知花ときわ会

知花地域の活動と各地の情報を広く紹介し、情報共有することで地域活性化に繋げようと、このブログを開設しました。

ウスデーク

2006年03月23日 | ★歴史・伝統・文化

知花のウスデークは代表的な民俗芸能で、豊年祈願と感謝の奉仕の奉納舞踊として昔から継承されてきた。この奉納舞踊は、婦人だけでやる踊りで音頭取りの鼓と歌に合わせたり、右に合わせたり、前進したりしながら、手振りに合わせて踊るゆるやかなテンポではあるが壮重なところもある。毎年、旧暦の8月15日、あるいは旧盆の吉日を選んで行われる習わしになっているが、現在、知花、池原、登川、越来、旧上地、山内などで継承されている。
知花の場合は、音頭取りを先頭に壮年、若年と円陣や扇状になって、獅子を囲んで踊ります。獅子は青年会が担当している。獅子が納められている屋号ナーカウフヤーで獅子を清めた後に、獅子に続いて二列になって出発する。ゆっくりとした足取りで太鼓を打ち、歌いながら公民館まで歩いていく。公民館の広場では12曲ほどの鼓と鼓にあわせて左回りに輪を描きながら踊ります。
                      《参考資料》沖縄市の文化財第1集ほか
 

 

 

  

 

 

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現行の知花臼太鼓(ウフデーク)の歌詞

2006年03月23日 | ★歴史・伝統・文化

現行の知花臼太鼓(ウスデーク)の歌詞

1.〈いりは〉
  ◆今年八月や 遊び願たてて やんぬ八月や 良くぬ遊び

2.〈すゆいてんざなし〉
  ①すゆい天座なし むヽとまで千代まで うまんちゅぬまじり 拝でしりら
  ②くひなうざしちや うやぐみさあしが うたにまじりてど うすば拝む
  ③わやまぐぬなれや いちゃびけいさびが あねらわんうちに だいりみそり
  ④石川からかきて 与儀比屋根までや 美里ぬうめがなし うかきヘーじま

3.〈いちよ-〉
  ①いちんよしぐとや 身の上のたから 耳ぬにゆあきて ちむにとみり
  ②どかじさだみてど 舟んはらすゆる しんぶはじらすな ちむぬてじな
  ③はぢゆうみそみて 朝夕物事に わちむをさみゆる かなみともり
  ④にくさある人や にくさどんするな ちむぬ道しぢや ひるく明り

4.〈ほたるび〉
  ①ほたるびのかじに しみならてでんし うゆばらんともて しあんするな
  ②下からどならて すぐりゆんすゆる うゆばらんともて しあんするな
  ③てぬざある人や 世の中の手本 朝夕ちとみとて さたゆぬくる
  ④年のよてゝやり いたしらにゐるな 人事どんすりば たみどなゆる

5.〈いづぬき〉
  ①いづぬきぬ花や あんちゅらささちゅる わみんいづの事 ましらさかな
  ②あだきある花ぬ むてんさかりゆみ みむとふやぎやい 拝だびけい
  ③拝で拝んぶさ すゆい天座なし あしりぬかりらん うちゃやうどん
  ④あていをのながぐま しらひちさらち やまとめるひきぬ どんすはかま
  ⑤やまとめるひきや なまやぬがさりら しぢりふでとやい うちなすがい

6.〈あがりしぬだき〉
  ①あがりしぬだきや ほどやくさあしが うたぬけしむどし しちゃるびけい
  ②うちならすならす ゆちだきぬならす ならすゆちだきぬ うとぬっらさ
  ③たんちゃとくなちや かたゆだどなゆる 又んなるならば むとやわもん
  ④あだにがちでんし ゆすかけてひっい でんしむとびれや てとてひっい

7.〈ま-むぬは〉
  ①まむぬはぬちゆや またまゆかっらさ あかっゐるひねて ぬちゃいはちゃい
  ②心いさみゆる あしびなにいぢて かぢにすですがち あしぶうりさ

8.〈ぐしくぶし〉
①ぐしくから下りて さんとちぬかぢり たるにひかさりて なまでなちゃが
  ②ひかさりんあらん ゆしまりんあらん しぐく雨ふてど なまでなたる
  ③しぐく雨てしや かたときどふゆる ちゃはらふる雨ぬ ひざぬあゆみ

9.〈うんなぶし〉>
  ①うんなたきのぼて うしくだいみりば うんなみやらびぬ 手ふいつらさ
  ②りぐんいちはいや きしぬ花ぐくる かぢやすがなそて うでるしぢさ
  ③どりぬ王ともて ちむぬむちなしや ぎぢちかんヘェまや たからでむぬ
  ④ぬがくりさともて ゆだんどんするな あまくはたらきば たみどなゆる

10.〈さくむと〉
  ①さくむとのへびや だんずとゆまりる ゆいずらやっもと こまやみもと
  ②田ぬはたのペーくや ゐどいもちてむぬ ゐどのみやらびぬ くくんうざき
  ③かにんといてしや とらるといみそち 美里うめがなしに とやいあぎら

11.〈いしんみ〉
  ①いしんみの道や 寺のそばまでん
  ②かたでしやくびだち かたでしやさくとて
  ③おぬすびやさちから みやらびやそばから
  ④はい水にうりて 舟元にちきて
  ⑤みぬさいやすぬめ いとまざちぬくら
  ⑥ちむさいやすぬめ なはみなとまでん

12.〈いぢは〉
  ①男生れてん 女生れてん ゆだんさんもぬど わどやむっる
  ②ゆすぬいぬちゞや ゆすぬちじともな ゆすぬちじすゝて ゐちやねらん
  ③我身ぬいぬちじや 我身ぬちじともな 我身ぬゆしあしや さだみぐりさ
  ④かくちかくさらん 人のあやまちや いすじあらわりて わちむみがち
  ⑤どじんあしはらち かかんちゆくみて 遊びなにいじて あしぶうりさ

☆〈ハヤシ〉
  ◆今日んかりゆし あちゃんかりゆし あさてんかりゆし ちゃあかりゆし
  ◆遊びなぬ草や たがしなぐなちゃが 遊びせる人が しなぐなちぇさ
  ◆今日んかりゆし あちゃんかりゆし ちゃあかりゆし

§ 以上は現在、知花の臼太鼓(ウスデーク)のときに歌われている歌詞です。前回の1968年に「金城 徳さん」が語られたのと比較するとかなり変化していることが分かります。また、琉歌や「工工四」に照らしても、再考を要するのではないかと思います。   
       平成12年8月15日
         池 原 秀 光

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知花の獅子加那志

2006年03月23日 | ★歴史・伝統・文化

 知花には戦前、りっぱな獅子加那志があった。その獅子は屋号仲元の大工仕事をしておられた池原政次さん(清正さんの祖父)がお作りになったものであったか、この獅子は残念なことに昭和20年(1945年)の沖縄戦でなくなってしまった。 

戦後、今の古堅の屋敷にコンセットの区事務所があったころ、屋号殿内門小の島袋貞栄さんが区長時代(1952~3年)、大工をしていた屋号津波名古の仲村幸信さんが再び獅子を作ることになった。仲元の池原政次さんが作られた戦前の獅子は幸いなことに戦災を受けながらも、下あごの一部だけは残っていた。 

そこで仲村幸信さんは、この破片(下あごの一部)と民家の屋根の獅子を参考にして粘土で獅子の形を作り、これを見ながら苦心惨●の末、やっと完成させたという。そのときの材料は大川(ウフガーラ)のデイゴの木を使用した。しかしながらこの獅子もいつの間にか破損がひどくなりとうとう割れてしまった。

 そこで屋号仲元の池原清正さんは、戦前自分の祖父(政次)が作った獅子が戦災でなくなってしまったのを大変残念に思い、自分が獅子頭を寄贈す抑こ矢本港今し区長に申し出たのである。それは島袋寅次郎さん(屋号仲松尾)が区長時代の昭和46年(1971年)のことである。

池原清正さんと区長の島袋寅次郎さんは材料さがしと大工さがしで東
奔西走し、那覇にも何回も出かけた。材料はデイゴの木であるが、沖縄本島には獅子頭が作れるほどの大きなデイゴの木はなく、わざわざ久米島から取り寄せた。しかし材料は切り出してすぐに使えるものではなく、約2カ年ばかり乾燥させてから那覇市の開南通りの大工さんに作ってもらったという。

 この獅子頭製作に池原清正さんは200ドルの大金をかけて知花区に寄贈した。昭和46年旧暦8月15日の十五夜には獅子頭の完成をウスデークで祝い、記念撮影をして、その写真は屋号仲大屋に保管された。現在旧暦8月15日の十五夜の日に行われるウスデークの際、舞台で獅子舞を演じている獅子加那志がそれである。この獅子加那志は戦前と同じく未婚の雌獅子で、名前も同じく「カニク」という名である。

【平成12年2月25日 池 原 秀 光】

                       

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