アルマ望遠鏡が、若い星オリオン座V1247星のまわりの塵(ちり)の環の姿を写し出しました。この画像では、2種類の環があるように見えます。内側の環は星を取り巻く明確な環ですが、外側の環は三日月形をした淡いものです。二つ環のあいだの暗いところは塵が少なくなっています。この隙間は、この場所に惑星ができている可能性を示しています。惑星ができると、その重力によって軌道の両側に圧力の高い部分が現れると考えられます。このため惑星の軌道に沿って隙間ができるのです。このとき塵が両側に掃き寄せられますが、その状態は数百万年も続きます。塵が密集した状態が保たれることによって、塵が合体成長しやすくなると考えられます。こうした現象を、ダストトラップと呼びます。アルマ望遠鏡ではこれまでも若い星の周囲にダストトラップらしきものを発見してきましたが、観測開始当初に比べて現在の解像度は向上しています。その結果、地球から約1000光年離れたオリオン座V1247星のまわりで、三日月形に見えるダストトラップを明確に捕らえることができました。内側の環もその明るさは均一ではなく左下がやや明るくなっています。ここにも周囲より塵がたくさん集まっているのです。研究チームは、この環の左下の部分もダストトラップではないかと考えています。
<出典>: 「ALMA:国立天文台」
<大判>: イメージをクリック
<ひとこと>: “星”は「恒星:太陽のような星」を指しています。