無事、これ名馬
「無事、これ名馬」は、宇江佐真理著作の時代小説の題名である。
江戸時代の火消しの頭「吉蔵」のもとに、七歳の武士の子「村椿太郎左衛門」が
「頭、拙者を男にしてください!」と尋ねて行くところが出だしだ。
そして、火消しの頭の亡くなるまでの6編が続く。
・好きよ たろうちゃん
・すべった転んだ洟かんだ
・つねりゃ紫 喰いつきゃ紅よ
・ざまア かんかん
・雀放生
・無事、これ名馬
泣き虫弱虫の武士の長男が成長してゆく姿と火消しの姿が活き活きと描かれ
ている。
火消しの頭が、武士が結婚するまで生きておくとの約束を果たし、亡くなるところ
で終わりとなる小説だ。
何時もの人情豊かな作品だ。
武士の父が、自分の息子は自慢は出来ないが、無事でいてくれることが一番
自慢できるととの例えが、「無事、これ名馬」と、火消しの頭に言うくだりがあり、
この小説の題名となっている。
早死にした者は、「駄馬」と表現されていた。
皆さん、無事平穏に長生きし、「名馬」になりましょう。
宇江佐真理さんは、私の好きな作家だ。
これからも、この作家の小説を読み続けたい。
注:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より。
宇江佐真理(うえざ まり、1949年10月20日 - )は日本の時代小説作家。本名、
伊藤香。北海道函館市生まれ。函館大谷女子短期大学卒業。
OLの後、主婦。1995年、『幻の声』でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。
同作品を含んだ連作短編集『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』は直木賞候補に
もなり、注目される。