たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

景気回復と貧困 <NHK<けさのクローズアップ>“食糧支援”で人生が変わる!?>などを見ながら

2017-09-28 | 政治 経済

170928 景気回復と貧困 <NHK<けさのクローズアップ>“食糧支援”で人生が変わる!?>などを見ながら

 

今朝のNHKのニュースでは、政治の話題が多かったのですが、以前からよく話題となっていたフードバンクの話が出ていました。フードバンクは60年代から始まった大量消費大量廃棄の一方で、生活困窮者の救済を図るなどの趣旨で始まった運動とされています。

 

ウィキペディアの定義だと<包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体。>とそういった活動団体を示す言葉として定着しているようです。

 

ウィキペディアによると、わが国では<元アメリカ海軍の軍人で、上智大学の留学生のチャールズ・E・マクジルトンが20023月に日本初のフードバンク団体を設立[3]、同年7月に東京都から特定非営利活動法人の認証を受けた。>のが嚆矢のようです。その後全国的に広がっていて、農水省なども<フードバンク>のPRにつとめていますね。

 

NHKでも2012年に<生活保護 一歩手前の支援を>とか、14年にはクローズアップ現代プラスで< 緊急調査・子どもの貧困 「食」すらままならない>と繰り返し取り上げてきたようです。

 

で、今朝の放送を見ながら、私自身がこれまで担当してきた母子の例をつい思い出してしまいました。地方では結構お子さんをたくさん授かり、子だくさんの夫婦もまだ時折見かけますが、夫が育児放棄や仕事嫌いで、勝手に家を出て、母一人で大勢のお子さんを見ている場合も少なくないように思います。

 

地方で生活費はあまりかからないとはいえ、仕事先を2つも3つももって稼いでも月20万円にも満たないのが普通かもしれません。夫は養育費も払わず逃げてしまうというよくあるパターンです。それも夫は自分の負債があって借りられず、妻名義で借りたりして逃げてしまうので、残った妻だけが借金返済の負担を課されるという悲劇的状況ですね。

 

NHKニュースでは、子どもにまともな食事も提供できないため、子どもが学校にも通わず、すべてにやる気を失う状況にあったというのです。それがフードバンクのおかげで食糧支援を受け、三食をしっかり食べさせることができるようになり、子どもたちにも明るさが戻ってきたのです。そして学習支援の教室に通うようになり、子どもに勉学の意欲が湧いてきて、成績も向上してきたという、なんともハッピーな結果でした。

 

ただ、こういた食糧支援をうけるのは、フードバンクの組織が把握しているのではたしか0.1%とか、あるいは0.01%?とかきわめてわずかな比率です。生活困窮家庭が多くいる中で、日本に導入されて10数年経過し、農水省も啓蒙活動を行い、NHKなども放映を繰り返しているのですが、ほとんどの人に知られていないというギャップがあるのですね。

 

その意味で、より適切な啓蒙の仕方を考える必要があるのでしょう。

 

ただ、このシステムが大量消費・大量廃棄の制度にあまりというか、ほとんど抑制効果がない点は十分配慮しておく必要があるかと思います。そうはいっても緊急対策としてはフードバンクの役割は大きいでしょう。

 

他方で、気になる放送を昨夜プライムニュースで見ました。これは経済専門家の視点では当然と言えば当然かもしれません。でも触れておきたいと思います。

 

安倍首相は突然解散することを非難され、その大義の一つとして、消費増税の使途を一部教育無償化に変更することを訴えました。そのことと関連して、プライムニュースが<経済3賢人景気展望>ということで、議論していました。政府は景気拡大が戦後最長となる可能性があるとか、指摘していますが、インフレ率2%と掲げた目標の期限を延期に次ぐ延期をしています。

 

その景気拡大というのが本物かについて、宅森昭吉(三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト)、松野利彦(SMBCフレンド証券チーフストラテジスト)、永濱利廣 (第一生命経済研究所首席エコノミスト)が議論していますが、上記の食事にも窮する貧困状態が増えていること、所得格差の拡大で年収200万円以下の数が増大していることなどは、とくに取り上げられていませんでしたが、彼らには問題にならないのかもしれません。

 

株価が上昇していることや企業収益が拡大していることを取り上げていますが、一人が指摘しているように、投資している2割の人がその恩恵を受けている、他方で投資していないから利益を受けていないかのような見方ともとれる発言があったかと思いますが、疑問です。投資するだけの余裕のある家庭はほんの一握りではないでしょうか。2割というのは大きな比率のように思えますが、多くは少額投資で、実際に多額の利益を得ているのはやはり巨額の投資資本をもつほんの一握りではないでしょうか。結局、株価上昇による景気の拡大は富めるものが富を拡大しているだけではないでしょうか。

 

安倍首相の消費増税の使途を教育無償化にという方針自体は一つのバランス策ともいえますが、その増税すら怪しい雲行きです。所得の再配分なり、貧困で困っている人を助けるという政治の役割をどう果たすのか、納得できる政策を明確にして実現するのでなければ、この解散も批判されているように、責任逃避解散などの指摘が打倒することになりますね。

 

今日はこの辺でおしまい。


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