No.215
こんにちわ、2022年が始まりましたね。
本年も引き続きカナディアンロッキーから現地情報や日常を綴って行きます
ので、皆さまどうぞよろしく、お付き合いください!
日本は昨年11月ごろから感染者数が減少したので、年末年始は帰省して御家族
一緒に過ごされた方も多かったのではないでしょうか。
私はクリスマスイブの夜、無事ロッキーのわが家に帰り着きました。いきなり
マイナス20℃の世界でしたが、ゆっくり日本から持ち帰ったものを荷解きして
ホームベーカリーでお餅を作り、夫と二人で静かな年末を過ごし、コロナ禍の
前の日常が戻ってくれることを願いながら、新しい年を迎えました。
12月24日日本出国から同日カナダ入国の経緯をご紹介しておきたいと思います。
当日までに用意するものは最初に乗るフライト出発時刻の72時間以内に受けた
PCRテストの陰性証明(英語表記付きで15000円でした)とコロナワクチン2回
接種済みの証明書、ArriveCanというカナダ入国の際に必要なアプリへ登録済み
であること、伊丹空港でチェックインの際、バンクーバー入国時にランダムで行
われているPCR検査を受けることになった時必要なサイトに登録しておくことが
入国時の準備として追加されていました。
帰国日、予約しておいた空港シャトルタクシーで京都の滞在先から伊丹空港へ。
ドアツードアのこのサービス、一人利用だとたまに2、3人同乗することもあり
ますが料金もひとり3000円と手頃で、大きな荷物も1個目は無料、2つ目から
500円で乗せてくれるので大変人気があり、いつも早めに予約します。
伊丹ー羽田のフライトはほぼ満席!羽田ーバンクーバーのフライトまで2時間近く
待ち時間があったので、出国手続後ちょっと免税店をぶらぶら…なんて思ってい
ましたが、開いているお店がほとんどなくガッカリ、仕方がないのでカナダの
クレジットカードを示せば無料で利用できるANAラウンジへ。夜7寺半を回って
いたしガラガラのラウンジを想像していましたが、深夜フライトが多いのか?空い
ている席を探すのにキョロキョロするくらい大勢の利用者がいました。
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日本の航空会社のラウンジはスナックやライトミールが充実、美味しい日本酒や
ビールもあって空腹だったので搭乗前に結構あれこれ摘んでしまいました。
シャワールームも使えるので、深夜便の人は利用すればぐっすり眠れるかも。
バンクーバー行きのフライトは定刻に飛び立ちました。乗客は多分定員の半分以上
いたと思います。日本行きも同じ787型で290人定員で30名ほどだったのに
比べ、バンクーバー行きは系列航空機でアジアからきて羽田で乗り継ぎした人達
が多かったようで、日本人らしき乗客は私達を含め数人だけの感じでした。
2時間ほどして水平飛行に入って食事やお酒などいつもと同じようにサービス
され、その後は夫が近くの3席とも空席のところへ異動してくれたので、席に脚を
伸ばした状態で日本映画を観ながら、気づけば4−5時間ウトウトしたようで…
漂うコーヒーの香りと朝食のサンドイッチボックスが配られる気配で起きました。
余談ですが、新しい機材はエコノミークラスでもトイレは洗浄機能付きです!
定刻より20分ほど早くバンクーバー到着。前方の席から順に降機するよう指示
があり、それまでは頭上の荷物も下ろさずじっと席に座って待機。20分ほどで
降機したらいつも通り長い通路を通って入国審査場へ。税関申告は審査場設置の
システムでPRカードを読み取らせ、持ち込む物品など項目にチェックを入れて
プリントアウトされた用紙を貰って審査官のいるブースへ。日本に行っていた
目的と食品を持ち込んでいるにYesとチェックしたので何を持ち込んだか聞かれ
『Dried fish(dashi),No animal meat』と言ったらすんなり通してくれました。
それからターンテーブルでラゲージをピックアップして、いつもなら国内線乗り
継ぎのサインに従って進みますが、今回は全員一緒の方向へ進みました。
先で係官がAかBにライン分けしていて、我々はAへ進むように指示されました。
AはPCRテストを受けなければいけないラインでした。Bに振り分けられる人は
航空会社の乗務員やパイロット、他はチラホラ乗客もいた様でしたが、90%は
検査の方へ並ばされました。かなり長い列が出来ていて検査終了まで1時間以上
要しました。
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伊丹空港で登録しておくように勧められたサイトはここで必要になって来ました。
登録しておくと係の人がPCで検索して情報はすぐプリントアウトされ、用紙を
持って検査を受け、結果を待ってから国内線に乗り継ぎだと完璧に予定の乗り継ぎ
フライトには乗れないな…と諦めかけていたときでした、検査を終えたらチェック
インラゲージは国内線カウンターで再度預け直して搭乗ゲートへ進むようにとアナ
ウンスされていました。
「え〜、検査結果を待たずに国内線へ移動していいの??」と疑問に思いつつも
仰せの通り、国内線のゲートへ。幸運なことにカルガリー行きのフライトが1時間
半遅れていたお陰で、持っていた乗り継ぎチケットはそのまま使えて搭乗すること
ができたのでした。
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空港からキャンモアはシャトルバスを予約していましたがこちらはチケットを購入
したバンフの旅行代理店の方がバンクーバーで遅延の情報をキャッチしてくれていて
2時間後の便に変更済み。50分ほど待ち時間があったので空港内のマリオット
ホテルのダイニングでピザとサラダとワインでクイック・イヴ・ディナーにしました。
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検査結果は翌日の朝10寺ごろメールで「Negative」と届いていました。検査後
結果が届くまでは周囲の人との接触を避けるようにと書いたプリントを貰いました
が、これってちょっとどうなの?!日本のようにその場で結果を貰ってから移動し
ないと感染予防として意味ないんじゃないの?と素朴な疑問が残りました。
今またオミクロン株の感染者が激増していますが、重症化しにくいと言われて
いることもあり、人々の危機感が以前とすこし違う気がしています。保健局の
対応も然りで、PCRテストで陽性が出ても自宅待機で、濃厚接触者には自分で
知らせてその人達にも自宅待機をしてもらう、というユルイ対応になっています。
店舗など屋内ではマスク必須ですが、屋外で着けている人はまばらです。
職場や飲食店で感染者が出ると人出が足りなくなって休業するところが目立ち
はじめました。どれくらいで落ち着いて来るのか分かりませんが、こちらでは
すでに3回目のワクチン接種(ブースターショットと言っています)を終えている
人も多く、感染者の大半は若い世代ということで、我々シニアはリスクの高い蜜
になる場所への出入りを避けながら過ごすように心掛けています。
夫と私もブースターショットを1週間前に終え、副反応で2日ほど倦怠感がありまし
たがもうスッキリ!2週間で効果が出るということで、その後友人たちと食事会を
しようと思っています。
昨秋の日本帰国は66日間といつもよりかなり長い滞在でしたし、緊急事態(お互い
の病気や怪我)以外での夫と一緒の帰国は久しぶりだったので、後半にJRパスを
使って京都から出発して南は小倉〜北は函館まで6泊7日の列車旅をしました。
実家(岡山)のお墓参りも含めて全て予定通りの旅程で動けました。列車はどれも
ほぼ2/3程の乗車率で、函館北斗駅では観光バスに乗り換える修学旅行の高校生達
も見かけました。
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函館では海鮮と温泉をたっぷり楽しみ、例年なら赤煉瓦の倉庫街でカナダのハリ
ファックスから届けられるモミの木を電飾で飾ったクリスマスツリーが見られる
のですが、今年は運ぶことが出来なかったそうで北海道産のトド松と説明されて
いました。でも、大きなツリーはNYのロックフェラーで見たツリーより立派で
キレイにカラフルな電飾で彩られ、時間が来ると音楽と共に色が変わりはじめ
最後は真っ赤になる様子を白い息を吐きながら眺めて感動していました。
ホテルに帰って、最上階にある露天風呂付きの温泉に浸かりながら眺める函館市内
の夜景もまた格別でした。有名な湯の川温泉は日帰り入浴で体験。海辺にできた新
しいホテルを選び、ここも最上階が温泉で眺望が素晴らしく、遠くにぼんやりと見
える陸地は青森ということでした。
今回の日本滞在ではもう一ヶ所温泉に行きました。夫の友人家族が招いてくれた
関西の奥座敷「有馬温泉」では源泉があるレトロな雰囲気の旅館に泊まりました。
御家族は4年前に揃ってロッキーを訪ねてくれていて、また落ち着いたら行きたい!
と、1週間のロッキー滞在が相当気に入られたようでした。それもそのはず、釣り
に乗馬、急流降りにゴルフ、モレーンレイクの朝焼け、としっかり体験して頂いた
のですから。なにより澄んだ美味しい空気と空が印象的だったと話されていました。
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カナディアンロッキーの魅力は、やはり大自然に抱かれて暮らすことに尽きます。
日本のように美味しい食べ物がすぐ手に入るわけでもない、すぐ身近に芸術や文化
が溢れているわけでもない、冬は厳寒の地…人生の半分以上を日本で過ごしてきた
私はカナダにいると時々無性に日本が恋しくなりますが、日本に長くいると段々と
カナダのスローな生活が懐かしくなり、戻りたくなってくるのですから不思議です。
まだしばらくは、日本とカナダのイイトコドリをしながらの暮らしを続けて行こう
と夫とも話しました。カナダと日本の往復は時差が15〜16時間、それが体力的に
キツいと感じる様になるまで、もちろん健康でいられればの話ですが。
リタイアメントしてからロッキーへ移住してきたカップルは以前は2組いらっしゃい
ましたが、どちらももうカナダから引き揚げて日本へ戻られ、今は私達だけです。
近隣にいる同年代のカップルは全て18〜20代に移住して来て仕事をしながら子育て
をし、いまは定年を迎え、のんびり暮らしている方々です。
お子様方もそれぞれ独立されたり結婚されて新しい家族とカナダで暮らしているので
皆さんこの地で人生を終えようとプランされているようです。
私達は車が運転できなくなったり、体力の衰えが見え始めたらどうするか、二人が
ひとりになった時はどうするか、今回の帰国中に色んな話をしましたが、もう暫く
ロッキーの魔力に逆らわずここでの暮らしを楽しもうという結論に達しました。
でも、私は年に一回は日本に帰ってあれこれ充電?したいと思っていることを夫に
伝えておきました。ロッキーで充電、日本では放電?なのかも知れませんけれど(笑)
移住して来た2006年辺りまでは永住権取得はそれほど大変ではなかったのですが
現在の永住権取得条件をみると非常に厳しくなっています。何もかもタイミングが
良かったと今になって思います。でも永住権がなくてもカナダで暮らすことは可能
です。特に日本の酷暑から逃げ出したければ6ヶ月以内であればヴィザ無しで滞在
できるからです。
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住居もいまは長期滞在型の賃貸マンション(バケーションコンドウと言っています)
が増えて、滞在日数に合わせて借りることのできる物件も多くなりました。
実際は渡航費用+滞在費、病気やケガに備えて保険をかけたりの費用も必要になり
ますが…日本から凌ぎやすい夏を求めてロッキーにやってくるシニアカップルが増え
ると新しいコミュニティができて嬉しいのになぁと思う今日この頃です。
終わりになりましたが、今年の抱負は「茶の湯でつながる」をテーマに活動してみよ
うと思っています。日本のスタイルに固執せず、もっとグローバルな視野で「茶の湯」
を楽しむためにどうして行ったら良いか、を考えながらやってみようと思います。
コロナ禍の中で茶の湯の世界は大きく変わらざるを得ない事態となっています。一碗
の濃茶を数人で回し飲みすることは出来なくなり、その中で「一座建立」は生まれる
のか、「一期一会」はいつも心に留めていることなのですが。課題が大き過ぎて戸惑
いながらも、難しく考えないで今年はコレで!と自分に言い聞かせています。
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ではまた来月、どうぞお元気でお過ごしください。