生涯学習センターで全4回の「連歌・俳句入門」を受講したのが平成30年。蓮歌の魅力、戦国武士と蓮歌、芭蕉の連句などの内容を興味深く聞きました。その後『歌仙はすごい』(辻原登・永田和宏・長谷川櫂著)を読み、隅田川の巻の深川芭蕉庵も訪ねてみました。とはいえ、実際の「連句」がどのようなものかがわからないままに日が過ぎていき、どうしたら具体的に学べるのかと思っていた矢先「茨城県連句大会」への参加を誘われました。40名近い参加者の中で初心者は私一人。5人のグループの中に日本連句協会会長の青木秀樹先生がいらっしゃいました。「次は恋の句を七七で」とか「ここでは色を入れて詠んでみましょう」とか実に丁寧に教えていただきました。ほとんど何のことやら理解できていませんでしたが拙句も数句採っていただきました。何よりもテーブルの名酒「獺祭」を軽く飲みながらの会、すっかりその知的なゲームの雰囲気が気に入りました。
その参加を機に、連句のグループからのお誘いをうけ、20韻を2度巻きました。とはいえ、句会や歌会ほどの頻度で連句の会が開かれるわけではありません。そこで「独吟」もありということを知り、連句大会の折にいただいた小冊子『連句しませんか』(やまぐち連句会)を頼りにその「座の仕組み」「巻き方」「句の付け方」「基本的な式目」などを学びながら半歌仙を巻いてみました。
何しろ初めてのこと、連句を学んでいる方からのご指導をいただければ幸いです。今日一日、頭を使いながらとても楽しかったことは事実です。
半歌仙 毒吟 「仙人掌の花 の巻」
表発句 夏 仙人掌の花や哲学倫理学
脇 夏 砂漠転がる麦藁帽子
第三 雑 勤王の志士の鳩首は蕎麦屋にて
四 雑 昔話の味はひ深く
五 秋月 湖に映る満月紙のごと
六 秋 糸につないだシオカラトンボ
裏一 秋 指切りを破つて友の墓参る
二 雑 宇宙旅行に行くため貯金
三 雑恋 君の眼が声がしぐさが髪が好き
四 雑恋 二人の腰を縛りて入水
五 雑 ジュラ紀にはステゴサウルス跋扈して
六 雑 がたんごろんと水車が回る
七 冬月 寒月に徳利抱へて平手神酒
八 冬 近き忌日に剪る寒椿
九 雑 荒れる海鎮める赤き蝋燭に
十 雑 病院前に嬰児を捨てる
十一 花 市民バス桜吹雪に迷ひをり
挙句 春 うららかなるや故郷の道
令和二年七月二十四日 首
令和二年七月二十四日 尾
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