
4年前のこと。
敬愛するお菓子教室の先生に
自家製梅干しをいただいて
その美味しさに衝撃を受けた。
ガツンと効いた塩気、
遠慮なく斬り込んでくるクエン酸、
たっぷりの果実味。
翌年、作り方を教わって
まずは1キロ仕込んでみた。
と言ってもとても簡単で
梅を洗ってなり口取って
水気拭いたらジップロックへ。
重さの18%の粗塩を加え
カビ防止に焼酎を少し。
チャックを少しだけ残して閉め
隙間からストローを差し込み
中の空気をできるだけ吸い出す。
強いアルコールが混じっているため
えほんえほんむせる。
チャックをきちんと閉めて
平らにし、バットに置いて
上から電話帳みたいなやつで重石をする。
水分が上がってきたら
冷蔵庫に移して梅雨明けを待つ。
日差しが強くなったら
梅をザルに並べて干す。
日中1回表裏を返せるといいけど
仕事の日はまあしょうがない。
夜になったら取り込む。
それを3日間。
で、出来上がり。
師匠のには敵わないけど
なかなかの出来に自己満足ハンパない。
で、翌年。
調子に乗って2キロ仕込む。
干す段になってちょっと面倒になり
ひっくり返すこともせず
曇りでもまあいっかと干してみる。
出来上がった梅干し、不細工。
やっぱり気持ちがそのまま結果に出るのだ、と
猛省。
そんなわけで今年はとても気を使って
丁寧に仕込み、夏を待った。
しかしなかなか日差しが強くならず
間をあけながらどうにかこうにか
3日干すことが出来た。
ひっくり返すときに一粒ずつ
優しく揉むのも忘れなかった。
出来上がり、2年ぶりの自己満足。
FBの友達の中にも
自分で梅を仕込み、干している様子が見られて
コメントしあったりするのが楽しかったので
出来上がったら交換会をしよう、ということに。
そしてそれが今日、台風の中決行された。

会場はチャブダイカフェさんにお願いし
白いご飯とお味噌汁、スペシャルプレートを
用意してもらった。
集まったのは4人。
同じ「梅干し」と言っても
こんなに個性が出るのか、と驚いた。
塩分13%と氷砂糖で仕込んだもの。
あたりのやわらかい塩気と梅の実の美味しさ。
塩分20%、青梅で仕込んだもの。
丁寧な干し方で実がふんわりしっとり。
実家のお父様の赤紫蘇梅干し、
さすがベテランの味。いつかこういうの作れるかな。
自分で作り始めたきっかけとして
スーパーなんかで売ってる梅干しが
かつおだのハチミツだの、よくわかんないものに
まみれているのが嫌だったから、と
いう方がいた。
私も最近知ったことだけど
減塩をうたっている梅干しは
塩漬けしたのち一度水につけて塩分を抜き
ついでに旨味も流してしまい
合成添加物がたくさん入った調味液に漬けたもの
なのだそう。
干すことすらしない。
昔から特別に梅干しが好きだったわけじゃないけど
仕込む時の黄色い梅の実が放つ芳香や
あっという間に水分が上がってくる様子や
日に当たるごとに変化していく姿を見ることや
手をかけた分だけのリターンがあることが
好きなんだな、きっと。
そして今回、交換会をして
美味しい、って言ってもらえる喜びも知り
来年がすでに待ち遠しい。
雨風激しい中来てくれた皆さん、
美味しいご飯を用意してくれたチャブダイカフェさん、
ありがとうございました。