港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(103) 『大運河』 1959年公開

2014-04-15 00:43:31 | 映画音楽



『大運河』 Sait-on Jamais... (仏) 1957年制作
監督 ロジェ・ヴァディム
音楽 ジョン・ルイス
主演 ソフィー … フランソワーズ・アルヌール
    ミシェル … クリスチャン・マルカン
    スフォルツィ … ロベール・オッセン
    ベルゲン … O・E・ハッセ
主題歌 『ゴールデン・ストライカー』 ( Golden Striker ) 演奏・モダン・ジャズ・クヮルテット

ベニスを舞台にしたヴァディム自身の原案サスペンスでヌーヴェルヴァーグ初期の作品。
得体の知れない男爵ベルゲンはベニスの別荘に養女のソフィーと彼女の婚約者スフォルツと暮らしていた。
ソフィーはある日、映画館で雑誌カメラマンのミシェルと知り合いお互いに心をひかれ合って別荘を飛び出す。
男爵とスフォルツはソフィーを取り戻したが、金のもつれで争いとなりスフォルツは男爵を刺殺してしまう。
スフォルツはその罪をミシェルになすりつけようとしたが失敗。ミシェルとスフォルツは運河で対決するが
スフォルツは自ら運河に落ちて命をおとす。

主題歌の『ゴールデン・ストライカー』はMJQ (モダン・ジャズ・クヮルテット) のピアニストのジョン・ルイスの作曲で、
ヴァディムから聞いた物語とベニスの印象をもとに作曲したと言われています。
映画では『ゴールデン・ストライカー』を含めた全六曲が使われていました。
モダンジャズを本格的に取り入れた映画は、日本での公開順からいえば『死刑台のエレベーター』が最初なのですが、
制作順では『大運河』が記念すべき最初の作品です。

↓は『大運河』のタイトルバック  YOUTUBEより


↓はMJQの『ゴールデン・ストライカー』  YOUTUBEより

(ヴィブラフォンは名手ミルト・ジャクソンです)


映画音楽史(102) 『ニューヨークの王様』 1959年公開

2014-04-14 00:34:43 | 映画音楽



『ニューヨークの王様』 A King in New York (英) 1957年制作
監督 チャールズ・チャップリン
音楽 チャールズ・チャップリン
主演 シャドフ王 … チャールズ・チャップリン
    アン・ケイ … ドーン・アダムス
    ルパート … マイケル・チャップリン
主題歌 『マンドリン・セレナーデ』 ( Mandolin Serenade ) 演奏・ヘルムート・ツァハリアス楽団

レッド・パージでアメリカを追い出され、沈黙を保っていたチャップリンが
ロンドンで制作したアメリカ文明に対する皮肉たっぷりの作品。
革命が起こってヨーロッパの小国エストロヴィアのシャドフ王はニューヨークに亡命した。
しかし、随行していた大臣が全財産を持ち逃げし無一文となってしまう。
そこにアナウンサーのアンが王様をTVショーに出演させる。王様は一躍全米の
人気者になり、CMなどにも引っ張りだこになる。ある日、王様はマルクスの本を
読んでいた十歳のルパートと知り合うが、ルパートの両親が共産主義者だということで
非米活動委員会から訴追されルパートも追われる身となったのをかくまう。
それにより王様自身も疑われてしまい、王様はそんなアメリカに嫌悪を感じて
アンとルパートに見送られて飛行機でヨーロッパに旅立っていった。

主題歌の『マンドリン・セレナーデ』はチャップリンが作曲しボリス・サーベナックが編曲したもので、
他にも『春の調べ』、『ウィーピング・ウイロウ』などが挿入されています。

↓はヘルムート・ツァハリアス楽団の『マンドリン・セレナーデ』 YOUTUBEより




映画音楽史(101) 『縛り首の木』 1959年公開

2014-04-13 00:52:05 | 映画音楽



『縛り首の木』 The Hanging Tree (米) 1958年制作
監督 デルマー・デイヴィス
音楽 マックス・スタイナー
主演 ジョー・フレイル … ゲイリー・クーパー
    エリザベス・マーラー … マリア・シェル
    フレンチー … カール・マルデン
主題歌 『縛り首の木』 ( The Hanging Tree ) 唄・マーティー・ロビンス

ドロシー・M・ジョンソンの原作をもとに描いた重厚なリアリズム型の西部劇。
医師のジョーは駅馬車強盗に襲われて重傷を負ったエリザベスを救う。
エリザベスはジョーを慕うようになるがジョーはそれをかたくなに拒む。
やがて彼女は町のボスのフレンチ―と共同で金鉱の採掘を始めた。しかし金鉱が
発見されるとフレンチ―は裏切りに走り、エリザベスを亡き者にしようとした。
ジョーはフレンチ―を撃って彼女を助けたが、フレンチ―の仲間たちがジョーを
捕えて縛り首の木に吊るそうとした。最後はエリザヘスにその危機を救われる。

主題歌の『縛り首の木』はマック・ディヴィット作詞、ジェリー・リヴィングストン作曲に
よるもので、日本においてマーティー・ロビンスの名を知らしめた曲となりました。
映画ではタイトルバックとラストシーンで使われておりました。
また、この作詞作曲コンビはTVの『サンセット77』『サーフサイド6』などでも名コンビぶりを
発揮していました。

I came to town to search for gold
And I brought with me a memory
And I seem to hear the night wind cry,
"Go hang your dreams on the hangin' tree
Your dreams of love that could never be
Hang your faded dreams on the hangin' tree!"

↓はマーティー・ロビンスの『縛り首の木』 YOUTUBEより


独り言

2014-04-13 00:35:47 | 独り言


現在掲載中の『映画音楽史』も100作品になりました。
登山でいえばやっと三合目あたりといったところです。
これからも一日一記事を目指し、できれば年内までには完結したいと思っています。

なお、このブログの映画や映画音楽の記事におきましては、
アカデミー賞の受賞については一切触れないようにしています。
本来ならば、『カサブランカ』1943年のアカデミー最優秀作品賞とか、
『ケセラセラ』1956年アカデミー主題歌賞受賞などと記述すれば
閲覧されておられる方々には受け入れていただきやすいと思うのですが、
個人的にアカデミー賞はナンセンスという立場で記事を書いておりますので、
あえて記載しておりませんので ご容赦いただきたいと思っています。

ポップス・ベストテン 1962年4月 その2

2014-04-12 00:11:20 | ポップス

『今週のベストテン』1962年4月14日
①トゥナイト サウンド・トラック
②ルイジアナ・ママ ジーン・ピットニー
③花咲く街角 デル・シャノン
④霧の中のジョニー ジョン・レイトン
⑤悲しき片想い ヘレン・シャピロ
⑥大人になりたい コニー・フランシス
⑦恋の一番列車 ニール・セダカ
⑧ライオンは寝ている トーケンズ
⑨夢みる恋 ヘレン・シャピロ
⑩レッツ・ゲット・トゥゲザー ヘイリー・ミルズ
⑪悲しき女学生 パット・ブーン
⑫夢のデイト コニー・フランシス
⑬すてきな16才 ニール・セダカ
⑭戦場に陽は落ちて リトル・リチャード
⑮悲しい恋の物語 ダイオン
⑯ブルー・ハワイ エルヴィス・プレスリー
⑰君去りし夜 ウーゴー・ブランコ楽団
⑱子供じゃないの ヘレン・シャピロ
⑲あなたのおそばに ヘレン・シャピロ
⑳さすらいのルンバ ホセイト・ロメロ楽団

『今週のヒットレコード』1962年4月15日
①霧の中のジョニー ジョン・レイトン
②好きにならずにいられない エルヴィス・プレスリー
③ライオンは寝ている トーケンズ
④悲しい恋の物語 ダイオン
⑤戦場に陽は落ちて リトル・リチャード
⑥ハッピー・ホセ ジャック・ロス楽団
⑦トゥナイト サウンド・トラック
⑧ビッグ・バッド・ジョン ジミー・ディーン
⑨すてきな16才 ニール・セダカ
⑩アテネの恋歌 ナナ・ムスクーリ
⑪ナポリに帰りて ナナ・ムスクーリ
⑫大人になりたい コニー・フランシス
⑬ザ・ツイスト チャビー・チェッカー
⑭あなたに夢中 ジョー・アン・キャンベル
⑮ルイジアナ・ママ ジーン・ピットニー

『今週のベストテン』では1~10位までの顔ぶれが変わらず、さらに11~20位の
顔ぶれも変わらないフレッシュ感のない週でした。

『今週のヒットレコード』では『すてきな16才』と『アテネの恋歌』がベストテンに入り、
代わって『ナポリに帰りて』と『あなたに夢中』がベストテンから陥落しました。
下位では『ルイジアナ・ママ』が戻ってきましたがこちらの番組では全く人気がなく
ベストテン入りすることもなく、今週限りで完全に姿を消してしまいます。

いずれにしても新鮮味のない週でしたが、次週に両番組ではベストワンを狙う新曲が
複数登場します。その内の一曲を先立って紹介します。

↓はポール・アンカの『愛してほしいの』 YOUTUBEより