岩手県奥州市水沢区にある国立天文台水沢VLBI観測所は、国際緯度観測事業(ILS:International Latitude Service)の観測地として、1899年(明治32年)より120年近い歴史を持つ観測所です。北緯39度8分線上に世界6カ所(ロシア:チャルジュイ、イタリア:カルロフォルテ、アメリカ:ゲイザーズバーグ・シンシナチ・ユカイア、日本:水沢)の観測所が設けられ、地球の北極と南極の位置が地球の地面に対して運動する現象(極運動)を解明することを目的として毎夜観測を行っていました。しかし、観測を開始してまもなく日本の結果が正しくないことをドイツの中央局から指摘され、初代所長の木村榮(きむら ひさし)をはじめとする水沢局の職員は苦境に立たされます。日本の測地学委員会は、木村へ観測に使用する眼視天頂儀について16項目にも及ぶ全面点検を命じました。しかし観測機械にも観測方法にも何ら欠陥が見つかりませんでした。この結果に自信を得た木村は各観測局の結果を再検討し、すべて同様の変化があることを発見しました。その後、世界的にも有名になったZ項の発見へと続いていきます。 --- 以下の記事は下のリンクから。
<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」
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<ひとこと>: 今日、10月12日、15~30メートルの小惑星 2012 TC4 が 44,000 キロメートルまで地球に接近すると予測されています。この距離は地球と月の距離の地球から見て十分の一強まで接近することを意味しています。衝突することはないようですが影響が出るかもしれません。昨日の記事参照。
<お知らせ>: 今日、10月12日、夕刻、国際宇宙ステーション貨物船プログレスが打上げられます。また、3時間強後にステーションとドッキングします。中継放送は「ホームページ」の「ウェブNASAテレビ放送予定」から。 ----- 打上は延期されました。