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12月 9日(月):宇宙における老化と脆弱性

2024年12月09日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

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<今日のテーマ>: 老化と脆弱性:バイオマーカーは宇宙飛行によって変化する

<前書き>: 少々難しい記事ですが、人間の宇宙飛行にとって、最も基礎的な、最も重要なことなので取り上げました。

宇宙飛行は、ゲノムの不安定性、ミトコンドリア機能障害、炎症の増加を誘発することによって、宇宙飛行士の体の老化の症状を加速させる。これは、宇宙飛行と地上の老化、フレイル(frail、注:人・体が弱い、壊れやすい)、サルコペニア(sarcopenia 注:加齢による骨格筋量の低下)に関連するバイオマーカーと経路を包括的に調べた初めての研究である。

<図の解説>: 宇宙飛行と老化プロセスとの類似性はフレイルを包含するかも知れない。
図の左側:げっ歯類とヒトのサンプルで差次的に発現するフレイル遺伝子のベン図は、二つの種間で共通の差接する発現遺伝子を示している。
図の右側:インスピレーション4実験とサンプルの概略図。
この研究は、七つのげっ歯類の宇宙飛行データセット、二つの有人宇宙アナログデータセット、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士データ、インスピレーション4を含む OSDR のデータによっている。サルコペニアに関するデータは、米国立生物工学情報センターの遺伝子発現オムニバスから。

主な調査結果:

1、宇宙飛行は、筋肉の喪失に関連する弱点(frail)と、遺伝子発現パターンに顕著な変化を引き起こす状態を示している。
2、宇宙環境への露出は、マウスとヒトの両方で観察され、炎症、筋肉の消耗、その他の、加齢に関連する特徴に関連する変化に結びついている。
3、宇宙飛行と老化プロセスとの類似性は、短所に及んでいる可能性もある。

影響:この研究は、宇宙飛行中の宇宙飛行士の健康リスクの進行を監視するための、弱点指数の必要性を明らかにしている。この結果は、地球上の宇宙飛行士達と高齢化社会の双方にとって、短所に関連する健康リスクと戦うための対策を開発する、潜在的な道筋についての洞察を提供している。

この研究は、ネイチャー誌に掲載された44編の論文「Space Omics and Medical Atlas(SOMA)」パッケージの一部である。 この研究は、NASAの、 オープン科学データ書庫(OSDR:Open Science Data Repository) の 分析ワーキンググループ(AWG) 内で始められた。

<ひとこと>: 内容が難しいので、ここではごく表面的なことしか掲載できていません。宇宙飛行と老化との関係は、今後の宇宙探査にとって、大変大きな課題です。大判はイメージのリンクから。
なお、初期に宇宙飛行から帰った飛行士達は、帰還直後は自力で立つことができなかったと言われ、また、現在の国際宇宙ステーションの飛行士は、体力維持のために、毎日2時間以上の運動が義務づけられています。

<出典>: Elizabeth E. Keller(著者名です)


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