時折、JAの産直のお店にいく。
スーパーに行く前に
野菜をもとめて行ったりする。
今日も、例の『大根の酢漬け』をつくろうと、寄ってみた。
JAの産直店は、
小さな道の駅のようで
それぞれの場所に生産者の名前を示したバーコードや値段が貼ってある。
農家の方々が
家で作った野菜を持ち寄ったりして、スーパーには出回らないものや
新鮮さは抜群で、安いときてる。
今日は、大根とブロッコリーを買おうとしていた。
棚に野菜達を並べてるお年寄りがいた。
いつも、私が大根を買う棚だった。
並べてる邪魔もいけないなぁっと思い、しばらくウロウロしていた。
声が聞こえてくる。
JAの職員と、そのおばあさんとのやりとり。
『そんなこと言っても、100円で売るつもりで来たのに、110円で売れって言うのはなぁ、どうも、こんなので、110円は高いんじゃないかー』
『いや、おばちゃんとこのは、評判がいいから、かえって、その野菜を100円だと安すぎるからさー』と職員の人が言ってる。
私はあたりを見渡してみた。
100円で出している他の棚なんて見当たらない。
120円や、150円ならあったけど。
そのおばあさんの棚はいつも、立派な野菜が並んでる。
私は
おもむろに近づいて
ブロッコリーを手にすると
『立派なブロッコリーだこと!』って
私が先に口から出ていた。
おばあさんは、
『あら、そうかい?いま、110円でって言われたのだけど、いいのかなー』
『私、これ、110円で買います』って言って、おばあさんの方を見たら
ニコッと嬉しそうな顔をしてた。
私は丸く固く立派なブロッコリーより、脇芽からでるコロンとした小ぶりのブロッコリーの方が好きなので
袋に沢山入ったブロッコリーを持った。
『いつも、私。この棚から買わせてもらってます。おばあちゃん、いつまでも、野菜を作って出してくださいね』
『いいやー、もう80は過ぎてるから、そんないつまでもって作られないよ』笑いながら言っていた。
『わぁ、若い若い。まだまだ、元気で作って下さいよ。私はまた買いにきますから』
『そうかい?そいかい?ありがとう』クシャクシャな顔に笑顔が溶けてるような顔だった。
私がレジに運んでお会計を済ませたあと
おばあさんは、待ち兼ねたようにしながら、私を追いかけてきた。
レジのJA職員さん達に
背を向けるようにして
私に何かを手に押しつけてきた、
カシャカシャと
お菓子の小袋のような、、。
『あ、もらっていいの?』
『褒めてもらったから、持っていってー、見つからんように、ほれ。
あとで食べれー』と。
『ありがとう、うれしー
おばあさんも元気でね。またね』
『うんうん』
小さな体が愛おしい。
手につかまされたのは、
柿の種(笑)
可愛らしい、お茶目なおばあさんだった。
こう言うのって
めっちゃ、嬉しいんだよね。