師走、年末のこの時期にふさわしい俳句があります。
この出逢ひこそクリスマスプレゼント
稲畑汀子さんの句です。いい句だと思いませんか。
私もいい句だと思いはしますが、どうも釈然としない点があります。「分かったつもりにならないで」が私の研究テーマです。私にはこの俳句の「この」が分からないのです。「この出逢ひ」とはどんな出会いなのでしょうか。今日の、クリスマスの日に限った出逢いと考えたのでは意味が狭くなるように思います。この一年を振りかえってのたくさんの出逢いがクリスマスのプレゼントだと考えてはどうでしょうか。
庭に来る小鳥の声、新しい命の誕生、おいしいアップルパイ、眼を見開かされた本や素敵な人々との出逢いもあれば、そうではない不孝な出会いもあるでしょう。大きな自然災害、国家間の紛争、裏切り、大事な人との別れ・・・・幸せな出逢いは、嬉しいプレゼントとして感謝して受け取ります。つらい悲しい出逢いもまた「恩寵的試練」として、神が私を試しているプレゼントとして受け取りなさいという意味にも鑑賞できます。
私たちは気がつかないだけで、多くのプレゼントを受け取っています。父や母はもちろん、縦に繋がる祖先の恩恵との出逢い、完ぺきとは言えないが民主主義国家に住む一国民として受けている恩恵との出逢い、そして、このコロナ禍にあって増えた読書での出逢い。これらの出逢いもプレゼントです。
でも、感謝の気持ちがなければプレゼントには気がつきません。
今私は、ジングルベルに浮かれることなく、多くの出逢い~いただいたプレゼントに感謝し、その恩返しのために何をしなければを考えています。それを具体的な活動として、来年の活動につなぎたいと思います。
メリークリスマス。
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