カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

Bear Country

2011-06-24 16:46:17 | 出たっきり邦人・メールマガジン


            〓カナディアンロッキー発〓

           『My スロ-ライフ 』 by Junko 

                  No.16



             ☆★☆★Bear Country☆★☆★
 

一昨日(22日)、カナディアンロッキーもやっと夏らしくなり、きれいな青空が広
がり、日中は23℃を超えていた!

やっと本格的なハイキングシーズン到来~!と、喜んだのもつかの間…
昨朝はまた曇り空で、お昼前からは雨が降り始め、とうとう夕方には大きな
雷と共に小さな雹まで降る始末…。

週間予報も日中最高気温が13~17℃…本当にロッキーに夏は来るのかと
なんだか不安になる。

6月10日、BC州インバミアという小さな町へ、白頭鷲の撮影に行く夫に同行。
往復約200km程の道路脇で、何と7頭もの「ブラックベア」に遭遇した!

クートニー国立公園の中を通過するこの93号線脇は、その頃、たんぽぽの
絨毯に覆われ、熊たちは「たんぽぽの花」が大好物らしく夢中で食べていた。

今の季節、道路脇に車が止まっていると、必ず「熊」がいる…と思って間違い
なし。その日、朝イチに見たのは親子連れ。

車の窓を開けて斜面に咲くたんぽぽの向こうを見ると、ブラックベアの母子
の姿をしっかりとらえる事が出来た。

子供は懸命に食べているが、母親は時々顔を上げて道路の方へ目を向け…
また食べる…。私たちの車に気付き、どんどん後ろへ車が連なって止まり
皆一斉に車窓から身を乗り出し、無かにカメラを向け始める。

すると、必ず、といってよいほど、車外へ出て撮影する人が出てくる。
もちろん、国立公園内では、熊をはじめ、エルク、ビッグホーンシープ、ディア
といったワイルドライフをしょっちゅう見かけるし、彼らは遠目から見るには
何ら危険はないのですが…国立公園内では、ワイルドライフに遭遇した時は
必ず車内にとどまり、彼らの行動を邪魔しないよう、静かに見守るのがルール
で、車外へ出て写真を撮るのは全くもって違反行為。
パークス職員は違反者に対して罰金も科すことが出来る。

今回は、ちょうど後ろに停まってルーフウインドウからのぞいて写真を撮って
女性が、クートニーのパークス職員で合ったようで、すかさず車外に出ていた
人たちに注意を促し、すぐに車に戻ってはいたが…親子のブラックベアを間近
で観るチャンスを失い、その旅行者は不満げにエンジンをふかし立ち去った。

国立公園内を管理しているParks Canadaは、たくさんボランティアを育成し、
皆が国立公園内で、安全に、楽しい時間を過ごすことが出来るように、トレ
イル情報やアクティビティへのアドバイス、ワイルドライフとの共存の知識など
職員とほぼ同じように活動する人材を、常に募集している。

何度か講習を受けた後、厳しいペーパーテストと英語(仏語でも可)力をため
され、合格すると、いつでも自分の時間の許す時に、支給されたユニフォーム
を着て公園内を歩き、活動を行う事が出来る名誉ある仕事である。

インバミアには友人家族が暮らしていて、白頭鷲の巣のある場所へ行く前に
半年ぶりに立ち寄り、オーストリア出身の旦那さまに、美味しいカルボナーラ
をご馳走になり、一緒に連れていったラブは子供たちがお散歩してくれると
いうので預け…いざ白頭鷲の巣へ!

街の中心から車でたった10分ほど離れた森の中に、巣はありました。
4日前にはまだヒナ鳥がいたことを確認している夫は、そ~っと巣に近づき
望遠レンズを向けてすぐに「あれっ、ヒナはもういないっ!」と声を上げた。

私もレンズを覗かせてもらったが、そこにいたのはおスカメスかどちらかの
親鳥だけ。巣のある木下には無数の抜け落ちた羽毛が…。
巣に止まっていた親の白頭鷲は、突然優雅に飛び立ち、大きく巣を旋回して
消えていった。

森の中で、まだ袋角が初々しい「エルク」3頭に遭遇。
じっと我々の様子を見ているのか、時々耳をくるくるっと動かして周囲に注意
を払って…また静かに森の奥へと消えていった。

私の暮らすキャンモアという町は、国立公園に隣接する町で、ワイルドライフ
はたくさん住宅町周囲で暮らしています。

ブラックベアは人里には出没しませんが、コンドウの植え込みでしょっちゅう
若葉を食べている鹿を見かけますし、ラブと歩くいつもの散歩道には…
「き~~ん!」と鳴き声を発する「プレイリードッグ」という、少し大型のリス
みたいで、地中に迷路のような巣穴を堀り、入口で周囲を見渡しながら2本足
で立っているひょうきんな彼らは和名で「泣きうさぎ」というのだそうだ。

キャンモアから30分ほどのドライブで行ける沼地には「ムース」がいる。
大きさと色つやが栗毛色の馬のようで…私は子供のころ読んだ本をまだ覚え
ていて、ムースはサンタクロースを運ぶトナカイのルドルフのイメージだった。

実際はそのひょうきんそうな顔に似合わず凶暴なのだそうで、決して近づいて
はいけない、特に親子連れには…。

6月後半から7月いっぱいで、ほぼロッキーの夏は終わってしまう。
短い夏を、こちらの人々は目いっぱい楽しみ、少しでも体に紫外線を当てよう
と、タンクトップや半そで短パンで、その辺の芝生に転がっている。

来週の予報では、まだ気温は低いようですが…早くもっと暑いくらいの日々に
にならないかと、真夏日の日本とは全く違う悩みです…。

来月の今頃は、もう夏の花が咲き誇り、短い夏も半分以上終わります…。
8月初めには、去年夫のkがで行けなかったモンタナへまたはっくりベリーを
摘みに行く予定!

皆様はどんな夏をお過ごしなのでしょう…。
この次お会いするときには真夏が来ていることを祈りつつ…。

Junko@カナディアンロッキー



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