に託し。
するとその勢いのままカットインでポケットに切り込む深堀、今瀬が対応するも足を出して引っ掛けてしまい、深堀が倒れると反則を告げる笛が鳴り響きます。
当然ながらPKが齎され、キッカー深堀がゴール左へと突き刺し、とうとう2点差をまくった愛媛。

追う立場となった富山、同時に最終ラインからの能動的な崩しも強いられ。
攻撃的な柳下を前へ押し出す、所謂右肩上がりの布陣でのビルドアップに賭ける事となります。
そして逆サイドでは、安光が偽SBの如く、ハーフレーンを駆け上がる体勢に。
主に左サイドからの前進で、長いパスで高い位置の柳下に託すという攻撃で、同点を狙いにいき。
柳下は3本クロスを入れ、30分に入れたマイナスのクロスから高橋駿がフリックした(その後繋がらず)のが最も惜しいシーンとなり。

富山が追い付けないまま、35分に動く愛媛ベンチ、森脇・佐々木匠→深澤・石浦へと交代。(こう並べると深澤も前ヴェルディと思いがちだが別人、念のため)
するとその直後の36分、右サイドでのボール奪取から深澤→石浦と経由し、中央で深堀が溜めを作って曽根田のドリブルに繋げ。
そしてエリア内へのスルーパスを受けた深堀、すかさずシュートしゴールに突き刺し。
これでハットトリックを達成した深堀、松田の出場停止を見事に救った形となりました。

これで今季最多の4得点となった愛媛、それでも勝負にストイックな姿勢は変わらず。
富山は39分にコーナーキックから、安光がヘディングシュートを放ったもののGK辻がセーブ。
この後の40分に、愛媛ベンチは茂木→平岡へと交代し、5バックシステム(3-4-2-1、平岡は3バックの中央)へと移行します。
(富山は39分に吉平→安藤へと交代)

追い詰められた富山、柳下は既に中央でターゲットの姿勢を取り始め。
安光→安藤の2人掛かりでひたすら左サイドの前進を仕掛けるも、厳しい状況は変わらず。

しかし45分、安藤が右サイドへとロングパスを送り、受けた松岡が右ポケット奥へと切り込んでクロス。
これを柳下が森下との競り合いを制してヘディングシュート、ゴールネットを揺らして1点を返します。
再三の左サイドアタックの逆を突いた格好の得点となったものの、未だ愛媛のリードは変わらず。

アディショナルタイムに突入し、富山はロングボール攻勢に活路を見出す他無く。
そしてフィニッシュに繋がる事無く、そのまま試合終了の時が訪れました。

大量得点を果たした愛媛ですが、結局1点差ゲームとなった辺りこれはもはや逃れ得ない運命なのか。
首位に立ち価値のある1勝となったものの、それを活かすも殺すも今後次第、といった所でしょうか。

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