181104 Zeroトイレ(1) <友人がついに自費出版、『Zeroトイレの提唱』>を紹介
わたしがこのブログを休んでいる間に、友人から連絡が入りましたが、ちょっと対応できず、そのままにしていたら、事務所に出版物が届いていました。
彼、人見達雄氏と高橋朝子氏の共著、でも著者は「クーネルダスT&A」というなんとも人見さんらしい、ダジャレというかけったいな名前になっています。
私と人見さんとの付き合いは30年近いかと思います。彼が参加していたソーラーシステム研究グループの著作『都市の水循環』『都市のゴミ循環』『循環都市のこころみ』が80年代後半頃に世に出て結構なブームを呼んだと思います。私もこの著作に大いに刺激を受けた一人でした。その一人の仕事場を訪ねていろいろ話し合ったことを思い出します。いずれも美濃部都政時代に都職員になったメンバーで、技術職だった記憶です。
なにか気が合い、その後時折誘われたり、わが家に呼んだりしたのが何人かいて、そのうちもっとも意気投合?したのが人見さんでした。彼はこの著作末尾に紹介があるので引用しますが、美濃部都政で「公害保健対策に関わる。以後、多摩地区の保健所各所転任、環境衛生監視職に従事。」と生涯、一職員として現場での環境衛生に取り組んだのです。東京都の場合役職になる場合の試験があり、それに合格しない限り、いかに現場で有能であっても採用されない仕組みだったように思います。私の知り合いで何人か合格して上に管理職につきましたが、ソーラーシステムのメンバーはそういった地位にこだわらない人たちでした。まあ私の性格と通底するところがあったのかもしれません。
人見さんとは、水・ゴミ問題だけでなく、90年代初頭に立ち上げた葬送の自由をすすめる会でも偶然、一緒になり、お互い似たもの同士かと思った次第です。その後は圏央道高尾山ルート工事差止め訴訟などでも、運動体の中心にいた彼と、弁護団のメンバーとして会議を一緒にするようになりました。
それからさらに10数年経ち、お互い老境を楽しむ年頃になったのです。人見さんは私より少し年上ですでに70代に入っています。東京都を定年後、彼は余暇を楽しむタイプではないので、何をしているのかと思ったら、トイレを不要とする方法を実践的に研究していたのです。はじめこの話を聞いたとき、いつも突拍子もないことを思いつく人見さんだけど、これはどうもと思ってしまいました。
たしかに水問題、ゴミ問題を考えていると、たとえば屎尿を含む生活排水処理は水の循環利用や汚泥となるゴミの抑制など常に考えなければいけない問題の一つで、30年前もいろいろな研究者の取り組みを一緒に学んだものでした。公共下水道は根本的解決とならず、多様な問題を先送りすることが取り上げられました。合併処理浄化槽も水質、汚泥処理の点で問題の解決となっていないことが話題となっていて、新たな方策が模索されていました。
その後いつの間にか、問題解決のないまま、私自身が別の問題に関心が移り、この問題を忘れてしまっていたといってよいでしょう。人見さんは、より個人的な段階で解決策を探ろうと自ら実践始めたのです。それこそ以前、さまざまな研究者が工夫した技術を超越して、まさに自然に帰れではないですが、ほぼ自然のママで屎尿の処理を安全で自然循環の回路に戻す手法に取り組み、大筋で見通しをつけたようです。
それを実践するとなると、普段の生活では心理的抵抗があることは理解できますが、登山中や、災害時の緊急の際、エコロジカルに近い方法として、見直されるのではと期待したいと思います。
いつものように前口上が饒舌になりましたが、この出版物(用具付き)は、無料配布で、人見さんと電話で話したら、コピペもいいよということでしたから、私があれこれ解釈を加えないので、少しずつコピペして、皆さんに紹介したいと思います。
今回は第一回です。 実質の中身は文庫版程度で40頁弱ですから、さほど回数を必要としないと思いますが、そこは適当に私なりの意見を入れて、いきたいと思いますので、どのくらいで終わるかは、計画していませんので、それも毎日掲載するとは限りませんので、おつきあいいただければと思います。
初回は、とりあえず周辺から引用します。
まず推薦のことばが「USAイエール大学教授Fabian Drixle(日本史・人口史)」氏からいただいています。
「おいしい食事、体にやさしい料理の本を書くことは、喜ばれます。ところが、その後に起こることについては、触れようとはされません。
従来の「排泄文化」を考え直し、環境にも適したレシピを公開するには、勇気以上に、胆気(たんき)が必要です。筆者たちのこの胆気に喝采を送ります。「Zero トイレの提唱」を料理書に例えれば、グルメものより、エコクッキングの書に当たります。
江戸時代の非常時にどんな食べ物で飢餓を凌くかを解説した救荒書の「現代排泄版」と言えるかもしれません。実験を重ねた、筆者の独創的な具体的レシピの発信により、議論と再認識が日本から深まっていくことを期待します。」
人見さんから以前、Fabianさんのことを聞いたのですが、彼と話していると話題が次々と移って、記憶のどこかの倉庫の中にねむってしまったようで、Fabianのことが思い出せません。
いずれにしても日本通で外国人の目で第三者的スタンスに立ってFabianさんが述べた<救荒書の「現代排泄版」>あるいは<エコクッキングの書>は当たらずとも遠からずといえると思います。
今回はその目次だけ紹介して、次回以降に内容に入っていきたいと思います。
1 Zeroトイレの基本思想
2 Zeroトイレ「パックオーライ」
3 採取の仕方パックオーライの使い方
4 Zero袋の閉じ方・保管の仕方
5 お尻の拭き方
6 シッコ採取の奥の手
7 広い適用範囲
8 その後の処理について
9 これからの方向性
なにかリアルなイメージですね。人見さんは家庭で実験していますが、これは「山と災害」時の対応を基本的に考えています。そのような場合でも自然循環の生態系の中で屎尿がその循環の中で公害や環境悪化をもたらすのではなく、健全な生態系の形成保持に役立つようにということで、考えているのです。
なお、この出版物は希望があれば、人見さんが郵送してくれると思います。無料配布ですが、今後の運動支援と、さらなる出版活動への支援を、この内容に賛同して、少ししてあげようかと思われれば、ゆうちょ銀行の払込取扱票を利用していただければと思います。
ま、私が今後コピペで、このブログでアップしますので(図とかのアップがいままであまりうまくいっていないのでどうなるか?)、それを読まれても内容は同じです。ただ、簡単な用具付きですので、自分も試してみようと思われる方は実際手にした方がいいかもしれません。
今日はこれでほぼ一時間くらい経過しましたので、おしまい。また明日。
訂正
無料配布は著作物でした。
<雨水市民の会のメールアドレスが書いてありますので、そこへ申し込むようにと。本とZERO袋(50枚入)それに送料込みで1000円での頒布です>
とのことです。
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