カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

Lake O'Hara

2018-09-21 02:43:39 | 出たっきり邦人・メールマガジン
No.99


カナディアンロッキーから、こんにちわ!

7月下旬から8月下旬まで、山火事の影響(煙害)ですっきりした青空が久しく見
られなかったカナディアンロッキーですが、9月に入ってから少しづつ、いつもの
澄み切った空が戻ってきました。

ところが、喜んだのもつかの間、先週半ばに急に冷え込み、朝起きると5cmの積
雪!ちらほら黄葉が始まったと思ったとたんでしたので、木々のほうがびっくりし
たことでしょう。
もちろん周囲の山々もしっかり雪を被り、もう11月?と思う程の冬景色でした。
そんな中、カナディアンロッキーのハイキングトレイルの中でも「ロッキーの聖地」
と言われている「Lake O'Hara」(レイクオハラ)へ、カナダ山岳会(Alpine Club)
のハットに3泊4日で行ってきました。

レイクオハラはキャンモアから車で約1時間半、ヨーホー国立公園内にあり、自
然環境を守るため、一日の入山数を200名に限定、しかもトレイルヘッドまでは
ふもとから朝8:30もしくは10:30のシャトルバスで行くしかなく、ハットと
キャンプ場泊優先なので、デイハイクはなかなか予約が取れないことで有名です。

今回は、ラッキーにもツアーキャンセルで空いたスポットを使わせていただける
という幸運が舞い込み、早速気の合う日本人のハイキング仲間に声をかけて、
シニア5名とご近所の親子3名(5歳女児)計8名で、エリザベスパーカーハット
に連泊しました。利用料は往復のバス代20ドル、ハット一泊大人35ドルと、と
てもリーズナブルです。

日本の山小屋を利用したことがないので比較してお話しできないのですが、ア
ルパインクラブのハットでは、食事は全て自炊、ベッドは蚕棚式ですが、程よい
硬さのマットレスが敷いてあり、各自寝袋を使って休みます。
レイクオハラのハットは2棟あり、キッチンとダイニングスペースのある大きな
ハットには16名、小さなハットはベッドのみで8名泊まれます。

各自泊数に応じて食料を持ち込みますが、冷蔵庫などありませんので、献立を
よく考えて、アイスパックを入れたバックに入れて行きます。
キッチンにはオーブン付きガスコンロ一台と、川から汲んできたお水を10分以
上沸かして飲料水を作るためのガスコンロが4台あり、調理器具や食器も十分
に揃っているので、お料理は本格的にできます。

今回、朝とハイキング用のランチは共同作業で。夜の献立は、当番制にしまし
た。一日目は若夫婦の「バターチキンカレー」。料理に合うお酒もお当番が用意
することにしました。
2日目は「ドイツソーセージと野菜炒め」、3日目は私たち夫婦で「ツナ入りトマト
ソースのパスタ」、3日目はアイスパックも効かなくなるので、ツナは缶詰、トマト
ソースはしっかり煮込んで持って行きました。毎晩、アペタイザーは各自用意して
行き、お当番の食事が出来上がるまでの間、同宿の方々ともシェアし合って、
、ハット泊ならではの楽しい時間を過ごします。

食事をとるための大きなテーブルがメインハットにあり、暖房は薪ストーブ、夜は
ガス灯で、就寝時間の22時まで、各自、またはグループでトランプに興じたり、
トレイルの情報交換、たまにはエンターテナーがいて、うまいギターや歌を聞か
せてくれるのでみんなで盛り上がったり、毎日宿泊者は入れ替わるので、予測
のつかない時間を過ごせるのも、また楽しみの一つです。

3泊~4泊すると、主なトレイルは制覇できますが、冒頭でも言ったように予約を
取るのが難しく、一泊だけで帰っていく人達もかなりいます。
寝袋と自炊だから、きっと若い人が多い…と思いがちですが、実は半数以上の
利用者はシニアで、リピーターです。

今回はドイツ、オランダ、ポートランドOR、コロラドから来たシニア夫妻とおしゃ
べりする機会があり、皆さんもリピーターで10回近く来ているのだとか。ハイキ
ングをしないで、ハットでゆっくりと書き物をしたり、絵をかいたり、周辺を散歩
するだけで日中を過ごす人たちもいます。私たちも、2日目の午後は曇って雪も
チラついてきたので早めに戻り、持ち寄ったスイーツなどでアフタヌーンティーを
楽しみました。

レイクオハラには、湖畔のキャビンで優雅に過ごせる3食付きのロッジもありま
すが、ここもほとんどリピーターで満室だとか。一泊がハットの20倍なので、そ
れこそ庶民には「高嶺の花」ですが、夫も私も、気の合う友人たちとハイクして
寝食を共にして、お互いに普段見ることのない素顔をハット泊で見せ合うことで
普段の生活に戻ったときに、以前よりさらに「絆」が強くなったと感じています。

今年のレイクオハラはやっと黄葉が始まったところでした。来週後半がカラマツ
の黄葉の見ごろになりそうです。山から戻る途中、ハイウエイの両サイドにある
アスペンが4日前にはまだ緑だったのに、すっかり黄葉していてビックリ!
これからどんどん朝晩気温が下がり、山の雪は根雪になって行きます。

カナダ寒冷地なのでの感謝祭はアメリカよりひと月も早く、10月8日です。
例年なら「松茸狩り」のシーズンなので、雪が降っていなければ、BC州へ出か
けたいと思っています。去年は不作で、出かけていないので、今年はちょっと
期待しているのですが…。結果はまた次号でご報告しますね。


では、また来月!
お元気でお過ごしください。