まちみちふうけい

間もなく10年目も通過点

No.107 箱根の旅(10)・旅の終わり

2015-04-24 06:45:50 | 箱根
おはようございます。箱根の旅、今回が最終回となりそうです。さあ、もうひと踏ん張り、行きましょう。



箱根湯本を後に国道1号線を小田原に向けて走っている。横には朝乗車した箱根登山鉄道線が沿っている道、車は上下線とも相変わらず渋滞している。途中で旧東海道が分かれているがあえてそちらには入らず、あえてそのまま国道1号線を行くことにする。背後の箱根の風景に別れを告げる、さらば箱根、今日はこれくらいにしといたるわ・・・





小田原市に入り風祭駅近くにある蒲鉾でお馴染みの『鈴廣』、箱根駅伝では6区から7区へのタスキリレーが行われる所。7区は勝負の流れを左右する大事な区間であり、決して地味や繋ぎの区間、初売りお買い物タイムではありません。
その鈴廣の前に相棒を止めて、お土産物と言うよりは新幹線の車内で軽く食べられるものでも買おうかと思い店内へと入って行く。広い店内は至る所に蒲鉾売場、さて何を買おうかな、試食コーナーをぐるりと回って選ぼうと思ったが、試食だけで十分腹が満たされた感じ、結局何も買わないで店を後にすることにする悪い客であった。






新幹線、JR線の高架の下をくぐると小田原の町並へと入って行く。旧東海道に当たる国道1号線は広くて交通量の多い道だが、その沿道は旧街道の雰囲気を残す古い建物が立ち並び、ここが旧東海道だったことを思わせる印となる物も多く見ることができる。小田原と言えば小田原城が定番なのだが、今回は天守閣までは行かずに城の周りをぐるりと巡るにとどめて、再び国道1号線へと戻る。





小田原漁港へとたどり着く、ここは『にっぽん縦断こころ旅』で火野正平が訪れていた所、目的地がこの場所だったこともあるがあの時の手紙はなんかシュールで印象に残っている。波が打ち寄せる漁港にはたくさんの釣り人の姿、その向こうの突堤には小田原名物の提灯を模した灯台が建っている。






右手側にはJR東海道本線、左手側に荒々しく波が打ち寄せてくる相模湾が沿う国道135号線を走る。いよいよ相棒との旅も終わり、今回の最終目的地JR根府川駅へとたどり着く。関東の駅100選にも選ばれている、いろいろなドラマのロケ地になったこともある駅。ここの駅前で相棒をたたむことにする、今回も自分(一人称)のわがままに付き合ってくれてどうもありがとう、後は袋の中でゆっくり休んでください。






三島までは東海道本線、そこから新幹線で帰ることにする。乗換えのために新幹線ホームに上がると、その向こう側には薄暗くなってきた夕焼け空をバックにたたずむ富士山の姿、ああ、泣けてくる風景じゃないですか・・・旅の疲れを癒してくれる富士山の風景を最後に、10回に渡ってお送りさせてもらいました箱根の旅、これにて終わりとさせていただきます、どうもありがとうございました。     まちみち

No.106 初瀬街道(西青山~美旗)

2015-04-23 07:00:56 | みち
おはようございます。今回は初瀬街道、青山町付近をお送りしていきます。







近鉄八木から宇治山田行急行に乗車して1時間余りで西青山駅に到着、ここは近鉄線の駅の中では一番乗降客数が少ない駅だそうだ。駅の外へ出てみるとなるほど、これは人が住んでいる気配がないほどの山の中、周辺に見所もなく質素なコンクリ造りの駅前には国道165号線が通るだけの風景。駅前で相棒を立ち上げ、まずは青山町方面へ国道を下って行くことにしよう。
朝早い時間でまだひんやりとした空気の中の国道を下って行って、途中から細い道へと入る。この道が旧初瀬街道に当たる道で、たどり着いたのは伊勢路宿の集落、ここは旧街道の雰囲気が漂う古い町並が残っている通り、全く観光に走っている様子もなく、静かで素朴な人々の暮らしが送られている場所である。







伊勢路宿を後に国道165号線を西へ川沿いに進む、この川は木津川、奈良の近くではあんなに大きな川がこんなに小さくなってしまいました。写真1枚目は国道を近鉄線側に入った別府集落にある常夜燈、ここを先に進むと近鉄青山町駅、以前雨の中を伊賀上野から走ってこの駅にたどり着いた時のことを思い出す。
駅から南に進み国道とすぐそばの石橋を渡ると阿保宿の町並へと入って行く。橋のたもとには阿保町の道路元標、ここから伸びる旧初瀬街道の古い町並はさっきの伊勢路宿よりも明るく活気が感じられる所、その途中には大きな常夜燈を見ることができる。






宿場町の中心を抜けるとまた田園風景が広がる中の道を走る。この途中でも常夜燈を多く見かける。形は質素に石を積み重ねたようなものばかりで、田畑の真ん中にポツンと立っているだけだが、昔の旅人にとってはこれが旅の行く道筋を照らしながら行先へといざなってくれる大事な物だったのだろう。







再び国道165号線に入りここからは峠越えの上り坂、初瀬街道は国道を通らずに山の方へと入って行くが、地図では道がはっきりしないので今回は国道を走る方を選んだ。ニュータウンの入口が峠に当たりそこから下って最初の交差点で右へと折れる。田園風景の中を地元の農道らしき道をくねくねと先へと進むと、一角に立派な常夜燈が立つ交差点へとたどり着く。道路標示には初瀬街道とある、向こうから来た道が旧初瀬街道だったということか、その道の行先は北へと向いていて、その旧街道の雰囲気を残す町並の中を走ると近鉄美旗駅へとたどり着く。
ちなみに3枚目は美旗公民館内にある新田用水日時計石、説明版には昔水田の時間給水のために使われたとある。写真では日時計石の所が木の陰になってしまっていてこれじゃ日時計の意味がないじゃないか、ああ、これはしたり・・・今回はここまでとしておきます。      まちみち

No.105 信貴山

2015-04-22 10:14:04 | みち
おはようございます。今回は大阪へ向かう道、国道25号線は通らずに旧道を通って行くことにしてみようと思います。



スタートはJR大和路線の三郷駅から、大阪へ向かう時はここから大和川に架かる橋を渡って国道25号線に出て、交通量の多い道を近鉄国分駅方面へ向けて走るが、今回は三郷駅から行ってすぐに右に分れる道へと入って行くことにする。





道は山を削って建てられたニュータウンの風景を見ながらの上り坂、やがてその景色は一変し、道は山へと差し掛かり少し薄暗い森の中を行く急な坂道となる。ここはさすがに乗って行くことはできないので相棒を押し歩きで上って行くことにする。
1枚目の写真はその坂の上り着いた所から撮ったもの、そしてこの場所にあるのが2枚目の写真、峠八幡神社。周辺は民家がなく、この先に墓地があるくらいの寂しい所、人も全然見かけない、なのに車が何台か走り去って行くのを見た。地元の農作業の人なのか、国道の混雑を嫌ってこちらに入って来たのか。






ここからは平坦な道となるが周辺は畑ばかりで夜になると何かが出そうな雰囲気の所。山を臨む風景には鳥のさえずりと、はるか下の方から国道を走る車の音とJRの電車の音が不釣り合いに聞こえてくる。やがてきれいに整備された広い下り坂を進む、最近架け替えられた橋を渡ると国道25号線に入るが、ここはそのまま大和川の右を通る狭い道を行くことにする。
車がやっと通れるくらいの細い道だが民家はちらほら見かける。やがて川を沿うようにして走り、赤い橋は渡らずJR大和路線の踏切を渡ると河内堅上駅へとたどり着く。




河内堅上駅は寂しい場所にあって乗降客も少ない駅、その駅前から続く道は旧街道の雰囲気を残す古い町並の中を通る上り坂となる。やがて府道183号線のバス停がある所へと至る、左は下りでJR高井田駅へと向かう道、そちらへ曲がって柏原方面を目指すことに・・・のはずが、なぜか右へ青谷方面へ向かう坂道を上っている。また自分(一人称)の中で悪魔が囁いたようだ、この坂道を行けと、そんな予定ではなかったんやけど・・・





セーコラセーコラと坂道を上って行くが、ますます斜度はきつくなってくる。息も絶え絶えな感じ、やっとの思いで雁多尾畑の集落へとたどり着く、しかし上りの本番はまだまだこれから、集落を抜けると更に山の中へと入って行くきつい上り坂が展開される。もう引き返そうか・・・しかし悪魔は戻ることを許してくれない。ここは腹をくくって、相棒を押し歩きながら先へと進むことにする。





道は上り下りとカーブの繰り返し、交通量は少ないが広い道なのでたまに通る車は結構なスピードで走り去っていく。さっきまでは大阪側に展望があったが、先へ進むにつれて今度は奈良側に展望が広がってくる。坂を下りればもう王寺は近いんだな、早くあそこにたどり着きたいな・・・と思っても道は単調な山の景色を見るだけの中を進むだけ。
やがて奈良県に入り賑やかな雰囲気を感じる所へとたどり着く。そこは信貴山朝護孫寺の駐車場、とうとう信貴山まで来てしまった。ここに来るのは初めて、まさかこんな山まで自転車で来ることになるとは、しかも大阪側から、まあ奈良側からだと上りがきついのは知っているので来る気にもならなかったと思う。ここはほんの少しだけ達成感に浸ることにしよう。
ここから少し行った先、参道の入口には赤い橋が架かっていて、守り神の虎の絵が出迎えてくれる。まあお詣りするのは自分(一人称)の旅の型ではないので、ここは素通りして山を下りて行くことにする。しかし試練はまだまだ続く、きつい上りの返礼は恐怖の下り坂、ここは昔ケーブルカーが通っていた所、慎重に慎重を重ねてゆっくりと下りて行くことにしよう。今回はここまでです。     まちみち

No.104 三木(後編)

2015-04-21 10:04:33 | まち
おはようございます。



神戸電鉄三木駅はホームが対面式の駅で、そのホームそれぞれに駅舎がある形になっている。初めて三木に来た時はこの駅で下車して、駅前の狭い場所で相棒を立ち上げた。



駅前を通る県道を行って少しの所で左へと曲がり橋を渡るとひめじ道との交差点、初めて来た町で予備知識はなくても、この交差する通りの雰囲気は旧街道のものだと体内アンテナが察知した。ここは後で寄ることにして、まずは元三木鉄道の終点駅三木駅跡へと行ってみる。





三木駅の跡はきれいに整備された公園になっている。施設の中には踏切、信号、線路の行き止まりの表示などがあり、駅舎は三木鉄道ふれあい館という展示施設になっている。しかし線路の行き止まり表示の先にある木造の屋根付きの休憩所は元の駐輪場で、ふれあい館はその横にあるので位置関係がおかしい感じがする、移設されたのだろうか?
三木鉄道はJR加古川線の支線、元JR三木線が第3セクターに移行された鉄道で、廃止は2008年だったとのこと。この間乗った北条鉄道とイメージがダブルが、どこで存続と廃止の運命が分かれてしまったのだろうか。wikiを見ると三木市が財政難を理由に廃止を前提としたアンケートを行い、市民も廃止賛成に多く賛同したとある。いちげんさんならともかく地元民が要らないと決めたのならよそ者が口出しをするわけにはいかない、さて、近くを走る神戸電鉄粟生線に三木市民はどのような判断をくだすのだろうか?







廃線跡を走る前にさっきの街道を少し走ってみることにしよう。三木駅跡から町中の狭い道をかくかくと進んでさっきの交差点から伸びてきただろう道へとたどり着く、小さな石橋のたもとにひめじ道の表示の看板が立っている。狭い道を町の中心地へ向けて進むと民家の立ち並ぶ通りとなりすぐに小さな曲がり角へと差し掛かる。この角に建つ民家の罪に小さな石の道標が立っている。
そのまま道なりに進むとさっき通った交差点、この付近は古い町並が続く所で更に進むと三木駅へと通じる県道と交わる所へと至る。この先の旧街道の雰囲気を残す町並の通りは昨日の前編でもお伝えしているので街道走りはここまでとして、三木鉄道廃線跡巡りへと相棒を走らせる。







三木の中心地を抜けて県道20号線、町中から景色は一変して田園風景の中を走る。やがてたどり着いた廃駅、木造の古い、と言うよりボロい駅舎、使われてないから当たり前だが、保存と言うよりはほったらかしにされた感じの駅舎。短いホームには線路が残されているが雑草が伸び放題、廃線跡の寂しい風景が繰り広げられている。
この廃駅から廃線跡を利用した遊歩道、自転車道が伸びているが、それも短い距離で中途半端な所で終わっている。この先三木鉄道の起点、JR加古川線の厄神駅までは県道20号線を走って向かうことにしよう、前後編でお送りした三木市の走りはこの辺りで終わりとしておきます。     まちみち

No.103 三木(前編)

2015-04-20 10:25:17 | まち
おはようございます。今回は三木市を走ってみようと思います。



三木は兵庫県の内陸部にある結構歴史的に名の知れた市ですが、奈良県人の自分(一人称)からしたら加西、小野、加東などと一緒くたになってどうも地味な存在と言う感じ。初めての来訪は子午線巡りで、その後も2度、計3度訪れていますが、来る度に好きになる町、今では地味な存在から一つ抜きん出た所となってます。いろいろと走ってみたいので前後編に分けてお送りしていきます。




新開地から神戸電鉄に乗車、この方面に行く時は大概使わさせてもらっている粟生線ですが、ずっと廃止問題がつきまとっているとのこと。自分(一人称)にとっては旅の大事な足なので、地元の方、頑張って乗って残してあげてください。写真は恵比須駅、三木の中心から少し外れた所にあるここから出発することにしよう。





駅を出てすぐのコンビニの前に立っている子午線通過表示の碑、その道路の向かい側には『子午線屋』と言う名の店もある。三木市は子午線が通る町、その表示はここの他にここから少し北に行った所(2枚目)、南は山を越えた県道の目立たない所(3枚目)に建っている。3枚目の所は今年神戸、明石から走って来た時に通っていてこのブログでも紹介しています。








県道の北を通る道が湯の山街道、石の道標が立つ所から狭い道に入り坂を下ると旧街道の雰囲気を残す町並へと入って行く。途中にある交差点は東条道との分岐点、右へ曲がると県道に合流して、先に紹介した子午線表示の碑の立つ場所に行くことができる。
街道の行き着いた所、県道の信号のない横断歩道を渡ると寂れた商店街の中を走る。左手側は三木城跡、階段で上って行くことができるが、自転車では少し迂回して坂道を上って行かなければならない。







2枚目、商店街を抜けて県道を渡った所に立つ石の道標、歴史を感じさせられる道標が歴史も何も感じさせられない建物の陰にひっそりと・・・その先へと伸びる道が通称『ひめじ道』、ここも古い町並が軒を連ねるなかなかいい雰囲気が漂う道であります。
その先で県道を右へと曲がり橋を渡ると間もなく神戸電鉄三木駅へとたどり着く。初めて三木に来た時に電車を下りて相棒を立ち上げたのがこの駅前だった。その時は子午線巡りが目的の旅だったが、ほとんど予備知識もなくやって来た町、まずどこを走ろうかと迷いながら走り始めて向かったのが廃線跡だった。次回はその辺りを含めて後編をお送りしていきたいと思います、今回はここまでです。     まちみち