181112 Zeroトイレ(2) <1 Zeroトイレの基本思想>はトイレ事始め
混ぜることと分けること、これは人類が原初の時代から繰り返してきたことかもしれません。単純なようで、科学の進歩を支え、経済発展を促した大きな要因ではないかとも思うのです。
さて「Zeroトイレ」では、基本思想と銘打って、まず「混ぜるな危険、大と小」として混ぜることを厳禁しています。そして分けることの徹底を「分別排泄、分別採取によってトイレ問題は解決できる」としています。そしてその目指すものをゼロエミッションとしているのです。
混ぜると便利なことも多ければ、新たな開発となることも少なくないですね。でも混ぜると危険なのはウンコとオシッコです。なぜでしょう。
「Zeroトイレ」はそれぞれのルーツの違いと菌の有無を指摘しています。「シッコとウンコは、体の中では別のルーツで作られています。」
どう違うのか。「シッコは、血管系で、ウンコは腸管系です。シッコは血液の成分で、本来無菌で、とてもきれいです。」このオシッコの無菌性、清浄性は医学的にも指摘されているかと思います。
他方で、「ウンコには、腸内にいるたくさんの種類と、おびただしい数の細菌(そのほとんどは大切な共生細菌、いわゆる「腸内フローラ」) が含まれます。」最近ではこの腸内フローラの活躍が注目されていますが、細菌であることは確かですね。だからといってそれだけで危険になるわけではありません。問題は、「ウンコは稀に感染性の細菌に感染している場合があります。これが飲食物に混じってしまうと消化器系伝染病が蔓延します。」いろんな食べ物を食べているわけですから、感染性の細菌の侵入もありうるでしょうね。
しかし、これがウンコだけであれば、またそれが別個独立に採取・処理されれば、さほど感染の広がりはないのですね。感染が広がる危険は、二つが混ざったとき、それがさらにトイレから公共下水道に流れた場合に飛躍的に広がるというのです。
「もし感染したウンコがシッコと混ざると、その量は何十倍にも増量され、さらに水洗トイレに流してしまうと、その量はさらに何百倍に増量し、元の細菌数が多いので感染力は落ちることなく、どんどん広がってしまいます。薄めれば薄めるほど危険性が増大します。拡大してから消毒や殺菌しでも効果が上がりません。」
やはり都庁環境衛生の最先端で何十年もたたきあげた経験が話す内容には力があります。
とりわけ東京都や大阪府など初期に公共下水道を導入したところでは、こういったウンコ・オシッコを含んだ生活排水と雨水排水を別々の水路という分流式にせず、合流式にしたので、その問題がより大きいといえるのではないかと思います。
Zeroトイレは、そういった公共下水道の排除方式の違いではなく、より根本的な問いかけをしています。
<ウンコとシッコが混ざる前に、別々に採取することが最も重要です。現在のトイレでは、これができておらず、ウンコとシッコはどうしても混ざってしまいます。>と現在のトイレ方式自体を問題にするのです。
感染の拡大の危険だけではありません。トイレと言えばあの臭いが気にならない人はいないでしょう。そのため脱臭剤など多くの人が愛用していると思います。その原因は何かですね。
Zeroトイレは「ウンコとシッコが混ざって空気にさらされると、すごい臭いになります。」とその混ざった状態と空気の接触を問題にしています。
ではウンコとオシッコの本来の臭いはどうかですが、「シッコは単独で、空気に触れないで保存すると、あの男性トイレのひどい臭気は出ません。ウンコもそんなに臭くはありません。」というのです。ほんとかなと思ってしまいますが、筆者は体験しているのですから自信たっぷりです。
ただ、多少控えめないい方で「人によって遣いますが、ひどく臭うのは、食生活のためだったりします。」と食生活によってはやはりひどく臭うことがあることを否定していません。そうなると生活習慣病と同類みたいなものかと、半分あきらめそうです。
Zeroトイレは「この分別排泄、分別採取が可能になれば、トイレの問題は一挙に清潔、かつ簡単に処置できるようになります。」これを筆者が実践してきたわけですから、ことばに魂が乗り移っているように思えます。トイレがなくても、この方法で「ハエなどの虫も集まって来ません。」ということのようです。
筆者は、日常モードと災害など非常時モードが多くの場合異なることをたいていの人は容認しているにもかかわらず、トイレについては同じ条件を維持しようとしていると指摘しています。
筆者は日常から新たなZeroトイレモードを考案・実践していますが、多くの人に「非常時モードこそ分別排泄、分別採取が理想的であり、また設備としてトイレがなくても個々人
で対処できるようになります。これは新しい公衆衛生への鍵となることでしょう。」と説くのです。
Zeroトイレの基本的な考え方を次のように指摘して、ゼロエミッションが人間にとって不可避の排泄において可能となるというのです。
「汚いものと思っている自分のウンコ、シッコに、自分は怖れを感じる必要がないことも理解していただけると思います。その自分が出すウンコとシッコをその際に自分で別々に回収すること、これがZeroトイレの基本的な考え方です。」
そしてその具体的な方法として提唱するのは
「この冊子でのZeroトイレの具体メニューは、「パックオーライ法(Packall right Method) 」と名付けました。」
これから先は次の回にお預けします。今日はこれにておしまい。また明日。
なお、私の饒舌な話よりすぐに読みたい、実践したい!?とお考えの方は以下のメールアドレスに連絡すれば、入手可能とのことです。
NPO法人雨水市民の会・クーネルダス担当
干13ト0033 東京都墨田区向島5-49-3
TEL & FAX 03-6657-1416
E-mail : office@skywater.Jp
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます