まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

犬の話。

2017-10-18 21:41:29 | 日記
諸事情あってこんな早いタイミングで年賀状をオーダーした。
注文書を見て「あ、来年は戌年なのね。」と認識。
ということは、犬を飼ってる同僚さんたちはこぞって
愛犬の写真をでかでかと掲載した賀状をくれることだろう。
見る前からなんとなく笑ってしまった。

同僚さんらの飼ってるのは、犬であって犬ではない。
息子2人いる同僚さんは、愛犬を「三男」と呼んでいる。
長男、次男がそうであるように、三男も当然服を着る。
長男、次男がそうするように、三男も叱られるとあてつけにそこらのものを蹴ったりする。
自分の産んだ子供と犬が同列、っていう感覚は
私にはわからない。

犬の保険があるのは知ってる。
犬のホテルがあるのも知ってる。
近所にある犬のお行儀学校では最近
犬の幼稚園を始めた。
ムスメが保育園に通っている時代、お迎えに行くと
先生が飛んできて
「申し訳ありません、今日、お友達とちょっと喧嘩して
引っかき傷を作ってしまいました。」と
よくよく目を凝らさないと見えない赤い線を見せてくれたりしたけど
犬だとその程度じゃ済まされず
「申し訳ありません、今日、お友達とちょっと喧嘩して
耳をちぎってしまいました。」なんてことになるんじゃないか、と
勝手にドキドキしてしまう。

同僚さんがこの夏、家族で出かけるのに同行させられず
やむなく一泊で犬を預けたところは
大きな洋館で、犬は広いリビングでリードもつけられずに自由に過ごし
朝晩はたっぷりとお散歩に連れて行ってもらえるという
犬にとってはとても快適な施設で
さらにスタッフがものすごい頻度で
犬の様子を写メで伝えてくれるため
預ける方もとても安心できたということだった。
気になるお値段は4000円。
「安いよね。」と同僚さんは言う。
食べ物は持ち込みなので、実質「素泊まり」なんだし
リネンのクリーニングなんかも要らないと思うから
もっと安くても良さそうな感じもするが。

「娘のTシャツだと、2000円でも高いと思うけど
可愛い犬のお洋服があって、4000円だったりすると
安い!って飛びついて買っちゃう。」
「毛並みがツヤッツヤになる泥パック、1万円しかかからなかった。」
なんて話を聞くと
やっぱりこの時代稼げるのは犬産業だなと確信する。

だけど今ひとつ気乗りしないのは
気の毒だなと思ってしまうからだ。
誰が?って、犬が。
彼らは犬なのだけど犬ではない扱いを受けている。
そうすると彼らは自分のことを
犬ではない
と認識している。

たとえば私が鳥かなんかの世界に迷いこみ
ある鳥が私を飼おうと決めて
じぶんの子供と同等に扱い
その結果私は自分を鳥だと思い込んで生きていて
なのにある日、家族みんなで旅に出るって時に「この子はつれていけないからあずけよう」とか言われたり
なにやらニンゲンだらけのケージのなかに放たれたりして
はっとするのだ。

私、鳥じゃない。ニンゲンなんだ。

その時の絶望感たるや
いかばかりか。

だったら最初から
ニンゲンとして飼われてたほうが
何倍もマシなんじゃないか。