カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

ロッキーは秋本番

2017-09-15 23:44:36 | 出たっきり邦人・メールマガジン



      
              No.87

       

こんにちは!
ナナカマドの実が赤く色づいて、黄葉も始まっています。
例年なら、8月下旬からぐっと冷え込んでくるはずが、今年は雨が少なく、7月中旬から
BC州で断続的に山火事が発生し、風向きによりロッキーにも煙が来て、周囲の景色
が見えないくらいの日もあり、ガッカリして帰る観光客も多かったようです。

今夏はハックルバリーもそうでしたが、ベリー類はみな大豊作らしく、黒熊やグリズリーが
住宅周辺までベリーを食べに来て、遭遇すると危険だからと、閉鎖されるトレイルが相次
いでいます。しっかりベリーを食べたクマたちは、冬眠中に出産、来春にはたくさん可愛い
小熊を連れて歩く姿が見られる可能性大です。
ベリーが実らなかった年は自分の体を保つだけでエネルギーがいるため、出生率はうんと
低くなるそうです…。

今夏、歩くゴルフ、週3ペースで頑張りました。
まだシーズンは終わっていませんし、今年は朝の冷え込みで芝がフロストすることもまだなく
ゴルファーたちにはよい年となりました。雨が少ないため、ところどころ散水の行き届かない
場所は芝が枯れるといったマイナス点もありますが、このまま暖かければ、いつもより2週間
くらい長く、10月上旬までプレーできそうな気配で喜んでいます。
プレーフィーは年会費として支払い、後は何回でも好きなだけウェブサイトからエントリーでき
ますが、実際にコンディションよくプレーできるのは5月上旬から9月下旬までの5か月間だけ。
ゴルフシーズンはとても短いロッキーですが、その分真夏でも汗だくにならず快適にプレーでき
るのですから、贅沢は言えませんね。

今から楽しみにしていることは…
10月は京都在住のオペラ好きな友人グループがニューヨークにやってくるので、私も合流し
1週間彼らと行動を共にすることになっています。
ここ数年、イタリアでオペラを楽しんでいた方々なのですが、今年はニューヨークのメトロポリタン
オペラを鑑賞しよう、ということになり、NY滞在中の案内役をしてほしいとご相談がありました。

はじめは4人くらいで…と言っていたのに、どんどん増えて7名になり、私も含めて8人!
皆さま「京都ベルディ会」に属されていて、クラシック音楽通の方々…いつも集まるワインバー
があり、オーナーはベルディ─会の主催者、奥様は30年来の茶友ということで、私も京都
滞在中はちょくちょく訪ね、そこに集まっているメンバーの方々ともすっかり顔なじみです。
そんなわけで、とっても楽しい1っ週間になりそうです。

このツアーのオーガナイザーである茶友の旦那様O氏とは密に連絡を取り合い、航空券や
ホテル手配は旅行代理店に任せ、オペラのチケットはO氏自らMETのウェブサイトで購入
ランチやディナーの場所選びと予約は私の役目となり、リサーチをしてやっと絞り込んで予約
するところまで漕ぎつけました。

METオペラといえば、15年ほど前に「アイーダ」を鑑賞して以来です。今回は「トゥランドット」と
「魔笛」を楽しみます。オペラが終わった後、リンカーンセンター付近のバーで、余韻を楽しんで
ホテルへ…というオーガナイザーのご希望があり、ホテルの最上階にあるラウンジを予約しました。
8名だと、予約は必須ですから…
日中はミュージアム巡りがご希望のようで、ここは私の出番!と、ご案内役としてチョッピリ
お役に立てそうです。

到着日と次の日は、今回が初NYの方々なのでガイド付きのVanをチャーターして、ニューヨーク
観光をすることになっています。
私の初ニューヨークは1989年…アメリカ人弁護士と結婚した友人の家に滞在させてもらい
郊外から電車に乗ってマンハッタンへ通いました。彼らが日本へ転居した後も、美術館通いが
趣味になり…毎年1回、時には2回ペースで出かけています。何度NYに行ったか、もう数える
のはやめましたが、実は観光バスには一度も乗ったことがなく、今回初めてガイド付きの観光が
できるのが、とても新鮮で楽しみです!

今まで、NYCに行って何をしていたのかって? 答えは…ほとんどが美術館だけ、です。
20年余通っても、METでは総ての所蔵品を観ることはできません、あと20年通ったとしても…。
絵画鑑賞が好きになった理由は…祖父や父が良く美術展に連れて行ってくれたことからだと
思います。

私の祖父は教育者でしたが、「幽谷」という雅号を持つアマチュア日本画家でもあり、家の
あちこち(応接間の戸袋棚や、玄関の衝立、襖、茶室の風炉先屏風など)祖父の描いた
絵があって、それが本当に上品で、酒井抱一並みの琳派を思わせる写実的なものだったことを
しっかり覚えています。

父も画家になりたかったようですが、祖父の言いつけで医学の道に進みました。でもやはり
絵が好きだったみたいで…ある時、私の描きかけの下手な水彩画に手を加えて、見違える
ような作品にしてしまい、夏休みの宿題として提出できなくなって、父が母に叱られていた
ことを小学生でしたが、今でもよく覚えています。

私は自分で描くよりも鑑賞する方が好きで、中学生になったころから、実家から近かった
倉敷の大原美術館へは毎週末といってよいほど通って「エルグレコ」や印象派の絵を飽きず
に観ていました。民芸館では、近代陶芸作家の作品にも触れることができました。
茶道と焼き物は縁が深く、日本に帰ると、茶道に関する美術館や資料館を訪ねるのも
楽しみの一つになっています。歴史の浅い国で暮らすと、日本文化の素晴らしさ、奥深さ
が良く見えてきて、そういう国で生まれ育ったたことに感謝したくなります。

さて、補足でちょっとお話しすると…
私がNYで美術館(MET)通いしたわけは…メトロポリタン美術館の中のThe Starr財団
のアトリエで修復の仕事をしていた知人がいたからです。
京都で20年修復修技術の修行をされ、師匠から勧められMETに入られたそうで、‘91年に
親しい大学教授から紹介されて以来、NYに行くたびにアトリエを訪ねました。

その方のお陰で、一般では見ることのできない修復中の文化財の書画を見せて戴いたり
大きな展観の前夜に行われるフォーマルなオープニングセレモニーなどにも同席させていただき
パトロンと言って、多額な寄付をした人たちだけが入室を許されるラウンジに連れて行ってもら
ったりと、彼が退職するまでは、館内いたるところで特別な扱いが受けられていました。
今は一般の年間メンバーとして、ダイニングやミュージアムショップのディスカウント等の特典は
受けられますが、あの栄華な日々は私の宝物のような思い出です。

10月半ば、NYCはそろそろ黄葉が始まりかけている頃ですが、ロッキーの紅葉はとっくに終わり
初雪が降っていることでしょう。今まさに黄葉が始まり、ゴールデンカラーの世界に入ってきました。

BC州の山火事も、やっと鎮火したのか、ここのところロッキーらしい澄み切った青空が見られ
るようになりました。気温も下がり始め、天気予報では週末は雪マーク!初冠雪も間近です。

日本のニュースでは地震多発、南米やテキサス州では大洪水…自然災害が多発し、被害
も甚大なものていますが、一日も早い復興を、祈ってやみません…。

では、また来月お目に掛かりましょう、。お元気でお過ごしください。


Junko


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