「我々が提出する法律についての説明はまったく正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」。
例の安全保障関連法案(「戦争法案」とも言われていますね)について審議する7月の衆議院の特別委員会で、我らが総理大臣閣下は、こうおっしゃいました(法案そのものの是非や審議のあり方等についてもさまざまな問題点が指摘されていますが、ここではそれは言及しません)。
このことば、論法としてはこうなりますよね。
(1)私は総理大臣である。
(2)総理大臣が説明することは正しい。
(3)したがって、総理大臣である私の説明は当然正しい。
ここで注目すべきは、当然(2)ということになります。
さて、この「総理大臣」という部分を、具体的な場面に即して、他のことばに置き換えてみましょう。
【1】プロ野球の監督の場合
オレの選手起用や試合の采配は全く正しいに決まってるだろ。オレは監督なんだから。
→ と言いながらチームは最下位だったりして。
【2】学校の校長の場合
私の学校改革ビジョンは全く正しいと思いますよ。だって私は校長なんですから。
→ こういう校長の下で働く教員や、この学校で学ぶ生徒が気の毒になります(実際、こういう校長が、その学校の実情に合わない目標や方針を掲げて学校経営をすすめた結果、その学校はよくなるどころがどんどん荒れ果ててしまった、という実例が県内にもあります)。
【3】会社の場合
私の経営戦略・方針は全く正しい。なぜなら、私が社長だからだ。
→ おそらく社長とその取り巻きが立案した経営方針をすすめた結果、倒産したり経営破綻したり大リストラしなければならなくなったり粉飾決算がばれて大赤字に転落しちゃったりした会社、ありましたよね。
ついでに言えば、「私は総理大臣なのだから、その説明はまったく正しい」というのであれば、論理的には、現在は野党になっているあの政党が政権を担っていたときの総理大臣(3人いましたね)の言っていることも当然正しかった、ということになります。その「正しい」人たちを徹底的に批判・攻撃して政権を再奪取した現政権は、大変ろくでもない連中、ということになりそうです。
一般論ですが、自分の持っている「権力」=「正しさ」と考えてしまうと、その時点で物事を客観的かつ冷静に判断することができなくなります。その意味で、このことばを述べた総理大臣閣下は、私たちにとってすぐれた「反面教師」の役割を果たしてくれます。自分の評価をあえて下げてでも、そのようなことを私たちに考えさせてくださる総理大臣閣下、さすがです。
例の安全保障関連法案(「戦争法案」とも言われていますね)について審議する7月の衆議院の特別委員会で、我らが総理大臣閣下は、こうおっしゃいました(法案そのものの是非や審議のあり方等についてもさまざまな問題点が指摘されていますが、ここではそれは言及しません)。
このことば、論法としてはこうなりますよね。
(1)私は総理大臣である。
(2)総理大臣が説明することは正しい。
(3)したがって、総理大臣である私の説明は当然正しい。
ここで注目すべきは、当然(2)ということになります。
さて、この「総理大臣」という部分を、具体的な場面に即して、他のことばに置き換えてみましょう。
【1】プロ野球の監督の場合
オレの選手起用や試合の采配は全く正しいに決まってるだろ。オレは監督なんだから。
→ と言いながらチームは最下位だったりして。
【2】学校の校長の場合
私の学校改革ビジョンは全く正しいと思いますよ。だって私は校長なんですから。
→ こういう校長の下で働く教員や、この学校で学ぶ生徒が気の毒になります(実際、こういう校長が、その学校の実情に合わない目標や方針を掲げて学校経営をすすめた結果、その学校はよくなるどころがどんどん荒れ果ててしまった、という実例が県内にもあります)。
【3】会社の場合
私の経営戦略・方針は全く正しい。なぜなら、私が社長だからだ。
→ おそらく社長とその取り巻きが立案した経営方針をすすめた結果、倒産したり経営破綻したり大リストラしなければならなくなったり粉飾決算がばれて大赤字に転落しちゃったりした会社、ありましたよね。
ついでに言えば、「私は総理大臣なのだから、その説明はまったく正しい」というのであれば、論理的には、現在は野党になっているあの政党が政権を担っていたときの総理大臣(3人いましたね)の言っていることも当然正しかった、ということになります。その「正しい」人たちを徹底的に批判・攻撃して政権を再奪取した現政権は、大変ろくでもない連中、ということになりそうです。
一般論ですが、自分の持っている「権力」=「正しさ」と考えてしまうと、その時点で物事を客観的かつ冷静に判断することができなくなります。その意味で、このことばを述べた総理大臣閣下は、私たちにとってすぐれた「反面教師」の役割を果たしてくれます。自分の評価をあえて下げてでも、そのようなことを私たちに考えさせてくださる総理大臣閣下、さすがです。