港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


献立は…  
シネマ・ポップス…ときどきイラスト

映画音楽史(100) 『お熱いのがお好き』 1959年公開

2014-04-11 00:46:55 | 映画音楽




『お熱いのがお好き』 Some Like It Hot (米) 1959年制作
監督 ビリー・ワイルダー
音楽 アルフレッド・ドイッチェ
主演 シュガー … マリリン・モンロー
    ジョー (ジョセフィン) … トニー・カーティス
    ジェリー (ダフネ) … ジャック・レモン
    オスグッドⅢ … ジョー・E・ブラウン
    スパッツ・コロンボ … ジョージ・ラフト
主題歌 『愛されたいのに』 ( I Wanna Be Loved By You ) 唄・マリリン・モンロー

禁酒法下のシカゴで起きた聖ヴァレンタインデー事件をヒントに書き下ろされたラヴコメディ。
シカゴの楽団員のジョーとジェリーはギャングたちの射殺事件を目撃してしまったためにギャング
から追われ、二人は女装してオール女性メンバーの楽団に潜りこんで一行と演奏の旅に出る。
ジョーはヴォーカルのシュガーに惚れて今度は石油会社のオーナーに変装してシュガーの
気を引こうと企み、一方ジェリーは大金持ちのオスグッド3世に惚れられてしまう。
しかしギャングに正体を見破られて再び追われるがオスグッド3世によって救われる。

主題歌の『愛されたいのに』はハリー・ルビーとハーバート・ストサートの作曲にバート・カルマ―が
詩を付けたもので、1928年のミュージカル"Good Boy"のために書かれた古い曲です。
この映画では時代を合わせるように1920年代に流行した曲が多用されています。
また、アルフレッド・ドイッチェやマティ・マルネックのオリジナル曲も数曲演奏されていました。

I wanna be loved by you, just you
Nobody else but you
I wanna be loved by you alone
Boop-Boop-a-Doop

↓はマリリン・モンローの『愛されたいのに』 YOUTUBEより



また、この映画の傑作シーンといえば、ダフネとオスグッド3世のダンスシーンでしょう。
曲は『ラ・クンパルシータ』ですがコンチネンタル・タンゴ風にアレンジされていました。

↓は映画からダンスシーンの『ラ・クンパルシータ』 YOUTUBEより



映画音楽史(99) 『リオブラボー』 1959年公開

2014-04-10 00:11:45 | 映画音楽



『リオブラボー』 Rio Bravo (米) 1958年制作
監督 ハワード・ホークス
音楽 ディミトリー・ティオムキン
主演 ジョン・チャンス … ジョン・ウェイン
    デュード … ディーン・マーチン
    コロラド・ライアン … リッキー・ネルソン
    スタンピー … ウォルター・ブレナン
    フェザーズ … アンジー・ディキンソン
    ネイサン・バーデット … ジョン・ラッセル
主題歌 『リオブラボー』 ( Rio Bravo ) 唄・ディーン・マーチン
挿入歌 『皆殺しの唄』 ( Deguello ) 演奏・ネルソン・リドル楽団
挿入歌 『ライフルと愛馬』 ( My Rifle, My Pony And Me ) 唄・ディーン・マーチン&リッキー・ネルソン

B・H・マッキャンベルの小説をもとにしたハワード・ホークス監督・ジョン・ウェイン主演の豪快西部劇。
リオ・ブラボーの町の保安官チャンスは町のボスであるバーデッドの弟ジョーを殺人犯で捕えた。
しかし、町は完全にボスの支配下にあり、バーデッドはジョーを留置所から奪還するため町を封鎖した。
チャンスの味方はアル中のデュードと老人のスタンピー、そして流れ者のコロラドだけである。
ついに多数に無勢の戦いが始まったが、チャンスたちはダイナマイトを使って相手を降伏させる。

本来の主題歌はディーン・マーチンがタイトルバックで唄った『リオブラボー』なのですが、
実質的な主題歌は『皆殺しの唄』と『ライフルと愛馬』でありましょう。
『皆殺しの唄』はアラモ砦の戦いでメキシコ軍が総攻撃の時に使用した‘首斬り’という古曲で、
これをティオムキンが編曲したものです。
映画ではバーデッド一味が保安官事務所を脅すかのようにトランペットのメロディを流していました。
この曲は後年のジョン・ウェイン監督の『アラモ』でも使われています。

↓はネルソン・リドル楽団の『皆殺しの唄』 YOUTUBEより



また、『ライフルと愛馬』はディミトリー・ティオムキン作曲、ポール・フランシス・ウェブスター作詞で、
この映画では保安官事務所でリッキー・ネルソンのギターとウォルター・ブレナンのハーモニカで
ディーン・マーチンとリッキー・ネルソンが唄っていました。
ただ、レコードはディーン・マーチンの歌唱でリリースされています。
しかし、この曲はこの映画のために作られたものではなく、1948年の『赤い河』の主題歌として
ティオムキンが作曲したもので、同映画のタイトルバックで流れていました。

The sun is sinking in the west
The cattle go down to the stream
The redwing settles in the nest
It's time for a cowboy to dream

↓はディーン・マーチン&リッキー・ネルソンの『ライフルと愛馬』 YOUTUBEより



映画音楽史(98) 『南太平洋』 1959年公開

2014-04-09 00:18:37 | 映画音楽



『南太平洋』 South Pacific (米) 1958年制作
監督 ジョシュア・ローガン
音楽 アルフレッド・ニューマン
    ケン・ダービー
主演 エミール・デ・ベック … ロッサノ・ブラッツィ
    ネリー・フォーブス … ミッチー・ゲイナー
    ジョセフ・ケーブル … ジョン・カー
    リアット … フランス・ニュイエン
    ブラディ・マリー … ファニタ・ホール
主題歌 『魅惑の宵』 ( Some Enchanted Evening ) 唄・ロッサノ・ブラッツィ
挿入歌 『バリハイ』  ( Bali Hai ) 唄・ファニタ・ホール

大ヒットしたミュージカルの映画化で原作はジェームズ・A・ミッチェナーの『南太平洋物語』。
太平洋戦争下の南国の島に海兵隊のジョセフ・ケーブル中尉や看護婦のネリーたちが赴任する。
ネリーは島の農園主エミールと愛し合うようになるが、エミールには二人の遺児がいた。
一方、ケーブル中尉はエミールに協力を求めて日本軍の襲撃作戦を実行する。しかし、中尉は
戦死し、エミールは消息不明になってしまう。ネリーは子供たちとエミールの帰還を待つ。

主題歌を含めて一連の歌曲はオスカー・ハマスタインJr作詞、リチャード・ロジャースの作曲です。
映画では全十五曲が取り上げられましたが、『魅惑の宵』と『バリハイ』が特に有名です。

Some enchanted evening
You may see a stranger,
you may see a stranger
Across a crowded room
And somehow you know,
You know even then

↓はロッサノ・ブラッツィの『魅惑の宵』 YOUTUBEより



もう一曲

Most people live on a lonely island,
Lost in the middle of a foggy sea.
Most people long for another island,
One where they know they will like to be.

↓はファニタ・ホールの『バリハイ』 YOUTUBEより

映画音楽史(97) 『拳銃に泣くトム・ドーリイ』 1959年公開

2014-04-08 00:34:45 | 映画音楽



『拳銃に泣くトム・ドーリイ』 The Legend of Tom Dooley (米) 1959年制作
監督 テッド・ポスト
音楽 ロナルド・スタイン
主演 トム・ドーリイ … マイケル・ランドン
    ローラ … ジョー・モロー
    カントリイ … リチャード・ラスト
    エーベル … ディー・ポラック
主題歌 『トム・ドゥーリイ』 ( Tom Dooley ) 唄・キングストン・トリオ

キングストン・トリオの『トム・ドゥーリイ』をヒントに企画されたもので、若者の悲劇を描いた作品。
南北戦争の終結を知らなかった南軍のトムは仲間二人とともに北軍の輸送車を襲撃してしまった。
強盗殺人犯として手配されたトムは恋人のローラのもとに逃げるが、彼女を盾にした保安官と争いになる。
ナイフで刺されたローラを抱きかかえたトムは逮捕され、待っていたのは絞首台であった。

主題歌の『トム・ドゥーリイ』の原曲は、ノースカロライナ州で恋人を殺して絞首刑になったトム・ドゥーラ
のことを唄った古いフォークソングで作者はトーマス・C・ランドです。
これをキングストン・トリオのリーダーであるデイヴ・ガードがアレンジして大ヒットとなりました。

Throughout history
There've been many songs written about the eternal triangle ……

Hang down your head, Tom Dooley,
Hang down your head and cry.
Hang down your head, Tom Dooley,
Poor boy you're bound to die.

↓はキングストン・トリオの『トム・ドゥーリイ』 YOUTUBEより


ちなみに、絞首刑になった実在のトム・ドゥーラは、1866年に婚約者であったローラ・フォスターが
心変わりをしたという理由で彼女を刺殺します。トムは裁判で犯行を否定しますが、罰を受け入れて
自ら絞首台の露と消えました。事件の真犯人はトムの愛人だった女性アン・メルトンだともいわれましたが
その後アンも自殺してしまったため、事件の多くの謎は解明されることはありませんでした。


映画音楽史(96) 『騎兵隊』 1959年公開

2014-04-07 00:29:54 | 映画音楽



『騎兵隊』 The Horse Soldiers (米) 1959年制作
監督 ジョン・フォード
音楽 デヴィッド・バトルフ
主演 ジョン・マーロー … ジョン・ウェイン
    ヘンリー・ケンドール … ウィリアム・ホールデン
    ハナ・ハンター … コンスタンス・タワーズ
    グラント将軍 … スタン・ジョーンズ
主題歌 『騎兵隊マーチ』 ( I Left My Love ) 演奏・デヴィッド・バトルフ楽団と合唱団

南北戦争下の騎兵隊の活躍を描いたハロルド・シンクレアの小説をジョン・フォードが映画化。
北軍グラント将軍は劣勢を巻き返すためにジョン・マーロー大佐に南軍の補給中継所であるニュートン駅の
破壊作戦を命令する。その一行に軍医のヘンリーも随行するが大佐とことごとく意見が合わない。
駅の爆破に成功したもののさらに南下する途中に南軍の襲撃にあう。騎兵隊の被害は大きく、多数の
負傷兵が出た。大佐は軍医や負傷兵が捕虜になるのを覚悟の上で再会することを祈りながら移動していく。

主題歌の『騎兵隊マーチ』はスタン・ジョーンズの作詞・作曲によるものです。スタン・ジョーンズは
『ライダーズ・イン・ザ・スカイ』やTV『シャイアン』などの作曲などで知られる音楽家ですが、
この映画では北軍司令官のグラント将軍として出演していました。

I left my love, my love I left her
sleepin' in her bed
I turned my back on my true love
Went fightin' Johnny Reb

↓はデヴィッド・バトルフ楽団と合唱団の『騎兵隊マーチ』 YOUTUBEより