舞台は鮮やか緑の紅茶畑が美しいキャメロン高原。台湾のトム・リン監督、第二次大戦直後のマレーシアにて、ミステリアスな庭師を阿部寛(日本)、妹への贖罪のため日本庭園を造ろうとする姉を李心潔(マレーシア)が扮する。 #oaff
ちょうど2020年マレーシア政変と被り、日本統治時代、イギリス領時代、そしてマラヤ連邦独立へ、と時代に翻弄されながらもたくましく生き抜く女性を李心潔:リーシンチェが好演。高原の別荘地ではアフタヌーンティーが開かれ、英国人が優雅に暮らす前半。何度も写される緑の丘陵...一説には日本の茶畑を真似て紅茶畑を設計したとか...数十年後の高原では、老いた英国人もマレーシア人も珈琲を飲み、良き時代が去ったことを告げていた。そして終盤、夕霧庭園にこだわりつづけた庭師の意図が解かされるのだった。
慰安婦の描写については許せない人もいるだろうが、個人的には生々しくなく幻想的であり必要なシーンと思う。
夕霧花園: the Garden
2020年 マレーシア/イギリス