命のカウントダウン(健康余命3605日)

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辛い症例

2021-11-20 21:14:44 | 在宅医療
胸部のレントゲン写真
分かる人にしか分からないかもしれませんが、誰にもわかっていただけるように説明したいと思っています。
これ、同じ方の胸部レントゲン写真です。1年以内の写真なのです。
下の方に行くに従い、それまでになかった白っぽい所が増えているのが分かりますよね。
それが、悪性腫瘍部分なのです。この方の場合、原発部位は他にあるので、転移性肺腫瘍って奴です。
一番下の写真が、今から10日くらい前の写真ですから、現在ではもっと白い部分が増えていると思われます。

肺は、黒く見える部分で呼吸をしていますので、白い部分が増えて、黒い部分が減ると、呼吸が苦しくなります。

だから、この写真の方は、相当に呼吸がしんどい状態なのです。

今できる限りの治療をされてこの結果です。

もう、何も出来ないと宣告されてしまいました。それで、家に帰られて、私が在宅での医療を受け持つことになりました。

ヒトは誰も必ず死を迎えます。ですから、この写真の方が90代なら、私は辛く感じません。冷たいけれど、そんな時が来たのですよと、言ってしまいます。

ですが、この写真の被写体の方は・・・・まだ10代半ばなのです。
ご本人は勿論ですが、ご両親も、周囲の医療関係者も・・・・誰もが辛くてたまりません。

何とかならないのかと思うのですが、何ともならないのが現実です。

私は、逃げ出したいですが、状況はそれを許してくれません。
自分にできる事を成し遂げていくしかないのが辛いです。
ご本人の辛さが伝わって来ます。
在宅酸素療法を開始しました。咳止めを処方しました
でも・・・無力です  何も出来ません。