司法試験の勉強は、
六法を丸暗記することではありません
※結果的に一部を覚えてしまっている人(憲法の条文など特に)はいます。
※そもそも論文試験では六法が貸してもらえます。
六法に書かれている法律の言葉(難)を、
「何言っているか」理解して、
現実の問題を解決するために、
使えるようにする勉強をする・・・感じではないでしょうか
↓ロースクルー1年生時代の あおい先生(イメージ)
えええ~~~???
そもそも、
上で言っていることの意味が分かんないよ?
法律っていっても、
日本語でしょ?何言っているか分からないとかないっしょ?
いえ。
あるんです。
条文自体が難解で意味不明のものも。
今日は、
条文自体は分かりやすいのですが、
それでも問題をはらむ条文で、
お話をしたいと思います
刑法199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
うう~~ん?
この条文?そのまんまじゃん?
どこが難しいの?
定番の問題(これを論点といい)の1つに、
「人」っていつから「人」なの?という問題があります
人の始期というヤツですね
人はいつから、人か?
①独立生存説
②陣痛開始説
③一部露出説
④全部露出説
⑤独立呼吸説
だいたい5つくらい、アイデア(これを説といいます)があります
はぁ!?!?
「人」としか、
書いていないくせに、
それを深堀りするの!?!?!?!?!?!
ぷふっ。
それに、名前が1つ1つウケない???
全部露出とかって・・・
頭のいい学者さんが、
そんな名前つけたの???
頭のいい学者さんって、
そんなことが気になるの???
マニアック~~~~~~
ここの論点は、
堕胎罪(刑法212条以下)との関係を考えると、
よりか複雑化すると、
言われています
【ある事件の事案】
被告人A と 被告人B(当時妊娠中)は、
堕胎を計画・実行し、正産期前に子が生まれたが、
予想に反して「生産」(判決にそう書いてあります。生きて生まれたということでしょう)したので、
メリヤスの腰巻で子を窒息させ、死亡させた。
↓↓↓
【裁判所の出した結論】
堕胎した後で、嬰児を殺したときには、殺人罪の併合罪となる。
大審院大正11年11月25日判決
実際の事案を読んでみると、
妊娠9か月での堕胎だったので、
産まれた子が・・・生きていたようです。
その子を被告人らは窒息死させました。
※ちなみに、その後、桑畑に遺棄します。
この場合、堕胎罪と殺人罪の両方になるということです
ただし、
この事案が妊娠3か月での堕胎だった場合、
殺人罪は成立しない筈です。
これはどうしてだろうか・・・???
というか、いつから殺人罪も入ってくることになる???
という疑問を深堀りした結果が、
上記5説の話に関わってくるのではないでしょうか
頭のいい学者さんが、
いろいろ考えた理由が、
ちょっとは分かった気がする・・・
これを全ての条文、科目でやるの~~!?!?!?!
定番の条文では・・・そういうことになります
ちなみに、
上記では「人の始期」の問題を話しましたが、
当然ながら、
「人の終期」の問題もございます
◆◆菅沼法律事務所◆◆
弁護士 生井澤 葵(埼玉弁護士会所属)
埼玉県越谷市越ヶ谷1丁目11番35号
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(お電話の際には「ブログを見た」と言っていただけますと、
スムーズです)
◆プロフィール◆
埼玉県越谷市の弁護士
中央大学法科大学院兼任教員
JADP認定夫婦カウンセラー
埼玉弁護士会司法修習委員会セクハラ相談窓口
離婚問題、不貞問題についての相談を多くいただいております。
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→弁護士生井澤葵 HP