カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

2023 日本滞在記No.2

2023-12-08 12:46:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン
No.234

みなさま、こんにちは。

この記事は12月8日配信ですが、ちょうどカナダ帰国と重なるので11月26日まで
の様子を投稿することにしました。

京都、やっと朝晩例年通り冷え込んできたので紅葉が一気に進んでいます。
実は私、今とある病院の整形外科病棟に入院中です。
今回はここに至る経緯やカナダと日本の医療システムの違いなどお伝えしたいと思
います。

今春くらいから右の股関節に軽い痛みを感じるようになっていたのにも関わらず
今夏は普段通りゴルフも楽しみましたが、自分の判断でハーフラウンドは「歩き」
18ホールの場合は「パワーカートを使う」と決めていました。

自覚症状としては右側だけですが、自分で靴下が履けなくなった、足の爪が切れなく
なった、しゃがみ込む動作が出来なくなった、長く歩いていると股関節に鈍い痛みを
感じる、などなど、じわじわでてきて…
両側に人工股関節置換手術を受けた茶友がいて、彼女に何度か電話して色々教えて
もらい、股関節専門の先生を紹介していただけるように手配もしてもらっていました。

カナダの医療については以前も触れさせていただきましたが、最近の日本と一緒で
専門医の受診は家庭医からの紹介書と予約が必要です。急を要さない状態であれば
MRI、CTスキャンなど、高度な医療機器を使った診断の予約待ちが半端なく長い
のが問題です。その点、日本は家庭医からの紹介も精密医療機器での診断もかなり
スピーディーにことが運び、カナダのように半年とか一年先などと、予約したことも
忘れてしまうくらい待たされることなどあり得ません。ただし生死に関わる場合は
ヘリで設備の整った病院へ搬送してくれるのも無料ということもありですから一概に
システムの優劣はつけ難いところがあります。

この程度の痛みなら手術はまだ数年先、とか言われるのかも、と思いながら股関節の
専門医を受診したのが10月31日。ですがMRI画像を見た医師はその場で「右股関節
いつ人工関節に変えてもいい状態になってますね」とサラリと言ってのけました。
あとは私の返答次第。来年に先延ばしもできますが痛みは増すばかりで良くなること
は決してないと聞き、覚悟を決め「滞在期間中に手術とリハビリができるのであれば
宜しくお願い致します」という事になりました。

11、12月の先生のスケジュールは午後ほとんど毎日オペで空白がないような状況で
した。それでも私の帰国日を考慮してオペは20日、入院は19日ということに決まり
ました。

そこから、毎年帰国の度に購入している1週間乗り放題できるJR Passを早く使って
しまおう!と翌日から無計画に出かける事になり、1日目は名古屋の徳川美術館へ。
2日目は金沢に出かけお気に入りのお店で「お寿司」を食べた後、私は県立美術館へ
夫は撮影に。3、4日目、私はちょっと体調が悪くなり、風邪でも引いたらた手術
出来なくなるのでゲストハウスで休憩。元気な夫はカメラを持って早朝から四国
方面へ日帰りで2日間お出掛け。

5日目、元気を取り戻した私の希望で「長崎」まで1泊2日で遠出しました。
中学の修学旅行で一度訪れていた長崎ですが、ほとんど記憶になくて、特に行って
見たい!という目的もありませんでしたが一つだけ「美味しいカステラが食べたい!」
がありました。

九州新幹線「さくら」と長崎新幹線「つばめ」を乗り継いで4時間足らずで到着しま
した。まだ路面電車が活躍していて駅からホテルまで利用しました。長崎の印象は
海と山が迫り神戸を小さくしたような感じの街でした。
いつもならガイドブックで先に学習して出かけますが、今回のように調べもしないで
急に出かけると、ホテルに着いてから駅の観光案内所で貰った地図や案内パンフレッ
トなど広げてみた次第です。

幸い、お部屋が19階で眺望もよく大変居心地が良かったし、夫はすでに4日間出ずっ
ぱりで疲れていたのでしょう、気持ちよくお昼寝してしまって…起き出したのがもう
薄暗くなる頃でした。さあどこで食事をしようか、慌ててネットで見つけたのが江戸
街にある中華料理店でした。歩いて5分内だったので即決定!小さなお店でしたが
10分ほど待って直ぐに座れ食べログで高評価の料理を3つ注文。3種盛りの前菜は
ボリュームがあり評判どおり美味しくて大満足でした!


ホテルへ帰る途中、ど~ん、ど~ん、という音に驚いて空を見上げると綺麗な花火が
上がっているではありませんか!後で分かったのですが11/4、5と「Lovefes2023」
 秋の夜空の大花火大会が開催されていたのです。約30分、何発もの大型花火が連続
で打ち上げられ、長らく日本の華麗な大玉花火を観る機会がなかった夫と私は最後ま
で出島に近い川べりから見惚れていました。


花火を見た感動と余韻の中、ホテルに戻り、最上階22階の大浴場へ。これがこのホテル
を選んだ決め手だったので、夫婦(男女別ですが)でまったりと広々とした湯船に浸かり
露天風呂から長崎の夜景を眺め「あ~、これだけでも日本の旅気分を味わえるわぁ~」
と大満足でした。無論朝風呂も楽しみ食事つきプランだったので21階のこれまた眺望
の良いレストランでバフェスタイルの朝食をゆっくりといただき、またほっこり。

お部屋プランがシニア特典「朝食&レイトチェックアウト付き」だったので慌てること
もなく目的の長崎にしか店舗がない老舗のカステラ店へ出掛けました。歩いて15分位で
開店時間の10分前に到着したのですが、なんと早10人くらい並んでいるではありま
せんか!でも開店後は順調に進み、すぐに順番がきて、冷凍もできるので4箱ほど購入
することができました。


カステラを買ってホテルに戻る途中から雨が降り出し、あっという間に本降りになった
ので長崎市内観光は次の機会にしましょうとあっさり諦めて12時にチェックアウトして
そのまま路面電車で長崎駅へ。また「つばめ」と「リレーつばめ」「さくら」と乗り継
いで京都に戻りました。
そしてJR Pass7日目。また夫と別行動、彼は姫路へお城の撮影に、私は旧友と会うため
上京。行きは雲に隠れて見えなかった富士山、帰りはクッキリ姿を現してくれましたが
久々頂上付近に雪がありませんでした!

話は股関節の手術に戻ります。手術前日の午後入院、夜の食事は提供され、その後9時
から翌朝10時までは水分OK、その後はお水も飲めず…。翌日午後2時半に手術開始。
手術室までは看護師さんと歩いて行き、手術台にも自分で上がって横たわりました。
左手に点滴右手は血圧計、おでこには麻酔の効き具合が数値で表示される器具が貼り付
けられ、酸素マスクを付け終わったらす~と記憶がなくなり…

NZの茶友から届いたお花💕

名前を呼ばれて一旦覚醒し、私の顔を覗き込みながら執刀医の「無事終わりましたよ!」
という声を聞き「ありがとうございました」といった記憶はありますが、次に気づいたら
もう病室に戻っていました。それから翌日までの長い一夜は結構点滴や導尿といった管を
つけられ不快そのもので眠りも浅めでしたが、翌日午前中には導尿がはずれそこからもう
車椅子でトイレに行けるようになりました。


3日目から点滴のチューブが外れ、車椅子で自由に動けるようになり、4日目の午後から
は歩行器を使っての移動も許可され、今は6日目ですがすでに片杖を使って歩いています。
右脚は左に比べるとまだずいぶん腫れていますが左右の脚に均等に100%体重をかけて良い
のでかなりのスピードで回復できている実感があります。この調子なら通常2~3週間入院
のところもっと早く退院も可能かと密かに期待しているところです。

カナダの場合、人工股関節置換手術は一泊入院です。家で寝ていても病院で寝ていても回復
速度は殆ど変わらない?!いえいえ、術後の経過を体験すると丸2.5日の抗生物質や痛み止
めの投与がなければ相当苦しいのではと実感します。
在宅でもリハビリはフィジオセラピストが毎日訪問という形で可能ですが、周囲に家族が
いてくれるのも心強いけれど、術後の経過に関する専門の知識がないので、やはり患者自身
は不安なのではないかと思います。

そして大きな違い。日本では執刀医はたいてい外来で術前も患者と何度も接しているので
徐々に信頼関係が生まれ、術後も毎日病室を訪れ経過を見て縫合部位の消毒などしていただ
ける、なんて手厚いんだろう!と、感激です。日本の先生方は非常に忙しい、いえ、忙し過
ぎる、と感じながら、心から感謝しています。


次回の配信日は御影ですが、2024年1月の予定です。
みなさま、どうぞ良き新年をお迎えください。


今は日本(京都)のCanadian Rocky@Junkoでした。


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