
一番下の妹が生まれた時に母は7段飾りの雛人形を購入した。
当時の状況から察するにかなり思い切った買い物だったに違いない。
本当は娘一人に対して雛1組用意するものらしいが
飾る場所もないし7段で3人分の願をかけた。
と、書いててふと思ったのだけど
だから結婚したのは3人のうち1人だけなのかもしれない。
今も母は妹を嫁に出そうと雛飾りをしているが
もう神通力は残ってないのかもしれない。
と、その辺はちょっとシリアスになるので置いといて。
私に娘が生まれたのは5月だったので
それから初節句までは10か月もあり
2月になるともうそれは浮かれまくって
人形町へ出かけて行った。
どこかの店を目指したんじゃない、
人形町を目指したんだった。
なぜなら「そこに行けば人形がある」と
思い込んでいたからだ。
ちょっと色々突っ込みどころもあるけど
とにかく人形町で無事に雛に出会えた。
マンションに7段は置けないので
二人だけの親王飾りというタイプ。
その代わりとても大きくて立派な姿。
お内裏様の端正な顔立ち。
そして実家の両親と義理の父親に連絡した。
「〇〇万円で買いました。半分ずつくれませんか。」
というのも友達の家で起きた恐ろしい事件のことが
脳裏に焼き付いていたからだ。
友達は埼玉出身、旦那様は広島出身、
それぞれの土地の風習において
友達の両親は「節句の飾りは女親の実家が買うもの」
と信じていたし
旦那様の両親は「男親の実家の務め」と考えていて
結果、「でかい兜飾りと五月人形が2つずつ突然届いたの!」
困惑しきった友達はしかし、2年後次男を産んで
問題を鮮やかに解決した。
私はとてもじゃないが、二人目なんか無理だ。
そして初節句、スポンサー様をご招待して
ささやかではあるが宴を催した。
写真を見ると、満月みたいにまんまるな顔の
ムスメが雛をバックにきょとんとしてる。
それから21年。
ムスメはもう満月みたいじゃないし
私も寄る年波と戦ってるけど
お雛様らは相変わらず
雅びやかでお美しい。
だいたい毎年、ぎりぎりまで出せなくて
飾ったと思ったら仕舞ってるから
日光などによる経年変化があまり見られない。
羨ましい。
さ、ちらし寿司を仕上げようっと。
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