芸術について語りかけましたので、この際一気に芸術についての話をしようと思います。
前もってお断りしておきますが、以下はあくまでも私個人の芸術に対する概念です。
芸術とは何なんだろう。
で、その定義は?
若かりし時代によく考えたテーマです。
辞書には以下のように記されています。
作品の創作と鑑賞によって精神の充実体験を追求する文化活動。
文学、音楽、造形美術、演劇、舞踊、映画などの総称。
しかし、すべての文学、音楽、造形美術(建築・絵画・彫刻など)、演劇、舞踊、映画などが芸術であるわけがありません。
純文学と下世話な三文小説とではどちらが芸術かと尋ねられたら誰しもが純文学と答えるでしょうし、
交響曲と流行歌なら誰もが同じ判断をするでしょう。
映画でも、娯楽を目的としてつくられた作品とアバンギャルド(前衛映画)とは違うはずです。
絵画にしても、精密な写実画なら写真でもそれを代理することができるはずですし、制作意思が希薄な単純な風景や人物の写生は芸術には該当しないと思われます。
装飾を目的として創作された絵画は芸術とは呼びがたいでしょう。
そこには芸術とそうでないものの概念があるはずです。
一般論として、芸術作品と呼ばれるためには『技術・思想・創造力』が絶対要素であるといわれています。
優れた技術で美しく仕上げた絵画でも、思想(意思・信念・情感など)がなければそれは美術であり、
もしも技術が伴っていなければ美術でもありません。
勿論、創造物であるからにはオリジナルな個性ある表現が必須でしょう。
それら三つの要素で仕上げられた作品が媒体となって鑑賞者の心を揺り動かすことができればそれは立派な芸術であるといえるでしょう。
翌日に続く