MUSIC IS THE SCENERY

いつも背景には音楽がある。
インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

26 ブライトンから来た60's三人娘、The Pipettes

2006-08-27 14:22:04 | アーティスト紹介
 Becki、Rose、Gwennoによるブライトンの女性3人組で05年デビュー。フィル・スペクター、モータウン・サウンドを現在に蘇らせる。ソング・ライティング、演奏(バック4人の男性はCassetteという名前)とも60'sに決めてくれている。ロック、フォーク、ヒップホップ、パンクの要素も多分に取り入れられている。そして水玉模様のワンピースを着て元気に陽気に踊って歌ってくれる。
 「バナナラマ~スパイス・ガールズ~シャンプーといったような往年のUKガール・パワーの流れを汲んでいる」といった表現や、ドリー・ミクスチャー、ストロベリー・スウィッチブレイドが引き合いに出されているが、実際に聴いてみてまず思い出したのが「They Don't Know」(夢見るトレイシー)で知られるトレイシー・ウルマンとゴーゴーズ。ともに60年代風のアプローチだったので当然かもしれないが、そこにスパイス・ガールズを融合させて現代風に仕上げたといった感じ。
 やや作られたイメージ的になってしまっているのは否めないが、アイドル路線にしては歌唱力もありハーモニーも十分に楽しめる。PVを見てみると3人の個性が程よく溶け合っているのがわかる。
 レコード会社はメンフィス・インダストリーズ。22回目で紹介した同じく60's風のスウェーデンのEl Perro Del Mar、彼女の英国盤リリースもメンフィス・インダストリーズである。日本盤発売は今のところ決まっていない。
 YouTubeの「Pull Shapes」のPVにあった「私はこの曲は買わないと思う。これは両親向けの音楽」というコメントには笑えた。

<私の選んだThe Pipettesベスト5>
1 Pull Shapes
2 ABC
3 A Winter's Sky
4 Your Kisses Are Wasted On Me
5 Tell Me What You Want
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25 サウンドはカラフルだったThe Monochrome Set

2006-08-23 03:31:39 | アーティスト紹介
 インド人美青年のビドを中心にした英国バンド。アダム・アントらとB-サイズというバンドを組んでいたギタリストのレスター・スクエアが、新たなバンド、アダム&ジ・アンツに1カ月ほど在籍した後脱退。B-サイズ時代にアダム・アントが一時脱退したときにヴォーカルとして加入していたビドと、78年に結成したのがザ・モノクローム・セット。メンバーチェンジを繰り返しながら85年までに4枚のオリジナル・アルバムとコンピレイション、ライヴ・アルバムをチェリー・レッドなどから発表し解散する。その後、ビドはエル・レーベルからソロ・デビューするが、90年には再結成する。
 一貫して60年代風のサウンドながら、ややクセのあるニュー・ウェイヴの要素も持った、一風変わったギター・ポップを聴かせてくれた。とくに85年のアルバム「ロスト・ウィークエンド」までは、ひねりの効いたアイデアのある曲を多く残している。ビドは恐らくかなりのポップ・ミュージック・マニアなのだろう。現在はスカーレッツ・ウェルというバンドで活動している。

<私の選んだThe Monochrome Setベスト5>
1 Starry Nowhere
2 Goodbye Joe
3 Eine Symphonie Des Grauens
4 The Jet Set Junta
5 Up
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24 スウェーデンの知性派ギターポップ・バンド、Sambassadeur

2006-08-16 00:44:45 | アーティスト紹介
 Sambassadeurは05年にLABRADORからデビューした期待のスウェディッシュ・バンド。前々回紹介したEl Perro Del Marと同じくイエテボリ出身。清涼な女性ヴォーカル(アンナ)に小気味良いアコースティックギターが絡む「Between The Lines」、ややノイジーに仕上げた「New Moon」と、2枚のインパクトの強い良質なシングルをリリースした後、05年8月にファースト・アルバム「Sambassadeur」を発表する。男女ヴォーカルをほぼ半々にしたこの12曲からなるアルバムは、シングル2曲に比べるとややしっとりめの曲が並んだが、80年英国のネオアコを基盤にした好作品。聴き込むほどに味が出てくる。そして06年に入りマキシ「Coastal Affairs」をリリース。ここにも「Kate」という素敵な曲が収録されている。
 このバンドの魅力は、同レーベルのClub 8のカロリーナを思い起こさせるアンナのウィスパー・ヴォイス、優しいメロディー・ライン、そしてクリアなギター・サウンド。もちろん男性ヴォーカル(ダニエル)も悪くない。シングル3枚はほぼパーフェクトの出来で、アルバムもなかなか粒揃い。これから目の離せない存在になりそうだ。

<私の選んだSambassadeurベスト5>
1 Between The Lines
2 If Rain
3 Kate
4 New Moon
5 Sense Of Sound
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23 英国の吟遊詩人、Al Stewart

2006-08-10 00:10:16 | アーティスト紹介
 45年スコットランド・グラスゴー生まれ。60年代半ばからフォーク・クラブで歌い始め、66年にレコード・デビュー。初期の頃はボブ・ディランの影響を強く感じさせる音楽で、詞の内容は自身の恋愛経験など私小説的。数枚のアルバムを出した後、アメリカに活躍の場を求め73年の「Past Present & Future」で詞のスタイルを大きく変え、史実に基づいた曲などを作り始める。その後「Modern Times」(75年)、「Year Of The Cat」(76年)、「Time Passages」(78年)と3作品続けてアラン・パーソンズがプロデュース、成功を収めることになる。なかでもシングル「Year Of The Cat」と「Time Passages」はAORの流れにも乗りトップ10に入るヒットを記録する。アコースティック・サウンドと、時をテーマにした詞がこの人の持ち味だ。

 この人の音楽を最初にリアルタイムで聴いたのは、78年のシングル「Time Passages」で、高校2年の時だった。繊細な声ときれいなメロディーに魅せられ、それから3年間くらいは一番好きなアーティストで、本当によく聴いていた。過去の作品も遡って聴いたが、当時はアラン・パーソンズがプロデュースした3作品以外は正直言ってそれほど好きではなかった。しかし何度か聴くにつれ、やや古風な曲作りながら「Past Present & Future」も気に入り、今ではこのアルバムが一番の愛聴盤になってしまっている。実はブログのタイトル『MUSIC IS THE SCENERY』は、このアルバムに収録された「Post World WarⅡBlues」の歌詞の一部から取ったものだ。
 79年の日本公演(中野サンプラザ)のアンコールで演奏した「Carol」は今でも鮮明に思い出す。

<私の選んだAl Stewartベスト5>
1 Carol
2 Post World WarⅡBlues
3 Year Of The Cat
4 Time Passages
5 Old Admirals
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22 スウェーデンのインディー・クイーン、El Perro Del Mar

2006-08-02 02:38:35 | アーティスト紹介
 El Perro Del Marは、スウェーデン・イエテボリ出身のSarah Assbringによるソロ・ユニット。2003年に活動を開始。05年にHYBRISからアルバム・デビュー。とにかくキュートな歌声と、60年代ガール・ポップ風のドリーミーなポップ・サウンドが彼女の魅力。曲により様々な歌い方をしており、単純な音の割には表現力も豊か。今年春にはイギリス進出も果たしており、BBCのホームページ(HP)でも写真入りで取り上げられていた。ラフ・トレイドのHPでは「ケイト・ブッシュ・ミーツ・フィル・スペクター」などという、いかにもイギリスらしい表現で紹介されている。
 彼女の音楽との出会いは、昨年の暮れにネット上で聴いたクリスマス・ソング「Oh What A Christmas」。本当に何の変哲もない曲なのだが、その声だけで十分に聴かせてくれた。とても澄んだキュートな声なのだが、時にはハスキーに、時にはセクシーに聞こえ、その自由奔放な歌に不思議な気分がした。
 その後、彼女のホームページで何曲か聴いたのだが、基本はギター中心のスタンダード・タイプの歌ながら、ここでも曲により違った表情が感じられた。かなりの個性派シンガーだ。
 そして圧巻は最新シングルの「God Knows (You Gotta Give To Get)」。多彩な楽器で音に厚みを増し、よりスタンダード色を強く打ち出している。全編アニメのPVも凝っていて、50-60年代のミュージカル仕立てで曲の雰囲気を上手に伝えている。YouTubeのサイトで「El Perro Del Mar God Knows」と検索すれば見られるので、興味のある方は是非どうぞ。

<私の選んだEl Perro Del Marベスト5>
1 God Knows (You Gotta Give To Get)
2 It's All Good
3 Candy
4 Oh What A Christmas
5 I Can't Talk About It
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21 マンチェスターのカルト・バンド、The Man From Delmonte

2006-07-17 02:47:41 | アーティスト紹介
 80年代後半のバンドで、マンチェスターで結成された4人組。地元のアグリー・マン、バップ・カセッツから5枚のシングルをリリースした後、ライヴ・アルバム1枚を残し消えていってしまう。
 フロント・マンのマイク・ウェストは解散後ソロで活躍する。彼が後年語ったところによると、このバンドのメンバーは誰一人として上手に歌えなかった。だからソロの部分を少なくしコーラスとハーモニーを重視したという。
 彼らの魅力はなんといっても明るいメロディと人懐っこさ。そこに御機嫌なギター・サウンドが絡む。曲によってはハーモニカやトロンボーンなどもうまく取り入れた。
 解散からだいぶたった99年にVinyl Japanからシングル音源などを集めたCDが発売されている。「Water In My Eyes」「Will Nobody Save Louise?」あたりを聴くと、話題にならなかったのが不思議なくらいだ。とくに「Water In My Eyes」のサビのギター・リフの開放感といったら、少し大げさになるが、生きてて良かった級だ。

<私の選んだThe Man From Delmonteベスト5>
1 Water In My Eyes
2 M.I.C.H.A.E.L.
3 Will Nobody Save Louise?
4 Drive Drive Drive
5 Mathematically Speaking
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20 北国の青春ポップ・デュオ、Club 8

2006-07-09 20:32:21 | アーティスト紹介
 ヨハンとカロリーナによるスウェーデンの男女デュオで95年結成。現在までに5枚のアルバムを発表している。ヨハンはクラブ8とは別に、アシッド・ハウス・キングスというバンドの活動も並行して行っている(03年にはザ・レジェンズというのも立ち上げているので、なんと三股)。
 アシッド・ハウス・キングスは躍動感のある明るいアコースティック・サウンドが特徴で陽の印象が強い。一方のクラブ8は打ち込みなども使い透明感のある美しいサウンドを聴かせてくれ、どちらかというと陰のイメージ。打ち込みとギター・ポップとボサノヴァの融合を成功させている。そしてなによりカロリーナの澄んだウィスパー・ヴォイスがその世界に絶妙に溶け合っている。
 03年以降新作の発表がないのがやや気がかりだが、その分アシッド・ハウス・キングス、ザ・レジェンズの活動は活発なようだ。
 
 スペインのシエスタというレーベルのコンピレーション・アルバムに入っていた「Everlasting Love」が、彼らを知るきっかけとなったのだが、この曲は青春ギター・ポップの好ナンバーでいつ聴いても新鮮だ。

<私の選んだClub 8ベスト5>
1 Everlasting Love
2 The Friend I Once Had
3 Baby I'm Not Sure If This Is Love
4 Missing You
5 What Shall We Do Next?
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19 キラキラ・ギターの裏街道バンド、Razorcuts

2006-07-03 01:30:15 | アーティスト紹介
 80年代の半ばに当時インディー・ポップが盛んだったオックスフォードから登場したバンド。中心人物はグレゴリー・ウェブスター。サブウェイ・オーガニゼイションからシングルを出した後、クリエイションからアルバムを2枚残し解散してしまう。
 彼らの音楽は、甘いメロディーをバーズ直系のラフだがキラキラしたギター・サウンドで味付けした。グレゴリーのヴォーカルは決して上手とはいえないが、それでもきっちりと歌い上げてくれる。どちらかというと冬が似合うバンド。同じオックスフォードのタルーラ・ゴッシュ、ヘヴンリーとは家族的といってもよいほどかなり近い関係にある。
 結局彼らはタルーラ・・・、ヘヴンリーに比べるとややインパクトに欠け成功は収められなかったが、アノラック・バンドの草分けとしてインディーズ・シーンではそこそこの評価を得ている。
 バンド解散後、グレゴリーは元タルーラ・ゴッシュのメンバーだったエリザベス・プライスとザ・カルーセルを結成、その後サターンVというバンドでマンチェスター・ブームに乗りかける。96年にはソロ・アルバムを出しているのだが、そこに収録された「Winter」という曲は隠れた名曲。現在はスポーティクというバンド名で活動している。

<私の選んだRazorcutsベスト5>
1 Snowbound
2 I'll Still Be There
3 Across The Meadow
4 Silhouette
5 Mile High Towers
 
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18 癒しのデュオ、The Softies

2006-06-26 02:15:03 | アーティスト紹介
 タルーラ・ゴッシュやヘヴンリーのフォロワー・バンド、米Kレーベルのタイガー・トラップを率いたローズ・メルバーグがバンド解散後に彼女たちのファンだったジェン・スブラジアと組んだデュオがザ・ソフティーズ。パンキッシュ・ポップだったタイガー・トラップとは打って変わって、その名のとおり静謐なアコースティック・サウンドになり、93年から00年までにアルバムを4枚出した。
 その後ローズはソロに転向、ジェンはパンキッシュな女性4人組のオール・ガール・サマー・ファン・バンドのメンバーとして現在活動している。
 
 アコースティック・ギター2本だけの彼女たちのサウンドは、全部の曲が似たような曲調でアルバムを通して聴くと少ししんどいのだが、とても癒される良い曲が揃っている。とくに3作目のアルバム「Winter Pageant」に収録のシングル曲「The Best Days」は個人的な名曲。この曲を聴くと疲れが吹き飛ぶよう。
 そして今知ったのだが、ローズのセカンド・アルバムが最近発売されたようだ。

<私が選んだThe Softiesベスト5>
1 The Best Days
2 Just A Day
3 Tracks And Tunnels
4 Alaska
5 Make Up Your Mind
コメント (2)
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17 アコースティック界のおしどり夫婦デュオ、Birdie

2006-06-18 21:42:44 | アーティスト紹介
 80年代のインディーズ女の子バンド、ドリー・ミクスチュアのデブシーと、90年代ネオアコの人気バンド、イースト・ヴィレッジのポールの夫婦ユニット。99年にファースト・アルバム「Some Dusty」、01年にはセカンド・アルバム「Triple Echo」を発表している。
 エレ・ピアノとギターを絡め、落ち着いたシンプルな音楽を聴かせてくれる。とくにデブシーのボーカルは、若さが溢れていたドリー・ミクスチュア時代に比べグッと円熟味を増し、疲れた身体を優しく癒してくれる。 

<私の選んだBirdieベスト5>
1 Folk Singer
2 Port Sunlight
3 Blue Eyed Son
4 Let Her Go
5 Such A Sound
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