コロンブドール

Les Films de la Colombe d'Or 白鳩が黄金の鳩になるよう人生ドラマを語る!私家版萬日誌

歌舞伎初春鑑賞Goodでした!其の弐

2007-01-28 | La Colombe d`Or
さて夜の部は千穐楽近い三日前に鑑賞できました。

まずは「廓三番叟」(くるわさんばんそう)
幕が引かれると、緋毛氈鮮やかな長唄囃子が晴れ晴れしく奏でられ、
色恋派手でな吉原で艶やかな春を祝う雀右衛門さんの舞いで始まり、
富十郎さんの登場で全員での華麗な踊りが舞いられ、まずまずは軽快な始まりで
幕が開きました。
以前この歌舞伎座で雀右衛門さんの”藤娘”を観て藤の精の舞いの”色”に
感動した記憶がありま下が、今回も艶やかさの色にいたく感銘しました。
雀右衛門さん大正9年獅子座生まれとは信じがたいのですが・・・・色っぽい!!

さて次は、お待ちかね 「金閣寺」
悪名名高い国崩し役大膳に幸四郎さん、
手篭めにされそうになるが我を売らない歌舞伎の”三姫”雪姫に玉三郎さん、
大膳に近づく偽り東吉に吉右衛門さんが舞台一杯に三人三様演じられましたー。
大膳と東吉との”碁立”場面での緊張の中での東吉の当意即妙の面白さ。
更に後半の”爪先鼠”での玉三郎さんの艶やかな歌舞伎様式美の華麗さが
見もので、桜吹雪のなかでの大膳に言い寄られる雪姫の悲しみ、
夫直信(梅玉)との別れの場面での、縄に縛られた雪姫の愁嘆場。
”降り散り積もった桜の花びら”が雪姫が嘆き悲しみ動くと共に、
縛られた縄と同時にさまよう”桜の散るはかなさ”の愁嘆な美しさは見事でした。
雪姫の心情を歌舞伎様式美でまさにみせつけられました!!
また足の爪先で鼠を描く場面でも、着物の前がはだけその間から足を出し
桜の花びらで描く様子は色っぽい限りです・・・・。
この場面で気がついたのですが、女形の玉三郎さんの発声は
中国の京劇の発声に似ていたことに気づきました。
やはり東洋の芝居のルーツには共通点が見受けられましたのは
私なりの大きな発見でした。
またまた雪舟伝来名刀倶利伽羅丸の小道具の扱いで、
インスピレーションを得ました。
" 朝日に写せば不動の姿が現れ、 夕日に向かえば龍の姿を現す”名刀
滝に写る龍で雪姫が探していた家の宝剣であることに気づくのは劇的な
いい演出だと思いました。
今回の「金閣寺」は豪華配役も手伝い、”東西一”の掛け声よろしく
大きな収穫でした。

さては勘三郎さんの 「春興鏡獅子」
勘三郎さんの大奥での可憐な弥生の踊りから、獅子の精が乗り移り勇武な獅子舞を
ダイナミックに長く勇ましい白髪を振りながら舞う姿に劇場内は
大きな拍手でうずまりました。
劇場内では、一度観たのでしょうか一幕見席からいいタイミングで拍手、
掛け声がかかっておりました。これも千穐楽近くでの歌舞伎鑑賞の趣かも
しれません。いい体験でした。
また以前、他の方の鏡獅子を観た時は、髪は赤かった気がしますが
この白髪を振り回す勇壮な鏡獅子も趣がありました。

勘三郎さんといえば、一年ほど前 日テレ=松竹製作ドラマ
十八代目・中村勘三郎大型時代劇
河井継之助~駆け抜けた蒼龍・激動の幕末、北国にいたもう一人の坂本竜馬」
「でも、地元越後の 河井継之助 を演じてくれて、親しみのある方でしたが
今回の鏡獅子迫力ありました。
そうそう、以前撮影願いにあるお店に行った時、お店に
勘九郎さんー記念ぽち袋を見て、店主にお尋ねしましたら
昨日、このお店でー記念パーティーの打ち上げの一部をおこなった
と嬉しそうに話されていたのを思い出します。
そんな思いもあり、何かの御縁とおもい・・・・・。

最後の 「切られお富」
♪死んだはずだよお富さん で有名なお富さん
そのお富さんを福助さんが美貌のお富さんと悪婆のお富さん。
人に潜む深い二面性を初春演目にふさわしく軽いのりで場内を
笑わせくれました。

正月から、大歌舞伎を観てすっきりしました!

今年は春から~縁起が良いやー!! デデデン~ カチカチカチカチ・・・・


歌舞伎公式ウェブサイト