【著者は学者らしい観察眼で、極限におかれた人々の心理状態を分析する。
なぜ監督官たちは人間を虫けらのように扱って平気でいられるのか、被収容者たちはどうやって精神の平衡を保ち、または崩壊させてゆくのか。
こうした問いを突きつめてゆくうち、著者の思索は人間存在そのものにまで及ぶ。というよりも、むしろ人間を解き明かすために収容所という舞台を借りているとさえ思えるほど、その洞察は深遠にして哲学的である。
「生きることからなにを期待するかではなく、……生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題」というような忘れがたい一節が、新しくみずみずしい日本語となって、随所に光をおびている。本書の読後感は一手記のそれではなく、すぐれた文学や哲学書のものであろう。】
【ユダヤ人精神分析学者がみずからのナチス強制収容所体験をつづった本書は、わが国でも1956年の初版以来、すでに古典として読みつがれている。著者は悪名高いアウシュビッツとその支所に収容されるが、想像も及ばぬ苛酷な環境を生き抜き、ついに解放される。家族は収容所で命を落とし、たった1人残されての生還だったという。】
〈 わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った
では、この人間とはなにものか
人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ
人間とは、ガス室を発明した存在だ
しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ 〉
読書ログの今月の課題図書。
図書館に借りに行ったら、一般の棚に置いてなくて、奥の倉庫から出してくれた。
まだ新しくて(H16購入)きれいなのに何でしまってんの?
あの時代のあの国での出来事・・ではなく、
人間が存在する限り、どの時代でもどの国でも起こりうることとして、考えておきたい。
著者は自分の身に(身の回りに)起こったことを非常に冷静に、客観的に観察し考察している。
人間の心理、人間が生きるとは・・・。
「周りに何かを期待するのではなく、自らを充実させて生きること、自ら創り出していくこと」が
自分の生き方だと思ってはいるが、
この人間社会の中で、人との繋がりの中で、自分を見失わずどれだけ穏やかに生きていけるか・・
人間とは、どんな生き物なのか・・
何度か読み直してみる必要があるみたいだ。
旧版には解説と写真も載ってるそうだ。映画にもなっているらしい。それらも見てみたい。
星5つ
私には、何でかわかりますとも
こんなにとっつきにくそうな難解そうな本、
読破できるなんて、まるちゃんすごすぎる!
まるちゃんの感想を読んでいるだけで、
?????になっている私です。
このごろますます集中力が落ちている4nyan
より
ただ、かなり考えさせられます。
消化しきれてない部分があるので、感想もわかりにくかったかも。まだまだですな。
4nyanさんも一度挑戦してみては?
いろんな本を読んで、脳を活性化(ボケ防止)しようと思ってます。
でも、読書ログの課題図書じゃなかったら、手に取らなかっただろうと思います。
まだ読んでない名作がいっぱいあります。いい本は読んでおかないともったいない。
砂時計の下の砂が多くなった私。その砂の中に豊かな思い出が残っていくのだと思うと、歳を重ねることもいいものだなぁと思いました。
思わぬ言葉で考えが逆転するって愉しいです。
まるちゃんの読書量、すばらしいです。私は月に4.5冊しか読めなくなりました。
自然農園がなくなって(しばらくお休みです)、ナチュラルガーデンの本をいいな~って眺めてます。
みどりのめがねさんのガーデンにもまたおじゃまさせてもらいますね。
kindleを買ってからまた読書熱が復活です。
青空文庫は0円だし、短篇も多いので重宝してます。
乱読です。
>過去はその人の財産になる。自分の金庫に忘れがたいものが貯まっていく
なるほど、そうですね。
乱読でも、何かが貯まっていると信じて、楽しんで読書していきたいと思います。