カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

COVID-19 カナダ事情

2020-04-19 15:37:58 | 出たっきり邦人・メールマガジン

  No.116

4月に入り、三寒四温の日々の中、カナダは緊急事態宣言発令中なので
20時間は自宅で隔離生活を続けています。
相変わらず日本のニュースだけでなく世界中のニュースを観ながら各国
の対応の違いを感じていますが、カナダ特に私のいる地域は緊急事態
宣言後は徹底した外出制限と外部(エドモントンやカルガリーなど州内
の都会からのビジターに対して)からバンフへ進入する不要不急以外の
車両はハイウェイのチェックポイントでUターンさせられています。
バンフの住民は食料品の買い物、ドクターアポ等で隣町キャンモアや
カルガリーへ出かけることは制限されていません。

家族、夫婦で健康保持のためウォーキング(散歩)や食料調達に出ること
は許されていますが、友人と一緒に歩いたり、車に家族以外の同乗も許
されず、違反すると1000〜1200ドルの罰金対象となり、実際罰金を科せ
られた人達もいます。

日本でも感染者が増加傾向にある都道府県に緊急事態宣言が出され
やっと人々が自由に出歩けない状況になったことで、クラスターを防ぐこと
に繋がると胸をなでおろしました。人口から見ても、日本は対処が遅いし
人々の危機管理意識がかなり低いと感じて心配していたのです。人口た
った12000人のキャンモア、8000人のバンフですら、ひと月前から緊急
事態宣言を受けて住民は徹底した隔離生活を実行しているのですから…。

当地の感染者はヨーロッパ旅行からの帰国者で、バンフでは3名、キャン
モアは11名でしたが、幸い死者は出ておらず、2/3は完治して退院したと
聞いています。アルバータ州に関しては感染者259、新感染者33、入院中
18、死亡1名というのが1週間前までの現状で、今のところクラスターが
起きていないのが救いです。

前回、当地ではマスクをしている人は少ない、とお伝えしましたが、最近は
手作りマスクを使用する人たちが増えています。特に、週イチ食料品の買い
出しに行くとマーケット内では半分くらいの人たちが口元を覆う何かを着け
ています。

首相のトルドー氏は医療従事者がマスクを優先して使えるように一般人は
は使い捨てマスクの使用を控えるようにというスピーチを行いました。
そこで、品薄で買えないのなら作りましょう、ということで、今や手作り
マスクが大流行の兆しを見せています。友人達もどんどん自作のマスクを
Facebookでアップしています。我が家は、実はマカオ在住の息子が現地で
買えるようになってきたということで70枚をDHLという流通システムを
通じて送ってくれました。遠いマカオからカナダまで一週間で届き、流通
は思ったより滞っていないとわかりました。

残念なのは、6月上旬にロッキーへやって来るはずの2組の友人たちは
キャンセルとなりました。8月に延期するという話も出ていましたが、今の
段階では誰も『8月なら大丈夫になっている!』とはいえず… 
Stay home, stay safe を守って過ごして行くしかない状況です。6月下旬
に予定されていた茶道の米国2支部の50周年祝賀行事も無期延期、来年
3月には10周年を迎えるNY支部の祝賀行事までも延期という通知が届き
何だかちょっと気持ちが沈んでしまいましたが、まずは世界中がコロナ感染
の恐怖から解き放たれないことには何もできない!と、今の日々の中で出来
ることを見つけて過ごして行こうと気を取り直しました。

冒頭で20時間くらいは家に居ると書きましたが、ほぼ一日のスケジュール
は決まっています。夫も私も朝ご飯を食べたら、まず1時間半~2時間ほど
トレイルを通ってウォーキングします。7kmくらいでしょうか。
いくつかコースがあって、日によって変えながら大体12000歩〜14000歩。
The Three Sisters 山の麓にあるある我が家からダウンタウンまでトレイ
ルを歩いて下り、帰路は無料巡回バスを利用します。普段もそれほど利用
者が多いわけではない路線なので、普段は中型バスなのですが、今は
Social Distancingと言って人との間隔を1.5-2mあける必要があるため
大型バスで運行されています。いつもは前乗りですがドライバーを守る
ため前ドアは封鎖され、後ろドアから乗降、運賃無料化でになっている
ことでうまく稼働しています。

日中は溜まっている未整理の画像をパソコンでファイル分けしたり、料理
のレシピの整理をしたり、パントリーの整理をすると、奥の方から古〜い
食材が出てきて処分したり…一日一か所集中して整理整頓して行っている
と、思ったよりあっという間に一日が終わります。

3度の食事作りはメニューがマンネリ化しがちなのでTVで料理番組を観
たり、ウェブマガジンで色んなクックブックをチェック、新しいメニューを
試したりしています。薄茶と手作り和菓子でおやつタイムも楽しんで
います。最近少しイチゴが美味しくなってきたので電子レンジで出来る
「イチゴ大福」を作りました。上新粉のストックがなくなったので、今度
はもち粉と乾燥よもぎで「よもぎ餅」…と思っています。おやつを食べる
ためにはそれなりのカロリー消費が必要なので、日々10kウォーキング
は欠かせません。

夫が週一回、自分で飲む豆乳を1Lほど作るのですが、後で必ず「おから
ドーナツ」をリクエストされます。パンケーキミックスを使うと同量のおから
卵と豆乳を少し加えて混ぜるだけで、かなり美味しいドーナツが出来上が
ります。夫曰く、おからドーナツは食べても血糖値が上がらないとか。
「おからクッキー」も試してみましたが、ドーナツが一番おいしい気がします。



夕食後も、雪の日以外は40分ほどお腹ごなしのウォーキングをしています。
午前中と合わせると大体18000歩くらいになります。プールもジムもクロー
ズしている今は、歩く事が一番身近な有酸素運動です。今のままだとゴルフ
コースもオープンしそうもありませんから、日課として続けていかなければと
思っています。

幸い、我が家周辺のトレイルは静かな林間や、山々が望めるメドウが広がる
景色の中なので飽きることがなく、最近はリスや野ウサギなど小動物、エルク
のような大きな鹿も活発に動き始め、渡り鳥もやって来て可愛い声でさえずり
始めました。怖いのはクマとの遭遇。幸い今まで出くわしたことありませんが
そろそろベアスプレーを持ち歩かなくてはいけない季節です。

普段は当たり前になっている大自然に囲まれたロッキーの田舎暮らしが、今の
ような状況になると、心を落ち着かせ、人との距離を保つのにも苦労すること
のない環境であることに感謝です。

バンフではCOVID-19のために6000人もの失業者が出ました。バンフの人口
は8000人で、その中には退職した人々や子供達もいるので、ほぼ大人は
みんな職を失ったと言っても過言ではありません。観光客のいないバンフは
ゴーストタウンのようになっています。

カナダ政府は失業者に月2000ドルを3ヶ月間支給すると発表し、インターネット
で申し込むと3〜4日以内に銀行口座へ入金されています。個人事業主も対象で
夫は自分の写真を販売するビジネスをやっていますが、マーケットが開かない
と収入がないということで、チャレンジしてみたらすんなり承認され、3日後には
口座に入金がありました。隔離生活が3ケ月以上続き、まだ働けないとなれば
2000ドルはもう3か月支給される見込みだそうですが、一日も早くして、制限の
ない自由な中でロッキーの夏を楽しむことができるようになってほしいと、毎日
祈っています。



では、また来月!
お元気でお過ごしください。