MUSIC IS THE SCENERY

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インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

El Perro del Mar / Love Is Not Pop

2009-04-09 00:46:48 | レヴュー

試聴の段階でだいぶ書いてしまいましたが
改めてアルバム・レヴューです。

El Perro del MarことSarah AssbringがStudioの大ファンだったことから
実現した今回のRasmus Häggとのコラボレーション。
初めは何曲かのリミックスをしてもらうつもりだったのが
あまりにも出来が良かったために
共同プロデュースという形に変わってしまったようです。

少し60's風の味付けをした
正攻法アコースティック・ポップのファースト・アルバム、
教会の中に一条の光が差し込んでくる感じの
音に厚みを増した神聖なクラシック・サウンドのセカンド・アルバム、
そして今回のミニ・アルバムはそのどちらとも
違ったタイプの斬新で刺激的なサウンドでありながら
確実にその2作品の延長線上にあります。

この人は同じ曲でもいろんなタイプのサウンドに
作り上げることができるのだと驚かされます。
出来れば今回のアルバムのアコースティック・ヴァージョンを
聴いてみたいななどと思ってしまいました。

1曲目「Gotta Get Smart」はSarahのヴォーカルが堪能できます。
途中からPeter Bjorn and Johnの口笛ソングのような
リズムになりますが、それでいてとてもドリーミー。
「Go on go on go on go on・・・・・・」と
永遠に続きそうな錯覚にとらわれる最後のリピートが圧巻。
個人的にはこのアルバムのベスト・トラックです。

2曲目「Change Of Heart」は先行シングル曲。
初めて聴いた時にはこれがEl Perro del Marかと本当に驚きましたが
異色なアルバムの中でも異色な曲です。

3曲目「L Is For Love」は少しダークな感じもして
Lykke Liと似た雰囲気を持っています。
バックの細かなサウンドがかなり凝っています。

4曲目「Let Me In」はイントロからギターが印象的。
ベースもいい感じに効いています。
夢見心地にさせられる浮遊感のある曲です。

5曲目「Heavenly Arms」はLou Reedの曲で
このアルバム中、唯一のカヴァー曲。
ヴォーカル・スタイルはセカンドに少し近いですが
後半のビートとクリアなギター・ソロが心に残ります。

6曲目「It Is Something (To Have Wept)」も
セカンド・アルバムに入っていても違和感がなさそうな曲。
ヴォーカルはかなり抑え目ながらもキュートです。
終盤のSarah自身によるコーラスワークが実に効果的。

7曲目「A Better Love」がまた素敵です。
少し悲しげなSarahのヴォーカルと
軽く刻んだビート、少し歪んだギター・サウンドが
絶妙の取り合わせ。
アルバム中、2番人気はこの曲です。

このところMarit Bergman、Maia Hirasawa、Anna Järvinenと
スウェーデンの女性アーティストの
強力アルバムが続々と登場していますが
個人的にEl Perro del Marが好きだということを差し引いても
この「Love Is Not Pop」は群を抜いています。
今までのEl Perro del Marの作品が好きだった人はもちろん
それ以外のより多くの人に聴いてもらいたい1枚です。
音楽に対するストイックなまでの想いが伝わってきます。

そして少し気が早いですが次はどんなアプローチをしてくれるのか
今から楽しみになってきました。

「Change Of Heart」↓
http://www.youtube.com/watch?v=ZmVjsTgLdvg
MySpace ↓
http://www.myspace.com/elperrodelmar


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