MUSIC IS THE SCENERY

いつも背景には音楽がある。
インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

16 天に召されたインディーズ・バンド、Heavenly

2006-06-08 02:14:37 | アーティスト紹介
 アノラック・バンド、Talulah Goshの発展形として89年オックスフォードで結成。サラ・レーベルを支えた人気グループ。
 パンキッシュで勢いまかせだったタルーラ時代(それが魅力ではあったが)に比べ、アメリア・フレッチャーの歌を前面に出し、ポップでポカポカとしたお花畑気分のネオ・アコースティック・サウンドに様変わり。4枚のアルバムを発表しバンドとしての方向性も固まり、さあこれからという96年、アメリアの弟でドラマーのマシュー・フレッチャーが自殺。それを機にHeavenlyとしての活動を停止した。
 残されたメンバーはMarine Researchという名で活動を再開。現在はそのまた発展形、Tender Trapというバンド名。アメリアらメンバーの数人はそれ以外にも、元Razorcutsのグレゴリー・ウェブスター率いるSportiqueのメンバーでもある。

 タルーラも良かったけれど、ヘヴンリーも本当に良い。アメリアの上手ではないけれども優しいヴォーカルは、日向ぼっこをしているときに時折吹いてくる心地よい風のよう。まさに天へと導いてくれそう。

<私の選んだHeavenlyベスト5>
1 Different Day
2 Cool Guitar Boy
3 Our Love Is Heavenly
4 P.U.N.K. Girl
5 Starshy
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15 スウェーデンの期待の星?、Rough Bunnies

2006-05-30 00:31:36 | アーティスト紹介
 スウェーデンのインディーズ・シーンが熱い。Club 8、[Ingenting]、Acid House KingsらのいるLabradorでは、The Radio Dept.というシューゲイザー+ギターポップのバンドがつい最近「Pet Grief」というセカンド・アルバムをリリースした。とても刺激的で斬新なサウンドなのだが、それでいて泣けてしまいそうな不思議な世界だ。
 もっとマイナーなレーベルではBedroomというのが面白い。今回紹介するのはそこに在籍するRough Bunniesという女性2人組のロー・ファイ・バンド。よくわからないのだがこの2人、Inside Riotというバンドで活動していたようなのだが、04年からRough Bunniesの名前で現在までに3枚のアルバムを出している。
 1年ほど前にたまたまネット上で「Dance With Your Shadow」という曲を聴いたのだが、これが見事に私好みの音だった。巧くはないがなんというかとてもカッコイイのだ。名のある人が歌えばそこそこ売れそうな曲だ。Bedroomのサイトで彼女たちの曲が数曲聴ける。この曲1曲でかなり今後が楽しみな存在になってしまった。
 このBedroomというレーベルでは他にもFriday Bridge、Happy Go Luckyといういい歌を歌うアーティストを見つけた。いずれも発売形態はCD-R。

<私の選んだRough Bunniesベスト3>
1 Dance With Your Shadow
2 Balz Came And Went
3 What A World
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14 反骨のロックンローラー、John Cougar

2006-05-22 01:13:53 | アーティスト紹介
 71年に自分のバンド、トラッシュを結成。大学卒業後、社会人生活を経て芸名のJohn Cougarで76年ソロ・デビュー。78年のシングル「I Need A Lover」が全米28位のヒットになる。この曲はそのすぐ後にPat Benatarがファースト・アルバムで取り上げた。
 80年から81年にかけてシングル「This Time」(27位)「Ain't Even Done With The Night」(17位)が立て続けにヒット、この2曲を収めたアルバム「Nothin' Matters And What If It Did」も37位と健闘する。
 そして82年にアルバム「American Fool」をリリース。全米アルバム・チャートで9週NO.1の爆発的大ヒットとなり、アメリカだけで500万枚のセールスを記録、同年度最も売れたアルバムとして記録に残る。この年の10月には、ナンバー1アルバムと2枚のトップ10シングルを4週連続で同時にチャート・インさせ、ジョン・レノン以来の快挙を達成。その2枚のシングルは「Hurts So Good」」(2位)と「Jack And Diane」(4週1位)。同年グラミー賞で最優秀男性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞。またこのアルバムからは「Hand To Hold On To」(19位)のヒットも生んだ。
 この後John Cougar Mellencamp、John Mellencamp(本名)と2度の改名をしながら息の長い活躍をしている。

 この人の魅力はシンプルなロックンロールと、少し粋がった男臭いヴォーカルに尽きる。「I Need A Lover」で初めて知ったのだが、印象はかなり強かった。
 そのあとのシングル「This Time」「Ain't Even Done With The Night」と、成長の過程を目の当たりにしてきた。その2枚も良かったのだがまだ何か物足りなさを感じた。チャートがすべてを語っている。
 そして「Hurts So Good」で完全に突き抜けた。「Jack And Diane」で新境地を開いた。「Hand To Hold On To」も会心作。アルバム「アメリカン・フール」は今聴いてもかっこいいロックンロール・アルバムだ。

<私の選んだJohn Cougar(Mellencamp)ベスト5>
1 Hurts So Good
2 Ain't Even Done With The Night
3 Hand To Hold On To
4 Pink Houses
5 Jack And Diane
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13 米国カレッジ・ロックの雄、10,000 Maniacs

2006-05-14 22:21:50 | アーティスト紹介
 脱退後ソロ活動で成功を収めた紅一点ナタリー・マーチャントを看板に、ニューヨーク郊外のジェイムズタウンで81年結成。93年にナタリーが脱退するまでに、5枚のオリジナル・アルバムとMTV UNPLUGGEDを出す。80年代中盤以降、米国東海岸の10-20代の若者には絶大な人気を誇った。
 ナタリーの女性ならではの視点で書く詞と、個性的で人懐っこいヴォーカル、そしてフォークを基調にした豊かな音楽性がこのバンドの魅力で、じわじわと人気を拡大していった。彼女はR.E.M.のマイケル・スタイプとは親交もあり(彼女に言わせればソウル・メイト)、何曲かデュエットしている。
 彼女のソロ転向後、メアリー・ラムゼイという女性ヴォーカリストを迎えバンドは存続するが、話題性に欠けていってしまう。

<私の選んだ10,000 Maniacsベスト5>
1 Like The Weather
2 Noah's Dove
3 Trouble Me
4 Campfire Song
5 Eden
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12 グラスゴーの魅惑の果実、Strawberry Switchblade

2006-05-07 20:12:12 | アーティスト紹介
 スコットランド・グラスゴー出身のジルとローズの女性2人組。水玉の派手な衣装とゴシックなメイクを施した妖しくもキュートな姿で歌って踊った。
 83年フォーキーな「Trees And Flowers」(全英44位)でデビュー、85年に唯一のアルバムをリリースしている。85年のシングル「Since Yesterday」(全英5位)が本国と日本で大ヒット。当時はすっかりアイドル路線のバンドかと思っていたが、脇を固めるのは元オレンジ・ジュースや元ファーマーズ・ボーイズ、元ラヴィッシング・ビューティーズなど英国ニューウェイヴ寄りのコアな人脈で驚き。アズテック・カメラのロディ・フレイムも初期の頃には参加していた。また「Ecstacy」という井上大輔の作品で、日本のTVCMにも登場している。
 彼女たちは「Since Yesterday」などのエレ・ポップなイメージが強いが、本来の魅力はフォーク的なところ。それにエレ・ポップ、ギター・ポップ、ネオ・サイケで味付けしたという感じだ。
 解散後は2人とも派手な活動はなかったが、他のミュージシャンのアルバムにはたびたび参加していた。 

 下記サイトで彼女たちの映像や未発表曲、また彼女たちをカヴァーした曲などが見たり聴いたりできる。日本人ではTommy February6や吉川ひなのらが「Since Yesterday」をカヴァーしている。(www.strawberryswitchblade.net/index.php =頭にhttp://)

<私の選んだStrawberry Switchbladeベスト5>
1 10 James Orr Street
2 Trees And Flowers
3 Since Yesterday
4 Beautiful End
5 Sunday Morning
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11 革ジャン着た胸キュン軍団、Hurrah!

2006-04-30 16:18:46 | アーティスト紹介
 80年代前半にニューキャッスルのキッチンウェア・レーベルからシングル・デビュー。革ジャン着込んだ鋭い目のお兄さんたちだが、ルックスからは想像もできないほどのヒリヒリした痛みを感じさせてくれる青春ソングを聴かせてくれた。メンバー4人中3人がソングライティングできたこともあり、なかなか飽きさせない。
 結局は2枚のアルバムと2枚のコンピレーションを残しただけで過小評価されたまま消えてしまった。プリファブ・スプラウトとはレーベル・メイトだったこともあり、いろいろと親交もあったようだ。

 98年ごろからのネオアコ、ギターポップの再発ラッシュの流れに乗り、ファースト・アルバムの「Tell God I'm Here」(87年作品)は聴くことができたが、セカンドの「The Beautiful」(89年作品)はいぜん廃盤状態。
 もしこのセカンド・アルバムを聴いた人がいましたら、感想などお願いします。

<私の選んだHurrah!ベスト5>
1 If Love Could Kill
2 Hip Hip
3 Gloria
4 I'll Be Your Surprise
5 Sweet Sanity
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10 スコットランドのカントリー・ボーイズ、Friends Again

2006-04-23 18:51:15 | アーティスト紹介
 82年にムーンビュートというインディーズ・レーベルでデビューした後、84年にメジャーのマーキュリーからアルバム「Trapped And Unwrapped」をリリース。当時期待の新人だったがセールスに恵まれずに、結局このアルバム1枚を残しただけで解散。垢抜けないながらもスコットランドの青空が似合いそうな明るく牧歌的な雰囲気のアコースティック・ミュージックで、思わずスキップを踏みたくなるような大らかで若々しいサウンドは今聴いても新鮮。
 解散後しばらくして、日本ではフリッパーズ・ギター効果(このバンド名をタイトルにした曲を作るなどした)で評価され、今ではネオアコの名盤といわれるまでになったのがやや皮肉だ。
 解散後、ヴォーカルのクリス・トムソンはThe Bathersを結成しやや渋めの作品を作っている。他のメンバーはラヴ・アンド・マネーを結成。

 このバンドは後追いになってしまったのだが、このアルバムはとにかく明るい名盤だと思う。「Sunkissed」「Honey At The Core」など理屈なしで体が動いてしまいそうな曲がずらりと並んでいるのだが、所々に「State Of Art」のようなほろりとさせる曲がまた涙を誘う。

<私の選んだFriends Againベスト5>
1 Sunkissed
2 State Of Art
3 Honey At The Core
4 Swallows In The Rain
5 Old Flame
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9 NYの街角の詩人、Suzanne Vega

2006-04-16 14:20:18 | アーティスト紹介
 85年デビューのニューヨーク出身のシンガー。フォークをベースに社会的視点を持った曲作りを続ける。85年発表のデビュー・アルバムは米国では大きなヒットにはならなかったが、全英チャートで上位にランク。日本でもセールス的には今ひとつだったものの、多くの音楽雑誌では期待の新人として取り上げられていた。
 87年にはセカンド・アルバム「Solitude Standing」を発表、そこに収録された幼児虐待をテーマにしたシングル「Luka」が全米トップ10に入る大ヒット。以後、大きなヒットは出ていないが良質なアルバムをコンスタントに発表している。90年代に入り、当時人気のプロデューサー、ミッチェル・フルームと結婚、そして離婚している。
 
 この人はファースト・アルバムが衝撃的。85年夏にたまたま入った輸入盤レコード店でコメントつきの推薦盤になっていた。確かアコースティックという文字が入っていたと思う。その言葉につられて購入。最初は線が細いヴォーカルだなという印象だったが、聴き込むうちに逆にしっかりとしたメッセージ性のあるヴォーカルに変わってしまったから不思議だ。
 日本発売は86年1月。その頃から音楽雑誌で取り上げられるようになるのだが、すっかり聴き込んでいたので優越感を感じながらそれらの記事を読んだ記憶がある。
 一般的には「Luka」が有名だが、そのヒットを変な気持ちで見守っていた。セカンド・アルバムも音に厚みがまして良いアルバムに仕上がっているのだが、この人はサウンドよりも歌が魅力の人だと思った。

<私の選んだSuzanne Vegaベスト5>
1 Knight Moves
2 Cracking
3 Gypsy
4 Left Of Center
5 World Before Columbus
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8 クラシック風ニューウェイヴ、Virginia Astley

2006-04-09 18:21:48 | アーティスト紹介
 子供の頃からピアノとフルートを始め、ロンドンの名門音楽学校シティ・ユニヴァーシティで学ぶ。そこで一緒だったケイト・セント・ジョン(後に「Life In A Northern Town」のヒットで知られるザ・ドリーム・アカデミー、その後ソロで活躍)らとクラシックとフォークをミックスしたようなラヴィッシング・ビューティーズで81-82年の2年間活動、ティアドロップ・エクスプローズとよく共演していたという。
 その後才能が認められ、スキッズ、ピート・タウンゼンド(義兄で元ザ・フーのギタリスト)、スージー&バンシーズら多くのセッションに起用されるようになる。ソロ・アルバムも5枚発表、クラシックの素養を基盤に英国の田園風景などを表現する。85年には来日し、音楽と詩の朗読とファッション・ショーを結びつけたユニークなパフォーマンスに参加している。また86年のサード・アルバム「Hope In A Darkened Heart」は、プロデューサーに坂本龍一を起用し日本でもそこそこ話題になった。収録曲の「(Le Song)A Day, A Night」はTVCFにも使われた。
 父エドウィンはオーケストラ指揮者・作曲家・アレンジャー、兄はレコード・プロデューサー。義兄に元ザ・フーのピート・タウンゼンドがいる。
 他のアルバムはすべてCD化されているが、セカンド・アルバム「Promise Nothing」だけは一度CD化の計画があった後に発売されないままだ。良い曲が多いだけにCD化が待ち遠しい。

<私の選んだVirginia Astleyベスト5>
1 Soaring
2 Tender
3 Broken
4 A Summer Long Since Passed
5 Love's A Lonely Place To Be
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7 サラ・レーベルの静かな代表格、The Field Mice

2006-04-02 20:36:49 | アーティスト紹介
 88年結成。英国の名門インディーズ、サラ・レーベルの人気バンド。もともとシングル・リリースが中心のレーベルにあって、3年間で3枚のオリジナル・アルバムを残した。曲は落ち着いたアコースティック調のものが中心だが、ギターの音を強調したもの、クラブ調のものなどさまざまで、ヴォーカルで全曲を手掛けたボビー・ラッテンのややドラッグがかった声と相まって、一貫して透明感を持った独自の世界を作り出している。メンバーには同レーベルのアナザー・サニー・デイの活動を並行したハーヴェイ・ウィリアムズもいた。

 サラ・レーベルはシングルを100枚リリースするとその歴史を閉じたが、ザ・シー・アーチンズ、ヘヴンリー、ブルーボーイ、イーヴン・アズ・ウィー・スピーク、セント・クリストファー、ジ・オーキッズと本当に良いアーティストをたくさん生み出した。

 バンド解散後、ボビーと紅一点のアンマリーらはノーザン・ピクチャー・ライブラリーを、その後トレンブリング・ブルー・スターズを結成し現在に至っている。もちろんサラの後継レーベル、シンカンセンに所属している。

<私の選んだThe Field Miceベスト5>
1 When Morning Comes To Town
2 This Love Is Not Wrong
3 Emma's House
4 Willow
5 Sensitive
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