たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

貧富の差の現実 <プライムニュース 『・・実感なき“景気拡大”』>を垣間見て

2017-06-30 | 政治 経済

170630 貧富の差の現実 <プライムニュース 『・・実感なき“景気拡大”』>を垣間見て

 

今朝はいつもよりさらに早く目覚め、うとうと気分が続かないため、4時台から読書の時間になりました。どうも地形の成り立ちがりかいできないものの、その形状が面白く感じるものですから、地形にかかわる書籍を読んでいるのですが、代表的な地形についての解説はあるものの、どこにでもあるような山岳地形や河川周辺の地形についての詳細な解説をしたものが見つからず、前者の解説書でいまのところ我慢して読んでいます。 

 

今日はのんびりと思っていたのですが、打合せや会議があったりで、もう6時過ぎています。本日のトピックといってもなかなか思いつかず、一昨日のプライムニュースが若干、記憶に残っていたのと、毎日記事のいくつかがなんとなく腑に落ちるものがあったので、鳥下手見ようかと思います。

 

さて、プライムニュースの話題は、以前からときどき取り上げています。毎回ゲストが違う立場で議論し、反町キャスターのリードというか突っ込みというか、切れ味がなかなかなので、お気に入りの番組の一つでしたが、最近は少し遠ざかっていたように思います。

 

今回はたまたま途中から少しの間見たので、正確ではないのですが、プライムニュースはウェブ上で、放映内容を見ることができますから、<『甘利明前担当相に問う 実感なき“景気拡大”』>をしっかりフォローすれば、私のあいまいな指摘も是正できます(なかなかこれを見るだけの気持ちの余裕がないのですね)。

 

で、ゲストが専門家である早川英男氏と中原圭介氏でしたが、それぞれテーマとなっている景気拡大しているという政府の評価に疑問を呈している点では共通していました。そして株式相場が2万円台を突破して景気の上昇を感じるような風潮に対しては、株価は景気とは関係ない、実態を表さないのが現実だと言った趣旨でも共通の認識だったと思います。アメリカの歴史的な株高を踏まえて、その経済がよくなっていないことを白人中間層などの不満が示しているといった趣旨の発言もあったかと思います。

 

どうも昨日でも言及しておけば記憶ももう少し鮮明でしたが、どんどん曖昧になります。いずれにしても株式や景気指標は正確に経済の実態を表していないといったことだったように思うのです。それは私もそのように感じているので、納得できました。これに対し、途中から甘利さんが登場して発言する内容は、表面的な数字を並べ、型どおりの政府の政策を説明するものの、内容が伴わないものばかりで、まだTPP交渉をしていた頃の甘利さんの力強い発言とは異なり、空虚ささえ感じてしまい、途中で見るのを断念しました。

 

で、毎日朝刊記事<健康狂想曲第2章・広がる格差/1 治療費払えぬ「限界層」>には驚くとともに、それが現実だと思わざるを得ませんでした。

 

<医療貧困>という言葉があるんですね。

 

記事はその実態を取り上げています。<「医療貧困ですね。生活には不安しかない」。首都圏の糖尿病の男性(33)は入院中のベッドで寂しげに話す。血糖値がうまく管理できず、インスリン注射を勧められても、金銭的な負担が重いことを理由に拒否。入院も拒んでいたが、右足に壊疽(えそ)が出てきたため、設備業の現場監督の仕事の合間を縫って入院した。

 

月の手取りから借金の返済、光熱費、家賃を引けば残り7万~8万円。医療費が1万~2万円で食費3万円を引くと残りはわずかだ。体に悪いが1日1食で済ませる。

 

借金は糖尿病で全盲となった親から自身が失業していた時に借りたもので着実に返さないと親の暮らしに影響する。生活保護にならない給与水準のため、公的な支援策は何もない。

 

「今の医療は私のような層から金をむしり取る。倒れてみろと言わんばかりだ」と話す。>

 

<健康限界層>という言葉も飛び出してきました。

 

<ワーキングプア層が医療にアクセスしにくい「健康限界層」になっている。伊藤所長は「(医療費が低額な初期に)受診できず、最後は高額な透析治療を受けざるを得なくなる。重い自己負担がかえって医療費を膨らませる」と矛盾を指摘する。>

 

<健康格差>という国民皆保険制度だけでは対応できない状態になっていることも知らされました。

 

<全日本民主医療機関連合会(民医連)が生活習慣病で起こる「2型糖尿病」について2011~12年に全国の40歳以下の782人を調査したところ、年収200万円未満が57・4%、中高卒が62・1%、無職やパートが多く正規雇用が少なかった。合併症の網膜症は中高卒、非正規でより起こりやすいことも判明。経済格差が健康格差を生む実情が明らかになった。>

 

景気拡大という表面的な数字の裏では、その成果をほとんど受けられない貧困状態がスパイラル的に拡大している現状と安倍政権の三つの矢はいずれも届かず、対策も弥縫的でしかないことが問題を悪化しているように思うのです。規制緩和の実効的な策とされる、国家戦略特区も加計学園問題だけでなく、すべてにわたって根本的な構造改革に結びつくようなものでなく、地方や大多数の貧困層には有効策とはなっていないことが示されています。

 

<経済格差が拡大する中で、健康を維持し病気を予防できず、治療にアクセスできない人が出ている。社会の中に「健康格差」が生まれ、広がっている。健康狂想曲第2章では医療、労働、地域の現場で健康格差の実情を明らかにし、解決策を探る。>という毎日記事を期待したいと思うのです。

 

もう一つ毎日記事は<給付型奨学金 来春から本格導入>という見出しで、返済不要の給付型奨学金制度が導入されることによる学校の混乱を取り上げています。残念ながらウェブ情報として掲載されていないので、簡単に概要を指摘します。

 

従来の貸与型の奨学金の場合長期の返済負担のため大学に進学しても経済的困窮が続き、貧困状態から抜け出すことが困難な状況を改善するため、給付型奨学金制度が与野党全会一致で導入された点は評価できます。ただ、対象は一学年約2万人に限定されているということで、その選考が大変なわけですが、それを学校に任されたため、その基準が明確でないこともあって、学校現場では混乱しているというのです。

 

経済的理由で進学をあきらめることがないよう支援する目的ですから、対象は生活保護家庭や住民税非課税世帯、児童養護施設出身者らということですが、それでも候補者は膨大な数になるのでしょう。大阪府の場合貸与型の採用候補者数が約42000人というのですから、全国一とはいえ、全国では相当な規模の候補者数となるのでしょう。

 

それを学校現場で選考するとなるが、教師の役割になるのかもしれませんが、毎日新聞が連載してきた<ドキュメント高校教師という仕事/1 今夜も退勤打刻せず>ではすでに過重労働の域を超えた超長時間勤務状態なわけですから、とてもそんな難解な新たな業務をこなす余裕はないと思わざるを得ないですね。

 

なにか政府の施策は表面的な対応で、現場の困窮した実態に対応できていない対策が空回りしているように思えてしまうのですが、それはうがった見方なのでしょうか。むろん前者の健康限界層もそれぞれの自覚と努力で対応すべき面もありますし、教育現場も教師・生徒・家族も現状を見直す必要があると思いますが、景気拡大という上辺だけの施策に固執するような政府の姿勢が問われているように思うのです。

 

今日はこの辺で終わりとします。


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