180510 土壌汚染浄化の困難さ <香川・豊島の産廃問題 想定外300トン 「撤去宣言」後に続々>を読んで
今朝は公判準備がなかなかはかどらず、早朝目覚めて仕上げをしました。そのため田中陽希のグレートトラバース2は途中から見ながら室内ジョギングをしました。体調悪いときでも、軽いジョギングをすると少し改善しますね。新聞の広告欄に掲載されていた腰痛対策用のスクワットも試し始めていますが、これもなかなかいいです。本の広告で、その中にいくつか図でやり方が書かれていますが、ま、たいして違いがないと自己流でやっています。本を買わなくて済みますね?
ところで、今日は和歌山地裁まで行き、その後もいろいろ打ち合わせがあったので、いつの間にか6時を過ぎ、ブログを書こうかとおもったら7時です。こうなると30分勝負で、えいやと書き上げるしかありません。
豊島産廃問題は、これまでも何度か取り上げてきたかと思いますが、やはり終了宣言は根拠が弱かったと言うことでした。
今朝の毎日記事<香川・豊島の産廃問題想定外300トン 「撤去宣言」後に続々 県、見通し甘く処理先も未定>は、産廃処理の難しさを示していますね。
<約91万トンの産業廃棄物が捨てられ、国内最大級の不法投棄事件が起きた香川県土庄(とのしょう)町の豊島(てしま)。県と住民の公害調停に基づく産廃撤去事業は期限の昨年3月に終わった>はずでした。でも実際は
<今年に入って新たな廃棄物が相次いで見つかり、県は4月に投棄現場の再調査を始めた。産廃は島内で当面保管するが、処理先は未定。不法投棄の深刻さと共に、処理責任がある県の見通しの甘さも指摘されている。【岩崎邦宏】>
発覚の経緯はつぎのようです。
<今年1月に地下水浄化のため現場を掘削していた際に汚泥85トンが発見され、2月にも近くで汚泥30トンが見つかった。県は4月から投棄地の調査を開始。1~2月分を含め、計7カ所でドラム缶や汚泥など少なくとも計300トンが確認された。>
ではこのような事態が見通せなかったのでしょうか。
<投棄業者は島西端の土地で投棄や野焼きを繰り返した。重機で深い穴を掘って捨てる「つぼ掘り」など悪質なケースも撤去時に判明し、県は推定約56万トンだった産廃量を大きく上方修正。当初2013年3月までに終える予定の撤去と直島(同県直島町)での無害化処理も約4年ずれ込み、県は公害調停の撤去期限だけは何とか間に合わせた。>
あまりに次々と産廃が見つかるものですから、撤去と無害化処理の期限を延期に延期を重ねて、無理に公害調停で定まった撤去期限だけを間に合わせたわけですね。
どうやらこれまでの調査自体が不十分だったようです。というか住民任せのような印象で、しっかり費用をかけ本格的な調査を行わなかったようにも見えます。
<これまで産廃の分布はボーリング調査や金属探知機などで調べ、現場で地面が見えるまで掘削して県職員や住民らが確認していた。しかし、新たに見つかったドラム缶などは地表から1メートル以上の深さにあり、探知機にも反応せず、業者が発覚を逃れるために埋めた可能性がある。浜田恵造知事は「住民には申し訳ないが、予期できなかった」と釈明した。>
だいたいたった1m以上の深さにあるドラム缶を見逃してきたのですから、行政の責任も大きいでしょう。不法投棄した悪質業者が悪いのですが、彼らのやり方から、そのような隠し方は想定できたように思えます。
とはいえ、地下探査はとても難しいようです。以前、神栖ヒ素汚染事件に関わったとき、環境省による土壌汚染調査でも十分判明しませんでした。地下水の流れを的確に把握するには膨大な調査時間と費用を要するわけですね。
他方で、今回はドラム缶といった有形物ですから、その限りでもう少し真剣に取り組めばより早く全体像が把握できたのではないかと思うのです。
とはいえ、100×100mメッシュから、その10分の1、さらに10分の1まで、土壌汚染調査を絞り込みながら行うには、費用をできるだけかけないでやるとすれば、相当な知見・能力のある人がやらないと難しいのではないかと愚考します。
以前、私が関わったマンション開発案件では、基礎工事のための掘削で、次々と有害汚染物質が見つかりましたが、それは地下を10mないし20mくらいは掘削するわけですから、そういう場合は徹底的にやりますね。それに比べ産廃処理のためにとなると地下掘削といっても限られるのでしょう。
改めて土壌汚染調査のあり方を見直すことを検討してもらいたいと思う次第です。
なお、<豊島の産廃問題 残留産廃に懸念の声 住民・研究者ら、豊島学会で議論 /香川>記事も注目しておく必要があると思います。
今日はこれで30分近くになりましたので、終わりとします。また明日。
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