夫の勤める出版社には自費出版の部署がある。そこのプロモーションとして、子育てに関するエッセイを一般公募して本にして配布するっていうのをやるそうなので、応募してみた。インサイダー取引の結果見事採用された。なんて嘘。謝礼に図書券三千円分貰えた。嬉しい。夢の売り文稼業。
そして数ヶ月後、出来上がった本が届いた。装丁のイラストがちょっと謎だけどすっきりしたデザインでなかなか可愛い。中に載ってるのが17人の文章で、まあ、言っちゃなんですが、玉石混合。ただ、テーマの付け方が良かったんだなあと思う。子供を持ったことある人には書きたいこと山ほどあるもんね。中には男性もちゃんと入っていて、感心した。もちろん今時男子は子育てにちゃんと参加してることは知ってるけど、わたしの父もわたしの夫もそういうのしなかったからね。あ、責めてるのではなく、そういうの許されない会社にいたので残念だったね、ってことで。いや違うか、友達は激務の間夕方一瞬「すみません沐浴の時間なんで」って帰宅してまた会社に戻ったって言ってたな。やる気の問題かな。いやいやそういうのだって許されない会社もあるよね。
17人の子育て話は、へええ、とか、うわあ、とか、嘘だろっ、とか、すごいな、とか、とても興味深く読めた。別に正解なんかないと思うけど、種の存続は連鎖だから、こうやって育てられた子供はやがてこうやって育てる親になるわけで、他人事ながらちょっと心配になったりもした。わたしの話を読んで、他の人はどんな感想を持ったかなあ、なんて思ったりもした。で、一番びっくりしたのがわたし以外のほとんど全員が本名でなくペンネームで掲載していたことだ。名を隠す理由ってなんだろう。プライバシーを守るためか?それだったら出版物に掲載すること自体をやめたらいいんじゃないのかな。文章に責任を持たない人をわたしは信用しない。
ついこないだ母が自費出版やったばかりなので、身近な話ではあるし、こうして現物を見るととてもそそられる。多分出版社のサイトを見に行って価格チェックまではやっちゃうな。だけどわたしの夢は自腹で本を出すことではなくて、書いたもので金もらうことなので、相容れないなあ。なんて。夢は夢なので。
さて今日も宮仕え頑張る。