ちっちゃいきんぎょ

サバイバルキットの仕上げに、どうしても欲しかったオレンジのエクソタックポリストライカーXL。ネットはどこも売り切れだけど、鎌倉の実店舗にいけばあるだろうとたかをくくってひらひらでかけていった。

アンプラージュの少し手前、雑貨屋の店頭のかごにぞんざいにつっこまれてた、赤いフェルトのバッグにひきとめられた。手にとって見ていると店主がやってきて、すごい勢いで売り込む。

デパートに出してたのが残りこれだけになり、ひきとってきたんです。ネパールで製造しています。とにかく、ぶあつくってオーダーしました。わたしががさつなひとだから、なんでもほいほいつっこめるようにしてあります。持ち手も長めで、肩掛けできるようになってます。

話8割くらいのところで、買いますって意思表示したら、ちょっとまって、おまけ、といって、長さ7mmほどの赤っぽい塊をくれた。バッグチャーム用に、今朝ちまちまたくさんつくったというレジンのきんぎょ。それと名刺をくれた。いろんなものを作る人なのだそうだが、きんぎょのおばさんと覚えてください、だって。ハダカでてのひらにちょこんと乗せられたので、なくさないようティッシュのビニールカバーに挟んで持ち帰った。

レジン遊びは一回やったことがある。ドライフラワーに樹脂を塗り、紫外線にあてると硬化する。金具とくっつけてピアスを作った。紫陽花の清楚なやつ。しかしこのサイズのきんぎょとなると、いったいどんだけのちまちまっぷりなんだか。よくみると色も三色だし。

ただそれよりびびったのは、このご時世に拡大移転するんだって、雑貨屋。いいなぁ資産があるって。鎌倉で商売するってのはなかなかハードル高いときいてるのに。

さてアンプラージュにはオレンジは一本しかなかった。二本必要なので本社やオモサンにも聞いてもらったが、在庫なし入荷未定。しょうがなく一本はグレイにした。エクソタックなんてマニアックですねーといわれたけど、これがいちばん火熾ししやすいんだもん、しょうがないじゃん。

ちっちゃいきんぎょは無事におうちにたどりついた。今はどっかで拾った白い貝殻のなかにいる。でもたぶん10年たってもそこにいる気がする。