カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

山火事と煙害

2018-08-18 22:35:54 | 出たっきり邦人・メールマガジン
No.98

       
カナディアンロッキーから、こんにちわ!

こちらは、夏の終わりを告げる花「ファイヤーウィード」(ヤナギラン)がそろ
そろ咲き終わる時期を迎え、日に日に秋の気配を感じるころとなりました。

ここ2-3年ですが、7月中旬~8月下旬にかけて、カナダ・BC州やアメリカ
モンタナ州で起きる自然発生の山火事の煙が、風に乗ってアルバータ州全体
を覆う「煙害」が発生しています。

ひどい日には、朝起きると周囲の景色は煙の影響で白っぽく霞んで、何にも
見えない状況です。風が強い日など窓を開けていると、何となく焦げ臭い
においがして、窓際のテーブルやソファには「灰」が降って、白っぽくなって
しまう程です。
せっかく晴れの日でも太陽は煙の中ではずっとオレンジ色というのは、かなり
奇妙です。こんな状況下、日本ならみんな防塵マスクを付けるのではないか
しら…と思いますが、カナディアンたちは全く気にする様子もなく、平然と過
ごしています。(そう見えるだけかも知れませんが…)

私の暮らすキャンモアの町から車で15分ほど離れている国立公園の中に
あるバンフは、いつもの夏と変わらず、世界中から旅行者が集まり、メイン
ストリートのバンフアベニューは夜遅くまで人で溢れているし、誰ひとり
マスクなど付けていません。それどころか、オレンジ色の太陽の下でも
レストランやカフェでは屋外デッキで食事したりお酒を飲んだり…

そんな最中、お盆休みを利用して、夫の幼馴染がカップルでゴルフを楽しみ
にやって来ました。
キャンモアには3つ、バンフには一つ、ゴルフクラブがあるのですが、今回
は2013年6月22日未明~23日にかけて発生した雪解け水と
集中豪雨がもたらした大洪水で、施設のほとんど水没して使えなくなり、その
後4年間再建のためクローズしていた、名門「カナナスキス・カントリー
クラブ」が、やっと今夏、再オープンしたと聞き、友人夫妻を案内しがてら
一緒にプレーしてきました。

カナナスキスは、ドライブでカルガリーから1時間、キャンモアからは30分
の距離。1988年冬季オリンピックのアルペン競技の会場となったスキー
リゾート、2002年6月開催「サミット」の会場となったホテルが、ゴルフ
コースと隣接しているので、こちらも避暑やスキーを楽しみに世界中から人が
集まって来ます。

7:57Tee Timeだったので、10℃のヒンヤリとした空気の中でスタート。
6番ホールくらいから徐々に気温が上がってきて、この日は前夜ちょっと雨が
降った影響で、煙もおさまったのか、ゴルフコースを囲む3000m級の山々
がかなりくっきりと見え始めたのですが…結局18ホール終了の頃には、うっ
すらと白いベール越しに景色を見ている状況に逆戻りしていました。

カナナスキスの翌日は、私がメンバーになっている「キャンモアゴルフクラブ」
でプレイ。ゴルフバディも参加してくれて、4人で楽しく回りました。
コースから臨む周囲の山々の景色が素晴らしいコースなのですが、今回ばかり
は霞んで全く見えませんでした。かろうじて、各ホール、ボールの行方は見極
められたので、何とか無事に18ホール回り終えましたが、途中でキャンディー
など口にしないと喉の調子が悪くになりそうでした。

翌々日、この辺では一番アップダウンの多いコースで難関と言われているゴル
フクラブに出かけました。火事の煙害のせいかで、キャンセルが相次いだのか
9:20スタートの予約が取れたので、ゆっくり朝食をすませてから出かける
ことができました。

ここは前後の組と20分ずつスタート時間をずらしてあるので、かなり楽に回
れますが、日本では考えられないと、友人夫妻は驚いていました。
日本と違うのは、ランチ休憩など取らず、常にスルーで回ることです。小腹が
空くとコース移動中に用意してきたサンドイッチを食べたり、途中にある売店
でホットドックなど買って食べるか、します。

初めてプレーしたのですが、#18はPar 3の打ち下ろしで、クラブハウスのダイ
ニングエリアに向かって行くようになるため、ランチタイム辺りにはたくさんの
ギャラリー(この場合は屋外デッキの席で食事中の人たちに観られながらプレー
いうプレッシャーが待ち受けていました。

一緒に回ってくれたバディーの言うことには、前回一緒に回った彼の友人はOB
7回だったというので、ロストボール2個はまだマシな方だったかもしれません。
今回非常に残念だったのは、いつもならコースの向こうにカナディアンロッキー
の山々の雄姿が見られるのに、煙のベールに包まれて、な~んにも見えず…。

あれから3日経ちますが、相変わらず煙に包まれた日々が続いています。この
まま雨が降らず、鎮火しないまま燃え広がる一方だといったいどうなるのか…
不安になっています。

一日も早く、すっきりと晴れ渡った青空と眩しい太陽の光が戻ってきてくれる
ことを切に願っています。

ロッキーの秋の訪れは早く、9月中旬には黄葉の季節となるのですが、今夏
はめずらしく初冠雪もまだ…。でも、確実に日暮れは早くなり、9時過ぎると
薄暗くなっていて、もう7:30スタートで9ホールはできなくなりました。

おうちの周囲にたくさんあるナナカマドの青い実が日を追うごとにオレンジ色
になってきました。実が真っ赤になると、もう秋真っ只中という、季節のバロ
メーターのような樹なのです。


では、また来月!
お元気でお過ごしください。

ロッキー暮らしの快適さと危惧すること

2018-08-18 22:32:15 | 出たっきり邦人・メールマガジン
No.97


こんにちわ。

日本のニュースを毎日見ていますが連日猛暑日とか…。
集中豪雨の影響で洪水被害に遭われた方々の事を思うと心が痛みます。
遠く離れたカナダでは、平穏でしのぎやすい毎日を過ごせていることに 
感謝せずにはいられません。

例年悩まされてきた山火事の煙害、今夏はまだ深刻な状況にはなっておらず
これも自然相手なのでいつ起こり拡大して行くのか、全くかわかりませんが
カナディアンロッキーは最高気温30度、それも木陰に入れば涼風が吹き、爽快
そのものの日々を過ごしています…。

先月ご紹介した友人夫妻のエスコートで出かけたナイアガラ~ビクトリアの旅
も無事に終わり、彼らは大満足して帰国しました。
せっかくの旅だからと、ナイアガラではカナダ滝とアメリカ滝の両方が見える
お部屋に宿泊。夜になると滝の部分はライトアップされ、10時から花火も上がり 
友人達は歓声を上げて楽しんでいました。
続いて訪れたビクトリアの宿泊はハーバービューのコンドミニアムスタイルの
お部屋を予約していましたが、2ベッドルームのゴージャスなレイアウトのお部屋
にアップグレードされて、旅の締めくくりに相応しいステキな日々を過ごせました。

10日後にやってきた夫の親友家族(両親と娘さん)も、好天に恵まれ、ゴルフ、
乗馬、ラフティングそして湖巡りの観光、総て体験して、大満足して帰って行きま
した。こちらも、9泊バケーション・コンドミニアムに宿泊。
近年、すごい勢いで長期滞在型のバケーションコンドミニアムがオープンしてい
ます。
それに比例してか、私の暮らすキャンモアは、国立公園まで5分のロケーション
で、近年リゾート開発がどんどん進み、週末を過ごすセカンドハウスとして、また
土地価格の上昇も狙ってか、アメリカやヨーロッパの投資家が物件をどんどん
買い求めているので、異常なほどの値上がりを見せています。

その結果、住人には悪い影響が出始めています。まずは物価の上昇。
何もかもが値上がってきて、元々いた住人は、家賃や固定資産税の上昇に
耐えられなくなり、どんどんカルガリーに近い、求めやすい価格の物件が多い
新興住宅地へ流出しています。

昔は信号機さえなかったような炭鉱で栄えた小さな町が、今ではどんどん大きく
なり、高級志向の人々で溢れるようになって来るかもしれないという不安もあり
のんびり屋の我々夫婦にまで危機感を抱かせています。

まぁ、外食とかブランド志向のお買い物といった贅沢を求めなければ、大自然に
囲まれ、真夏と言えども気温は高くて30℃、朝晩は17~18℃に下がるので、
エアコンなしで快眠…本当に、ここは申せば天国のような地です。
冬季はマイナス20~30℃の世界になりますが、屋内では半そでで過ごせる快
適な日々があり、快晴の日には屋外でお金のかからないクロスカントリーなど
アクティビティも楽しめます。
そんなこんなで、夫婦そろって元気なうちは、ここでの暮らしを楽しみたいと思っ
ています。

今夏は千客万来。すでに2組のおもてなしは終わりましたが、あと一組、これも
夫の親友夫妻で、まだリタイアメントしてはいませんが、少し仕事を人に任せる
ことができるようになり時間に余裕ができたということで、訪ねてくれることに
なりました。

8月に入ると、ロッキーは急に秋の気配が濃くなってきます。
日没が早まるにつれ朝晩の冷え込みこともあり、そうなるとお山の上は初冠雪…
ということになります。

さて、来月はどんな話題をご提供できるのかどうぞお楽しみに!
今月末には、恒例のモンタナでハックルベリーです。
昨夏は3年ぶりに大収穫でしたが、今夏はまた日照りが続いているそうで、なん
とも行ってみないことには…来月号でご報告したいと思います。

皆さま、どうぞ熱中症にはくれぐれもご注意なさってくださいね。

では、また来月!
お元気でお過ごしください。