たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

地上資源の再生 <市民がつくる「捨てない未来」 日本環境設計会長・岩元美智彦氏>などを読みながら

2019-03-14 | ものの見方・考え方

190314 地上資源の再生 <市民がつくる「捨てない未来」 日本環境設計会長・岩元美智彦氏>などを読みながら

 

人は考える葦ですか。考えると言ってもいろいろですが、楽しくできるといいですね。というか、考えること、考えた結果がそうだといいという趣旨です。

 

今朝の毎日記事<PICKUP スケトウダラから医療用接着剤 かまぼこの廃材を原料に>も楽しくなる話に思えます。考えた人は四苦八苦したでしょうけど。いろんなものを実験して人間の臓器穴を塞ぐ接着剤にスケトウダラ由来のゼラチンを元に開発したというのですから、不思議でもあり、面白くもありです。スケトウダラというと鍋料理とか、かまぼこしか思い描けない凡人には驚くばかりです。しかもカマボコの廃材利用というのですから、楽しくなる話です。画像も記事にあります。

 

そういうのを<地上資源のリサイクル>と名付けた人が、前日の毎日夕刊記事で<毎日21世紀フォーラムから 第179回例会 市民がつくる「捨てない未来」 日本環境設計会長・岩元美智彦氏>と取り上げられていました。

 

私の知り合い友人連中?は、半世紀以上こういった問題に取り組んできたのかなと思うのです。こういった仲間たちは面白い造語を次々と繰り出しますね。私も遅ればせながら、のろのろとナメクジ並のスピードでフォローしていますが、意識が低いのかなかなか先が見えてきません。

 

ともかく岩元氏の言葉はしなやかで新鮮です。タイトルの<市民がつくる「捨てない未来」>もなかなかしゃれています。しかも<エコ(経済)とエコ(環境)楽しく循環>といった掛け合い漫才みたいでいいです。またこれまでの資源利用を<地下資源>と呼びその争奪戦争を招いたと指摘します。そして、これからは<地上資源>のリサイクルを訴え、みんな(仲良く?)参加型の持続可能な循環社会をつくると、わかりやすいです。

 

しかもこれを3つの考えで事業をすすめていると、3つの基本を提示しています。

一つ目が<技術>、二つ目が<リサイクルの仕組みづくり>とここまではありきたりかもしれません。三つ目は<「正しいを楽しいに」と本質を突いているかもしれません。

 

一つ目の技術について、岩元氏は、人の意識に着目し、<「一番リサイクルしたいもの」についてアンケートを取ると、着ている服でした。>というのです。実際、<国内で廃棄される衣類は年間約170万トン、カーテンなどを含めた繊維製品は約200万トン>ということですから、いかに廃棄されてきたか驚きます。リサイクルとして回収されるものでも実際にリサイクルとして循環されている比率は低いのではと思うのです。

 

岩元氏は、繊維リサイクルに着目し、世界の衣料品の材料は、綿が30%、ポリエステルが60%ということで、それぞれ技術開発に取り組んだのです。綿については<愛媛県今治市の工場では衣類を糖に変換し、発酵させてエタノールを製造しています。>とのこと。

 

ではもう一つは、<ポリエステルの衣服から再生ポリエステルを作る技術を採用した工場を完成させました。変換率は95%以上で、1着の服からほぼ1着を作ることができるポリエステルをリサイクルで作ることができます。>とのこと。

 

私の友人の国家議員が20年くらい前、循環社会を築こうと、再生ポリエステルの背広を着ていましたが、当時は着心地がいいとはお世辞にもいえないようでした。さて岩元氏の場合この間の技術開発で問題をクリアしたのでしょうか。

 

岩元氏の技術目標は高いようで、<「水平リサイクル」と「ほぼ1対1」、そして「半永久的リサイクル」です。水平とは服から服へ、玩具から玩具へのように同じモノを作ること。水平で、変換率を1(いち)から1(いち)にして、これを半永久的に回していくことが目標です。>とのこと。

 

再生ポリエステルから携帯電話のリサイクルも展開しているようです。

 

二つ目のリサイクルの仕組みがユニークというか、目から鱗かもしれません。いや他のリサイクルのシステム、紙パックやプラスチック皿などの仕組みを真似たともいえます。

<みんな参加型のリサイクルインフラを構築しようと考え、店舗に回収ボックスを置いてどんどん広げました。>

 

三つ目の楽しいというのは、だれもが期待しますが、結構厄介ですね。

岩元氏は<米映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場する車型タイムマシン「デロリアン」>に注目したのです。ゴミを燃料にしていることと、人気があるということでしょうか(私の年代だと映画自体が子どもと楽しんだのでなければ、ちょっと思いつかないかもしれません)。

 

岩元氏のリサイクル頻度が多い方により価値を認めるといった発想は、期待したいと思います。商品化次第、あるいは表示の仕方などで可能かもしれません。

 

さらに大きな夢?を抱いているようです。

<地上資源の経済圏を作ると、CO2の排出は減り、地球への環境負担を軽減させることができます。経済と環境が両立する、持続可能な循環型社会を形成できます。一つ買ったら一つリサイクル、一つの平和を。1(ワン)バイ、1(ワン)リサイクル、1(ワン)ピースです。>それぐらいの気持ちでないと、新たな市場が生まれたり、革新的な社会が生まれないかもしれません。

 

そういった捨てない未来で、争わない平和な社会に近づくことを期待したいところです。とはいえ、この資源循環でエネルギー消費はどのように考慮されているのか気になるところです。その前提には大量消費がどうも変わっていないのではといった不安も残ります。いやいや、リサイクル回収頻度に価値がでるのだから、地下資源を使った新製品は減少の一途を辿り、逆に絶滅危惧種なみの状況になるといったことは夢のまた夢かもしれませんが。

 

今日はこの辺でおしまい。また明日。