『10歳からの考える力が育つ20の物語』に触発されて「視点の転換」について改めて考えてみました。
「われわれの日常生活を直接に支配するのは自我性または自己中心性の原理」であるとは、「パラダイム」のことではないでしょうか。パラダイムとは「一時代の支配的な物の見方や時代に共通の思考の枠組」(『広辞苑』)を指します。「時代の視点」と言い換えてもいいかもしれませんね。
15世紀ごろまで人々は、2世紀ごろのプトレマイオスの考えをもとにした「天動説」―地球が宇宙の中心であり、太陽や月や星が地球の周りを回っているーのだと信じていました。しかし、やがてこの天動説という「パラダイム」はコペルニクスやガリレオによる「地動説」へと「パラダイムシフト」されていきます。
このようなパラダイムシフトを起こせる人たちに共通するのは「若さ」なのかもしれません。古い価値観やパラダイムにとらわれず新たな「視点」に立てる若さ。その時代の中で多くの人が共通認識している価値観にNOを言うのには大変な勇気がいったことでしょう。日本を近代国家へと開いた明治維新、あの薩長同盟の大久保利通35歳、木戸孝充32歳、この木戸孝充のちの桂小五郎はじめ明治維新に活躍した多くの若者を教育した吉田松陰は25歳で私塾を開いています。
経済界でも名を成している人たちは従来の考え方にとらわれず、新たな視点で若くして起業し成功を収めています。松下幸之助は24歳。井深大は37歳で起業。孫正義も永森重信も柳井正もみんな若い。海外でもGAFAのラリー・ペイジ25歳、マーク・ザッカーバーグ19歳、スティーブ・ジョブズ21歳・・・マイクロソフトのビル・ゲイツも19歳。
先に紹介した「子どもがわかったというのに、おとながなかなかわかったと思わん場合が多いですね。それは邪魔者が多いからでしょう。長いこと生きてきたために、邪魔者が頭の中に詰まっているから、なかなか素直にわかったと思わない。自分の頭の中に詰まっているものと関係つくものはわかっても、そのわかりかたは非常にコンベンショナルなものになる。」との湯川秀樹の言明を思い出します。
「若さ「とは単なる年齢ではなく「王さまは裸だ」と言い切れるような常識を疑う、パラダイムにとらわれない、柔軟なものの見方・考え方を言うのでしょうね。その「若さ」はいつまでも持ち続けたいと思います。
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