MUSIC IS THE SCENERY

いつも背景には音楽がある。
インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

Sahara Hotnights ニューアルバム

2022-05-30 22:04:08 | この1枚

スウェーデンのガールズバンドSahara Hotnightsが
アルバム"Love In Times of Low Expectations"を発表しました。
2011年以来、実に11年ぶり7作目となります。

バンドは11年に活動休止していましたが
19年には活動を再開して、今回のリリースとなりました。
恐らくコロナ禍で発表が遅れたのだと思います。

07年の"What If Leaving Is A Loving Thing"と
09年"Sparks"の2枚のアルバムをスウェーデン国内でヒットさせ
そこから「Cheek to Cheek」「In Private」の2曲が
トップ10ヒットとなっています。

メンバーは40歳代に入っていることもあり
ニューアルバムはそれらと比べると当然のことロック色が薄れ
耳障りが良すぎるくらいにまとまっています。
キーボードが強調され、トランペットを使った曲もあります。

「Reverie」が先行シングルだったようですが
個人的には「Gemini」という曲が一番気に入りました。

HMV渋谷でのアコースティック・セットでのライヴからは
もう15年近くが経とうとしています。

Reverie →
Gemini →
Vertigo →

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10,000 Maniacs - MTV Unplugged

2011-06-27 23:44:18 | この1枚



活動と休止を繰り返しながら
一応、現在も存続している10,000 Maniacs。
このMTV Unpluggedの名盤は93年作品。
当時の看板アーティストNatalie Merchantが
脱退宣言をした直後に出された作品で
その後彼女はソロへと転向していくわけです。

収録曲は87年の『In My Tribe』から4曲
89年『Blind Man's Zoo』から2曲
92年『Our Time in Eden』から7曲と
バンドの黄金期のアルバムから構成されたもので
それにPatti Smithのヒット曲のカヴァーである
新曲「Because The Night」を加えた計14曲です。

人気の曲「These Are Days」で幕を開け
ラストの名曲「Noah's Dove」まで
まさにベスト・アルバムといっても良い選曲。
「Candy Everybody Wants」、「Don't Talk」、
「Hey Jack Kerouac」、「What's The Matter Here?」、
「Like The Weather」、「Trouble Me」など代表曲に交じって
「I'm Not The Man」、「Gold Rush Brides」、「Jezebel」と
地味ながら良い曲がさりげなく並んでいます。

Natalieの張りのあるヴォーカルはもちろん
演奏の方ももとからアコースティックな部分は得意なバンドなので
安心して聴ける内容になっています。

Because The Night

(ここからは別ヴァージョン)
These Are Days
Don't Talk
Like The Weather
Trouble Me
Noah's Dove


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Prefab Sprout - Protest Songs ②

2010-10-11 00:17:50 | この1枚

発表当時はシングル発売もなく
彼らのファン以外でこのアルバム『Protest Songs』を
聴いている人も少ないと思いますが
曲の良さに加えて詞が面白いものが多いので
結構捨てがたい作品になっています。

これまで発表した8作品のなかで
オープニングの2曲の良さという点に限って言えば
個人的にはこのアルバムの
The World Awake」と「Life of Surprises」が
一番ではないかと思っています。

The World Awake」の中では
Chance being a fine thing brought us together
But we're not magnets well not forever
It's just the way I am, it's just the way we were
It's just a nervous flickering of old flames

続く「Life of Surprises」では
Never let your conscience be harmful to your health
Let no neurotic impulse turn inward on itself
Just say that you were happy, as happy would allow

And tell yourself that that will have to do for now
ともに多少教訓めいた詞の良さが光ります。

他にも名曲の呼び声高い「Dublin
2ndアルバム『Steve McQueen』に収録された曲よりも
The Style Councilっぽさを感じる「Tiffanys
ダイアナ妃を歌った「Diana」などは
地味ながらも魅力的な曲になっています。

そしてWendy Smithのヴォーカルが
かなりフィーチャーされている「Talking Scarlet」。
近所に住む人妻への恋心を歌った
一歩間違ったらかなり危なそうな曲で
Wendyはその人妻パートを歌っています。
そういえば「The World Awake」では
結婚したい男性の家の前に行った女性が
誇らしげにドアをノックすると
その男性の奥さんが出て来てしまったり
「Horsechimes」という曲では
未亡人が運転する車の助手席に座っていたりと
かなり危険な香りがします。

そしてこのアルバムのタイトルが
『Protest Songs』となっているのが頷けるのが
ラストの「Pearly Gates」です。
There'll be no stampede on the Pearly Gates
I'll say "after you"
You'll say "I don't mind the wait"


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Prefab Sprout - Protest Songs

2010-10-10 12:02:59 | この1枚

過去に書いたつもりでいましたが
実はまだ書いていなかったPrefab Sproutの『Protest Songs』。
このバンドの作品の中では恐らく一番地味な1枚です。

名作2ndアルバム『Steve McQueen』リリース直後の
85年秋にわずか2週間で完成し
3rdアルバムとして86年初めにも発表される予定でしたが
同時期に2枚のアルバムが市場に出て
ファンが混乱することを恐れたCBS UKの反対により
とりあえずお蔵入りとなった1枚。
結局は4thアルバムとして89年に発表されています。

Thomas Dolbyプロデュースの音に厚みのある『Steve McQueen』
躍動感あふれる3rd『From Langley Park to Memphis』
今作はその後の発売という順番のずれのせいで
どちらかというと1st『Swoon』に近いこのアルバムのサウンドは
初め聴いた時は進化よりは退化を感じさせられましたが
シンプルながらも個々の曲の持つ基本的な部分では
かなり良さが光る作品で聴けば聴くほど味が出てきます。

発表時のCBS UKのプレス・リリースには
Bruce Springsteenの『The River』『Born in the U.S.A.』の
名作2枚のアルバムの間に出された
『Nebraska』的なポジションだと書かれたとのことです。

まだまだ少し書きたいことがありますが
かなりの長文になってしまいそうなので次回に続く。

The World Awake (46曲目)
Life of Surprises 
Horsechimes (18曲目) 
Wicked Things (19曲目) 
Dublin 
Tiffanys 
Diana 
Talking Scarlet  
'Til the Cows Come Home  
Pearly Gates


 

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Feist - Monarch (Lay Your Jewelled Head Down)

2010-10-02 00:06:03 | この1枚

21世紀を代表する女性シンガー・ソングライターと言っても
全く過言ではないLeslie FeistことFeist
04年の「Let It Die」が1stアルバムで
07年の「The Reminder」が2ndアルバムだとずっと思っていました。
曲の「Monarch」は前から知っていて
そういえばどちらにも入っていないなとは気がついていましたが
そのFeistが99年に発表した幻の1stアルバム
『Monarch (Lay Your Jewelled Head Down)』を聴いたのは
今から半年ほど前のことです。

本格デビュー後の2作品と比べると
全体的な完成度という点ではもちろん劣りますが
こちらのセルフ・リリース作品は
彼女の持つ良さがストレートに伝わってきます。
言い換えればサウンドなどの作りがシンプルだということですが
割とノイジーなギターはかなり生々しく
何曲かで結構大胆に使われているストリングスが印象的。
そして彼女特有のスモーキーなヴォーカルが
曲によって様々な表情を見せてくれます。
あまり作り込んでいないので
かなりライヴに近い雰囲気を味わうことができます。
もうこの時点でこの人の音楽の骨格は
出来上がっています。

オープニング・ナンバーの
「It's Cool To Love Your Family」のヴィデオでは
若かりし頃のFeistの姿が拝めますが
ヘアスタイルが今とはだいぶ違って驚きです。

肝心の曲の方は
下に挙げてみた5曲が個人的には光っていました。
「Monarch」ではなんとなく
後の大ヒット曲「1234」を連想させるのですが
不思議なことにその「1234」はカヴァー曲です。

It's Cool To Love Your Family
Monarch
That's What I Say, It's Not What I Mean
Flight #303
Still True


コメント (2)
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Fleetwood Mac - Tusk

2010-05-28 00:06:46 | この1枚

2枚組デラックス・エディションCDの日本盤が
26日に発売になっていたFleetwood Macの79年作品
通算12枚目のアルバム『Tusk』。
モンスター・アルバム『Rumours』の次にリリースされた
人気絶頂期の作品です。

とはいえ『Rumours』に比べると
当時のセールスも日本での評価もやや低め。
改めて聴いてみても
Lindsey Buckingham、Christine McVie、Stevie Nicksの
3人の個性がぶつかりあって散漫な印象が残りますが
それでも個々の曲の完成度はかなり高いです。

Club 8の『The People's Record』を聴いて思い出したのが
このアルバムのタイトル曲「Tusk」だったのですが
当時はLindsey Buckinghamの曲はすべてすっ飛ばして
女性2人の曲だけ聴いていたような気がします。

「Tusk」、「Sara」、「Think About Me」と
仲良く1曲ずつシングル・ヒットが生まれましたが
個人的に好きなのは、S.Nicks「Sara」と
ラスト・ナンバーC.McVie「Never Forget」です。

デモ、アウトテイクス集のディスク2が
かなり良いという評判なので
購入してみようと思います。もちろん廉価な輸入盤で。

Robbie Pattonの2nd以降もCD化されるなど
Fleetwood Mac周辺がにわかに盛り上がっているようです。

「Tusk」
「Sara」
「Think About Me」

こんなのもありました。
「Never Forget」(Cut Copy So Cosmic mix)


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Steve Winwood / Arc of a Diver

2010-01-02 22:08:59 | この1枚

Spencer Davis Group、Traffic、Blind Faithのメンバーとして
10代から活躍した英国・ハンズワース出身のSteve Winwood。
80年発表のソロ2作目が『Arc of a Diver』。

セルフ・タイトルの1stがブルーズとソウル色が強い
かなり地味な内容だったのに比べて
この2ndは米国でヒットした「While You See A Chance」をはじめ
ポップで魅力的な曲が詰まっている80年代初期の名盤です。
当時としては結構、斬新なサウンドでもありました。

タイトル曲が素晴らしかった82年の次作
『Talking Back to the Night』とともに
現在でも個人的な愛聴盤となっている1枚です。

YouTubeに何曲かありましたが
名バラードの「Slowdown Sundown」は見つかりませんでした。
これが良い曲なのです。

「While You See A Chance」
「Arc of a Diver」
「Spanish Dancer」
「Night Train」


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LeBlanc & Carr / Midnight Light

2009-12-26 00:01:34 | この1枚

アラバマ州マッスル・ショールズのスタジオ・ミュージシャン
Lenny LeBlancとPete Carrのコンビが
77年に発表した唯一のアルバムが『Midnight Light』。
収録曲でシングル・カットされた「Falling」は
AOR隠れ名曲の名バラードです。
Lenny LeBlancのヴォーカルとPete Carrのギター、
ハーモニーのどれもが素敵です。

ソフト・ロックというよりはAORとして語られることが多いですが
少しThe Eaglesなどの70年代ウェスト・コーストの香りも。
(「Desperado」のカヴァー収録)
その他、フュージョンの要素もあり結構、多彩な音楽です。
AORでシングル・ヒットした曲に釣られてアルバムを買うと
かなり騙される確率が高いような気がしますが
この作品は割と納得できる1枚。

Paul Davisのアルバム『Cool Night』と似た位置付けです()。
と調べていてPaul Davisが昨年他界したのを今頃知りました。
RIP

「Falling」
「Midnight Light」
「Desperado」
「Something About You」


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Beth Orton / Central Reservation

2009-11-26 00:24:51 | この1枚

『Central Reservation』は、英国のシンガー・ソングライター
Beth Ortonが99年に発表した3rdアルバム。
"デジタル世代の歌姫"というキャッチ・フレーズが付いていました。

"フォークトロニカ"という言葉で表現されることが多いようですが
Carole Kingや初期Joni Mitchellの大御所のほか
Suzanne VegaやNatalie Merchantの流れも汲んでいそうな
純粋なフォーク・ミュージックとしても充分に聴けるアーティストです。

ジャック・パーセルのホットチョコレートを履いて
光の中で道に座るジャケットが印象的な96年の2ndアルバム
『Trailer Park』でもその片鱗は見せていましたが
大きく花開いたのはこの3rdの方です。

哀愁を帯びたメロディーに乗せて潔く歌う「Stolen Car」
一転してソウルフルに少し甘めに歌う「Sweetest Decline」の
初めの2曲で心を捕らえられてしまいます。

その後はフォーキーな曲を中心としながら
Ben Wattプロデュースの2曲「Stars All Seem To Weep」と
「Central Reservation(The Then Again Version)」が
軽く変化をつけた刺激的サウンドになっているのも効果的です。
(タイトル曲はOriginal Versionの方が好きですが)

決して上手なヴォーカルではありませんが
スモーキーな声の存在感のあるシンガー・ソングライターです。

「Stolen Car」
「Sweetest Decline」
「Central Reservation(The Then Again Version)」
「Central Reservation(Live)」
「Stars All Seem To Weep」
「Love Like Laughter」

MySpace


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MSTU / The Bright Carvings

2009-10-27 00:04:15 | この1枚

英国・シェフィールドの男女5人組
Monkey Swallows the Universeが06年に発表した
デビュー・アルバムです。
Nat Johnsonがバックバンドthe Figureheadsを率いての
アルバムをリリースしたのを記念して
まだ書いていなかったので書いてみます。

音に厚みを増してドラマティックな展開を見せる
2nd『The Casket Letters』を先に聴いてしまったので
こちらは最初は随分と地味に感じました。
ギター・サウンドなど全体的にダークな雰囲気のせいか
切ない気持ちになる1枚です。

2ndは一度で心をつかまれてしまいましたが
このアルバムに収録された個々の曲もシンプルながら
魅力的で粒ぞろい。遜色ありません。
何度か聴くうちにジワジワと良さが伝わってきます。
Nat Johnsonのヴォーカルも歯切れがよいです。

Prefab Sproutの『Steve McQueen』を聴いた後に
『Swoon』を聴く感覚に少し似ているかなと思います。

MSTUのオフィシャル・ページでは
この作品を代表する2曲がフリー・ダウンロードできるので
それを聴けば少し雰囲気が分かるかと思います。

そのうちの1曲でオープニング・ナンバーの「Sheffield Shanty」は
とにかく切なくて涙が出てきそうな曲。
出だし部分からギターの音が初期Everything But The Girl()や
Tracey Thornの1stアルバムを思い出させてくれます。
(The Style Councilのアコースティックな感じの曲も)

2曲目まで聴いたところでかなり地味だなと思ったら
3曲目は「ジミ・ジミ」と歌う「Jimmy Down the Well」という曲でした。
こちらは割と明るめの曲です(とはいえメランコリック)。

11曲目の後に隠しトラックがありますが
これは眼鏡のギタリストのKevin Goriの作品(ヴォーカルも)。
他に2曲でNatと共作しています。

というわけで、派手さはありませんが
こちらも2ndに負けないくらいの良い作品でした。

オフィシャル・ページ(DL)



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