まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

ひな。

2017-03-03 19:58:28 | 日記

一番下の妹が生まれた時に母は7段飾りの雛人形を購入した。
当時の状況から察するにかなり思い切った買い物だったに違いない。
本当は娘一人に対して雛1組用意するものらしいが
飾る場所もないし7段で3人分の願をかけた。
と、書いててふと思ったのだけど
だから結婚したのは3人のうち1人だけなのかもしれない。
今も母は妹を嫁に出そうと雛飾りをしているが
もう神通力は残ってないのかもしれない。
と、その辺はちょっとシリアスになるので置いといて。

私に娘が生まれたのは5月だったので
それから初節句までは10か月もあり
2月になるともうそれは浮かれまくって
人形町へ出かけて行った。
どこかの店を目指したんじゃない、
人形町を目指したんだった。
なぜなら「そこに行けば人形がある」と
思い込んでいたからだ。
ちょっと色々突っ込みどころもあるけど
とにかく人形町で無事に雛に出会えた。
マンションに7段は置けないので
二人だけの親王飾りというタイプ。
その代わりとても大きくて立派な姿。
お内裏様の端正な顔立ち。

そして実家の両親と義理の父親に連絡した。
「〇〇万円で買いました。半分ずつくれませんか。」
というのも友達の家で起きた恐ろしい事件のことが
脳裏に焼き付いていたからだ。
友達は埼玉出身、旦那様は広島出身、
それぞれの土地の風習において
友達の両親は「節句の飾りは女親の実家が買うもの」
と信じていたし
旦那様の両親は「男親の実家の務め」と考えていて
結果、「でかい兜飾りと五月人形が2つずつ突然届いたの!」
困惑しきった友達はしかし、2年後次男を産んで
問題を鮮やかに解決した。
私はとてもじゃないが、二人目なんか無理だ。

そして初節句、スポンサー様をご招待して
ささやかではあるが宴を催した。
写真を見ると、満月みたいにまんまるな顔の
ムスメが雛をバックにきょとんとしてる。

それから21年。
ムスメはもう満月みたいじゃないし
私も寄る年波と戦ってるけど
お雛様らは相変わらず
雅びやかでお美しい。
だいたい毎年、ぎりぎりまで出せなくて
飾ったと思ったら仕舞ってるから
日光などによる経年変化があまり見られない。
羨ましい。

さ、ちらし寿司を仕上げようっと。

美人系は名前で呼ばない

2017-03-03 19:27:42 | 日記
200人がところの先生が所属する我らが事務所。
経歴も個性も様々なのが面白い。
なかでもひときわ異彩を放つY先生。
とにかくどんな時も全力でポジティブ。
軽く10歳は年上だけどいつもきちんとした服で
きちんと化粧をして(結婚以来旦那様に素顔を見せたことがないらしい)
ニコニコしてる。

ここ十数年、春になると新人の先生を集めて
Y先生の講義を聞かせてる。
ネタはずっと同じ。
「チャンスの女神様は前髪しかなくて後ろはつるっ禿げなの。
だから来た!と思ったら全力で前髪を掴みに行くしかない。」
そしてそれをうまいこと、募集活動の促進に持って行く。
去年の新人の一人が「そうは言っても、恥ずかしくて
ポスティングに行けないんです」などと言うと
「そうだよね、やったことがないからね。
でもうちを知らないままではこどもたちが損をするよね。
だからこどもたちのためにも、ちょっと勇気だそうね。
そうだ、明日は晴れるから、私もポスティングする。
青空を見上げたらそこに私がいると思ってね!」
ここまでくると大抵新人は涙を流し
Y教の信者がまた一人増えるというわけ。

事務所のスタッフに対してもそんな感じで
電話を取るといつも
「あ、坂本さん?!よかったー!
坂本さんだといいなあと思ってかけたの!
あっ、いつもお世話になってます、
〇〇教室のYです!」
という。
他のスタッフが取れば名前の部分がそっくり
入れ替わる。
そしてここからが真骨頂
何か特別な思いを伝えようとするとき、
いきなり「坂本さん」から「チカちゃん」に
変わるのである。
Y先生に名前で呼ばれちゃうと
誰もみんな、でれ〜〜っとなってしまう。

ところが今日発覚したこと。
事務所のスタッフで
「私、名前で呼ばれたことありません」
というTさん。
「あ、私もありません。っていうか
みなさん呼ばれてるんですか?!知らなかった」
というKさん。
何だろうこの識別は?

すると、Y先生担当のOさんが
「わかった。美人系は呼ばないんだ。」

確かにTさんとKさんはずば抜けた美形だ。
そっか、隙が見当たらないってことかな。
なるほどね。
Y先生にも切り込めないエリアがあるのね。

納得してるうちに
何だか
複雑な心境になってきた・・・