たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

混ぜ合わせと統合 <NHKBS 驚き!ニッポンの底力「自動車王国物語2」>を見ながら

2019-01-07 | 人間力

190107 混ぜ合わせと統合 <NHKBS 驚き!ニッポンの底力「自動車王国物語2」>を見ながら

 

今朝も目覚めると、冷え冷えする寒気です。周囲は少し氷が残っているかのように白っぽい雰囲気です。日が差してくる前は柿畑も霜で淡く白くなっていています。こんなときは路上が凍っていないか確かめますが、相変わらず黒ずんでいます。去年の暮れ、雪が舞い少し積もった?こともあり、冬タイヤに替えました。ですので、いつ雪が降って積もっても、少しくらい凍っていても大丈夫と思っているのですが、紀ノ川沿いは結構暖かいので、一年のうちそのような機会はなんどもありません。

 

それでもタイヤを履き替えると、春までは冬タイヤのままとなります。最近の冬タイヤは特別違いが分からないほどクッションもよく、雪面でなくても普通の感覚で走ることができます。といって雪上が得意というわけではないので、毎日雪上を走るというのも閉口しますから、やはりちょっと降る程度がいいのかもしれません。実際、カナダで冬タイヤで雪上を走っていて、急カーブに気づかず、ハンドルをとられ、道路から外れて、農地に飛び込んだことがあります。ケベック州のどこかの村で、ほとんど家もなくしばらくどうしようかと呆然としていました。20年以上前の話ですから、携帯電話もなく、公衆電話もなく、ないないの状態でした。

 

でも世の中、地域に生きる人は相身互いというのは言語文化人種が違っても同じでしょうか。どこからかおじさんがやってきて、なにかをしゃべっているのですが、さっぱり分かりません。お互い会話が通じないことはわかったのですが、同時に困った状態も共有認識になったのです。そのおじさんいなくなったと思ったら、今度は大型車でやってきて私の車(たしかオタワで借りたレンタカー)を牽引してくれたのです。

 

真冬の真っ白い銀世界で一人、何時間(おそらく1時間程度かもしれませんが長く感じました)も外を歩くと冷気で倒れそうな状態で車中に閉じ込められていた中、このおじさんこそ、天使のような、まあ外観は日本の神様といった方が適切でしょうか、すばらしい出会いでした。とお礼をしようと連絡先などをジャスチャーでしたのですが、いいよといった風にして立ち去っていきました。私にとっては外国で出会った高倉健でした。

 

車の話をしようと思ったら、いつの間にか脱線していました。実は一昨日でしたか、正月休みに録画していた<NHKBS 驚き!ニッポンの底力「自動車王国物語2」>を見ました。

 

自動車開発にかける各企業のたゆまない努力が次々と紹介されていました。スバルの衝突防止システム、自動運転の先駆け的機能は、長い年月失敗を重ねた結果ようやく生まれた技術でした。私自身は、たしかにぼっとしてんじゃないよ!とチコちゃんに言われそうな運転をときにすることがありますが、といって本当に危険な状態になるほどの運転をしていないとおもっていますので、あまりその必要性を感じませんでした。しかし、追突事故の多さを経験していますと、やはり有効な装置かなとも思います。まして将来、自動運転が実際にあらゆる場面で可能となれば、私自身はとても助かります。ハンドルテクニックなど競おうなんて思いませんし、ドライブしながら外の景色を見たり、読書ができるのであればそちらを選びます。私の従姉妹は80才を目前にしてそろそろ運転免許証を返還しないといけないかと悩んでいますが、その頃になったら、私も車に乗らないかなと思っていました。でも自動運転が可能になったら、乗ってもいいかなと思ってしまいます。

 

さて本題に入ります。いろいろ紹介された技術の中で、「超ハイテン」に興味を持ちました。昔の車を見ていると、とても大きく重かったと思います。40年以上前にベンツに初めて乗せてもらったのですが、重かったですね。重厚な、そして安全性抜群という印象でした。そういえば私の好きなボルボもまさにそういった感じでした。ところが最近のベンツもボルボもやたら軽い印象です。ちょっとこすっただけで凹むし、内部の部品にダメージを受けます。それで結構な費用をかけて取り換えることになります。

 

これが車両本体や部品だからいいのですが、人間の体はどうかと心配になりますが、どうやらそれは車全体にエアバッグがついていて、人間は守られているという話です。

 

で、TVを見て分かったのは、車本体に使われている鉄がとても軽くなったのだそうです。それは一応、分かっていましたが鉄以外の材料を使って軽くしたのだと思っていました。ところが、鉄自体もさまざまな材料というか物質が合成されているようで、それをうまい案配に合成すると、軽くそして薄くなるのに、超強力になるそうです。それが「超ハイテン」というのだそうです。

 

その構造を電子顕微鏡でしたか、画像分析しながら、なんども組成のやり方を変えて強力なものに仕上げていったと言うことです。自動車メーカーの依頼で鉄鋼メーカーが研究開発したようです。その画像を見ると、ばらばらな物質を強力に接着する物質をうまく配合するようです。かなり適当ないい方ですが、素人の見方ですので勘弁されたい。

 

その画像を見ると、その接合状態は必ずしも美しいとは思えないのですが、薄く引き延ばされた鉄の板はその何倍もの厚さのある従来の板に比べて強度が断然上なのです。ですので、自動車本体の骨組みに使っても容易に曲がったり壊れたりしない、強力なものにできあがっているのです。

 

それを見ながら、ふと美しく整った町並みは外形的にはすばらしいまちなみ景観として高く評価されますが、はたして活気ある人の住む場所として最も適切かどうかは考え物かもしれないと思ってしまいました

 

北米の住宅地は、詳細なゾーニング条例により、たとえば住宅地の一区画であれば、フロントセットバック、リアセットバック、サイドセットバックと、敷地内建物の配置が決まっていて、それより外に置くことができません。ですので、通りから見ると、ファサードの位置が決まり整っているので、美しいですし、家ノ前のスペースは芝生とか以外の利用は制限されています。15年くらい前からグーグルアースを使って世界の街角をストリートビューしていますが、鳥瞰しても美しいです。

 

でもその住宅地内での潤いある生活や雰囲気が豊かでしょうか。とりわけ北米での銃乱射事件や銃規制などをめぐる鋭い対立は、こういった美しいまちなみの中で結構見られます。たとえばSandy Hook Elementary shooting事件もその一例でしょうか。

 

わが国の宅地分譲開発でも、大手デベロッパーが手がけるのは、海外開発を参考に、整備されつつありますが、まだ遠く及ばない状況でしょうか。それはともかく、昔ながらの坂道や路地のある住宅地では整ったまちなみとはとてもいえません。でも活気はまだまだ残っているようにも思えます。とはいえ建材も古くなっていて建替も困難な状態で安全性・持続性の点では問題が多いですね。

 

そんな中、ビフォー・アフターで取り上げられるような小規模リフォーム住宅は、地域のまちなみ景観とは異質で、とてもいびつな感じを受けることがありますが、意外と地域全体を強くするエネルギーをもっているかもしれないと最近思うようになってきました。

 

使えない、壊すしかないといった建物が見事に再生し、住む人だけでなく、周りの人にも建物のあり方、住み方に旋風を呼び起こしているかもしれません。これまでマイナスイメージが強かったのですが、意外とこの小さな改革が地域全体を強くする力になる可能性を秘めていると、ふと感じてしまいました。

 

今日はこのへんでおしまい。またあした。