たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

浜の真砂と・・ <なぜだまされる?架空請求>などを読みながら

2018-05-11 | 消費者問題

180511 浜の真砂と・・ <なぜだまされる?架空請求>などを読みながら

 

今日も朝からいろいろな用事と打ち合わせに忙殺され、事務所に戻ったらすでに6時すぎです。やるべき仕事が残っているものの、当地に移ってからは6時を過ぎると、仕事ができる体力というか精神というか残っていません。ブログはなんとか書けるのですが・・・

 

今日も簡潔に仕上げようかと思います。天下の大泥棒、五右衛門の最後の台詞?は有名ですね。たしかに泥棒、窃盗は古代からいたわけですね。共同で平等な社会といわれる縄文時代はどうだったのでしょう。物々交換はあったでしょうし、収穫物を常に平等に配分する集団ばかりではなかったかもしれません。でもそういうユートピア的な状況はあったかもしれないと思いたいですね。

 

とはいえ仏教の世界では五戒の一つとして、「不偸盗戒(ふちゅうとうかい)」が有名です。それは日本で成立したというより、発祥のインドで確立していたのではないでしょうか。

 

宗教の戒律比較表>というのをうまく整理したものがありますが、やはりどの宗教でも窃盗は禁止ですね。それでも盗む人がいるというのは、それだけ宗教の戒律にする必要性があったのでしょうね。それが「浜の真砂が尽きるとも・・・」にいう名台詞が生まれるゆえんでしょうか。

 

では詐欺はどうでしょう。意外と宗教上の戒律にはなっていないようなのです。だから詐欺師は良心の呵責を感じない、なんてことはないともいえないのですね。私が詐欺の弁護を相当数担当していた頃、結構な人がそのような片鱗もないのです。というか自分はだましていないと信じていますが、詐欺の認識がないような精神状態になっているように思えるのです。あるいはだまされる方が悪いのだといった感覚をもった人もいましたね。

 

少し前に担当した特殊詐欺の被疑者の場合、中国を舞台にして、日本中に電話を駆け回り、ヒットした人がいれれば、各地に乗り込み、キャッシュカードやクレジットカードを預かり、それを使って現金化するタイプでしたが、反省していたので、彼にはこんこんと説教をしてしまいました。説教強盗というのは以前ありましたが、説教弁護人というのは昔はいたようですが、最近ははやらないかもしれません。それでも被疑者は60代でしたか、若い人と違って、酸いも甘いもわかっている感じで、私の話をまじめに聞いていました。それで改悛して二度とやらないことを祈っているのですが・・・なかなか話し上手で、頭の回転もよく、一旦仲間に入ると、出所するとお誘いがあるはずなので、そのこと前もってよく話したのですが、そのときはまじめそうに、この年だから今度やったら一生ムショ暮らしになるので、辞めますとはいっていました。期待したいのですね。

 

さて、余分の話をしてしまいましたが、詐欺の歴史を少しウェブで探すと、<詐欺学データベース 詐欺の歴史>というのがありました。

 

私の感覚では、交換経済がある程度成立していないと、本格的な?詐欺は生まれないのではないかと思っています。上記の詐欺の歴史では、古事記の稲羽の素兎(いなばの白兎)や八十神の迫害が取り上げられていました。ま、だますという点はたしかにそうなんですが、やはり経済的利益を虚偽の事実を告知して、その誤信した第三者から利益を得ることが本質でしょうから、ちょっと筋違いかなと思うのです。他方で曽根崎心中での九平次が徳兵衛から借金しておきながら、借りた覚えがないといって居直り、お初と徳兵衛の悲しい心中物語にきっかけの一つになるわけですが、これも詐欺といえますが、典型的な類型ともいえないように思うのです。

 

とはいえ江戸時代には、多様な詐欺類型が成立していたと思いますが、それ以前になかったかというと、相当あったと思うのですが、たしか律令かなにかにも刑事罰の規定があったのではと思うのですが、思い出せません。ま、要するに窃盗ほどではないとしても、相当古くからある、人間のある種の本能(規範意識が弱ったときにでてくるような)の一種ではないかと、時折思うのです。

 

今朝の毎日記事<どうすれば安全安心 なぜだまされる?架空請求 世間体意識、つけ込まれ>では、なくならない「架空請求」という詐欺の一類型を取り上げています。

 

記事は< ありもしない「契約不履行」や「代金未納」をでっち上げる古典的な架空請求の被害が続発する中、男性弁護士が電話で詐欺業者と直接対決する動画が話題になっている。記者の生家にも最近、「最終告知」と題するはがきが届いた。分かりやすい詐欺に、だまされる人が出るのはなぜだろうか。【奥村隆】>とだれもが感じる疑問を提起しています。

 

手口はいろいろな方式・表現はありますが、架空請求類型では、契約不履行を指摘して、最終通告などと表示して、放置すると訴訟提起するなどとして、連絡先を記載し、そこに連絡すると、いろいろな話法で支払させるパターンでしょう。

 

その中には、記事にあるように<出会い系サイトに登録>とか閲覧利用したとか、<「アダルトコンテンツ閲覧料金」>とかは昔からあるパターンの一つですね。そういえば20年以上前、ある大学教授からこの種の相談を受けたとき、放っておけばいいですよ、もし繰り返し請求があれば私から内容証明を送りますアドバイスしたら、そのまま解決したようです。

 

弁護士に依頼するまでもなく、放置するのが一番簡単ですが、消費者センターに電話して対応してもらうのも一つでしょうか。

 

<「消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」>とか<「法務省管轄支局 消費者訴訟告知センター」>などのそれらしい表現も昔からのパターンですね。でも「久保田法律事務所」が詐欺師と対応している内容の動画がユーチューブで人気を博しているというのは、それだけ対応に困っている人は、次々と生まれるんでしょうね。

 

もう一つの記事<特殊詐欺固定電話の転送悪用増加 03表示 企業や行政装う /東京>も、携帯電話なら着信拒否されるということで、固定電話の転送を使うという手法も当然あるでしょうね。ほんと浜の真砂以上に、次々と新種が生まれますね。

 

人を信用しないという生き方は難しいですが、ITや電話、郵便物など便利な情報手段でどこからでも誰でも、ある人に情報を伝えることができるのですから、用心にこしたことがないですね。私は、電話もメールも基本、知らない人、なんらかの勧誘話がでたら、電話を失礼ないように切り、あるいはゴミ箱行きですね。

 

30分以上経過しましたので、終わりとします。また明日。


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