まちみちふうけい

間もなく10年目も通過点

No.125 東海道遠州路(5)・ごめんな、相棒

2015-05-12 10:00:11 | 旅行記
前回の続き、早速の更新とさせていただきました。




まずは反省から・・・
自分(一人称)は常々、下り坂は怖いから慎重に行かなければならないと書いてます。上りは自分の力だけで行くのですが、下りの場合はそうは行かない、自分の力の他にも力が働き、それがたまには自分の力よりも大きくなって制御できなくなる。今回の事故はまさにそういった感じで起こりました。

自転車の整備不良にも原因はあります。以前坂道で思い切ってブレーキを握りしめてワイヤーを切ってしまったことがあったので、それ以来ブレーキは多少甘めに設定している。それが直接の原因になったとは思いたくはないがやっぱり要因にひとつにはなってしまったと思います。
しかも前が見えなくなる所があるほどの急な上り坂、前ブレーキをかけるとつんのめって転倒ということもあり得るので、あまり強くかけないのも原因のひとつだと思います。油断はしていないと言っても起こってしまったものは起こってしまったもの、この現実は反省に値する今回の出来事でした。


止まった所は坂の途中、カーブの手前の盛土が壁になったカーブミラーが立つ所、相棒はチェーンが外れたのとハンドルが曲がった他には異常は見られない。とりあえず押し歩きで坂を下りて、市道が合流する地点で再度チェックしてみる。


(小夜の中山の日本橋側からの入口)

チェーンをはめ直し変段を確認、特に異常はない。前タイヤを両足で挟んでハンドルを調整しなおす。その足が震えている、自分的には無謀ながらも最後の手段として、何某かの確信さえもっての行為だったと思っていたが、やはり今となっては恐怖心が甦ってきたのだろうか。その時に気づいたのだが右腕にいくつか掠り傷を負っていた、こんなん唾をつけといたら治ってしまう。
それにしてもあんな激突にも関わらずほとんど無傷の相棒には本当に頭が下がる、まさに無事是名馬、いつも自分(一人称)の我儘に付き合ってくれているだけに、今回は本当に申し訳ないことをしてしまった。
「この手ぇ、離すなよ」
と、相棒がマッサンみたいなことを言ってくれているようだ。誰が離すもんか、さあ、気を取り直して旅を続けよう。さて、ここは何処だ~?






そこは間の宿菊川、菊川と言うと甲子園で優勝した学校がある地名を思い出すが、その菊川市の中心地とはここはすごく離れている。そう言えばさっきの下り坂でみた看板ではここは島田市とあったから、菊川市とは別物なのか?ここは短い区間だが旧街道の雰囲気を残す町並が残っている所、その宿場町の外れた所には菊川の辻と言う小さな交差点があって、その一角には石の道標が立っている。





旧東海道はここを真っ直ぐの上り坂、その坂は途中からカーブしているが、真っ直ぐの方向には石畳の坂道、それが旧東海道に当たる道でこの先上の方まで続いているようだ。ゴツゴツとした石が敷き並ぶ上り坂、さすがにさっき痛い目に合わせている相棒にここを行かせるわけにはいかない。ここまでほぼ忠実に東海道を走って来たが、ここはその行く道を外れて市道の坂道を上って行くことにしよう。
そう言えば日坂宿を後にしてからいろいろなことがあったが、まだ次の金谷宿には着いていないんだな、この区間は前調べの時点でも難関だと承知していた所、目指すべき金谷宿はまだ少し先、今は無理せず目の前の坂を上って行く。今回はここまでとしておきます。     まちみち

No.124 東海道遠州路(4)・小夜の中山

2015-05-12 00:45:28 | 旅行記
おはようございます。



「あの坂上れました?」
「いやあ、乗っては無理でした、押し歩きです。」
茶畑の中の道を走っていると東海道を歩いて旅している人に話しかけられた、時間はそれより15分程戻る。






日坂宿を外れた辺りから始まる激坂、先の会話に出てきたのはこの坂のこと、前調べはしていたのである程度の覚悟はしていた、ここは相棒を押し歩きで行く・・・が、その坂がまたとんでもない、坂と言うよりはもう斜めの壁とでも言うべきか。
写真2枚目、坂の途中に朽ち果てた看板に『国道1号線』の文字、国道は最初主要街道から順番に番号を当てていったと聞いたことがある。例えば北国脇往還、今は国道365号線に沿う脇道だが、昔は国道のランクで言えば12番目で国道12号線と呼ばれていた。東海道はやっぱり最初からランキング1位の道と言うことで『国道1号線』となったのだろう。







坂道を上り着いた所にはちらほらと民家が見えた、こんな所にも普通に人の暮らしがあるんだな。そこを過ぎると展望が開け、狭い道の両側には一面の茶畑、至る所緑色一面の風景は結構圧巻だ。道は更にアップダウンを繰り返して行く、遠くの山が同じ目線にあるので結構高い所を走っているみたいだ。その途中には写真にあるような歌碑を多く見かける、それはこの辺りがよく歌に詠まれたことに由来するらしい。





写真1枚目、茶畑広がる風景の向こうの山に『茶』の字が浮かび上がっている。大文字ならぬ茶の字山か?焼いたら茶の字に燃えるとか・・・すみません、不謹慎なこと考えてしまいました。この辺りで東海道を歩いて旅している人達に出会う、自分(一人称)と同じで静岡方面に向かっているみたいだった、でさっきの会話となるわけである。






小夜の中山の一里塚、娘を蹴り飛ばした西行さんの歌碑が立つ公園、久延寺前と通り過ぎると、道はここから下りとなる。結構急な下りなので気をつけて慎重に下りて行く、が坂の斜度は進むにつれて増してくる。ちなみに小夜の中山の最高標高は252メートルで箱根の国道1号線最高点の3分の1にも及ばない、しかしこの下りの急さは何なんだ、だんだん恐怖心が大きくなってくる。
油断したわけではないが下りの勢いにスピードが増してしまいズルズルと落ちる様に下り始めた。ブレーキをかけてもスピードが緩まない、道はこの先カーブになっている、このままでは激突してしまう、もう方法は一つ、靴底を道に摺りながらスピードを緩めて右側の盛り土に激突して自転車を止めるしかない。恐怖心ありありの状態でできるだけスピードを落としながら(それでも結構なスピードだったが)盛り土の脇に立つカーブミラーに真正面から激突!何とか止まることができた。
平常心に戻るまではほんの2、3秒、あっ、相棒・・・大丈夫か?自分(一人称)の方は、そんなんどうでもいい、相棒は・・・すぐに車体を起して確認してみると、チェーンが外れていてハンドルが曲がっていたくらいで、他に異常は見られない、走れるかどうかはこの先の坂を下りた所で確認してみることに・・・続きます。      まちみち